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仮面の勇者  作者: 偽陥 アニア
仮面の勇者 第一章 神殺編
16/20

仮面の勇者 16

仮面の勇者第16話

今回は何が起きるのか

さぁ、冒険の始まりです。

 仮面の勇者 16話


 :戦争の前の日常 1


「アオイ! それは本当かい!?」


 ケルがそう叫ぶ


 1週間前、僕とナノは光の国ハルファウルにいる領主の館を襲い得た情報


 2週間後にハルファウル、シルファン、ワラン、エリフェルの4カ国同盟がここ、獣人の国ヴィラストに戦争を仕掛けるということ


 この情報を得た後は動揺してすぐに宝をとって逃げてしまった


 あの領主は奥さんを殺していた上に、メイドに手を出していたからか、王にしっかり裁かれたらしいが


「問題は戦争の事だねぇ」


 戦争は4対1、圧倒的に戦力差がある


「ケル、戦力はどうなんだ? シルファンは行った時あまり武力なさそうだったけど」


「エリフェルには世界最強の魔導隊、シルファンには聖騎士ティルサ・ニゥフェ」


 そっか、シルファンにはティルさんがいたな、ティルさんめっちゃ強かったけど


「ハルファウルは突出して強いわけじゃないけど、雷の国クレリチアから武器を多く輸入してる」


「そっか、国が近いから、でも戦争が始まったら輸出をやめると思うな」


 たしかクレリチアはヴィラスト側についていたはず、それに、もうすでに輸出を止めてるかもしれない


「最後に水の国ワラン、ここは調教師(テイマー)が多くいるからねぇ」


 調教師、テイマー、魔物を自在に操って戦う役職


「なぁケル、テイマーってどんくらい強いんだ?」


「そうだねぇ、かなり強い役職だよ。だって単純に戦力が2倍になるからねぇ、それに冒険者ランク3とかでも普通の人のランク5くらいの力はあるよ!」


 テイマーはランク3でも普通の人のランク6くらいの力


 それが多くいる、ケルが言うには最低でも1万はいるとか


 怪盗の時はワランに全然行ってなかったから知らなかったなぁ


 ハルファウルは騎兵隊とかいたけど、突出して強くはない、戦力は中の下くらいだろう


「数で考えると圧倒的にこっちが不利」


「よし、アオイ! 王のところに行くよ!」


 王? もしかして、ケルのお父さんかな?


