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3月7日

 日本時間、夜中の2時前。

 中つ国は夜中の1時前。

 イスタンブールは夜の8時前。


 ココは、朝の9時前。


 相変わらずの晴れ時々曇り。


 計測、中域。


 今日は時差調節に全員がダラダラする日。

 引き籠るには最適。


 中つ国組は朝の9時に到着する為、17時頃までダラダラ。

 イスタンブール組は朝の9時に到着の為、22時頃までダラダラ。


 ただ、ダラダラする為に、早朝から結構過酷な筋トレやストレッチをしたらしく、賢人君が温泉に入りに来た。


 日向で朝食を食べながら、湯上りの賢人君を呼び出す。


 尚、蜜仍君はまだ寝ている、と言うか時差用に寝かせた。


「賢人君、アレ、欲しい」

「あ、見たんすねトンボ玉」


「おう、良いね、最高」

「ウチの母ちゃんの趣味で作って、貰ってたんすよ、桜木さんの趣味にどうかと思ってて。どうぞ」


「おぉ、同系色で纏めてくれたのね、ありがとう」

「すいません、先に渡そうと思ったんすけど。思い付いっちゃって」


「良い、最高、天才のソレだわ。階級別で色が変わるとかダメかね」

「いや、それこそこの真っ赤具合とか濃さで階級が変わる程度にした方が、下手に色が多いと怪しまれるかもなんで」


「あー、良いわ本当に、作りたい。ショナはどれが良いかな」

「そこは先ず本人に」

「じゃあ、コレで」


「あー、階級高いねぇ」

「まぁ、話せる立場なんで妥当っすね。ただ、暫くは我慢して下さいよ、出来るだけ皆がバラバラの方が良いと思うんで」

「でも、1人位は近くても問題無いかと」


「どう言う順にするかだな、アレクは噛んでる?」

「そらもう、何か実物無いかって言い出したのアレクさんですし。次は俺のを見せてやるって言ってたんで」


「やっぱアイツもか、なら次はアレクで、次はショナかな」

「そうっすねぇ…いや、俺、妖精の紫苑さん、ショナさん、アレクっすかね。やっぱ大幹部に〆て貰いたいんで」


「あぁ、待ち遠しいなぁ」

「そうっすねぇ、今日が7日なんで、次は13、19、26、1日」

「エイプリルフール、桜木さんの誕生日にネタバラしですか?」


「あー、バラしたく無いけどそれも良いなぁ」

「まぁ、そこは流れで。問題は紫苑さんっすね、妖精さんだし、そんな接点無いんで、乗ってくれるかなぁ」


「ダメなら先生使うわ」

「そこも巻き込むんすか、えっぐ、流石っすね。寧ろプランに組み込みます?」


「いや、それこそ乗るか分からんし、あくまでも予備で」

「了解です!」

「じゃあ、向こうをお願いしますね」


「はい!」


「ショナも行きなさいよ」

「無理ですね、誰も居なくなるんで」


「補充は?」

「します?」


「いやぁ、増やす事になるんよなぁ」

「なので、暫くは僕で我慢して下さい」


「我慢はしとらんよ、寧ろそっちが我慢してるか心配なんだが」

「してませんよ、悩む事は有りますけど問題有りません」


「問題って、逆に何?」

「浚うとか浚われるとか、襲われるとか」


「有るじゃん」

「ロキ神に少し強引に連れ去られた以外は、何も無いじゃないですか?」


「あぁ、はい、気を付けます」

「宜しくお願いしますね」


 フェジョアーダとクリーム無しのサーモンスープ、生春巻きを食し、朝食終了。


 爪切りに前髪カット、歯磨き。

 そのままお風呂へ。


 湯上がりに爪磨きをされそうになったので、刺繡を開始。


 休憩にカフェイン抜きのカフェオレを飲みつつ、ネットサーフィンしながらドラマを1本。


 そのままお昼寝。






「あぁ、良く寝た気がするのに」

「まだ14時前ですね」


「飯の準備をしますかね」


 クラムチャウダー、ボンゴレ、リゾットを大量に調理。


 計測、中域。


 悩みどころ。

 昨日のお惣菜で軽く済ませ、ティラミスを頬張る。

 美味い。


 向こうの状態を確認。

 緊張して眠れなかった者も居て、順調にダラダラ出来ている様子。

 元々お昼寝の習慣が有るので、コレは問題無さそう。


 学習要項のチェック、コレも素人目には問題無さそう。


 後は、家か。


「実は、北海道の方に物件を探して有るんですけど」


「美味しいか?」

「はい、美味しいです」


「おぉ、小樽」

