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永伝(エデン)   作者: ちがタニ
永伝(エデン) 第3章 海賊編
25/36

2.邪眼の実

前回のあらすじ

何気ない日常を過ごす久達の元に突如、未確認飛行物体が襲来!

侵略者・邪眼族がユウトピア侵攻が始まり立ち向かう久達、しかし想定外の力量に押されやむなく撤退を余儀なくされる

打開策を講じるため開かれた国守官会議には

来れないはずのロウ国代表、蟲夢良李が待っていたのだった


____________________

〜人民国・会議室〜


「現場の被害状況は?」

「今はまだ、ユウトピアの商業区域のみに留まっています」

「どうするつもりだ?」

「どうする?つったって知らねえよそんな!」

「ぐ、ひとまず本国の防衛体制を整えてから兵を送って…」

「それじゃあ遅すぎる!」

「仕方ないだろ、いくらなんでも情報が少なすぎる!邪眼族?宇宙海賊?知るかそんなもん固有名詞だけ出されてもなんのことかさっぱりだ。」宇元、佐元、仁羅祭、松保馬隆、3国の国守官達が一同に会するも敵が未知の存在であり過ぎるが故に対応に追われていた、そんな中…


「あ、あ聞こえておるかの?」

!?

「蟲夢良李!!!!?」突如現れたスクリーンに映るその者に全員の視線が集中する!

「ぐやぁぁ!い、いきなり大声を出すでない!」

しばらくして…

「さて、落ち着いたかの?」

「蟲夢、な何故通信できておる!?」

「そうじゃな、ではそれを今から話すとするのじゃ」


「あれはいつも通り、機械生命体:ゾットの支配に怯える平和な日常じゃった…じゃがわしは小心者の自国民達とは違い、常に自由への渇望を忘れはしなかった。」


ゴオオオオオオオオオオ

「地下からでも聞こえるほどの大きな音がした…しばらくしてわしはあることに気づいた、ゾットの破壊活動による停止と自己修復機能による復旧を繰り返していた電力設備の復旧完了ライトが、光っておったことを…今思い返せばあれは孔明の光じゃったのかもしれぬ。そして」

最初こそ真面目に話を聞いていた皆だったが、長々と左を向いたり右を向いたり何かを拾い上げる仕草をしたと思ったら今度は空を見上げて語る蟲夢に対し不満を隠せずにいた


「わしは望遠鏡を覗いた、そこに広がっていた光景は!地上一帯を覆い尽くしていたはずのゾットは見渡す限りどこにもいない…代わりに天まで続く程強大な、宇宙戦艦がそびえ立っていたのじゃ。画像はこれじゃ」そうして見せられたものに一同は再び驚愕した


「案ずることはない、これがなんなのかわしは知っておる今から話すので耳の穴かっぽじってよーく聞いておくのじゃ」そうして話を戻そうとすると

「あ、ちょっと」何かを思い出したかのように仁羅祭が声をかける


「なんじゃ?仁羅祭」

「あと1人、まだ来てない国守官がいてその…」それに対し蟲夢は何かわからない顔を浮かべていたものの急に目を丸くした

「ああ!雄司君殿か忘れとったわい」と満面の笑みを浮かべ納得する蟲夢にすかさず

「あ、いやそっちじゃなくて」口を開く仁羅祭

「ん?」

「今の国守官、雄司ちゃんの息子の久君なんだよ」それを聞いてひとまず飲み込んだ蟲夢だったがすぐに顔を顰めだした

「むぅぅ?雄司君殿、いくらなんでも世代交代が早過ぎんかね?」

「えっ」

「あの歳でそれは、少々無理があるのじゃないかのぅ?」

「あっえっとそれは、かくかくしかじかで…とっとにかく!久君が来るまで待って欲しいんだとりあえず。」

「ふむ、わかったのじゃ」

____________________


「というわけなのじゃ!」蟲夢の話が終わった

(なるほど、俺の名前を知っていたのはそういう事か…)

「しっかし久君殿、君も苦労人じゃのう」

「?」

「全く雄司君殿ときたら、わしがいない間に息子をほっぽり出してチキュウにバカンスとは隅に置けんやつじゃ!」

「???」(頭の中に疑問符が溢れる、すると仁羅祭が目配せしてくる…話を合わせろということか。)


