4.最初で最後の夜
前回のあらすじ
恐るべき邪眼族のRED・レーザーにより残る対抗勢力はカセイとロウ国のみに
疲弊した久達の元へ駆けつける邪族軍
作戦会議の末、邪眼族達を生かすための戦いが始まる。そしてひと時の休息を噛み締めた邪眼族もまた己達のための戦に赴くのであった
「REDレーザー、第2発射準備完了!」
「撃て!」
ビオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
「次!来るわよ」
「邪炎咆哮波動砲!」ゴフォアアアアアアアアアア…ドファァァ!
再度のREDレーザーに対し位置を合わせより早い段階での相殺に成功しさらに接近する戦闘機
「ぎっ…このままでは埒が明かん!」憤慨した爺符は兵に告げる
「ラウメア主砲、1番と3番も動かせ!目標に対し限界まで砲を向け、3門同時発射だ!」
ガコンッ 「えっ?」
正直達は見た、巨大戦艦の主砲が一瞬にして3門に増えたのを
その後は簡単だ、皆の顔が青ざめ泣き叫び悲鳴をあげ罵り合う、喧喧たる様が見て取れる
しかしそれすらも一瞬で薙ぎ払う。冷酷無惨な光が…
「発しy…」ピピピピピピピピ
「ひ、飛翔体接近!解析結果:該当データなし、未確認の物体です」
「構わん…」(どうせこの星の技術などたかが知れている、それに主砲さえ撃ってしまえばどうということは)「撃t…」(いや、しかし仮にラウメアの装甲を破壊する程の物だったら?先の問題を見据えるとやはり…いやこのままでっ)
「爺符様!指示を」
「ええい不安の芽は摘むに越したことはない!対空機銃、飛翔体を迎撃!」ドババババババ ダァーン
「迎撃成功!ってああっ」管制が悲鳴をあげた、何事かと思えばカメラから周囲を飛び交う戦闘機が見える
「ちぃっ、取りつかれたか」席に戻った爺符は呼吸を整え再び思案するが
「じっじっ爺符様!あれをっ」またの悲鳴
「ったくなんだ?は…」ヒュウーーーーー
再度覗き込んだカメラには…おびただしい数の戦闘機が隊列を組みこちらへ向かう光景が映っていた
「爺符様…」兵達がどよめきおどおどしい目を向けると
「ああ、そうかいそうかい。たかが羽虫と侮っていたようだなぁ?ハッハッハッハッ…」
「クァンタム、全機発進!敵機を撃滅しろ!」「アイアイサー!!!!!」
ゴウウウ
巨大戦艦の側面が音を立てて開くと、これまた大量のクァンタムが現れた
「来たわね…皆の指示はこの私、夜暗正直が執り行う。過去の雪辱を晴らす絶好の機会よ思う存分その猛威を奮ってちょうだい!」
「オオオーーーーー!」
「いよいよ始まりますな!この三等、最後までお供させていただきますぞ!」
「頼りにしてるわ、蟲夢さんも頑張って!…」
窓の外を眺める蟲夢にそう告げた
「お、おお!」(ひとまず作戦は成功、カセイ国軍のミサイルが功を奏したわい、久君殿…向こうは大丈夫かのう?)
ドウドウドウドウドウドウドウドウドウッ
「ミサイル来るぞ!全員回避!」
シャキンギンッガキンジャギンギンッ
「ぐあっつぅ…」「こいつ…強い!」
「1体1は避けろっ複数人でかかれ!」
グジュ バァーン グジュ バァーン
「くっ…距離を取れ!物理は避けて属性技で対処を!」
「一斉射用意!」 「攻撃来るぞ!我々の防具では耐えられない、退け!」
ビュウン ドガァーン
「ぐうっなんの!」
「飛行体には分が悪い、クァンタムの対処は俺と黒田に一任してください!」
(…戦闘が始まってどのくらい経過しただろうか?戦況は未だ膠着状態、暗闇という視界の悪い中での戦闘だったが幸い邪族と鈴木達はハッキリと見えているようだ。)
「おりゃあああ!」ダララララララ
「くっ連続刃!」シュンシュンシュンッキンキンキンッガスッガスガスガスガスガスッグシャッ
「がはぁ…」
「そして、最も注視したい敵は…」
ドウドウドウドウドウドウドウドウドウ
「避けろぉぉぉぉぉ!」
ドカドンッ ダガーン ドガーン
(ダイダーロム…邪眼・弐参の操縦するそれは今の所はミサイルの雨を降らすのみ、しかし江美の話によれば強力無比な装備を持っている。現に江美の足を潰した、要警戒だ)
「チャージ完了、発射!」
ギュウイイイイン ドフフフフフフフフフフフフ
「ぐぁぁぁぁぁ!!!!!」銃撃に晒され倒れる邪族
「こいつ!シュバリエ斬り!」
「む?フルアーマーモード:完全防御体制」ガキィン
「何?ガードされ…」
「感覚妨害!」シュウウウウ
「なっ、煙!?」邪族達は放出された煙に一瞬にして包まれると
「なんだ?視界が急に…」「おい!何が起きた?なにか言えよ!」
「こ、これは…」邪族軍人員指導官、うごくシュバリエは自ららが置かれている状況を理解すると
(ただの目くらましじゃない、殆どの感覚が失われている…!?)
