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永伝(エデン)   作者: ちがタニ
永伝(エデン) 第2章 邪族戦争後期編
20/37

8.堕悪の1日警察!

前回のあらすじ

買い物に行った堕悪が捕まったとの知らせを受け、危険生物収容所(ドグマセンター)に向かった久達。無事を確認し帰ろうとするも鈴木の罠にハマり生死の境を彷徨うも…幸運にも堕悪が機転を利かせ助かった久達だが帰すための条件が他にあり、堕悪は全てを打ち明けることを選ばせることでそれを飲むと持ちかけ

交渉成立したのだった


「では、話と行きましょうか」 あの後鈴木はセンター内の職員を呼んで、機材の故障による爆発として処理した。


そして黒田もこっぴどく怒られたようで部屋に入ってくるなり、俺達に頭を下げその後は鈴木の後ろに立ったままだ


優達はというと…事が終わるまで帰らない選択をしたためセンター内で休ませるしかなく

鈴木は部屋を用意すると言ったが今の今で信用できるはずもなかったためこの部屋の隅にベッドを置いて寝かせている状況だ


「ではひとまず、もう知っての通り私達は

"モン族"です」

「モン族!?」 モン族、それは亜人種のひとつで見た目は人族と大差ないが…太古の昔に生きたとされる、神話に描かれるような化異物に変身できる能力を持っている

「やはりな」

「気づいていたのか?堕悪」


「ああ、何もお前に会うまでずっと部屋にこもってたわけじゃないからな…モン族のこともある程度はこの目で見てきた」 そう言うと堕悪は鈴木達を指差し


「その黒い服も首のチョーカーも本国の差別主義者達に強制されてるんだろ?」本国でのモン族は総人口の約4割を占めている、カセイや邪族よりもはっきりとした異形の姿は

属性なんかより差別するには格好の的なのだ

「聞いた話だと、本国在住のモン族全ての首にそのチョーカー型爆弾が付けられているそうだ」


「爆弾!?」 自身が受けた仕打ちより遥かに恐ろしいことをやっている本国に久は不信感を募らせていると


「ふっ流石に首に爆弾は都市伝説だよ、全国民に付けられているのは事実だが…それで日向を歩いている者は俺達みたいな公務員ぐらいさ」鈴木は笑いを抑え再び畏まると


「我々は化異人及び亜人種犯罪専門で操作を行う通称:執行官、これにより能力の一部使用が認められていて緊急時には覚醒も可能、

所属は一応本国警察・特殊犯罪対策課となっています。私はここの所長も兼任していますが…」

「なるほどな、専門職を作り力の全てを使わせるとは」 本国もただの能無しではなかったようだ


「そこで今回堕悪様に協力して欲しいことは、私と政府国の闇市に出向き違法薬物の取引きを検挙するというものです」 その事に最初に反応したのはなんと黒田だった


「鈴木さん!その仕事は俺と行くはずですよね、なんでこんな奴とここで…」 騒ぐ黒田に鈴木は

「お前は今回の一件で謹慎だ!クソッ勝手に覚醒したあげく私の世紀の大発明をめちゃくちゃにしやがって…もう話は終わりだお前は書類整理でもやってろ」 それを聞くと黒田はしょんぼりして部屋を後にした