「私は大丈夫だそれよりあまり親父を悪く言わないでもらいたい」

「おっとこれは、失敬したわい」蟲夢が頭をかく、それを見て久はふと疑問を覚えた

「ん?そういえば、以前蟲夢の話を聞いた時彼、と称されていた気が…」

「はへ?」

「ふんっ、そいつと話していればいかにジジ臭いかお前もよくわかったであろう?」その言葉に反応してか蟲夢のスクリーンが馬隆の眼前に迫る


「なぬ!馬隆貴様!わしのこの崇高で高貴な話し方を貶したか!」

「ふんっまーだ自らを優れた人間であると思い込んでいたんですねぇ」

「はんっ当然であろう、わしとその国は天才じゃからなぁ!」

「ふんっ、確かに以前はそうだったかも?しれないが今は時が流れ本国の技術もかなり進歩した、もはや一概にロウ国だけが優れているとも言えないんじゃないか?」

「なんじゃとこの!」

「ま、まーまー落ち着いて!それより侵略者のこと、話してくれるんでしょ?」慌てて仁羅祭が止めに入る、

「あ、そうじゃったな。おほん…では」蟲夢は軽く咳払いをすると話を始めた


「彼らは邪眼族、古くから宇宙を渡り歩き他の星を襲って資源を奪う宇宙海賊…ということは知っているな?久君殿。」

(え?なんだ、急に振られてなにがなんだかわからない)

「何じゃ?その顔は、まさか知らないとな?」久の顔がひきつる

「はぁ?カセイの国守官ともあろう者が、他星の交流を執り行うのはロングロードとカセイの決まりなのじゃぞ?それを…」

「蟲夢っち!、久君は国守官になってまだ日が浅いんだ多めに見てやってくれないか?」

蟲夢は仁羅祭に目を向けると、息をついた


「話を戻すぞ、邪眼族は確かにこのような事を生業として生きてきた。しかしここ最近はそのような行為はなくなったと聞いていた…それがこれだ」蟲夢がスクリーンに写真を映す

先程見た巨大戦艦がカセイに向かっているものだ


「これはここに連絡する前、望遠鏡を覗いたあとマーズに何か起きていないか確認した時に貰ったものだ、ロウ国からの通信に大変驚かれたが向こうも切迫していたため早く済んだ」

「あの」久は手を挙げた

「なんじゃ?」

「マーズとはなんだ?」蟲夢の表情が暗くなる

「はぁ〜君、ほんとに雄司君殿の息子かね?」


「まあとにかく、今までなかったことが突然起きているこれは要するになにか特別な事情があるやもしれん…」

「そんなもの、元に戻っただけだろ」腕を組む蟲夢に宇元がそう言い放った

「む?君は誰かね」

「パロンドリン政府国、国守官だ」そう言うと蟲夢を睨む、蟲夢も睨み返し両者睨み合いの状態が続く

「ふむ、前任者よりは良い目をしているのう、で話の続きじゃが何故そう言ったのじゃ?」

「一般的に考えて、悪行が板についたやつがそれをやめようったってそう上手くは行かないだから戻った、そういうもんだろ」宇元はもっともそうな言い分を並べた


「それに情報だって定かじゃない、本当になくなっていたのか?ガセかもしれんし聞いたと言っていたが出処も信用できない」

「ううむ…」蟲夢は俯く、少し押されているようだしかし…

「そんなこと考えるよりも対策案を提示してくれよ」

「は?何を言っておる、わしが出した情報でそっちが考えるんじゃないのかね?」

「はぁ、これっぽっちの情報で何ができんだよもっと有用なこと教えてくれよ」

「なんじゃ有用なこととは、もっと具体的な聞き方をせんか!」2人の言い合いが激しくなり慌てて仲裁に入る仁羅祭と久


「あの、弱点とかはないんですか?」そこへ割って入ったのは

「なんじゃ?き、お主は」

「ドグマセンターカセイ支部所長兼執行官の鈴木です、元は本国の管理下でしたが今は伝永久様直属の部下です」鈴木はやや食い気味にそう言った

「ほぉ、弱点か…強いて言うなら餓死くらいじゃな」

(餓死を待つのは解決策としては少し弱い、皆はなにか思いつくだろうか?)


