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永伝(エデン)   作者: ちがタニ
永伝(エデン) 第2章 邪族戦争後期編
18/36

6.心の談論

前回のあらすじ

魔王軍に協力したかつての英雄ゴルゴンゾラの第1提督とマオは夜白の命を受け久達の元へ再度の攻撃を仕掛ける、マオの圧倒的な力によって苦戦を強いられる堕悪達…優もまた、内に秘めた思いが溢れ出す。だが決死の覚悟でぶつかることにより各々のやり方で奇跡的に撃破したのであった


「うぅ…」 堕悪の目が覚め、マオの姿を探すと

「起きたか」 江美が話しかけてきた


「江美…どうして?」

「安心しろ、あの邪族は私がトドメを刺した」

その言葉に安堵するも、すぐに辺りを見回し

「隼!光!大丈夫か?」 と大声で叫ぶと


「はい…」

「うぐぐ」 するとか細い声で光が声を上げる、隼の方はだいぶ弱っている様子で肩を支えられギリギリ立っている状況だ


「わかった、俺は久を探しに行く…江美は優の元へ急いで欲しい」 と伝えた

「わかった、用心するんだぞ」 そうして言葉を交わしそれぞれが向かった


「優殿!無事か?」 江美が駆けつけるとその場は


「すー、すー、」

「ぐがぁぁぁ、ぐがぁぁぁ」 と、優と知らないおっさんの2人が肩を並べ寝ていたのだった


「ぐっ!」 江美は警戒し急いで刀に手をかけると

「あれっ?」

「なっ」 急におっさんの目が開き、驚いて後ずさりする

「あ…あっいやいやいやなんでもないんだ、えーとそう!ちょっと良い場所があったもんで

ガハハハハ…さらばだとうっ!」 起きたおっさんは急に流暢に語り出したかと思いきやその場を去ろうとする


「なっ、待て逃げるんじゃ…」 すると

「ふぁぁ」 優が起きたようで

「優殿!大丈夫か?どこも怪我していないな?あの者は?」 と心配のあまり肩を揺さぶり質問責めにする江美だったが…


「ううう…」

「ううう?」

「うるさーーい!」 優の触手に投げ飛ばされた江美は不意打ちかつ打ちどころが悪かったのかそのまま再度気絶してしまった…


一方堕悪は

ダンッ 壁に拳を打ち付ける堕悪

「ぐっこのフロアどころか建物内のどこにも居ないなんて、どこに行っちまったんだよ…久」 と思い詰めていたのだった。そして


〜魔王城・王の間〜


魔王は扉の前で、ずっと落ち着きのない夜白を見ていた

2人が行ってからずっとああしているようで

時折真剣な目になったかと思えば辺りを見回して俯いている

魔王は体の再生が一定に達したことに気づいており話しかける隙を伺っていたのだが

今…


「マオが死んだ。」 魔王が言葉を発する間もなく夜白がそう告げた

あまりにも大きな声だったため部屋全体にに響いたのだが、生憎奈落神を除けばここにいるのは魔王と夜白だけであった

____________________


ガラガラガラガラ

「ん、どこへ行くごぼぼぼ…」 ギガントがギランの担架を引いて部屋を出ようとしていた

魔王と夜白が鋭い目を向けると


「戦況…危ういんでしょう?夜白さんも思い詰めた顔してるし嫌でも伝わってきますよ、そういうのがギラン様を追い詰めるんです!」

そう言い放つとギガントは出ていった

____________________

そうして

「分かるのか?」 魔王が口を開いた

「ええ、そうですが?」 夜白はそう言って魔王の方を見るとなにかを察したようで


「お元気になられて、何よりです」 そう笑顔を見せる夜白だがその目には感情が感じられなかった

「そう言う貴様は元気がないな?」

「っ…」 夜白は一瞬考えると


「分かります?当然でしょう、自らが作った手駒2人に裏切られ残った者は殺され…ゴルゴンゾラも今頃退散していることでしょう。」 夜白はつい感情的になって

「ここまでされていつまでも貴方のようにヘラヘラと笑ってはいられませんよ!」 と言ってしまった


「はっ、申し訳ありません魔王様…」 急いで頭を下げる夜白だったが

「今まで〜!」 魔王の声が響く

「!?」

「今まで貴様は、私に自力では返すことのできないほどの貸しを作った…堕悪をよこし、私の悲願を叶え、果ては私の命を救ってくれた」

「そ、それは…」 策謀であったことを述べようとする夜白に


「いくら魔王とはいえ、恩人に報いるぐらいはするべきだ…力になりたい、本音を聞かせてくれ」

「うぅ…」 夜白は口を開くと

「私には父と母そして姉がいた、だけど私の親は伝永雄司と繋がって失踪しそして姉も彼の手に落ちた、邪族戦争は復讐のため利用する。あの男を打倒し姉を取り戻す!そのために」


