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永伝(エデン)   作者: ちがタニ
永伝(エデン) 第3章
36/36

13.彼の才能(最終回)

前回のあらすじ

皆と共に仁羅祭に会いに行った久達、偽物であるという疑念は食卓を囲む中晴れていき…月壊も感動に浸る。そして久は彼の良い変化を確定させるべく最後の証明に入る、しかし彼は仁羅祭ではなかった意表を突かれた偽仁羅祭はその場から逃げ久達は急いで追いかけるのであった


「待てえええ…!?」仁羅祭が割った窓を通りいち早く外に出た江美は、己の目を疑った

「空が赤い…!?」透き通る青空はそこになくそれはただ、真紅で満ちていた


「仁羅祭の能力です!」月壊がそう叫ぶ

「来たか久!」「ああ!それより月壊、能力とは…?」

「…力剣士の道からそれた仁羅祭は、鍛錬によって人の身で核エネルギーを放出する術を得たんです。あれは、その影響でしょう」


「はっはっはっはっはぁ」

「!!!!!!!!?」髪が逆立ち空に向かってなびく仁羅祭がそこにいた


「仁羅祭…!」

「僕はそんな名前じゃない!いいだろうこうなっては今更隠す理由もない、僕は雄司様に仕える忠実な部下!名は黒月(くろつき)だ!」元より年長者の顔立ちだった仁羅祭の顔はそれよりもさらに歳を食った老人へと変わっていた


「なに!?」(雄司の部下…そんなまさか)

「きっ久、あいつは私が…」

「うぉぁあ!堕悪死手ぉぉぉぉぉ!」江美が口にするより速く、堕悪が仁羅祭に向かっていった


「はははははっ」ガスッ

「うぉっ!?」仁羅祭は宙に浮いて堕悪の攻撃を避けた

「あいつ、飛べるのか?」

「…っ邪気一閃!」江美が飛び立つ


ヒューーー それに合わせ仁羅祭が高度を上げた

(!?まずい…飛距離が足りない、邪気乱雑では射程不足だ、飛技を撃つか…?)

ドシャァァァン

「うぐっ…」江美が吹き飛ばされる


「あっ…毒闇君!落下予想地点にワープゲートを!」

「わかったワープゲート!」ブォン ドサッ

「うっ…」


「江美、大丈夫か?」

「あいつ、どうやら能力すら完全に仁羅祭と同じのようだな」

「そんな、そんなことがあるんですか?」


「はははははっこれこそ雄司様に頂いた力、能力奪取(のうりょくだっしゅ)!」赤い大空に手を広げ黒月が語り始める


「能力とは、一概に異能を指すものではない…人の能力とは見た目、声、力、知識に思考力だって立派な能力だ、僕はその全てを奪い取る!そして、能力の中でも才能と呼ばれるものは何者にも勝るのだ!」 ドゥーン ドゥーン ドゥーン ドゥーン ドゥーン ドゥーン ドゥーン


仁羅祭が放つ核エネルギーが降り注ぐ

「ぐっ、このままじゃやつに指1本触れられねえ」

「高度が高すぎる、邪気一せは愚か堕悪の手、毒闇殿の鎖、久の龍槍刃ですら届かないとは」

「ワープゲートも無限に出せるわけじゃない、やはり遠距離攻撃かやつと同じように飛ばなければ…」


「なら俺が行きます、風属性能力:風翼!」

飛ぶという言葉を耳にした隼が考えたままに飛び立った

「ま、待て隼!お前だけじゃ」「隼ー!」


「はっはっはっ君に僕の相手ができると?」

「やってみなきゃ、わかんねーだろうが!」

「はっはっはっかかってくるがいい」ジュバァン ドゥ ドゥ ドゥ ドゥ ドゥ ドゥ


「くっうっはっ!風刃!追い風!」シュキィン 風の刃が仁羅祭の顔をかすめる


「あっいいぞ!隼その調子だ!」

「くっ、手を出せないのが歯がゆい…」

「隼…」(私にもなにかできることは…そうだ!)