「では堕悪様、改めてご協力の程よろしくお願い致します」 と言って頭を下げる鈴木

「ああ、話に嘘はないようだし従おう!」 といって堕悪は鈴木の手を取った


話が終わり部屋を出ようとすると鈴木に

「予定は明日なので伝永様達にはそれまでここで休んでもらうことになります」と言われた



「ええっいや俺はともかくこいつらはどうすんだよ!?」 堕悪はそう言い優達を指したが

「一応強いこと言いましたが、バラされると普通にまずいんで念の為…」 それを聞いて堕悪はため息をつくと

「まぁー結局発端は俺だし?しょうがないか…」

するとその声に皆目を覚ましたようだ


「ふわぁおはよぉ?」 優は起きるなりキョロキョロと辺りを見回し

「どこ?ここお」

「久さん、これはどういう」

「私達ベンチで待ってたはずなんですけど…」


「どういうことだ、何も覚えてないのか?」

「おい、鈴木何をした?」

「せめてもの配慮ですよ。睡眠剤、投薬しましたよね?あれに数時間の間の記憶を消す薬を配合していたんですよ」


「お前、この期に及んでまた!」 堕悪が鈴木に再び掴みかかると

「落ち着いて下さいよ私だって円満に解決したいんですって」 俺は堕悪を宥めひとつの質問をした


「記憶が戻ることは絶対にないのか?」

「範囲は個人差がありますが、効果は折り紙つきです心配いりませんよ」それを聞いた久は…流石にこいつが噛んでいることはなさそうだが…薬の方は詳しく調べるべきかもしれんなと思いつつも

「ならまあ…いいか」 と答えた


プルルルルル

「もしもし」 部屋を出た俺達は宿舎で日を跨ぐことになり、その旨をやんわりと江美に伝えようとしていた


「なぁにいいいいい!!!」 電話越しものすごい剣幕で怒鳴られた、耳が痛い

「いや、だから江美もう少しだけ帰るのが遅くなりそうでその」

「だからぁ!連絡が遅いしそれでやっと来たと思ったらなんなのよ、何かよからぬことでもしてるわけ?」 事実ではあるが…面倒なので


「堕悪、変わるぞ」 そう言って堕悪に手渡した

「ええっおいちょ久…あ、江美元気にしてたか?」

「なぁにをしとんじゃあああ!!!」 鋭い剣幕が今度は堕悪の耳を襲う

「アンタは買い物ひとつできないんか!待ってるこっちの身にもなってみろ!この………」 江美が言葉に詰まっている、暴言のレパートリーがないようだ


「江美?どうした」

「どうもしてないわよ!」

「江美、なんだかいつもと違うな…」 江美は指摘に気づいたかのように咳払いをすると

「と、とにかく!連絡はこまめにするのだぞ

あんまり遅いと心配するでな!」と言って通話を切った


「帰ったら本格的にやべえかもな…」 俺は堕悪の肩をそっと叩いた


翌日

「ではこれより予定していた任にあたる、また今回は同伴者として闇属性の被疑者堕悪氏を連れ、彼の罪を軽量化する手続きを踏む」

職員と久達に見送られ堕悪は車に乗った


「頑張ってください!堕悪さん」

「信じて待ってますよー」


「だあく〜いってらっしゃーい」

「うぅ…鈴木さん、次は絶対俺と行きましょうねええ」


「堕悪、無事に帰って来るんだぞ!」

「ああ、当然だ!」


〜政府国・闇市〜


「着いたぞ」 鈴木にそう言われ車を降りると

そこはものすごく賑わっていた…

「なんだよこれ、露店が連なって祭りごとの屋台とでも言いたいのか!?」 あまりにも異様な光景に


「当然だ、政府国の警察はこのような事には疎くてな…堂々と違法行為を行える訳だ」


「これ全員捕まえんのか?流石に2人じゃ…」

「俺達が立件するのはあくまで亜人種犯罪に限った話だ、今回売買されるブツは核の出力を上げ属性能力の質を高める代物だ…力剣士なんぞには価値のないガラクタだがな」 そう言うと鈴木は何かを取り出すと堕悪に渡した


「発信機付きのイヤホン型マイクだ、俺は顔が割れているからな…これ付けて取引き現場を張っておけ、取引きを確認したら合図しろ、指示があるまで絶対動くんじゃないぞ」 そうして目的地に向かうように言われるが