 2


 王城、半壊していたが半分は残ってた、国民も多いし避難所とかとしても使われてるのかも


「父さん!」


 ケルはそう言い王であろう人に近づいて行った


 その人は王という格好じゃなく、普通の平民とかと同じような格好で、子ども達に寄り添っていた


「数日ぶりだな! ケル!」


 半年前、この国に来てすぐにケルは王に会った、その時王は泣いて喜んでいた


「アオイ殿も久しぶりだな!」


「お久しぶりです、ウミュウさん」


 その後、王の部屋に行って戦争のことを伝えた


 3


「なるほどな、残り1週間、先週もこの話をしに来ていたな」


「そこでウミュウさん、どうしますか?」


 僕は戦争は嫌だ、戦ったら誰かが悲しむ


 ウミュウさんは左目の眼帯を外す


「私も戦争は嫌だ」


 そうだ、この国の人たちは、戦争なんてしたくない


「こんな時、シーニィさんがいてくれればな」


「シーニィ?」


「父さん、シーニィさんが来ると思うかい?」


 2人ともシーニィさんって、そう言えばシーニィってまだかなりの謎があるよな、いろんな人がさん付けで呼んでるし


「シーニィさんは来てくれるさ」


 あいつ、ここまで信頼があるのか


「それにしても、戦争を止めるのが最優先だよねぇ!」


 戦争を止める、エリフェルの王と話し合いができたら良いんだけど……


「でももし戦争が起きたら、どうする」


 戦力差が大きい、今はこの国に軍隊はない、戦えるのはネストさんが率いる奴隷解放軍と僕達


「起こさせない、そうするしかないのさ」


 ケルはそう言い手をパンと合わせた



 :嵐の前の静けさ 1


 僕は戦争の事、今までの事、いろいろな人から言われてきたことを思い出した


「英雄……」


 僕は、英雄が何か、わからなくなってきた


 元々、誰かの役に立ってチヤホヤされたい、褒められたい、人から好かれたい


 そんな気持ちが、僕が英雄になりたいと思った本質だ、でも、それだけじゃない


 昔、よく見ていた特撮ヒーローのシリーズ


 その中でも一番好きだったヒーロー、みんなの希望、最後の希望、絶対に諦めないそんなヒーロー


「でもあれは、英雄って言うよりも、もっと他の……」


「アオイー、何1人でブツブツ言ってんだ? キモイぞ?」


「いたのかナノ、それよりそこに跪いて(こうべ)を垂れろ、謝れ、キモイって言ったの謝れ」


「やだー」


 ナノはそう言い僕の上を翼を広げて飛ぶ


 そういえば、ナノともだいぶ長い付き合いだよな


「なんかさ、僕の思想がわからなくなってきたんだよ」


「思想? お前、もしかしてなんかやらかした?」


「なんでそうなるんだよ。いや、でもそういうことかもな」


 昔の僕は、ちゃんと地面に足をつけて一歩一歩踏み出していた


 でも、この世界に来て、普通じゃありえない体験をして、英雄になりたいって夢が叶えられそうで


 それが、嬉しいのに、なんか、違う気がして


 雲のように、フワフワ浮かんで、僕を作っていた正義が無くなってしまったかのように


「僕は元々、人助けは好きだった、英雄とかチヤホヤとかそんな事関係なしに」


 どうしたらいいんだろう、そんなことをずっと考えてしまう


「どうでもいいだろ、そんな事」


 ナノが決めポーズを決めて言った


「昔のアオイならこう言ってたんじゃない? それにさ、成長って昔の自分から変わるって事だけじゃないとおもうぜ!」


「昔の自分から変わるだけじゃない?」


「ああ、昔のお前は困ってる人を助ける、リゼからはそう聞いたけど」


 昔、多分あの時、リゼと初めて出会った時、僕はただリゼが困ってたから助けた


 そこにチヤホヤされたいとか、あったか?


「お前はこの世界に来てから人を助けてチヤホヤされるようになった、それで浮かれたんじゃない?」


「いやいや、僕が浮かれるって……」


 いや、でも元の世界では周りの人から避けられて、この世界で頼られて


「俺はさ、ティルサとかの言ってる事は正しいと思うよ」


 覚悟がないとか、人に頼ってばかりとか


「僕は、もうわかんなくなってきたな」


 なんかもう全部ごちゃごちゃで、何が正しいかわからなくて、何をすればいいかわからなくなってきた


「アオイが生きるには、誰かの言葉が必要なんだな」


 僕は驚いた、確かに僕はずっと誰かの言う通りに生きてきた


 誰も殺したくないのは両親から言われて


 みんなと旅をしたのはユールに言われて


 変わりたいと思ったのはティルさんに言われて


 なら、なんで僕は人を助けたいんだろ


「英雄より、ヒーローより、自分の言葉で」


 2


 あの後、僕はナノと一緒にアジトのリビングに来た


「あれ? 愚三と壊四は?」


 ネストさんはスパゲティを作って待っていた


「あぁ、彼女達は外で子ども達と鬼ごっこしてるよ」


 呑気だなぁ、いや、平和か


 その時、拠点のドアが開いて、シーニィが入って来た


「………え? シーニィ?」


「よぉキョーダイ! それに猫の嬢ちゃんにネスト!」


「シーニィさん! 久しぶりじゃないか!」


「どうしたんですかシーニィさん! なんでここに!」


 いや本当になんでシーニィがここにいるんだよ、嫌ってわけじゃないけど


「まぁ、俺ぁ力を貸しに来たってわけだ」


 その後、シーニィに戦争のこととか戦力差の事とかを伝えた


 戦争が起きるまで約1週間、他の国を偵察したりしてわかった、エリフェルに大量の輸入船が入ってる事が


「まぁ戦いだけは俺に任せとけ、どうにでもなる、それよりも今大事なのは」


 シーニィが言いかけた時、扉が勢いよく開いた


「グミちゃんが! グミちゃん達が攫われた!」


 3


 壊四が扉を勢いよく開けて部屋に入って来た、後ろに2人子どもがいた


 全員息切れしていて必死さが伝わる


 3人を落ち着かせて話を聞いた


「愚三と子ども11人が、謎の黒いローブを着た集団に連れ攫われた……か」


 ネストさんは腕を組んで考えている、心当たりでもあるのかな?