「ORE・超振動アサルト…!?」
「ふ…っ」薙払われた攻撃を身を捻り避ける
衝撃波で煙が晴れ、攻撃の主が口を開く
「ふむ、今の攻撃を避けますか…その夜目といいこの星の生命である貴方々は第6感なるものをお持ちのようだ。」
「ふふっお褒めに預かり光栄ですが、生憎ただの勘ってやつですよ」
「チッ論理的でないですね…」
「貴様達、感覚はもう戻りましたか?」
「ハ、ハハなんとか…」声を確認し再び剣を構える
(平衡感覚が失われていなかったのは幸いでした、でなければ攻撃の向きがわかったところで無意味。)
「最も警戒すべきはあの煙、ひとまず当たらないことを優先してかかりますよ!」
「1つ見切ったぐらいでいい気にならないでください、フルアーマーモード:加速」高速で向かってくる邪眼・保打、右手にはORE・超振動アサルト、左手にはB・対人騎銃を構えている
「迎え撃つのです!」剣を構える邪族達
ドドドド ドカドカッ ガガガ ギギィン ガキン ガン
(…邪眼・保打、多機能なボディアーマーに汎用性の高い装備の豊富な備えで多対一の戦闘をそつなくこなしている、手の空いたところを狙われてもおかしくない!警戒せねば…) そうして久は次の戦闘に目を落とす
「ゴーレムショルダーアタックゥゥゥ!」サッ シュバッ 「ぐぅっ」
「隙やり!闇属性能力:邪力斬り!」カン ギィィン 「うわっ刃がっ」
「火炎弾!」ヒューヒューヒューヒューヒュードォン シュッ 煙から飛び出すと向かってくる影 キンキンッキキッキンキィン
「やはり全弾避けられてしまったか」
「ギっギガース様!?」
激しい鍔迫り合い、しかしギガースの方が押されているように見える
「連携やめるな!次ぃラッキュ!」
「はっはいでず!ラッキュズ〜アイ!」敵が腰を落とす
(よし、これで少しは戦いやすくな…!?)
ビュウン
投げ放たれた超振動アサルトはラッキュを穿ち、その翼を切り裂いた
「ギャキュィッ」
「馬鹿な!投擲だと!?」だが驚く暇もなく
「ORE・超振動アサルト」2本目の剣が飛び出す
「ぐぐっ」あまりにも急なできごとに体勢を崩すギガース
彼女を跨ぎ素早くラッキュに迫る
「ラッ、キュェ…」
(これ…死、かもしれなラキュ)
ラッキュの視界を闇が遮った
「堕悪死手!」ガキィン
「!?」黒い手が超振動アサルトを受け止める
「堕悪…様!?」
ラッキュの視界を包んだ闇は堕悪の闇瘴気そのものだった
ガガガガ、ガガガガッ
「ぐっぎぎ」ガァッ 堕悪が敵を押し返す
「ここは危ない、下がっとけよ!ラッキュ」
「堕悪様ぁッ!」
ラッキュを掴み放る、すかさず手に取るギガース
「おっと、よしラッキュ今邪力譲渡をしてやるからな…」
「久!いつまでぼーっとしてるつもりだ?もう戦況把握は終わったろ、さっさと作戦を伝えろ!」
(堕悪がすごい剣幕で怒鳴ってきたことでようやく正気を取り戻した。そうだ、一刻も早く伝えなければ…)
「スゥーーハアーーー!」身体の奥から声を出す
「各員戦闘を続けながら聞いてくれ!要警戒は弐参のダイダーロム、保打そして名称不明・二刀流の邪眼族だこれらを相手にする時は堕悪、優、江美、ギガーン、そして俺、伝永久を主力としてかかれ!クァンタム部隊は鈴木、黒田の2人に任せて他は離脱、他隊長各は各自指揮官指示の元、戦力不足をカバーさせつつ戦線維持に務めよ!最後に…勝つのは俺達だ!」
「聞こえたぜ久、そう来なくっちゃな」
「…。」ジャキン 堕悪の黒い手に動じるように敵が超振動アサルトを構える
ジジッ
「 …夜多司令、聞きました?」
「ああぁ」
「プッ通信も使わず大声で作戦を伝えるなんて…プッ敵の頭の悪さには頭が上がりませんよ頭だけにブハックスクスクス…ン?」
「邪気いっ…」ドガァン ドガァン ドガァン
「はっ見え見えの攻撃を許すかよ、オマケもくれてやるぜ?」
「ぎぃっ」ドウドウドウドウドウ
転がり避けている江美に
「来たか!先の屈辱晴らさせてもらうぞ!」
邪眼・泥発が襲いかかる ガキィン
「む、誰だ?」超振動アサルトを受け止めたのは鎖帷子に身を包んだ紫髪の邪族
「邪族軍2番隊隊長・ギガースもとい技夢火賀利お相手願う!」
「…」泥発は少し間を置いて口を開いた
「邪眼・泥発!望むところだぁ!」
(これだ、これだよ…これこそ好敵手!)
「ちっ泥発のやつ我を忘れやがって…だからって!」ドウドウドウドウドウ
接近していた江美にミサイルが集中する
「忘れたりしねーよサムライもどきが!」ブォン ブォン ブォン
「オリオンの手!」ドガーン ドガーン ドガーン
再び避ける江美
ゴオオオオオオ
「この時を待っていたぞ!邪気一閃!」江美は復元中のオリオンの手の上に飛んだ
「なっなにぃ!」
「ははっ形状記憶だったか?」(これで距離を詰められる。)
「ちっくしょう、復元中のオリオンの手は再射出できねえ…なんてなあ!」 ブォン ドガーン
「オリオンの手:予備だ!潰れとけや!」シュッ すぐに飛び出した江美は刀を構えた状態だった。
「邪気!一閃!」
「なっ空中から攻撃を…っサイドスラスター急加速!」ガギィーン
「うぇぇ、ダイダーロムの右窓の装甲が変形するとか…まともに食らってたら今頃」
「くっ」なんとかく着地した江美、攻撃が再開する前に再び攻撃に掛かる
「ふはははははぁ!ORGE・超振動アサルトぉぉぉ!」
「はぁぁぁぁぁ!邪光大剣!」ガッキィーーーン バチバチ カタカタ
泥発と火賀利の全く互角と言っていいほど互角の戦い、力と感情に任せて振り続ける泥発をひたすら受け止める火賀利は火花を散らしながら鍔迫り合いを続けていた
そんな永遠に続くかと思われた戦いは
ヒュウン「ぐはぁっ」泥発への攻撃によって水を刺された
「だっ誰だ!一騎打ちの邪魔、それも後ろからなどという卑怯者は!」
シュルルルルル ザクッ ザク
「この触手は、優っ!さん…」
「卑怯者がぁぁぁ!ORGE・超振動アサル…だはぁっ」泥発は触手に掴まれると、投げ飛ばされ、立ち上がり、再び向かってくると、また投げ飛ばされた
「ゆ、優さん!保打の相手をしているのではなかったのですか?」
「んう〜〜」
「…なんです?」
「かがりだから〜カーちゃん?」
「かっ…!?」
「みてみて〜カーちゃん!」
「うっ、カーちゃんはやめてくださ…」そういいながら優が指した方向を見てみると
「感覚妨害」シュウウウウ
「来ました、ハヤブサ様!」
「隼小旋風!」ヒュウウウウ 煙が風に流され
保打の姿が顕になる
「…加速!」
「まただ、高速で向かってきますよ!」
「光!」
「はい!バリアー!」
「超振動アサルト!」ガッキィーン ギリギリギリ ギュイーーーン
超振動アサルトがバリアをじわじわと削る
「シュバリエ突き!」
「ぱっ…完全防御体制!」
「くっ…ん?なっ」(剣が装甲の隙間に挟まれて抜けない!?)