「そうだったとはな、通りで闇属性でもない娘っ子が1人でここへ来たかと思えば…」 その言葉に夜白が動揺する

「まさか、気づいていたんですか?」

「ああ…通常人の体というものは、たいてい核の色に応じた特徴が現れる場合が多い」 そう言って夜白に目をやると


「貴様のように実際に核の色と違った髪色等になるやつもいるが珍しく稀有なものだ…」

「少々詰めが甘かったみたいですね、ちなみに何属性は分かります?」 魔王は首を傾げると

「いや、貴様のような白髪は滅多に見ん、私にはわからんよ」 そう言葉を交わすと


「さて、話してみて気分はどうだ?」

「まさかこんなに早く打ち明けることになるとは…思いませんでした、少し心が軽くなった気がします」

「それは何よりだ、ところでその…」 魔王がそわそわしだし珍しく真剣な眼差しを向けたかと思えば


「私の覇道を共に歩む選択をしてくれた我が恩人夜白。私の名は…闇枝疑柿(やみえだぎがき )、これからのため共に名で語り合う仲になりたいと願う!」 突然のことだったが夜白は表情1つ崩すことなく頷いた


「夜白、これからも私に出来る限りのことをさせて欲しい。」 魔王は精一杯の感謝を示すと

「ええ喜んで、疑柿さん」 夜白もそれに応え、2人の関係は新たなものへと形を変えたのだった


〜天空樹近郊〜


「ハァハァ、なんで私がこんな目に…」

____________________


「邪君、側近として私に仕える気はないか?この魔王ギガーンである私の…」 パアアア

____________________

「ぐっ…あいつさえ、あいつさえ来なければ!」

邪君は過去の記憶に囚われていた、そんな心の弱さに漬け込む輩がここに1人


「おやおや、可哀想にあなたは用済みとされてしまったのですね」

「何奴!?」 邪君が振り向くも誰もいない、だが声が聞こえてくる…そう、手の中から


「可哀想な邪君、新入りに自らの座を奪われた挙句下っ端のようにこき使われる日々…頼みの綱である主人すら耳を貸さない始末で…」

「お前、なんなのだ!」 邪君が手を放すと


「申し遅れました、ワタシは重力族支配階級第さ…いえいえなんでも」

「怪しいヤツめ、やはりなにか企んで…」 邪君が攻撃態勢に移ると

「いえいえとんでもない、ワタシはあなたの力になりたいだけです!」


そうして座り込むとペラペラと同情しだす伯爵

「ワタシも分かります、自らの方が優れている!誰よりも良い働きができる!というのに…ボケた主とずる賢いあいつのせいでっ」


「なっ!?」

「ワタシはもう手遅れの身ですが、あなたは違う!ワタシの力さえあれば主の目を覚まさせ無能な新入りを追いやることだって叶うのです。そう…伝永久を殺せば」 邪君はそれに言葉を失った