「は、はぁ…」苦笑いする鈴木

「ちっ、それじゃあなんの意味もねえよ。決めたっ…俺はこの件に関与しない!国がなくなっちまえば獲物も狩れなくなっちまうからな」そう言って部屋を去る宇元

「ちょ、ちょっと兄さ…宇元国守官!」佐元も慌てて後を追った

「政府国の手は借りられなさそうだな…」久はそう言うと皆の顔を見る


「ぐ、わちも同意見だ直接できることがないのなら無為に手は出さん。資源さえ渡せば破壊行為は防げるしな…」馬隆は後ずさりすると

「あ、後のことはろくな情報も出さなかった蟲夢が責任とれ!わちは知らぬ〜」そう言いながら部屋を出ていった

「…」空気が凍りつく


「さて…鈴木、ドグマセンターからはどれだけ出せる?」

「まだ募集前なので、全執行官と駐在中の力剣士を合わせてもこの程度しか…」

(戦力としてあてにできるか判断に困る数字だ)

「そうか、となると後は現在復興中のカセイ国軍ぐらいか…仁羅祭、そっちはどうだ?」


「久君、頼ってくれるのは有難いんだけど、うちには軍がないんだ…ドグマセンターや警察組織なんかはあるけど特別解放区、平和な国をウリにしているうちは未知の存在に対抗できるような戦力はない、もっとも作ろうと思っても人が人だからね…力にはなり得ないよ」

「なら…」久は蟲夢を一瞬見るも、すぐに目を逸らし


「ひとまず俺が、独自に各個撃破できないか試してみよう…」そう言うと久は携帯を取り出す プルルルル

「久か、今どこにいる?無事か?」

「ああ、それより堕悪お前はどこにいる?」

「ニュースを見てユウトピアまで飛んできた、他の奴らも一緒だ」

「はぁぁ?何やってんだ、今すぐ帰ってこい!」

「へっ安心しろ久、俺達の平和を脅かすやつは絶対に許さない言わずとも俺はできることをやるさ」ガチャ ツー ツー


「あああ堕悪の野郎!」そう言うと駆け出す久

「どこへ行く気ですか!」鈴木が慌てて体を掴む

「決まってるだろ、皆を助けに行く」

「その体では無理ですよ、流槍刃だってまだ治ってないでしょ!」

「ぐ、優に頼めば即時再生できる問題ない!」久の力が上がり、鈴木が抑え切れずにいる

「黒田!手伝え!」駆けつける黒田、仁羅祭も言って聞かせようとする中 蟲夢はただただ俯いて何かを考え続けるだけであった




「切ってよかったのか?久からだろう?」

「いつも通り、心配だからの一点張りだよ」堕悪は江美にそう返した

「しかし一刻も早く行くことを優先したのは助かった、この惨状を見れば何を成すべきか言わずともわかるからな。」カセイ国東での戦闘を経ていれば思うことは一つだけだろう

「本当、酷い奴らです許せません!」

「邪族戦争と、同じ轍は踏ませませんよ!」意気込む隼と光


「なんだぁ?新手かぁ?」堕悪達に気がついたのは夜多だった

「敵か?ここまで何故報告がなかった?まあいい」指揮官らしき男が兵士を集める

「江美!」「ああ、わかっている」


「全員!B・対人騎銃、用意!一斉射撃!」

ダダダダダダダダダダ

「堕悪死手!」ゴウン 右側の兵士がなぎ払われ丸められた紙のようにしわくちゃになった

キンキンキンキンキンッ

撃たれた弾は全て江美に弾かれた

「隼大旋風!」ヒュオオオオ

「うわぁぁぁ」残りの兵士達を吹き飛ばす、しかし

「全員!被害状況を報告しろ」

「くっ、PE装甲約60%の損傷です」立てなくなったものは誰1人いなかった


「嘘だろお、俺…服を切ることしかできないのかよ〜」落ち込む隼

「聖光大剣!」落ち込む隼の横で立ち上がった兵士を光が倒した

「ほら、これでちょうどじゃん隼!」

「あえ?」

「隼が切った敵を私が刺す、これで倒せる!私と隼は2人でひとつ連携してこそカップルでしょ!」

「あっそうだな!」活気が戻る隼を見て光は今度はフォローに成功したようだと胸を撫で下ろした


「ひっひいいい」皆の士気が下がっている事を案じたのか指揮官が夜多に駆け寄った

「夜多司令、邪眼解放の許可を!」

「はぁ〜?さっきと何が違うのさぁこれは俺らでやっとくからぁ他区間を手伝っておいでよ」指揮官はそれを聞くと兵を連れその場を離れる


「さぁて、早くやろう」酷い顔をした男が堕悪達を見る

「堕悪、ここは私に任せ隼と光を連れて先に行けその方が早い」

「わかった、助かる」そう言って行こうとすると

「邪眼・泥発、参る!」ガッキィーーーン

「なはっ」驚いたのは泥発の方だった

「貴様も、武の道をゆくものか!?」江美の刀を見てそう尋ねる泥発、鍔迫り合いを続けながら江美が叫ぶ

「堕悪!」

堕悪はそれを聞いて一瞬のうちに隼と光を掴み前方に飛ぶ


ドウドウドウドウドウ

堕悪達がいたところにミサイルが落ちる、1人残された江美は爆撃に巻き込まれ…

「あれっ絶対当たったと思ったのに、おいおいそれはちょっとやばくねえか?」未確認飛行物体から弍参が身を乗り出して江美を見る

「!?」(やべえ目が合っちまった…)