「油断大敵ですよ」保打が対人騎銃を取り出す
「聖光大剣!聖光大剣!」だが放つまもなく光の連続攻撃の衝撃によって吹き飛ばされる
「ぐわああああっ…っ私としたことがこんな声を出してしまうとは」
「効いている…?まさかあれを吹き飛ばすとはなんて威力」
「やったな光!」
「う、うん。それより動くシュバリエさん大丈夫?」
「ええ、少し闇瘴気を持っていかれましたが…」 「アー…」
「わかった〜?大丈夫でしょー?」
「押している…思いの他2人と保打の相性が良かったのか?」
「隼と光ちゃん、2人で力を合わせればちゃんと強いんだよ〜!」
ドゥン グジュッパァン ヒュー グジュッパァン
「暗黒弾!」ボボボッ バァン
体をうねらせ避ける夜多
「邪力斬!」ヒュンッヒュンッ
その場で回って避ける夜多
「邪力譲渡!」ゴオオオオオ
「ギガ魔王大剣!」闇瘴気を帯びた大剣による広範囲の薙ぎ払い、だが後ろに飛んで避けられる
ヒュウン ドガスッ
「おっと!危ないなぁ〜」夜多の背後から放たれた刃、それはすぐさま地面から離れると引き寄せられるかのように久が降り立った
「やっと来たか!」
「悪い、遅くなった」
「よし、お前達は他へ行けこいつは2人で倒す!」それまで共闘していた邪族達はギガーンの一声によりその場を離れていく
「さてと、まさかお前と肩を並べることになるとはな!」 久とギガーン2度も激戦を繰り広げた2人は今、同じ敵と相対していた
「ああ、だが本来こうあるべきだった、俺達は同じ星に生きるカセイ人だからな!」
「連続刃!」ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュウン 唐突に放たれた流槍刃に驚いてか回避に精一杯な夜多
「おおっと危ない危な…」視界を遮る大剣
「ギガ魔王剣撃!」バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュン
隙のないきめ細やかな連撃に背中の実を合わせる暇のない夜多
「な、なんて連け…」ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュウ… バシッバシッ グジュ バァン
バシュバシュバシュバシュバシュ
ヒュンヒュンヒュヒュヒュン
バシバシグジュバァングジュバァン…ヨロッ
「!?」連撃に耐えかねて体勢を崩す夜多を見逃しはしなかった
「流槍一閃!」「ギガ魔王邪突撃!」
グジュバフォァンッ
軌道を読まれた邪突撃が実に触れ爆ぜる!
と同時に流槍刃が夜多の右肩を貫いた
「うぐっ…」たちまち肩を抑える夜多
「当たった!?」「よし、追撃をかけるぞ!」
そうして夜多に近づくと
ギロッ 彼が鋭い眼光をこちらに向ける、気味の悪い顔が際立ち気圧されるほどに
その間に夜多が通信機を取り出す
ジジッ 「ガコォン ガガッ あっ夜多っさんドガァン ぐっ 邪気一閃! ガゴコォン どうしました?」通信機越しに伺える程、戦況が悪化しているようだ
「弐参、邪眼解放を許可するプツッ」
「えっ?ああー。へっ」弐参は少しの戸惑いをみせるもすぐに笑みを浮かべた
「全軍に告げる!今より邪眼解放が許可された、あとは言うまでもないよなぁ?」
「なっ」「むぅ」「…」「…邪眼解放が許可されたぞぉぉぉぉぉ!」
戦闘中にも関わらず邪眼族達に歓声が沸き起こると
「邪眼解放ぉぉぉぉぉ!!!!!」次にはその言葉が響き渡る
「おりゃあ邪眼ビーム!」バチュチュチュチュ
「ぐぁぁぁ」
「邪眼フィスト!」
「がはぁっ」
「どっどういうことだ!急に邪眼族達が優勢に!?」
「隊長!回復が間に合いません」
「ぐっ」(無理もない…空がこうも覆われていれば核のエネルギー吸収も遮られる)
「ひ、ひとまず固まれ!守備力の高いものを全面に押し出し一時しのぎを…ドガァン!」
「ぬぅぅ!?」
「やぁぁっえ!?」優が再び泥発を捉えるも
「うーんっうーん重いいい〜ぎゃっ」バンダンッダンッ 逆に泥発に投げ飛ばされる
「はぁぁっ」飛び上がった泥発がギガースの元へ寄り
「ORGE・超振動アサルト!」
「ぐぐぅ…」ギガースの剣が斬られようとする
ところへ優が近づくも…
「はぁぁっ」2人まとめて投げ飛ばされる
「むはは、これが邪眼解放の力だぁ!」
「ぐっ…デタラメだ!さっきとまるで違う」
(この強さ、前に戦ったおじさんと同じくらいなんじゃ…)
「邪眼解放!」
「様子がおかしいですね、お二人共一旦お下がりください!」
「フルアーマーモード:薬液拡散放出」
プシュー
「…って、またあの煙じゃねえか!すぐにかき消してくれるぜっ!」
「ま、待って隼!」
「ちょっと!お二人共もう少し慎重に!」
「大丈夫心配すんな!隼大旋…うぐぅ」隼がその場にうずくまった
「えっ?隼どうし…かっ」隼の後に続いていた光も足を止めた
「全く、知性の欠片もありませんねぇ目に見えているものが全てでないと何故解らないのでしょう?」
「き、貴様なにをしたのです!」
保打は少し首を傾げると独りでに頷いて口を開く
「わざわざ教えて差し上げる必要はありませんが、まぁ私の能力、毒を生成する力を装備によって有効活用した結果でしょうかね?」
「能力!?」
「おや、気づいていなかったのですか?我々は邪眼の力を制限しているだけで能力自体は元から使えていますよ?」
「くぅ〜邪眼解放キター!」キオーン 弐参はスピーカーに切り替えると下にいる江美に語りかけた
「おい!刀使いのお嬢サマッ」
「なんだ?急に話しかけてきて、降参でもするつもりか?」
「へっそんなんじゃねえよ、ただお前!俺の能力が天才パワーで最強パイロットだと思ってたら痛い目見るってもんだぜぇ!」
「ほぅ、天才とは大きく出たものだなそれはどんな…」言い終わる前に弐参が叫ぶ
「クァンタム部隊に告ぐ!全員ダイダーロムに着艦せよ!」
ゴオオオオオ 音を立てて大量のクァンタムが接近する
「よし待ってろよ今行くからな!」そうして弐参が席を外す
「はっ!馬鹿なことを敵を目の前にして戦線離脱などできるわけなかろう!邪気…」飛び上がる江美、真上にはブリッジに立つ弐参。
(一直線に向かって斬る!死なない程度に致命傷を与え戦いを終わらせる!)
