1.理想と違うたその身の宿命
外伝紹介 全3話
「俺の名前は酒井純滅、伝説を目指す力剣士の1人だ」
誕生以来、活火山の毒に犯されたカセイ星
そこに蔓延る異形の存在 化異物を
倒すべく俺達は日々精進している訳だが…
「おい、見てみろ新しい依頼だぞ!」 「人手が要るな」 「おーい集まれ集まれ〜」
「…」 他の者達と共に討伐に向かう俺
「いたぞ!」 「バカでかいな」 「まずは俺が行く」
「…」 他の者達が立ち向かって行く中立ち尽くす俺
「喰らえ飛空剣!」 「バーサク・スラッシュ!」
他の者達が技を放つ姿を眺める俺
「ほらこれ報酬だっ」 「あいつ、なにもしてなかったよな?」 「これで公平とか有り得ねえよ」
と他の者達に罵声を浴びせられる俺
そうだ、俺は技なしの剣士なのだ
力剣士は通常 核の色に応じた属性の力を剣に込めて戦う、これは化異物に対し物理的な攻撃の方が有利であるためだが…
「ぐっ俺の技では…」 (生まれてこのかた力剣士を夢に見てきたが、俺の力は:もろばの剣 …強大な攻撃を放てる代わりに自身の体に負荷が発生するというもの耐えきれなければ自壊してしまう)
「威力も範囲も調整できず、多人数主体の化異物戦では圧倒的な戦犯と化してしまうこの技」(このせいで俺の夢は半ば絶たれたと言ってもいい、だが俺は諦めはしなかった…!)
「もろば斬り!ぐっ…」 腕が激しく痛み出す
「ぎゃばぁぁぁぁ」 (だが…今日もまた新たな敵を討つことができた。)
表では木偶の棒と化して日銭を稼ぎ
裏では切磋琢磨技を磨く
このくり返しで俺は我が道を生きてきた
だがある日、
「ハァ、ハァ、一撃で…足りないなんて」
「ぐぶるるるるるっ」 ある日のそいつは
もろば斬り一撃で沈まなかった、驚いた俺は化異物の攻撃に対応できず今は命からがら息を潜めているところだ…
「ぶばぁっぐごおおおおお」 激しく叫んでいる、俺を探しているのだろう…
「今見つかる訳には…」 もろば斬りは最大で平時の4割の体力を失うこととなる、試したことはないが2発目を放てばまともに動くこともできなくなるだろう…
ここは化異物の発生エリアであり
調整のできない俺にとってはこの機を脱しても集まった奴らに殺されるのが関の山
「結局、身の丈に合わなかったか…」 脳裏によぎる周囲の声、化異物が近づいてくる
だが…まだ死んではいなかった
ズジェンッ 音と共にちぎれおちる化異物の腕
「!?」 目をやるとそこには1人の男がいた
そいつが振り返り 「大丈夫か?」 と問いかけた
「いや、まだだ!」 化異物が再び攻勢に出る
「奴らの再生力は人のそれとは比較にすらならない、 圧倒的な生命力を持っているんだ!腕1本なんかすぐに…」 しかし腕は再生していなかった
ズジェン!「秘技:再生封じ」男がそう呼んだ攻撃はやつの再生を封じたようだ
「だがっ」 断面からの再生が困難とわかると化異物は背から腕を生やしてきた
「助けにきておいてすまないが、助力願いたい」 俺は…そいつに賭けてみることにした
「あぁ、任せろ!」
「べぼおおおお」 激しい唸り声と共に化異物が崩れ去っていく
「すごい威力の攻撃だな」 男は感心しているが
「ぐはっ、ここまでか…あとは頼んだ」 そう男に告げ俺は眠りについた
「ここは…」 ふと目を開けると俺は知らない場所にいたすると先程の男が口を開く
「やっと起きたか、どうやら大事ではなさそうだな」 もろば斬りでの身体負荷は肉体にダメージを与えるものではない時間が経てば治るものだ
「しかしお前、何故あんなところに一人でいたんだ化異物の出現エリアで迂闊だぞ?」
「俺は、伝説を目指しているんだ…だが俺の技は人を巻き込むから1人で」 それを聞くと男が
「お前も伝説を目指すものなのか」 と言う
「というと?」
「俺も伝説を目指して孤独を選んだ者なんだ、あれは…」 というと男が過去を語り始める
「俺の家は先々代が伝説と出会い、今の力剣士全ての原型となった技を授かった名家なんだが…」
「4代目となるはずの俺は能力を引き継げずこんな異能と化してしまった」 そう告げる男に対し俺は
「異能だって?、化異物の再生を阻害するなんてすごいじゃないか!」 そう言うと男は俯いて
「話には続きがあるんだ、俺の家系は代々風属性なんだが俺の技は闇属性なんだ…」
「えっ?」 核の色と違う属性の能力…それに俺は衝撃を隠せなかった
「どうやら伝説の技は闇属性でそれが移ったらしいが、今この時代闇属性を抱えた家なんぞよからぬ噂が立ちかねない…俺は家を出ることになったんだ」 そう言うと男はこちらを向き
「俺の目的は伝説と会うこと、会って弟子入りさせてもらうために動いているんだそして今日お前と出会った同じ意思を持ったものと会えたのはこれが初めてだ、どうか力になってくれ」 強い信念と志は俺の心を惹かせたが
「悪いがそれは出来ない…」
「どうしてだ?」
「俺の技は人の手を煩わせるものだ、仲間になればお前もただではすまないだろう」そういって払おうとするも
「それがどうした?俺は今まで人に手を貸そうとしても離れていくばかりだった、それをお前が求めてくれるなら本望さ!」 その言葉を聞きならばと頷いた
「ありがとう、今日からお前は相棒だ!」
「そういえば名前を聞いていなかったな、俺は月壊無倉だ相棒!」
「そうか俺は、酒井純滅…よろしく相棒!」
そうして俺達は見据えた目標へと進み出した
次回予告! 真に伝説を目指すと決めた2人は連携技の特訓に!しかし予想外の出来事に乱入する仮面の男…2人の命運はいかに!?
次回 外伝2.集いて文殊となりし3方