「多分、それはエリフェルの魔導隊だろう、確か隠密部隊ってのもあった気がするし」


 隠密部隊か、透明化とかの魔法が使えるのかな


 いや、それより愚三と子どもが11人攫われた、これは普通の人攫いじゃないよな、計画的というかなんで愚三を攫ったのかとか


「あ、シーニィ、さっき言ってた大事な事ってなんだったんだ?」


 さっきそれよりも大事な事とか言ってたけど


「あぁ、そりゃ子ども達まで攫われた事だ、愚三が攫われたのも大分やばいけど、子どもの方がマズイ」


「なんでだシーニィ? いやまぁ子ども達がどうでもいいって訳じゃないけど」


「そりゃ、戦争の火種になっちまうからな」


 そっか、獣人は仲間意識強いし、連れ去った人達が敵軍ならそれを理由に攻められるのを待ってるのか


「ん? て事はあいつらは攻めてこないって事か? ならここで待ってたら……」


「いーやキョーダイ、そうもいかねぇんだわ」


 シーニィがそう言い右手を挙げると、手紙が巻き付いた矢が飛んできてそれをキャッチした


 魔力を帯びてる矢、かなり遠く、まさかエリフェルから飛んできたのか?


「矢文かい! シーニィさん! 内容はなんだい!」


 シーニィが手紙を開けると、とても丁寧で綺麗な字で書かれていた


[貴方達から預かった子ども達11人、殺されたくなければエリフェルの城へ来なさい、戦争になるでしょうけどね]


「完全に誘ってるな」


 エリフェルに行ったら軍事侵攻だなんだ言って戦争を起こす気だ


「行くのはキョーダイ、猫の嬢ちゃん、壊死、ナノだな」


「え、いや、シーニィ、行ったら戦争になるって」


「大丈夫だキョーダイ、戦争はお前達が止める、エリフェルに行って王に会え」


「シーニィさん! もしこの国が攻められたらどうするんだい! 軍なんて今のウチには無いよ!」


「大丈夫だ、俺がいる」


「大丈夫なわけないだろ!? シーニィ1人で何ができる!」


「安心しろキョーダイ、お前なら俺を信じれるはずだ」


 何言ってんだコイツ、1人で何ができるんだよ


「シーニィさん! アタシ達に何ができるってんだい!」


「そ、そうですよシーニィさん、たった3人と1匹じゃ、なにもできませんよ」


「行くだけでいい、行けばわかる」


 さっきからシーニィの奴、何言ってるんだ? 少し焦ってるようにも見えるけど


「俺も、シーニィさんの意見に賛成です」


「ネスト! アンタ何言ってるかわかってんのかい!」


「安心してくれケル、それに、戦わなくちゃ勝てない」


 確かに、戦わなくちゃ勝てない、僕達が行ってどうにかなるなら、行ったほうがいいのかもしれない


「僕は……行く」


「んな、アオイ!」


「じゃあオレもアオイに賛成だ!」


「……私も、私もグミちゃんを助けたいです!」


 ケルがあわあわしてる


「………はぁ、やれやれだねぇ。わかった! この国は頼んだよ! ネスト! シーニィさん!」


 4


 エリフェルまでは数日かかる、その間にエリフェルは戦争の準備をするはず


 四つの国、どこも強い、それに比べてこの国、ヴィラストは戦力も無いし他の国と同盟も組んで無い


 だから、ヴィラストに軍が侵攻してくる前にエリフェルに行き戦争を止める、なら


「転移魔法……」


 でも、この距離、この人数での転移魔法、マイラなら簡単にできそうだけど


「キョーダイ、転移魔法なら俺に任せとけ」


 そう言いシーニィは指をパチンと鳴らす、その瞬間、目の前の風景が白くなる


 それから少しして、霧が晴れるように周りの風景が変わった


 気づくと、エリフェルの手前まで来ていた



 :心情、(ただ)虚しく 1


 3ヶ月前、エリフェルで私はユール様、ガモ様とカフェのテラスでお茶を飲んでいた


 座っている席はパラソルがあるけど、雨が降っていないのに、なんで開いてるんでしょう?