「俺の能力は…分身だ!」
「なぁぁ!」江美の前に迫る弐参、何十ともいう弐参がブリッジから降り注ぎ攻撃を阻害される江美
「くっ」何とか着地した江美は目を丸くする
「生きて…いるだと!?そんな、あの高さから落ちて。」地上から数100mはあるダイダーロムのブリッジから降ってきた弐参の分身達は
全て立ち上がっていた
「ケヘヘッ、防刃防弾の簡易装甲スーツをあまり舐めるんじゃないぜ?」
「フッ、そんな汚らしい真似頼まれてもするものかっ!」挑発で返す江美に対し、それを気にも止めないかのように分身達は一斉に何かを取り出す
「ORE・超振動アサルト:ナックルダスタータイプ!装着!」「装着!」「装着!」「…着!」
「な!?くっ…」
「へへっ、落ちてくるだけが仕事でもないんでなぁ!」
ダスッダスッカキーンッガンガンッ
「ほらほらぁ!ちゃんと切らねえと倒せねえぞっ!」江美は囲まれた状態で防御と攻撃を同時に織り成し継戦していた
(くっこいつら…斬られることに恐怖を感じていないのか?痛がる素振りさえ見せない)
「オラオラオラァ!」ガホッ ゴガッ
(いやそもそも、意識的に力を入れなければ一撃で倒すことすらままならない、数は今も増え続けているというのにっ) 江美は隙をついてダイダーロムの様子を伺う
ゴオオオオ
「っしゃぁ!積み込み完了だな、お前ら!あとは俺に任せてよく見てろよ!」ダイダーロムから最後のクァンタムが飛び立つ
パヒューン 「は!?」ドガァーン
「ケッヘッヘ、なによそ見してんだ?」
ゴオオオオ
目の前に、2機のクァンタムが佇んでいた
パパヒューン
「くっ」
「ハッハッハッハァ、クァンタムのエナジー砲もバカにできねえぞ?こんなんでもお前の足なんか一撃で消し飛ぶからよ!」
「ぐっ…なっ」エナジー砲を避けた先には分身達、それを対処し態勢を立て直す江美
ブォン ブォン ブォン
「えっ?」 ドガーン ドガーン ドガーン
「ブラッドクロス!」シュパパパパパパパパパパパ
「おっと、追いつかれたか1つ目さん」
パヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒューン
弐参の駆るクァンタムは鈴木と黒田の変身体を見るや否や一斉射を行った
「ぐっ」「どわはぁっ」
(な、なんださっきより攻撃の精度がっ)
「パ、パラーム」フォーン パシュッ
パラグアイ黒田の腕がクァンタムに弾かれた
「す、鈴木さ…」
パヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒューン
そして再度の一斉射
「ケへへへへックァンタム部隊、そのまま畳かけろ!」
ドガーンガラガラガラッ ドガーンガラガラガラッ ドガーン
「なんだ?急に周囲の音がでかくなって…!」ガキンッ キンッ
「ちっ、いつまで続ける気だよ?なぁ!謎の邪眼族!」それは堕悪がいくら声をかけようと無言を貫いていた
「だ、堕悪…様」
「!?堕悪様!」
「ん?なんだ?ゴレ蔵」ガキンガガガガガキンッ
「ラ、ラッキュが今!〜〜〜」
「なんだ?」
「堕悪様、聞こえたラキュ、邪眼解放!その声で敵が全員パワーアップしたみたい…ラキュ」か弱い声で伝えんとするラッキュの言葉をゴレ蔵が代わりに告げる
「はっそうかよ!寝てろっての!」堕悪は一切顔色を変えずに明るく言葉を返すと
「なるほどな、状況が読めたぜ、だがそれなら謎の邪眼族!お前もなにか力持ってんだろ?なぁ?だが今、他の皆が一斉に力を出したそれなのに何も見せないってことは、余裕ぶっこいてるか、なんの力もない無能ってことだよなぁ?なぁ?謎の邪眼族よぉ!」「あの…」言い終わる前に謎の邪眼族が言葉を発した
「な、なんだ?」急に声をかけられたせいで動揺をみせる堕悪だったが
「謎の邪眼族ってのそろそろ聞き飽きました、無駄話はしないつもりでしたが…」 2人の間に緊張が走る、一瞬がものすごく長く感じられる。
「私の名前は邪眼・傷です」
「はっそうか!…どうでもいいだろうがよぉ!」ガキンガキガキガキキキッゴガガァン
バキッゴキッガキゴキッメキッメリメリメリメリバガガガバガバガガッ
「ぐっぐっぐっ」夜多の背に生えていた枝は邪眼解放と共にその長さを増し、枝というよりはまるで節足動物の足のように周囲に対して広がっていた。そして
「伝永久!」「なんだギガーン」
「俺は今、緊張している」「ああ、俺もだ」
「本当か!?」「ああ、あれを見れば無理もない」邪眼・夜多の枝に宿る実はその数を6つに増やしていた
「先程までの動かない枝とは違う、変幻自在で攻撃能力も高そうだ」
「ああ、それにあいつはもう逃げに徹するようなメンタル状況ではないだろうしな」
睨み合いが続く両者は、じわじわとその距離を詰める
ダラララ ダタララ ダラララ ダタララ
「対空砲火!上昇回避!」ゴオオオオ
「あっクァンタム直上!挟まれた!?」
「俺がギラングレファランでやります!」 機体上に立つギランが構える
「待って、ギラン様!エネルギーは?」