「ちょっと待てよ、目出し帽とかフードとかいらないのか?」

「ふん、お前は格好がもうそういう系だから

誰も気には止めんだろ」

「地味に傷つくなあ」


そうして堂々と闇市屋台を歩いていくと

「色々なものがあるな」 薬物、奴隷、武器や工業用機械まで様々なものを捌いている


「おい…」

「うわっ!!」 耳元から急に声がしたので驚いて騒いでしまったが、賑やかすぎて周りには聞こえていないようでふと息をついた、すると

「おい、気をつけろ!」

「いきなり声を掛けるからだろ?そういうのは事前にやっとけよ」 と愚痴を零す堕悪


「ふん、それとあまり目を合わせるんじゃない…怪しまれずとも新参と思われて目をつけられるかもしれないからな」


「はいはい気をつけますよ」

そうして再び歩いていくと

「そこでストップ、取引き現場に着いたな」

鈴木が話しかけてきた、よく見ると小柄な男がうろうろしている

「これからどうすればいい?」

「もうすぐ売人達が来る時間だ、お前は見つからないよう隅にあるダンボールに隠れていろ」

そう言われて探してみるが


「おい鈴木!」

「なんだ?もうまもなく来るからさっさと隠れろ」

「いやこのサイズ入れねえよ、ギリつっかえるんだが?」 鈴木は少し考えると


「そうか…黒田用のサイズにしていたからお前では合わないのか」

「どうすんだよこれ」

「あーもう適当に隠れろ!任せたからな!」

と言って鈴木は切れた

「あーっておい、しっかりしろよ!あーもう」 すると足音が聞こえてくる

「やべえ、どっかないかどっかないか早くしねえとおおお」


「あっやっと来てくれましたか…待ちくたびれましたよぉ」 小柄な男が売人と思しき人物と会ったようだ


「ふぅ、とりあえず何とかなったぜ…」 堕悪は黒い手で自身を覆い尽くし隠れた気になっていた


「ごきげんよう、指定した料金はちゃんとございますかな?」

「ああはいもちろん今お見せしま…」

「ところでこの変なオブジェはなんですか?」

ギクッ 売人が黒い手に気づいたようだ、至極当然だろう


「はい?」

「ほらここのこれ、なんですか…忍者の手?」

「怪しいな」 「そうですね」

売人の護衛がそう言い出し冷や汗が垂れる堕悪


「ちょっと、お金は後でよろしいですか?先にこっちを片付けなくては…オイ!」

売人の護衛が少しづつ近づいて来て

「うっこれは…光属性能力:聖刃(せいじん)!」売人の護衛の攻撃を急いで交わす堕悪


「こいつ、盗み聞きとは!」 「どうしましょうか?」 売人の答えは

「殺せ!これを今知られてたまるか」


「げっ相性最悪だぜ…」 堕悪はそう言いつつ戦闘態勢に入るが

「ブラッドクロス!」

「なっう、動けない…」 「ちょっとなによこれ」

売人の護衛2人が急に十字型の物体に拘束される


「お、お前達何をやっている?」

「ひっひええ…」 売人と腰を抜かす小柄な男の前に鈴木がやってきた

「全く、隠れるのが下手にも程があるだろう?」

「誰のせいで…いやそれよりこれは一体?」 問に対して鈴木は


「俺の能力だ、言ってなかったか?モン族は非覚醒状態でも覚醒後の能力の一部を使えると」

全くもって初耳な気がするがそんなことより

「なんで今来たんだよ!だいぶピンチだったぞ」


「いやなにずっと傍で見ていたさ、ただ取引きが見られなければ立件できないしかしお前が属性能力で襲われれば話は別だ」

「利用したってのかよ!?」 少し怒りが湧いてくるが

「今は後にしろ」 そう言われ黙った


「ま、待て近づくなぁ!バケモノが」酷い怯えようだモン族とわかるや否やこれか…

「はいはい、おっお兄さんこれはなにかな?」

「ひっ知るか!そんなもん…」

「とりあえずご同行願えますかね」


フォーイッフォーイッフォーイッフォーイッフォーイッ

そうしてサイレンが鳴り響く中、増援の執行官達により取り抑えられる売人達


「ひとまずこれでお前の仕事は終わりだ、センターに戻ったら晴れて自由の身さ…と少し話があるようだそこで待っていろ」 と言い他の執行官の元へ行った


「はぁぁ、正直1人であのままだったら

今までで1番きつかったかもなあ…」 と嘆いていると

「ん?」 何やらでかいものを持ってコソコソと走っていく人影を見つけた