「最近、マイラも帰ってこなくなったな」


「……アオイもケルも、監獄から消えてしまった、僕達は、どうすれば」


 先月、アオイ様とケル様が監獄を脱獄したと新聞に載っていた


 それに、この国の魔導隊長が失踪し、マイラ様はこの国の王様に呼び出され、最近は宿に帰ってきていない


「はぁー、どうすっかなぁー、俺たち」


 ガモ様は頭を抱え、ユール様は新聞紙で顔を隠して上を向いてる


 私達は今、置いてけぼりという状態なのかもしれません


 皆様が大変な状況にあるのに、私達は何もできない


「この国に入ってから、ミーフィと文通もできないし……」


「アオイ様とも全然会えないし……」


「はぁ、ほんと、無気力だー」


 集会場の依頼を受けても、やる気が出ませんし、何もできない自分達が嫌になります


「観光もおおかたしちやったし」


 この国には昔、多くの異世界人がいたらしいです、雷の国クレリチアにと同じビルが多いですが、ほとんどは廃墟になってます


 この国には横文字のものが多く、このカフェやテラスとかも元は英語というものらしいです


 ふとユール様の顔に被さっている新聞を見ると、「怪盗出没!」といつ文字と写真が貼ってあった


「あ、またですね、怪盗タンザナイト」


「あぁ、最近よく見るよね、なんだっけ、義賊ってやつだっけ?」


 悪い貴族から宝を盗み秘密を暴く、それが怪盗タンザナイト


「それにしても、怪盗タンザナイト、かっこいいなぁ」


 ガモ様はそう言いユール様の顔から新聞をとった


「はぁ? あれのどこがかっこいいのさ、あれは犯罪者だよ犯罪者」


「そうかぁ? 俺はんな事ねぇと思うけど……」


「だって泥棒だよ、人の物を盗んだら泥棒なの。それに、きっとソイツは義賊って言われて、チヤホヤされていい気になってるのさ」


 ユール様はそう言ってムッスーとしていた


「……あ! そういえばこの怪盗、アオイと同じで、仮面つけてんだぜ! ほらユール、見てみろよ!」


 ガモ様はユール様に押し付けるように見せている、でも確かに、タンザナイトさんも仮面をつけてるし


「そんな訳ないだろガモ、タンザナイトは女性がつける宝石だろ、アオイな訳ない」


 写真をよく見る、でも写真がブレてる上に白黒だし見づらい


「あ、でもアオイ様、タンザナイトの事知らないかも……」


 アオイ様は異世界人だし、こっちの常識を知らないんじゃ


「可能性は………だいぶあるな。アオイだし」


「もしかして、アオイは知らずに名乗ってる?」


 お2人とも、かなりあり得るという顔をしている


「あ! なら探してみませんか! 怪盗タンザナイトを!」


「え? リゼ、探すってどうするんだい?」


「もちろん! 根性で!」


 お二人とも少し引いた顔をしている


「リゼ、アオイに似て来たね」


「え! 本当ですか! ありがとうございます!」


「褒めたつもりではないんだけどなぁ……」


 しかし、本当にタンザナイトがアオイなら、探していろいろ聞くのもアリかも……


 2


 数日後、また仮面の怪盗タンザナイトが現れた、最近は頻度が高くなっている


「それにしても、シルファンの次はワラン、エリフェル、タンザナイトがアオイだとしても、どうやって移動してるんだ?」


「あ、そういや俺、アオイがバイク作ってるの見たぞ」


「ガモ様、バイクってなんですか?」


「なんか、二輪車、まぁ異國弐閃で作ってるから血ぃ失うらしいけど」


「あぁ、そういえばこの前船の上で何か作ってましたね」


 でも、あれが飛ぶんでしょうか? あまり飛びそうな見た目には見えませんでしたが……


