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豆と雲(仮)  作者: 醤油団子犬
5/29

5 豆登場

 あんまびっくりしたので思わず水を手に取って

「ハイッ!」と勢い良く渡した。

 彼はものすごい速さでキャップを開け、ゴクゴクと水を吸い込んでいく。

 この隙に逃げよう。

 面倒事は御免だ。

 そろりそろりと彼から遠ざかるが、あっという間に水を飲み干した彼が私の様子に気づく。

 一瞬きょとんとした顔だったが、すぐに破顔して駆け寄ってきた。

「ありがとう、本当ありがとう。死ぬかと思ったんだ、喉が渇きすぎて。そうだ、お礼をしないと。」

 彼がゴソゴソ服を探っている。

「お礼とかいいですから、お互い様ですし、あはははは。」

 何がお互い様何だろうって、心のなかで突っ込みながら彼から遠ざかる。

「そうだ、これをあげよう。」

 彼の手の中にあったものは巨大な豆だった。

「いえ、本当にいいんです、自分急いでますんで。」


「これね、植えたらすぐに育つから。適当に水あげるだけであなたが本当に欲しいものが手に入るはず・・・だったかな?」


 彼の握りこぶしを軽く上回るくらいの巨大な豆を、私にグイグイ押し付けてくる。


「大金が手に入るんだったかなぁ・・・魔法が使えるようになるんだったかな・・・モテモテになれるんだったか、確か、きっと良いことがあるんだったよ、うん。」

 効果が適当すぎるじゃないか。

 無理やり私にその豆を押し付けると彼は大きな声で


「じゃねーー、ありがとう!」

 と叫びながら来た方向とは逆に走り去っていった。



 童話であったよね。金の卵を産むアレとか、巨人とか、アレ?みたいに斧で最期木を切り倒すとか?


 何が何やら分からないが、早くばあちゃんの顔が見たくなった。




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