「はははっ、確かにスピードだけはあるようだね…ならば足止めに全力を割くとしようか!」デュー デュー デュー デューン 黒月の放つ核エネルギーが隼にまとわりつくように飛び交う


「くっ…」(触れないよう慎重に…) しかしそこへ変則的な軌道のエネルギーが迫ってきた

「ははっこれなら、長くは持つまいさ!」

「くっうっぐっ…あっ!」隼はエネルギーのひとつに手が触れてしまった


「うっ…なんだこれは視界が!?」エネルギーが隼を包み込み視覚を奪った

「はっはっはっ、これで終わりだ!」

「まだよ!隼ー!」「何?」キュイーン

「聖光大剣!」光が隼を覆うエネルギー向け光り輝く大剣を投げ飛ばす


ズバァッ

「でかした光!これで視界が…!?」隼のすぐ目の前には黒月がいた

「な、なんで?あんなに距離があったのに…」

「はははっ考えればわかることだ、足止めに全力を割けるならスピードに全力を割くこともできるということだ!能力奪取!」


「があぁぁぁぁぁあ!」しばらく叫び声を響かせたあと地面に向かって落下する隼

「毒闇君!」「ぐっ遠い…」

「了解!ここで使うことになるとはね、天才発明道具:超絶軽量マット!」赤根の手から放たれたそれは地面に付くと巨大化し隼を受け止めた

「ふぅ、ギリギリセーフ」

「隼ー!」光が隼に駆け寄るその瞬間


「隼大旋風!」2人に向けそれが放たれた

「なっ…!」シュッ 江美が急ぐが…


「うおあああああああ!」

「堕悪!」黒い手が勢いよく消耗していく

「くっ、邪力…」「するな!」堕悪が江美の言葉を遮る


「何を言ってるの堕悪!」

「っ俺は、耐えられる…久お前が作戦を立ててくれ、俺はその間お前達を守ってみせる」その瞬間、風が止んだように静かに感じた


「堕悪…わかった!だけど回復はして、江美!」

「あ、ああ邪力譲渡!」ひとまず黒い手が形を取り戻していく

「久!」「大丈夫だ堕悪…毒闇!赤根!2人はそのまま攻撃を警戒、光!あなたは隼の回復を…黒月は私が倒す」短い沈黙が流れた…


「隼大旋風!」

「きっ邪魔すんな!ワープゲート!これで風を掻き乱せば…ぐっ」

「毒闇君!」「大丈夫だ!」


「な、それは…!」

「私も風属性が入ってる、機動力は落ちるけど攻撃することは出来る」


「だ、だがひむぐっ…」江美が堕悪の口を覆う

「そうだな、私達ではやつに取れる手はないここは久に任せるべきだろう」


「ありがとう江美…風翼!」久の背に風の翼が生える

(伝永雄司…災厄の男の手下!) 感情が昂り核エネルギーの流れが勢いを増す

「これであいつを倒…」言いかけた久は、肩に置かれた手を感じて振り返った


「優…どうした?」それは彼女の純粋な気持ちから来る戦前の鼓舞と思ったが…

「えへへっ…風翼」ヒュゥーーー 優の核エネルギーが雄へと流れ、久の背には2つ目の翼が生えていた


「優?」「久、これで私も一緒だよ」

「隼!大旋風!」ギュオオオオオオ それが2人に襲い来る


「優…ありがとう…」ゴォォォォォ ガゴォゥ

2つの風翼が飛び立つ勢いで、隼大旋風は掻き消された

「なにっ!」

「…流槍刃!龍槍刃展開!」龍槍刃を中心に据えて4本の流槍刃が鳥の尾翼のように空に靡く


「くっ才能に恵まれた者め、その能力も奪い取ってやる…!」

「連続ぅやいばあああああ」

「来るか…ならばこちらは波状攻撃だ!」


ジュンッ ビュゥン ジュンッ ジュン ビュンッ

「ぐぅぅぅ何故だ、何故当たらない!」

「黒月、こんなことはもうやめないか?私は今のお前なら仁羅祭でもいいと…」

「うるさいうるさいうるさい!才能があるからって…選択肢に満ちた不自由のない顔をしやがって!才能のないものは死を選ぶしかないというのか!」ゴゥゥゥゥゥ 黒月の周囲に核エネルギーが集中していく

(まさか、自爆する気か…?)