「そういえば、タンザナイトは何かヘンテコな機械に乗ってるって聞いたこともあるね、確か写真もあった気がする……」


「それ聞くとやっぱり、アオイはタンザナイトっぽいよなぁ」


 ヘンテコな機械がそのバイクなら


「それにあのバイクの形、めちゃくちゃカッコいいしよ、俺が見りゃ1発でわかるぜ」


「え、ガモ、ああいうの好きなの?」


「ああ、なんつーか、心踊るというか、心が湧くというか」


 その時、視界の向こうのほうで獣人の子どもの姿が見えた、奴隷だ


「おらっ! 早く歩けっ!」


 子ども達は鞭で打たれている、ボロ雑巾のような服を着させられ、裸足で歩かされている


「……奴隷か、まぁ、見てて気持ちのいいものではないよね」


「まぁユールの言う通りだな、でもマイラならこう言うぜ、仕方ないってな」


 仕方ない、それで割り切るしかない、奴隷制とはそういうもの


 多分、アオイ様でさえ、奴隷制を消すことはできない


「考えてても仕方ない、僕たちはいっかいの冒険者に過ぎないんだからさ……と、言いたいけど、やっぱり奴隷は嫌だな」


 ユール様は立ち上がり奴隷の子たちを助けに行った


「奴隷商人の君、この子達がかわいそうだと思わないのかい?」


「あ? なんだテメェ、引っ込んでろ」


「悪いが、引っ込まないよ、僕はこういうのが嫌いでね」


 ユール様がそう言い奴隷商人の腕を掴む


「テメェ、憲兵呼ぶぞ! あぁ?!」


「言っておくが僕は」


 その時、上空から箒に乗った魔女が降りて来た


「そこの御仁もユールも、そこまでだ」


 私たちの仲間、マイラ様が止めたのだった


 3


「何しに来たんだよ、マイラ」


「別に、仲間の元へ戻ってくるのは当然だろう」


 ガモ様は話さないし、ユール様とマイラ様は睨み合ってるし


「仲間? 君はアオイとケルを裏切って僕たちから離れた、もうこのパーティから抜けたってことじゃないのかい?」


「………これは必要なことだ、だから許せ」


「ふざけないでくれよマイラ、珍しく僕は怒っているんだ、もう一度聞く、何しに来た?」


 マイラ様のことですし、ただ戻ってきたということではないのでしょう


 マイラ様は腕を組んで私たちを見つめて言った


「お前たち、この国から出て行け」


 言葉は厳しいが、マイラ様の目は本気だった。それでもいきなりこんな事を言われたのは驚いた


「もうすぐここ、エリフェルで戦争が起こる、冒険者も戦場に駆り出される、だから出て行け」


 戦争? まさか、最近関係が悪化しているヴィラストと?


 その時、ユール様が口を開く


「僕たちは出てかない」


「……はぁ、頼む、本当に心配して」


「心配してるのはこっちだ! マイラは何も言わずにどこかへ行くし、ケルとアオイもいなくなるし!」


 マイラ様は目を閉じてため息をついた


「わかった、なら、せめて戦場で死んだふりでもしててくれ」


 そう言いマイラ様は箒に乗って行ってしまった


 その後、宿屋に帰ってもずっとユール様は黙っていた


 こんな事が起きたけど、それでも、またお二人が仲良くなれるといいな


 それに戦争なんて本当に起こるわけない、数日経てばまた元に戻るはず


 そう思いリゼは眠りについた


 本当に戦争が起こるとも知らずに



 第16 終

仮面の勇者第○話を読んでいただきありがとうございます。


今回は戦争のこととマイラやユール達のことが書かれました、それに最近文字数減ってる気がします

次回は戦争編、シーニィの無双が起こります、お楽しみに


それではまた次の話で会いましょう。

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