「…」(全身タイツにゴーグルとは…趣味の悪いやつだな)

「貴様!今の!どうやって抜けた!?」泥発が仕切りに問いただす

「邪気乱ざとぅで乱雑に斬る事を移動でもやってみた、まぁ言ってもわからんだろうが」江美は笑みを含んだ表情でそう返した

(ご立派な髭にちょんまげと甲冑を装備か、ついにやけてしまうな…)

「舐めるなぁ!小娘ごときがぁ!」


「泥発のやつー意外と押されてるなぁ〜」ゴオンッ

「おおっとこれはよくないねえ」夜多は飛んできた堕悪死手を避けた、その後ろから2本目の堕悪死手が迫る グジュ パァン

夜多の背に生える木の実が堕悪死手に触れた


「な、がっ…」堕悪は膝をつく

「堕悪さん!」隼と光が駆け寄る

「大丈夫だ、少し驚いてな」

「でも、腕が…」

「黒い手は闇瘴気さえあれば再生可能だ、だから…光は離れていてくれ」

「あっす、すみません」

「直接攻撃は危険らしい隼、光、俺が注意を引くから属性能力で遠距離から攻撃を頼む」

「了解です!!」

ドウドウドウドウドウドウ

「ぐっ」再びのミサイル攻撃…腕1本で2人を抱えるには時間を要したため光の方は抱き抱える形になってしまった

「ああっす、すまん光」

「い、いえ私こそすみません。傷に触りましたよね?」

「ひ、光?」隼は何かに慌てた

(くっこのまま爆撃を食らい続ければ攻撃どころじゃない…) そんな堕悪の心情を察するかのように


ジジッ

「弍参、俺の方はいいからさっ泥発あれ押されてるよね?そっち手ぇ貸してやってどうぞ」

「はいよぉ!」未確認飛行物体が移動していく

「…いいのか?」ついそう聞いてしまった堕悪

「何も、変わらないさぁ〜」夜多はそう言った


キンッ ガキンッ ジャリン

「ぐぬぬ、我が愛刀ORGE・超振動アサルトがそんななまくらに押されるとは…」

「刀など、ただの武器でしかない勝敗を決するのはそこに込める想いの強さだ」ザシュンッ

「いやいやいや良い事言ってるように聞こえるけど、お前の場合ガチでなんとも思ってないじゃん買い換えたぬいぐるみも同じもんだと思ってる人種じゃん」

「?、ぬいぐるみは唯一無二だぞ?」ジャキンッ (甲冑に傷が入った、一般兵より上澄みのようだが超振動の方が硬いな…)


「ぐぬぅ、こうなれば邪眼の力を…」ジジッ

「おいおい、ダメだよ泥発さんそれは隠し球なんだからそう簡単に使っちゃ」

「弍参か、なら手を貸せ!マジでやばい」

「言われずともっ」カタカタカタカタ


キーン

「おーい武士のお嬢さん」ガキン キンキン

「って無視かよ…」江美は弍参には目もくれず泥発を押している

「まぁいっか、目にもの見せてあげるよ!」カタカタッ タン ブォンッ ブォンッ ブォンッ

「瞬間質量攻撃ユニット:オリオンの手」ドガーン ドガーン ドガーン

未確認飛行物体の底部から発射された金属板が巨大化し江美と泥発の上に落ちた


「はぁっはぁっはぁぁ…くっ」次の瞬間、江美は地面に這いつくばっていた

「はっはっはっ、やっぱり切ろうとしたね」江美は後ろを見る、潰れた自分の足と…泥発は生きていた

「ふっ、オリオンの手はORGE・超振動アサルトでギリギリ切れるようになっている、力の問題じゃないんだ単純硬度の問題。なまくらなら折れるのは必至さ!」ゴオオオオ 金属板が未確認飛行物体へと戻っていく