「どの道低出力だ、相殺するから気をつけろ!邪炎咆哮砲!」ボオオオオオ パヒューン ドグァーン
三等、正直、蟲夢、ギラン、ギガントを乗せた戦闘機は射撃を躱しながら主砲と艦橋の周りを飛び交い注意を引いていた
(ひとまず取り付くことは出来た、ギラン殿の力があればいつでも主砲及び艦橋を破壊できることは敵にも証明できたじゃろう、しかし…)
「このままじゃ埒が明きませんよ!このまま撃ち落とされるのを待っているわけにはいかないでしょ!乗り込まないと!」
「わかってるわよ、ただ…入口の方が」
「そんなのどこでも穴開けちゃえばいいじゃないですか!元よりそのつもりでしょ!」
「そ、それは…」正直が蟲夢の写る液晶に目をやる、唇を噛み締める蟲夢の顔が見える
「それは…っそれにしても後のことも考えないと、開けるならせめて閉ざされている入口をこじ開ければ…修復も、しやすいからっ!」感情を露わにする正直
「そ、こんなこと言っても!全力出してまだ見つかってないんでしょ!そんなので何が…」
「いや、それなら心当たりがあるぞ」
「えっ」「えっ!?なにそれ早く言いなさいよ!」
「まあそう急かすな…正直殿、ありがとうな!」そうして頭を撫でるようなモーションを見せた蟲夢
「では説明に入る、まず入口があるとされるのはクァンタムの収容されているハッチじゃがここはそう簡単にはいかんじゃろ、バカでかいしのう。次に下部にある船員の入口じゃが位置的に対空火器が多く、攻め入るのは困難じゃろう。」
「なら、どこから入るんですか?」
「そこでじゃ!あれをみるが良い」そうして言われた方を見る一同
「あれは…」艦橋の下にクァンタムのハッチと似たものがあった
「あれはおそらくダイダーロムのハッチじゃ、あれもそれなりに大きいがクァンタムの方よりはマシじゃろう」蟲夢の発言に皆元気を取り戻した
「わかった!ギガント、準備を!」「はい!」
「蟲夢さん…」「ぬわははは、皆さんしっかりと掴まっていてくださいよおっ!」ギューン
ダイダーロムのハッチ目掛けて加速する機体
「クァンタムが3機よ!」
「ふっ、なんのこれしき!」三等の操縦でクァンタムを強引に避け切りハッチに接近する
「今よ!疑業さん」
「邪力譲渡!」ギガントからギランヘ闇瘴気が伝わる
「行きます!邪炎咆哮波!」1点に収束させたギランの炎が重厚なハッチに穴を開けた
ドサッ
「ギガント、あとは任せたぞ!」「はい!」
ギガント、正直、蟲夢を降ろし三等の戦闘機はギランと共に空へ舞い戻った
「さて、皆行くとするかの!」「ええ」「はい」
数分前…
「敵機上昇!クァンタム!」ドバァン
「おい、なにをしている!早く仕留められんのか」 「すっすみません…」
「ちっ…ふー」爺符は椅子にふんぞり返り息をついた
(敵の目的ははっきりしている、RED・レーザーを打たせないこと。RED・レーザーの威力は絶大だが、近爆で誘爆を引き起こさないとも限らない。それに最悪敵にはレーザーを相殺できる力がある、それにかかれば…) 爺符はここで思考の違和感に気がついた
(今疑問が浮かんだ、敵は何故レーザーを相殺できるほどの力を持ちながらそれを一介の脅迫材料としているのか?あの威力ならば数発でラウメアの装甲に穴を開けられるだろう、なぜ使わないんだ?) 爺符は思考の違和感に汗を流す
(弾切れ?もしくは捨て身の反撃を恐れて…もしや、友好を!?) そう思いついてすぐに頭を横に振った
(有り得ないな、かの邪眼族の名を聞いて尚正気を保っていられるわけがないだろう。よしもっと単純に考えよう、友好を結ぶ気があるなら今起こっている戦闘はなんだ?俺達は必要ないが、ラウメアへの攻撃はない…そうか!この船という軍事力が欲しいのかっ)
ピピピピピピピピ 爺符の思考を閉ざすように警報音が鳴り響く
「敵機、急速接近!」
「クァンタム3機、弾幕を張れ!」ゴオオオオオ
パパヒューン パパヒューン パパヒューン
「なっなんだこれ!急に変幻自在な動きにっ」
「なんだと!?」
「クァンタム突破されましたはっ敵が!」
「ふっ考えすぎだったか…」
ジューン ドバァァァァァァァァァァ
壮絶な音に皆、意識の断絶を覚悟したが…
「あああ…え?」
「な、なんだ?たす、かったのか?」
「あっだ、ダイダーロム、1番艦ハッチに穴が…」皆がそれに釘付けになるのもつかの間
「あ、敵機補足!再び艦橋付近を飛び回っています」
「な、なんなんだ、どういう状況だ?」
「あっえーと、カッカメラ!ダイダーロム1番艦収容区画のカメラを」そこに写っていたのは正しく先程ギラン三等と別れた正直、ギガント、そして蟲夢であった
「侵入…したのか?」爺符は息を飲んだ
(本当に、船を奪うことが目的なのか!?確かにコントロールを奪えばレーザーを止められるが…は!?ここを抑えるのは当然実力行使だ、いや当然最初はそのつもりだった。敵はラウメアでの篭城戦を避けるため我々を分断したと…艦内は侵入を想定されていないため防衛システムがないことを読まれているのだとしたら。)
「爺符さん?」