「怪しいな」 鈴木には待てと言われたが気になって追いかけた


「はぁっはぁっはぁっはぁっ、これで…これさえあればっ」

「待て!」 堕悪は走る男を呼び止めた

「あぇ?」 困惑する男に俺は

「俺は執行官の者だ!怪しいやつめその手に持っている鞄の中身はなんだ?」 と言うと


「ひっい、いやこれは…」 男の態度に調子に乗った俺は

「なんだ、人に見せられないような物が入っているのか?」 とさらに言及すると


「ひっふへへっへへへへへへへへあっ」 男は突然笑い出して

「ああんなおおもいいをしたんだいい今、うばばわれてたまるかぁ!!!」 すると男は鞄からなんと注射器を取りだし、自身の体に打とうとし…

「なっ待てこの!」 堕悪は黒い手を出すが既に遅く


ズュルズュルズュルズュルビクンッザバアァァ

男の体から大量の核エネルギーが放出され

それが肉となり体を覆っていく


「う、嘘だろ」 そして次の瞬間堕悪が目にしたものは

「ニタア、これなら敵なしだなあ」

喋る化異物、化異人だった…


するとそこへ

「おい!待っていろと言ったはずだ」 鈴木が駆けつけ

「こいつは…緊急事態、至急増援の執行官はここへ」 鈴木は状況を冷静に判断し増援を呼ぶと


「堕悪離れろっ」 化異人が腕で周囲を薙ぎ払う

「ぐっ」 堕悪は急いで避けるが…シュッ

「何っ!?」 化異人の爪が伸び堕悪を襲う

「ブラッドクロス!」 鈴木が能力で爪を切って防ぐも一瞬で再生される


「鈴木!さっきみたいにそれで拘束しろよ」

「ダメだ、変身前のブラッドクロスで拘束できるのはせいぜい3mまで…こいつはデカすぎる」

「鈴木執行官!」 するとそこへ増援が到着したようだ、だが


化異人の腕が伸び吹き飛ばされる執行官

「なっなんだこいつ」

「くっ想定外すぎる…」

「へへへっ最高の気分だーぜぇぇぇ」


「おい!増援が来たならなんとかならないのか?」

「無理だ今回はあくまで対人任務、実績はあっても対化異物はあくまで力剣士の領分、準備もなしにやれることは…一つだけだ」 鈴木はそう言うとチョーカーに手をかけ


「堕悪!追加の仕事だ、始末書書くのも手伝ってくれよ…覚醒。」 コァオォォォォォ


鈴木の胸が光りだし大きな音を立てて巨大な何かが出現した

「変身:ブラッディクロス」 20mはありそうな巨大な立方体に大きな目が付いている


「なっなにいいいそんなのズルだろうがああ!」 化異人が声を荒らげている一瞬のうちに

変身した鈴木の背部から出た十字型の物体に化異人は拘束された


「変身解除!全く、余計な仕事が増えちまったな…」 そんな鈴木に周りは


「凄いです鈴木さん!」

「いやあ助かりましたよ」 と賞賛の声だが、これが人族であればまた話は違ったのだろうと思う堕悪であった


〜危険生物収容所〜

「あ〜疲れたぁ」 帰ってくるや否やソファにふんぞり返って休む堕悪

「お勤めご苦労様です堕悪さん」

「ちょっと隼それは違うやつだよ!」

「お勤め〜!」


「何はともあれ、堕悪よくやった」 堕悪から返答はなかったが俺は安堵しテレビを付けた

「にしても…」 何を話しているんだろうか、奥が慌ただしい


「何かあったのか?」

「ああ、例の人が化異人に変化したものだが…どうやらこの薬品が影響しているようでな」

そう言うと鈴木は深刻そうな顔をして


「これが事実である以上すぐに本国に報告せねばならない、既に政府国で確認された以上全世界に流れるのも時間の問題だろう…化異人が本国以外にも現れ出すかもしれん一刻も早く事を伝えて大元を一斉検挙しなければ!」 そう言うと鈴木は急ぎ足で職員達と奥に消えた


「堕悪の事はまだまだ時間がかかりそうだな…」

また江美に電話しなくてはならないと思うと

気が滅入る


「次のニュースです。速報、カセイ国軍本部、壊滅」

「えっ…」

次回予告!

久達が危険生物収容所にいる間に、カセイ国軍と魔王軍が衝突!?勝利した魔王軍一行は久達のいるカセイ国東の地へと攻め入る、全面戦争の命運を握るのはどっちだ?

次回 第2章 9.勝負!魔王軍残党

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