「そうはさせない…追い風!」黒月の懐に飛び込み龍槍刃を伸ばす…

「取ったぁ!」「!!!!!!?」黒月が龍槍刃をその手で掴んだ

「喰らえ能力奪取!はははははっこれで雄司様と同じ力が手に入…」「龍槍刃!」ギュリルリィン

「!?」龍槍刃は確かに黒月の体を引き裂いた、しかし出来た傷は一瞬のうちに跡形もなく消えた


「ぐはっ…うぅなぜだ?なぜ奪えない?」

「…やはりな…黒月、あなたは完璧に仁羅祭になることが出来なかった。それはあなたが心を奪えなかったからだ!」

「心だと!?」


「ええ、仮に裏表の激しい仁羅祭の性格や考え方を奪えていたとしても結局、仁羅祭の人となりを構成する心がなければ気づかれるのも当然、そして龍槍刃は核から生えている。核は心にも等しい、だから流槍刃を奪うことはできなかった…」


「心?心だと?ふざけるな、僕は能力を人の全てを奪い取ることができるんだ!そして能力の中でも、才能は全てを凌駕するんだ!心なんぞに…負けるはずはない!」


「そう?勝ち負けは置いておくとして私は、あなたの持つ能力なんかよりも世界をよりよくしようとしていた、あの心の方がよっぽど素晴らしいと思うけど?」


「はっ何言ってる?そんなこと伝永久の注意を引いて状況を観察せよとの命令があったからに過ぎないさ!」


「それであの、混合属性アイドル?そんなこと思いつくなんて本当にいい心の持ち主みたいね」

「そ、そんなそれじゃあ僕はどうすれば…」

「今はとりあえず大人しくしてもらう…全てはこれが解決してからよ」




「…」縄で縛られた黒月は項垂れていた

「落ち着いたら、洗いざらい話してもらうわよ…」

「僕の母星…ゲンムは不老不死、普通は10代〜20代前後で肉体の年齢が止まる。でも僕は才能によって、こんな老体になってしまったんだ…だから…」

「ふーんひとまず犯行動機は完璧ね、さてじゃあ…」


「仲間に、夜暗先本という女はいるか?」久の言葉を遮って江美が食い気味に聞く

「仲間…?」

「雄司の部下のことだ、お前以外には誰かいなかったのか?」

「仲間って?雄司様の部下は僕ひとりじゃなかったのか?」


「あぁ…これは」

「見事なしっぽ切りだ、流石だな久の親父さんは」

「かはぁー手がかりなしかぁ〜」赤根がついため息をついた

「うぅ…」

「あっ隼ー!起きたの?」

「うへぇ、また負けたのか俺…」

「もぅそんなのどうだっていいじゃん、能力戻ってきたんでしょ」

「まーそうだけどさぁ…」

「良かった!本当に良かった!」

「ちょ堕悪さん大袈裟だって…」


「じゃあ次に、仁羅祭の核はどうした?」

「核?えっとあー確かに能力奪取を使った時なにか転がっていたものがあったな、たしか国守官管理所に置いてあるはずだ」


数分後…

「これか…生きているようには見えないな」仁羅祭の核は、黒ずんでいて回復を受け付ける様子も見られなかった


「まあいいか…黒月、あなたの処遇が決まったわ」「ああ…」

「あなたは今までと同じように仁羅祭として生きていく雄司のことなんて忘れて成すべきことを成すのよ」「ああ…ぁぁぁ」


「月壊もそれでいい?」

「ええ、まあ初っ端から情けない姿しか見れてませんが…この人なら文句はありませんよ」

そうして仁羅祭と月壊は来た道を引き返して行った


「待たせてごめんなさい…優」

「全然、平気だよ久っ」

「私…こんな喋り方で似合わないよね?」

「ううん、私はどんな久でも大好きだよ」パァァ

「優!私も優が大好きよ、ありがとう私を助けてくれて…これからもずっと一緒よ」

「うん、久はこれからもずーっといっしょ!」

永伝第3章 ご読了ありがとうございました

そして第4章に関してですが、元本と短編の執筆のため遅れます。元本と短編を読んでお待ちください

第4章はエロギャグ臭の強いものとなっているので消されないかが心配ですねー

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