「ここを離れる、使っていないエリアに敵を誘導し俺が対処する」そう言って鎌の柄を握りしめる爺符
「あ、はい。」
「侵入者!」
「えっなに!なんですか!?」
「今いる所から戻り右へ出て階段を登った先のエレベーターを…」
「これは…」
「わしらに向けて、のようじゃな…」
〜ラウメア・神星系星図エリア〜
「ようこそ侵入者!俺の名前は邪眼・爺符だ!」
「ご挨拶ありがとうなのじゃ、わしらは…」
「はぁぁぁあっ!」
「くっ!」爺符が勢いよく振り下ろした鎌をギガントが防いだ
「ぐぐぐくぐくっ…」もっとも安心からは程遠かったが
「ま、待って!私達は戦闘しに来たわけじゃ!」
「ほざけ!この船を掌握することが貴様らの目的じゃろが!」
「そ、そんな違…」「爺符殿!」
「な、なんだ?バーチャルアバター?」ドガッ
爺符の気が緩んだ隙にギガントが盾を突き出し爺符を仰け反らせる
「ちっはぁぁぁあ!」再び向かってくる爺符
「聞いてくれ!」ドカッガスッ ドカッガスッ
カタカタカタカタカタカタカタカタ
「邪眼族は!何故邪眼族はこんなことをする?」ドガガッ ガスガスガスッ ガガヴン
「邪眼族は変わった!こんなことをするようなやつらではなかったはずじゃ!」ガガッ
「はぁ?」
「なにかやむにやまれぬ事情があるんじゃろ?わしらに教えてくれ!」ガガガガッ
「それを知ってどうする?」
「わしらは邪眼族を助けたい!」ガガ…
「そうか、なら全面降伏するんだな!」ガガガガガガガガッ ドガァッ
「はぁあ!」ズシャッ
「ぐっ鎧がぁ…」ギガントの脇腹を鎌が裂く
核エネルギーが漏れだし体を伝う
(うっ船内フロアじゃ自然回復はできないか…)
「ハァ、ハァ」態勢を立て直そうとするギガント
(こ、これじゃだめじゃ、こんな上っ面じゃなく本心を伝えなければ…)
「疑業さん。!」涙ぐむ正直がギガントを呼ぶ
「敵は死にさらせぇぇぇぇえ!」爺符が鎌を振りかぶる
「わしは邪眼族に救われたんじゃあああああ!」爺符が目を見開き動きが鈍くなる
「なんだ?急に、救われた?なにを言…」
相手に物言わせることなく止まらぬ勢いでまくし立てる、蟲夢良李の得意技だ
「初めてここに来た時のことを覚えておるか?1面何もないだだっ広いだけの質素な土地に、でも…生命と尊厳を踏みにじり、人から希望も自由も科学さえも奪い尽くした、有象無象の厄が蔓延っていたじゃろ…
わしは見たんじゃ、それを全て光に変えた瞬間を!
そうじゃ、全ては全てを全てにおいてこの希望を忘れない気持ちを常に心に思っていた1人の少女に形の希望を与えたのは他でもない!邪眼族達なのじゃ!
命の恩人なんてものじゃ到底言い表すことはできない絶対にできない、わしにとって正しく救世主なのじゃ!
それを…それをみすみす見捨てたりはしなくない!どうか力にならせてくれ!」
頭を下げるモーションを行う蟲夢
「あっ」正直はそれを鑑みてすぐさまより良い形のモーションにプログラムし直すも
爺符は既に微動だにしていなかった
「…邪眼族は変わった、略奪の歴史から足を洗い新しい政権でより良い未来を作ろうとした
最初は良かったが、あまりにも過去と乖離した生き方を選んだせいで誰も適応できなかった。邪眼族の母星であるガインは、飢餓と貧困に塗れ果ては絶滅か、旧体制派の復権だろう
俺達は軍に所属していたが、旧体制派との戦争は避けられそうになかった…
俺達は争いから逃げ母星を捨てた…だからこそ罰が当たったんだろう
他の星では邪眼族の宇宙海賊としてのイメージが抜けきっておらず、行く先々で友好叶わず争いになった
やがて俺達は元通り、略奪を繰り返して生きるようになったというわけだ…」 立ち往生していた爺符はその場に座り込んだ
「俺達の行いが誰かを救ったという事実に感銘して打ち明けたが…あんた本当に俺達を助けられると思っているのか?」
「大丈夫だ!」
「だが、これだけの惨状を起こして今更」
「心配するな!我が国はこの星随一の技術を持つ、そこにお前達の力が加われば他国が手を出すことはない!案ずるな」
「ハハハッそれは良かった…」爺符は姿勢を崩し寝転んだ
「ちょ、ちょっとそんなことしてる場合ですか?」正直が簡易的な治療を施し立ち上がったギガントが口を開く
「そうじゃったな、爺符よ!後のことは心配らぬから、ひとまず今をどうにかしなければならない協力してくれ」
「ああ〜そうだなっあんたが今から俺達の上官だ!」そうして管制まで上がる4人
「爺符さん!」「爺符さっ…」乗組員は爺符の顔を見るやいなや声をかけるも、後ろにいる侵入者達の顔ぶれを見ると黙り込んだ
「ん?お前ら、まぁ流石に聞く余裕はなかったか…」爺符は息を大きく吸い込み勢いよく吐いた
「こいつらのことは後で話す!ひとまずクァンタムを全機撤退させろ!」
「あ、はい!」
ジジッ「クァンタム全機!直ちに戦闘を停止し帰投してください。繰り返しますクァンタム全機!直ちに戦闘を停止し帰投して」
「これは…」「や、やりましたよ偽来殿!蟲夢国守官がやったんですよぉぉぉ!お、お前達私だ三等だ!全機戦闘停止!ひとまずカセイ国軍仮本部にて待機!」そうして三等の戦闘機は地に降り立つ
