表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
豆と雲(仮)  作者: 醤油団子犬
1/29

1,初夏の半日

まだ日常ばかりでファンタジーは登場しません。

暑い。

コンビニってあらゆる意味で便利で有ってほしい。

仕方がないんだけどね。

こんな田舎の果てじゃ、 文句の言い様もない。


お水やらお菓子やらしょうもない重たい物を、 いやいや自分が買っといてしょうもないって事は無いよな、

なんて自分に突っ込み入れながら、 田舎道をトボトボ歩いていた。



 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



29歳の誕生日を迎えてから、向いの席の課長が煩い。

「彼氏が居なくて悲惨だな。」とか、

「結婚の予定がない女は本当可愛そうだな。」

色々、 煩わしい。

構っているつもりなのかもしれないが、こちとらアンタに興味はないです。

全部、

「そうですねー。(棒)」で返している。

48歳独身の剥げかかったオヤジに何言われても、突っかかる程の興味もない。

却って周りの女性社員の評判、自分でガタ落ちさせてるんだもの。

周りの女性にも耳は付いてるのよ。


アホくさ。


淡々と日報に入力し、異常値が無いか確認、

合間に「そうですねー。(棒)」

を挟み、午前中の雑事をこなしていく。




「宮前さーん、ランチ行こうよ、明日の確認も兼ねて。」

お、遊佐君だ。サラッサラした髪と綺麗に整った顔でにっこり笑っている。



彼はゲイだ。偶然、春先に彼が男の人とすったもんだしている場面に出くわし、知ることになってしまった。

以来、私は彼の女よけのありがたーーい友人としての地位を獲得している。




彼が揉めていた翌日、口止めを兼ねてランチをご馳走してくれることに成った。

会社には内緒、いい友達になろうぜ、なんて確認の後、

「宮前さん、この会社で全然モテないでしょう。」

「え、どーゆーこと??」

別に美人でもなく若いわけでも無いのでモテる事に別段興味は無かったりするが、訳は気になる。

遊佐くんがキラキラした目に笑いを浮かべながら説明してくれる所によると、あのヅラ課長が

「宮前は、オレに気があるみたいだ。いやー、参ったな~がはははは。」

なーんて、若手社員を引き連れての飲み会で聞いてもいないのに何度も何度も宣言しているそうな。

「宮前さんの態度見てりゃ、事実はわかるけどさ、敢て火中の栗を拾う人はいないよね。」

若手社員への牽制なんだそうだ。誰も手は出すなよという。

「でもね、全然嫌味ばっかり言われて、口説かれたことなんてないよ。」

嫁の貰い手がないとか、彼氏なんて出来ないとか意地悪ばっかり言ってくるのに。

「プライド高いんだよ?自分から告ったりせずに宮前さんから言って欲しいんじゃないの?

ほら、好きな子に意地悪するっていう小学生のメンタリティー的な。」

あの嫌味三昧は告白を促してるアプローチのつもりなんだそうだ。

「分かるわけ無いし、嫌いだよ。」

遊佐くんはクスクス笑うばかりだった。



午前中の入力も切りが良い処で丁度終わり、遊佐くんと外にランチに行くことにする。

課長がジト目で睨んでいるが、全く気にしない。

ホワイトボードの欄を昼休憩に変え、遊佐くんとパスタを食べに外に出た。







ドキドキです。読んでくれてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