3月24日
今日も中域。
ラウラは低値。
変わらない事が心配になったので、偽装も変身も解いた状態で眼鏡を掛けて鏡を見る。
初めて眼鏡を掛けて見た時より、確実にオーラは小さくなっている。
次に偽装だけ。
エミール位だろうか。
今度は逆に変身だけ。
タケちゃん位か。
次は偽装も変身もし、鏡を見てみる。
ショナ位。
ショナこんなんで、良く魔法使ってるな。
環境が違うから平気なんかしら。
そうして確認後に眼鏡を外し、中庭へ出て氷を取り出しバケツへ入れる。
器にヤカンの水を入れて、部屋へと戻る。
次にお湯を沸かしてカフェオレを作る、朝食はサンドイッチ。
洗濯をしていると、ランドリーでハーブ滓の陰干しに使えそうなネットをゲット。
3段の丸い網を吊り下げ、ハーブ滓を敷き詰める。
洗濯が終わるまで、過去問を解く。
洗濯物を干し終えてから軽くストレッチをし、自転車に乗りプールへ向かった。
良くストレッチをしてから、今日はノーマルフィンを借りて泳ぐ。
肺に酸素を詰め込んで、潜水して泳ぐ。
ターンの度に息継ぎをしていたが、過呼吸気味になるのでターン関係無しに息継ぎをする。
苦しくなったら息継ぎ。
イルカやクジラの様に浮いて酸素を補給しては、また少し潜って泳ぐ。
そして両手を使ってみたり、いかに早く泳げるか試行錯誤。
今の所は平泳ぎの形が良さそう。
夢中で泳いでいると、休憩のベルが鳴った。
全員が出ると監視員が潜り、もう1人が水質検査。
サウナの中でその光景を見ながら暖まる、そして汗をかく前に出て水分補給とストレッチ。
このストレッチをしてれば筋肉痛は緩やかになる、らしいが、そう思い込む。
良くストレッチしてからサウナへ入り、再び身体を暖めてからフィンを付けてプールへ入る。
何往復目かで少し疲れてきた、ココで無理をしたらどうなるのか。
運動経験が無いので、無理をすべきか休むべきか分からない。
ただ筋肉痛を避けるのであれば、ココで上がった方が良さそう。
時間もお昼を少し過ぎた辺りだし、今日はもう止めておこう。
サウナで良く暖まってからシャワーを浴びて、次はスーパーへ。
チルドのひな鳥が2羽で安い、並べてオーブンに入りそうなサイズなのでカートへ。
牛乳と生クリーム、卵。
玉ねぎニンジン、カボチャ、ホウレン草とマッシュルームもカートへ。
それとシーフードミックス、賞味期限が近いので安い。
これもゲット。
「あら、アナタ、ラウラって子を知ってる?」
「え、あ、まぁ」
リタに出会ってしまった、しかもいきなり話し掛けるって凄いなリタ。
「あ、急にごめんなさいね、東洋人って珍しいからつい」
「そうですよね、お知り合いですか?」
「うん、下宿先に少し居てくれて、ラウラは元気?」
「はい、多分。入れ違いだったので、元気にしてるとは聞いてます」
「そうなの、私はリタ、宜しくね」
「シオンです、どうも」
「ご兄弟とか?」
「まぁ、そうらしいんですけど、一緒には育って無いので」
「そうなの、もし暇があったらココへ来て、御馳走するわ」
「ありがとうございます」
ぎこちなく他人行儀な会話が終了し、また散り散りになった。
凄いビックリした、心臓が止まりかけた。
もうココでの買い物は控えよう、そもそも国内なら移動しても問題無いのだし。
今度からはオウルかな。
買い物を終えて、自転車を漕ぐ。
まだ少しドキドキしている、悪い事はして無いのにドキドキ。
コレは精神衛生的に良くない、出掛けるのはプールだけにしとこう。
家に着く頃には平常心に戻れたがモヤモヤする、氷を確認してバケツへ入れてはヤカンの水を入れる。
今日は暖炉とコンロでWエリクサー作り。
昼食はフライの盛り合わせをお米で食べる。
そして勉強をしつつ、エリクサーも様子を見る。