「さらに、オリオンの手は形状記憶!切った部分は勝手に戻るよ。全く大気圏用装備としては破格の性能だよねぇ?」


コオオ グチュ パァン ヒュオオオオ グチュ パァン

「くそっなんてやつだよ!光瘴気を実体化させた光の攻撃はまだ分かるけど、風の斬撃まで散らすなんてどんな判定してるんだよ!」

「これじゃあどうやって倒すんですか!」

「本体に攻撃を当てればいいんだ、当てれば…」(ぐっこいつ俺が黒い手で攻撃するのを避けながら飛んでくる2人の攻撃を捌いてやがる、木の実は2つだから隼の斬撃全ては対処出来ないと思っていたが…どんな体の曲げ方してんだこいつ)


「まずいな〜これは今度こそ死んだかもしれな〜い」ヒュオオオオ パァン コオオ パァン

(ちっ、いちいち腹の立つ野郎だ全く…)

ドガーン ドガーン ドガーン 堕悪の背後で何かが落ちる音がした

「!?」振り向くと江美が倒れている

「江美!」状況を察し、助けに入ろうとしたその時

「RED・レーザー。」

ビオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

空が赤く光った、近くにあった店がその光に包まれ消えたのを目にして堕悪達は息を飲む…暇もなく、それが起こす強大な衝撃波に吹き飛ばされた

ビュオオオオオオ


辺りに土煙が立ち込める中、瓦礫に埋もれた堕悪、隼、光が外へ出ようとすると

何やら声がした、慌てて瓦礫に身を戻すと


「あれぇ?保打(ほだ)じゃぁん何故きたんだぁ?」

「貴方に説明するためですよ夜多司令、ラウメアの主砲を勝手に撃ったとなると何されるか分かりませんからね、ついでに現地から射線誘導を行うためでもありますが…」

「ぁぁそう?」ジジッ

「おい、保打!撃つなら撃つって事前に連絡入れろよ避けられなかったらどうすんだ」弍参が鋭い剣幕で怒鳴りだすも

「ダイダーロムの移動可能予測位置ははずしましたよ、何か?」極めて冷静に返す保打

「ちっ、こいつ…」


「で、何故撃ったぁ?」夜多が首を曲げて睨み付けると

「ここまで熱心に破壊活動を行っているというのにどこの国も1報もよこさない!それもこれも貴方々がこんなところで道草食って遊んでるからですよ」と急に感情を昂らせる保打

「いや、これは反抗勢力の対処をやってたんだよぉ」

「どこがですか?真面目にやってないでしょ!それにいつからダイダーロムは対人兵器になったんですか?」

「…」2人は黙り込む


「ん?そういえば泥発さんはどこに…」

「小娘、これでトドメだ!」泥発が横たわっている江美目掛けて刀を振り下ろす

ザンッ

「何をやってんですか?」保打が手に持っていた刀でそれを抑えた

「何ってトドメに決まってるだろ?」

「はぁ〜、この威力を見ればさすがに降伏はすぐですよもう無駄な戦闘は避けてください、それにもう…動けはしませんよ」全身に土埃を被り右足は瓦礫に潰され左足はそこにない江美を見ながらそう言った

「いやぁ、だが!」

「もういいですって、はぁ〜いいですか?これが一発限りじゃないことは既にリーク済みです貴方々は一旦2区間の兵と共にラウメアに帰還し待機していてください」


「保打、お前はこないのか?」

「残った兵と駐留しておきます、誰かしらはいないといけませんが貴方々には任せられませんので」

「俺、一応司令なんだけど…」すっかり萎縮してしまった夜多が呟く

「いいからっとっとと行ってください、すぐ近くに私のクァンタムがありますそれを使ってどうぞ」

「はぁ〜引き上げるぞぉ〜」そう言うと足音が少しづつ遠ざかっていった


ガラガラッ 瓦礫を押しのけ堕悪達が出てきた

「もう大丈夫…いや大丈夫じゃないな、うん」

疲弊した光と隼を出し座らせると、堕悪は江美に駆け寄った

「江美…」声をかけると、江美は震えていた

「堕悪、私、こんな気持ちは初めてだ。倒すべき敵がすぐ目と鼻の先にいてあの状況ならあいつら2人倒すなんて容易かった、でも、それをすればカセイ全てがあの赤い光に包まれる、でも倒せた。倒せたはずなのに…」江美の目には涙が浮かんでいた

「堕悪、私はあれで良かったと思うか?」

「…」それを聞いた堕悪は、ただ額に手を当てるばかりであった

次回予告!

巨大戦艦ラウメアの主砲RED・レーザーの脅威にさらされ全世界が震撼する中、諦める心を持たぬ久と蟲夢。一時の安堵を噛み締める邪眼族を他所に着々と準備が進んでいく、そして明かされる蟲夢の心情

次回 第3章 3.休息の裏

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