「よし、ひとまずこれで」
「ま、まだよ!ユウトピアの戦闘も止めないと!」正直が忙しない顔で伝える
「そ、そうじゃったな!頼めるか?」
「ああ、アイアイサー!」
ジジッ「夜多!戦闘を停止しろ弐参に伝えてアナウンスさせろ!緊急事態だ理由は後で話すだから早くっ…」
ジジッ「ぐっぐぐぐぐ、ころ、ころ、お前達ころ…ころぉぉぉぉぉ!」ドガッ
爺符が通信機を床に投げつけ、膝をついた
「す、すまん俺達はもうとっくにイカれちまってんだ…」
「そ、そんな!じゃ止められないって言うの!」正直の顔がどんどん青ざめていく
「いや、爺符まだじゃ!レーザーじゃレーザーを撃つんじゃ!ユウトピアに牽制で撃ったあれをもう1度撃てば…作戦失敗を悟った我々の方が退くじゃろう」
「いや、無理だ…天空樹ならまだしもユウトピアに対して正確に撃つには現地での射線誘導が必要、通信が意味を成さない以上どの道不可能だ」
「な、ならさっさと連れていきなさいよ!射線誘導ぐらい私がっ…」正直が名乗りをあげるも
「ダメだ、クァンタムは撃墜はないにしても万全では無い安全を保証できかねる」
「そ、そんなのいいから!行かせてよ!じゃなきゃハッキングしてレーザーでもなんでも撃ってやるわよ!」正直が取り乱しとんでもないことを言い出す
「その役目、俺が代わりに引き付けましょうか?」
「誰!?」
「ころぉぉぉぉぉ!!!」
バララララパパッラババッバラバラバラ
グジュバァン グジュバァン グジュグジュグジュ グジュグジュグジュグジュグジュ バララララァン
「無属性能力:流槍!」
(爆ぜた流槍刃を流槍を刺すことで再生、エネルギー消費は大きそうだが意識を飛ぶことはもうない)
「ギガーン!」
「大丈夫だ、剣の方は闇瘴気を纏って何とか凌いでいる鎧の方はまぁ…身ごと爆ぜているわけではないし気にすることはない」
「ぐっぐぐぐぐっころぉぉぉぉぉ!」
「ぐっこいつ、さっきとえらい違いだ。俺達2人がかりで防戦一方、まるで隙を突けない!」
「っ…戦況も芳しくない」キィン キンキンキンキンキンッ
「見えているだけでも、優達は苦戦しているし…さっきまで目立っていた隼と光の色も見えない、堕悪の方は…」ドウドウドウドウドウドウ ドガガガガガガガァン
「えっ?なぜ、ダイダーロムが…移動している!?江美がっやられたのか…!?」
「伝永久!後ろだ!」「!?」グジュ バァン
「よっしゃあ、分身隊は他部隊の支援!クァンタム部隊は1つ目族にトドメを刺してこい!」「アイアイサー!」
「おっおおっ!オリオンの手が持ち上がるぞ!」
「あのコスプレ女、どうなってるかねぇ?」
「おっ見えたぞ…うわっグロいねぇ」
「目玉なくなってるし、とにかくぐっちゃぐちゃよ」
「顔が原型とどめてないし手足もあってないようなもんでしょ」
「おっ剣は体と密着してるねぇ、潰された時の摩擦に加えて体液と混ざった肉かなんかの粘着でいい具合に張り付いてらぁ」
「それぐらいにしとけよー、ダイダーロムはこのまま傷の支援に行くからなっ!」オリオンの手がダイダーロムに収容されていく
「言われなくともっ!」
ゴオオオオオ
カセイ人に寿命はない
カセイ人は核が壊れない限り死なない
カセイ人は核がある限り何度でも再生する
(幼い頃、誰もが教わること…)
____________________
「あら、足を怪我したのね?」
「あ〜まぁ…」
「これでも飲んどきなさい!」
「これは?」
「即時回復液!邪力譲渡なんかより早く治るわよっ」ドヤッ
____________________
(結局、優ちゃんに治してもらって飲まずじまいだった…私の体はその全てをオリオンの手によって潰された。幸い核は無事、そして!)
ゴオオオオ シュゥー
(オリオンの手が戻るのは一瞬、この一瞬を超えれば…) ガコンッ
(刀が身体に張り付いていて助かった、後は発声器官さえ再生できれば!…お姉ちゃん初の妹孝行、Goodだよ!) 拳を握り親指を突き出すイメージをする江美
「ゔぐがぁぁぁぁあああ!邪気乱雑!」
「ん?なんどわっはぁぁぁぁぁ!」
ブリッジに立っていた弐参は、ダイダーロムが急に傾いたことで空に投げ出される
「そこ!邪気一閃!」完全に無防備となった弐参に肉塊の江美が襲いかかり
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁ」2人して地に打ち付けられた
ギギィー ギギギギー ジジッジジジジ ドグァーーーン
「は?なんだ?あれはダイダーロ…」シュシャキィーン
「ぐっ」
「ご自分で、油断するなと言っておいて…滑稽ですね」動くシュバリエが、保打の装甲を貫いた
「はっ、まだ終わったわけでは!B・対人…」
ガスッ 光の攻撃で保打の手から銃が弾かれる
「今です!隼殿!」
「くっ風属性能力:気体化!」シュオオオウ
「なっなにをぉぉぉ!」 保打が超振動アサルトを構える、その瞬間!
「はっ!」「はぁぁぁぁぁ!」動くシュバリエが、刺した剣を抜き空いた穴に隼が入った!