お腹がこなれた頃、念入りにストレッチ。
まだ痛みは無いが、入念に行う。
身体がポカポカしてきたので、氷を確認。
小さいのはもう出来てるのでバケツへしまい、コートを羽織ってからヤカンの水を入れる。
コート無しはヤバい、一瞬で冷える。
今日はまだストレッチが気持ち良いので、暖炉の前で暖まってからストレッチ。
暖まったら次は過去問。
眠くなって来たので、1回目のエリクサーを終えてキッチンで冷ます。
ふと目を覚ます、オヤツの時間。
トイレに行き、オヤツにはエリクサーとピーマンの肉詰め。
食べ終えたら氷の確認、どれも固まっているので、取り出して水を入れる。
蒸留エリクサーだけ再開。
そしてオーブンを温め鳥の下拵え、向こうでは洗うなと言われていたが、血抜きや臭み取りには洗うのが1番なワケで。
立てて軽く水切りをする間に、台所と手を洗ってからローズマリーを積む。
キッチンペーパーで水気を拭き取り、表面に塩胡椒を満遍なく振り掛ける。
中には塩だけを振り、ローズマリーを入れてオーブンへ立てて入れる。
ここで鍋2つにお湯を張り、片方には4等分にした玉ねぎを入れる。
強火にして沸騰する間に、ニンジン、キャベツを入れる。
オーブンをチェック、ハの字の鳥を入れ替えて反対側にも焼き目を付ける。
次はホウレン草、根元を落として軽く洗い、茎と葉に分けて茎だけを別鍋に入れる。
ザルを出し、葉を入れては鮮やかな緑色になったら取り出し、流水で冷ます。
再びオーブンチェック、温度を少し下げて、もう少し焼く。
ほうれん草を茹でていた鍋で温泉玉子作り。
休憩。
オーブンチェック、良い焼き色だが中は半生なので取り出す。
そしてテラスのバーベキューコンロに、ハーブを抜いて立てて置く。
カボチャをアルミホイルで包み、丸ごとオーブンで弱火で焼く。
フライパンでマッシュルームを炒めて皿にあける。
洗い物を済ませ、再び炭と鳥をチェック。
中も芳ばしく焼けたので、野菜の鍋に入れる。
それと追いニンニク。
もう1匹は遠火にし、そのまま焼き続ける。
氷チェック。
かなり溜まってきたが、材料の残量に比べればまだまだなので製氷は継続。
《あの、樽の中身が出来たみたいで、良い匂いがするんですけど》
「おうおう、解除しておくれ」
姿が現れた瞬間、甘いアルコールの匂いが部屋中に立ち込めた。
蛇口を捻ると、サラリとした黄金色の液体が出て来た。
1口舐めると、エリクサーに似た様な、梅酒の様な味の液体。
樽の中を覗くと、ハーブ滓も無く綺麗に底が見えた。
何処に行ったのハーブ滓。
とりあえずは樽の中を空にして、再び材料を入れ蓋をした。
再び魔法で隠して貰うと、コップに出したエリクサーを妖精達へ献上。
反応は上々。
鳥と炭のチェック。
皮がパリパリになったのでしまう。
そして蒸留再開。
日が暮れ始めた。
テラス側の窓に置いてある明かりを付け、もう乾いていたハーブを擂り粉木で摺る。
無心に摺る。
すっかり日が暮れた。
蒸留とハーブ滓は、まだまだ。
氷を足してまた摺る。
蒸留が先に終わったので、火種もコンロもストレージに入れる。
中で暫く摺ると、今日はマティアスが早く帰って来た。
《ただいまー》
「お帰り、早いね」
《うん。はい、絵本》
「おう、ありがとう」
《それは?》
「丸薬作り中、コレが試作品1号」
《凄い匂い》
「まだ柔らかいだろうから、良く噛んで食べてみ」
《マズい》
「知ってる、エリクサーの弱いやつ」
《売れるかなぁ》
《コレはな本来はもっと乾燥させるのだ、そうすれば少しは効果が高くなる。味や匂いは、金平糖や花火の星の様にすれば良い》
「釜で糖衣にするのか、確かに匂いも味も抑えられるけど。まぁ、売る気はそんな無いから手間は掛け無いでおくよ、逆にマティアスみたなのには丁度良いんじゃ無い?」