「貴様…それは素晴らしいじゃないか、私の有用性を示し立場を分からせることができる最高の。早速教えてくれ!」

「フ、では…」 伯爵は怪しげに笑って

「参りましょうか!」 マントを翻した


〜カセイ国守官管理所〜


「堕悪さん!」

「んどうしたんだ?って江美、なんでまた地べたに寝そべっているんだガハッ…」 い、一瞬の隙に…

「失礼な!もう起きている」

堕悪は腹を抑えながら口を開いた

「そ、そっちは無事のようだな」 優の体は一切の外傷がなく服も驚くほど綺麗だったが


「そうだが、逆に違和感を感じるというか」

江美はそう言うと

「そういや堕悪、久はどうした?」

「えっここにもいないのか?」

「どういうことだ?」

堕悪は事情を3人に説明した


「つまり久さん、行方不明なんですか?」 光の言葉で途端に場が不穏になる

「行方不明…いや、そんなはずは」 江美は最悪の事態を想像し苦い顔をするが


「あいつに限ってそんなはずはない、だから俺は思い当たる場所を片っ端から探して行こうと思う」そんな堕悪に対し皆は


「私は隼を見ないといけないので」 と答える光に

「私も、念の為優を診ておかなければ…だが堕悪、あまり無理はするな。」 江美だったが

「無理だなんて、すぐ連れて帰ってきてやるよ!」 そう意気込んで堕悪は行った


〜カセイ・町外れの岩場〜


「逃げてはいない、仲間を、俺は逃げてない逃げてない逃げて…など。」 久がフラフラと歩いていると


「フッフッフッフハハハハハハハハ!銅羅夜寄伯爵参上〜ギゲェェェェェェ」 そこへ邪君をつき従えた伯爵が現れた

「フフフ、どうだ?伝永久、何やらうわ言を呟いていたようだが…このスーパーDX形態のワタシを見れば言葉等すぐに失ってしまうだろう!」

____________________

「では…ワタシの仮面をお外しください!」


「わかった。」 邪君はそーっと伯爵の仮面を掴んで上にあげると


「見たな?」 グサッ その声と共になにかが邪君に刺され

「ぐっ何を!?ぐがああああぁぁぁ」 邪君は倒れると

「ギゲエエエエエエエ」 巨大化し言葉を失った


「フフフ傀儡の魔針、失うのは惜しいがやはり強大な力を持っているな…あとは一部の力を奪い再生するのみ。伝永久!待っていろよ」

____________________

「逃げてない逃げてない逃げてない逃げてない逃げてない…」 だが久にはそれが眼中にないようだった


「フッ小生意気なやつだ、せっかくの好意を無駄にするとはな」 その言葉のあと邪君の攻撃で久は投げ飛ばされた

「逃げてない逃げてない逃げては…」 だが地面に叩きつけられた久は全く動じず傷は再生していく


そんな久を伯爵はいたぶり続けた

「フッこのっこのっこのっこのっこのっ」 散々に痛めつけ流石の久も再生が間に合わないようで核エネルギーが全身から零れていた


「フットドメだ、最後まで惨めなやつめギエエエエエエエ!」 それが最期と思われたが


ドンッ ザザァ

「久!てめえ何やってやがる!」 堕悪が久を抱え攻撃を避けた

「フフフッ面白い」 (伝永久に似た青年、黒髪だが間違いなく似ている…)

伯爵はあまりの状況に思考に没頭し出した


「堕悪…何故この」 ガンッ 堕悪は久の顔を殴った ガンッガンッガンッガンッ さらに複数回繰り返し殴った

「お前、言ったよな?俺達を信頼できる仲間だって!それなのにどういうつもりだ」 そしてまた殴ろうとした手を久が止めた


「想定外だった、最高戦力である江美が一撃でやられ敵は2体、もはや残された道はないとそれで」 バコッ 堕悪は黒い手で久を殴った


「馬鹿野郎!なら何故1人で逃げた、俺達を引き込んだのはお前だろ?みんなで逃げるって選択もあったはずだ」 堕悪は涙ぐんでいた

「お前がどう思っているかは知らないが俺達は皆お前に救われた、俺も優も隼も光も、江美だって…もはや俺達は仲間なんて軽い繋がりじゃない家族だ!」

「それは…」


「だから、自分勝手に判断して孤独を選んでんじゃねえ!せめて相談しろ俺達に!」 久は自らが求めるもののために自分が他のものに目を向けられていなかったと気づいた

「そうだな…堕悪お前は俺の、家族だ!」


「フフフ、長話は終わりましたか?不意打ちしなかったのはせめてもの礼だ、2人の伝永久!その身心ゆくまで食らってやろうギゲェェェェェ!」 素早い攻撃に急いで堕悪が対応するが…

キンッ ズシェッ ドパッ

「なぁぁなんだなんなんだ貴様ァ!」


「おいおい堕悪、抜けがけはずるいぞ」

「そ、そうですよ俺だって…」

「私ももちろん」

「かーぞくー!」 と皆が現れた


「お、お前らどうして…」

「優さんが言ってくれたんですよ、家族はいつも一緒に居ないとって!」

____________________


「うぅだあく、ひさしどこ?」

「優殿、今2人は大事な」

「もう!2人ともこんなときにいなくならない!家族なら一緒〜!」

「はっ」 3人は目を丸くすると家を飛び出した

____________________

「だーあくーー!」

「うっううう優…」 堕悪は袖で目を拭う

「何泣いているんだ堕悪、まだ戦闘は終わってないぞ」

「はっお前、ほんと空気読めねえやつだな!全く…」 冷静な発言の久に怒りを通り越して呆れる堕悪に


「今までありがとう、そしてこれからも家族として協力してもらうぞ!」 と久は言った


「フッ小癪なガキ共が!大人しくワタシの糧となれえええギゲェェェェェ」 そうして始まった銅羅夜寄伯爵との戦いは呆気ないものだった


「はっ!」 江美がもう片方の腕を切り

「がぁっ」 「えいっ」 堕悪が抑えた邪君を光が仕留め弱ったところを

「久!」

「れんぞくぅやいばぁぁぁぁ!」数多の流槍刃が激しく襲いかかる

「フ…ぬああああああ」 邪君の体が弾けた勢いで彼方までふっとばされた伯爵、そして

「ハァ、魔王…様ァ」 邪君は消え去った


「勝った、勝ったぞおおお!久〜」 そうして堕悪を筆頭に皆が久に抱きつき打ち解けた久の心を温めたのだった


「ほら!胴上げだ胴上げ〜」

「待て堕悪、そこまでは…」 だが久は諦めて身を任せた…

次回予告

久と打ち解け健闘を称えあったことでいつも以上に元気いっぱいだった堕悪がなんと逮捕!?連れていかれた場所は危険な香り漂う研究所

そして久達に接触してきた謎の男、その目論見は?

次回 第2章 7.堕悪逮捕!

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