「隼大旋風!」ゴウゴゴガガガガガガガガガガガガッ
「ぐっぎやあああああああ」ドブシャッ
穴から血を吹き出し倒れる保打
「ぬおっ!?ダイダーロムがっ」
「はぁぁ邪光大剣!」
「ぬっそうはいくか!」泥発が邪光大剣を両手で掴まえる
ザザザァッ
「なっ!?」
「れんぞくやいばー!」その瞬間後ろに回り込んだ優が自らが持つ幾多もの触手をところ構わず泥発に向け伸ばす
「うー当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれぇぇぇぇ!」プスッ
「ぬぉっ」ドサッ
「ぐおーぐおーぐおー」
「あ、当たった…ひさしの真似上手くいった!」
「でかした!優さん」
「ふぅ〜」優は一息つくと
「むぅー、あなたはもうずっと眠っときなさーい!」プスプスプスプスプスッ 追い討ちでさらに触手を刺す
「ちょっ優さん!やりすぎだぁぁぁ!」
シュンッ ドガーン ドガーン ドガーン
「なんだ?攻撃が急にやんで…」
ガーン ドグワァァァァン
「お、おい黒田!クァンタムが爆発する!ゆっくり地面におろせ!」
「やはり…」
「ハァハァ…」
「やはり…お前を負傷させれば、分身も消えるか」
「へっ邪眼解放が解けただけさ、甘く見んじゃ…ねーぞ!」
「今のお前、ごときに…何ができるんだ?」瓦礫にもたれかける弐参は頭と胴を再生させた江美の、首筋に張り付いた刀が脇腹から肩を貫通していた
「へっさっきも言ったがな?俺の分身能力は素であるもんだ、邪眼解けて弱まったとはいえ分身はまだいるんだよ…」
「ふっ今更お前が、1人増えたぐらいで…意にも介さんよ!」
「へっダイダーロムは1機じゃねえ…これで終わりと、思うなよ!」
「ぐっうっはぁぁはぁ…」(なんとか地に剣を刺し体を支えている…伝永久。)
「んんっがっんんぐっがががぁっ」
(痛い…痛い…痛い、鋭い痛みで動くことがっ
顔の、半分と胴にかけてまでを抉られた…流槍刃はダメだ、動かない核も少し傷ついたようだ。ギガーンっ)
「ぐうああああああ!」シュキン シャキンッ シャキンシャキンッ
(空振りっ全て…)
バラバラバラバラバラァッ グジュグジュグジュグジュ バババババァン
「ぬがぁぁぁぁぁぁ…」ギガーンは膝をついた
(鎧はもう残っていない、腕と横っ腹を抉られたか…伝永久よりはマシか体の質量の問題…かぁ)
「ぁあぁあぁあころぉ!終わりだぁ!ころぉ!」
(痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い…痛みが来る!!くぅっもう痛みは…全部乗り越えて!消し去ってやるっ)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
(自分の…中からなにかが、飛び出してくるっ龍槍刃!?)
「あぁあころぉぉぉぉぉ!」バラバラバラバラバラバラバラバラッ
グジュグジュグジュグジュグジュグジュグジュグジュ
バシャッ
龍槍刃は、爆ぜなかった…勢いそのままに夜多の胸を貫いたのだ!
「はぁっ…」(耳鳴りがする、約束が果たされない音…そんなそんなわけがっ)
「はぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁぁぁぁぁぁ」
「うわっなっどうした?邪眼・傷!!!」デュゥゥゥン ドフゥゥゥン ギュゥゥゥゥン
吸い寄せられるようにして邪眼・傷は夜多の元へ駆けつけた
「はぁはぁはぁはぁ…邪眼・解放!!!」ゴオオオオゴゴッ
「おっおいこれはなんだ?久、ギガーンってえげぇ…」
「ひーさーしー!」
「やばいゴレ!やばいゴレぇ!」
「おい!あれはなんだ?」
「なんだよって、おいおいまじか…うちの最高戦力が邪眼解放とは…こりゃ生きて帰れねえなぁ」
空に漂う暗闇が邪眼・傷の元へと集まり出し
同じように邪眼・夜多と邪眼・泥発が傷へ向かう
暗闇の中で、形を変え混ざり合う3人。
闇が離れるとそこに見えた"ソレ"は「化異物!」あるいは…
「ゴウオアアアアアアア」バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラッ
「ぁぁぁ…」戦場を覆い尽くす程の夜多の実が"ソレ"から伸びた
ブゥン
ゴオオオオオ
「ん?あれはダイダーロム2番艦か…今更来ても遅せぇよ」弐参は視界の端に捉えたそれに対しそう呟いた
ビオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
「!?」全員が光を見た、そして
ビュオオオオオオ 衝撃波によって地に足をつけることを執拗に迫られる
「グ、ゴウオアアアアアアア」 傷の体から夜多と泥発が離れた
「本当助かったわ!あなたがいてくれなかったらどうなっていたことやら…」
「おっと」 フラフラと倒れる正直を支える闇枝疑柿
「いえ、俺は待っていただけですので…たまたま皆さんの話を聞いて合わせただけで」
「弐参、貴様の素の分身体、キャラ違いすぎないかぁ〜?」
「けっお前に言われる筋合いはねえ全身茶色女!」
「そんなことより、なんですか?この縄は」
「うちの形式上、拘束は必至だからな!だがブラッドクロスはもう出せない上コルセットも用意していない。だから、流槍刃を貸していただいたんだ!ありがとうございます久さん」「優もかしたよ〜」
「ぐおーぐおーぐおー」
「うぅぅ夜多さんごめんなさい俺が役たたずなせいでこんな目に…」
「ガッハッハッいいでねえか、これで俺達の辛い旅も終わる。これでいいんだ」
「さて、邪眼・夜多、お前がリーダーで間違いないな」
「あぁっ〜そうだっ!」
「こんなことしてくれたんだ、当然落とし前つけないとな?」
「あぁ〜俺がっ俺がっだっ!」
「…そうか、では後はよろしくお願いします。ロウ国国守官!蟲夢良李様」そうして液晶の画面を開く久
「ふっふっふぅ…わしに任せろ!にっひひっ」
次回予告!
ロウ国の国守官、蟲夢良李によって救われた邪眼族達!彼らは安息を噛み締め、恩に報いる
次回 第3章5.我らは邪眼族