《そうだね、魔法が使える様になったばかりの子供とかに良いかも》
《そうだな、野菜か丸薬か選ばせれば、野菜を選ぶだろうしな》
「そんなマズいかね」
《匂いがね、コレが漢方なのかって感じ。私、初めて体験したから》
「そっか、慣れか」
《コレは慣れてもセロリはダメなんだ》
「セロリ薬、違う、薬の方がマシ」
《はいはい、今日は何にする?》
「あ、スーパーでリタに会った、いきなり話し掛けられて心臓が飛び出た」
《大丈夫だった?》
「まぁ、もうスーパー行けない、もうオウルかヘルシンキに行く」
《そうだね、向こうの方が安いし》
「本当な、魚が特にね、買う気になれんもの。あ、今日は鳥のパリパリ焼きです、ソースいっぱいあるし良いかなって」
《食べる》
「良いけど、レーヴィは?」
《トールと連れ立ってる》
「は」
《実は昨日から行っちゃってたみたい》
「何処に」
《分かんない》
「心配になるじゃん」
《うん》
「泊まるか?」
《良いの?》
「ベッド2つあるし、どうぞ」
《うん》
ちょっとトールを殴りに行きたくなってしまった、何て事を。
これ以上巻き込まないで欲しかったのに。
パリパリ焼きを皿に出し、ソースを出して半分こ。
今日作った野菜スープとパンで夕飯の完成。
パリパリ焼きは意外と塩胡椒を少し足すだけで美味しい、後追いでスープに入れたニンニクとも合う。
「リタのニンニクスープ擬き」
《美味しいよ、所でお皿足りてる?》
「おう、コレで回すつもり」
《そっか、今日は何してたの?》
「勉強とエリクサーとプール」
《洗濯も》
《塗り絵もだな》
《塗り絵?好きなの?》
「おう、前にリタと買った」
《じゃあ、今度は病院の塗り絵を持って来てあげる》
「心理テストじゃあるまいな」
《純粋な塗り絵の方だよ》
「なら頼む」
《うん》
今日は洗い物をしている横で、お菓子作りが始まった。
マティアスが黙々と材料を計り、混ぜて行く。
「分離不安かよ」
《何も言わず急にって、初めてだったから》
「君は被害者になってばっかだな」
《そこまでは思って無いけど、寂しいよね》
「後で顔を見て来てやろうか」
《いいよ、理由があるんだろうし》
「コレが何年も続くかも知れんよ」
《それはちょっと、嫌だな》
「早く夏になれば良いのにね」
《結婚させようとしてる?》
「凄い良い人かも知れないじゃん」
《そうじゃ無かった時なんだよ、断るのがね》
「ワシが壊してやんよ」
《良いの?》
「そらね、関わったし」
《恨み買わない様にお願いね》
「おう、この型で焼くの?」
《うん、下半分で》
「まだ液が余るじゃん、氷が凍ってたらどれか持って来ようか?」
《うん、お願い》
中庭へ出てトレイを回収、マティアスに使える物を指定して貰い、洗って立て掛ける。
他は水を入れて中庭へ戻そうとすると、隣では良く拭いて液を流し込み、もうオーブンへ入れていた。
雑だけど、良いのかしら。
「良いんかい」
《大丈夫。じゃあ、少し休憩しようか》
ぬいぐるみとソファーを奪われたので、床に座りハンカチへ編み物を始める。
葉っぱを1つ1つ編むだけ、最初は途方も無い時間が掛かるかと思ったが半分までこれた。
マティアスがオーブンから型を出して冷ます、良い匂い。
今度は過去問、良い匂いの中で時間制限を設けて解く。
時間内で合格ラインは越えた、後ろを振り向くと眠っていたので、ブランケットを掛けてお風呂の準備。
お湯を溜めて、暖炉へ薪を足し、入浴。
お風呂から出て、ストレッチ。
少し痛みがあるが、まだ大丈夫。
電気を消して2階へ上がり、ベッドへ入った。
「リタ」《スズランの妖精》《ユスラウメの妖精》