「中庭と言うか、広大な庭になっちゃうんですけれど、家庭菜園向きかと」


「あぁ、何処から何処までが」

「それは、コレですね」


「ウケる、アホみたいにデカいな、管理大変そう」

「ですよね、庭師か何か必要ですよね」


「庭師、寧ろ農家やろ」

「雇います?」


「家庭菜園でぇ?面倒だ」

「浮島なら良いのでは?」


「一理あるわぁ、楽だからな本当に」

「ただ、ココを特典と考えるかどうかですし、手放す必要が無いかも知れませんし。それで、コレとかどうですかね」


「君は、休みにコレを探してたのか」

「少しだけですよ、ほら」


「1軒家なぁ、1人かもだし」

「小さい家もダメですか?」


「金次第、すまんが保留で」

「ですよね」


 する事が思い浮かばないのでマスカットへ。

 11種類のマスカット達を成長させ、枝を支える添え木をと話すといつの間にかご用意されていたので、更に成長させる。


 コレは手放したく無いな。


「うまー」

「ですねー」


 昨日買ったクッキーを妖精達に配り、ネットサーフィン。




 あっという間に時間は過ぎ、中つ国組が出発。

 階段から見送り浮島に戻る。


 まだまだグダグダしないと。


 お昼寝しよう。







「凄い寝れるな」

「疲れてます?何処か具合が?」


「いや、特には。風呂行くわ」


 涎でべちょべちょの髪を洗い、ちょっとトリートメントなんかもしてみる。

 湯上がりに歯磨きだなんだとして、虚栄心から貰った服に着替え、ベールを被り孤島へ。


 マサコちゃんだ、何か有ったんかしら。


『桜木様、その』


「どうしたんよアンちゃん」

『付いて行くと、申されてまして』


「あぁ、どうぞ。何ならお任せしよう、良ければサポートに回るし」


 蜜仍君を伝書鳩にすると、補佐さんが釣れた。

 眉間に皺、問題か。


『申し訳御座いません、まさかお譲り頂けるとは思わず』

「本当にそう思って頂ければ良いんですけどねー」

「どうどう、後ろを気にして頭も下げられないんだから、汲みなさい」


「はーぃ」

『ありがとうございます、ではサポートを、どうか宜しくお願い致します』

「はい、頑張って」


「桜木さん、体よく面倒を押し付けましたね」

「バレたか。別に、相手の顔を立てたとかじゃ無いんだからね」

「両方ですね」


「勿論よ」


 空間はコチラが開き、人々を通し最後尾へ。


 同行者はショナ、蜜仍君、アンちゃん。

 マサコちゃんを先頭に、案内人として大使館へ。


 マキさん大人、土壇場の変更にも負けずスムーズな進行。

 有り難い。


 先ずはアヤソフィアを軽く巡り、地下宮殿へ。

 日頃から開放している場所だそうで、恐る恐る階段を降りるも、お婆さんは居ない。


 そして更に奥にも、変わった点は無し。


 それからスパイスバザールを通り、一旦休憩。


 ウキウキして、問題は無さそうだが。


 マサコちゃん、イマイチ打ち解けられて無い。

 通訳させるの遠慮してるのかね。


「どうしたんですかね」

「通訳させるの遠慮してるのでは?」


「あぁ、そうなんですかね?」

「さぁ」


 今気にするべきは移民達。

 ナッツを初めて食べると聞きヒヤヒヤしたが、既に血液検査で判明済み、念の為にとエピペンも用意しているらしい。


 美味しいと感動してくれていた。

 感触は良好だが、帰るまでが遠足。


 次に大きなバザールへ。


 もう、見た事が無いモノで溢れているので質問ラッシュ。


 ココは舵取りをさせて貰い、前へ出て商品説明へ。

 補助はショナとアンちゃんとマキさん。




「タバコの説明が分からん」

「葉っぱの煙を吸う、吸う為の葉。でしょうかね?」

「あ、儀式で使ったりする事も有りますね」


「“煙を吸う為の葉っぱ、儀式にも使う。子供はダメ、良い事も悪い事も有る”」

『はい、そのご説明で問題無いかと』

『あの、良い事も悪い事もと仰ったんでしょうか?』


「あぁ、はい、言いました」

『良い事ってなんですか?』


「神々と繋がれる、リラックス」

『吸わなければ、吸えないイライラも無いと聞いたのですが』


「果ては個人裁量の話にまで及ぶんで、後でで良いかな?」


『でも、周りに迷惑が掛かりますし』

「それも、個人裁量範囲に規制は留められてる、よね?」

「ですね、自宅や敷地内での喫煙は許可されてますよ」

「それから、喫煙可能店である水タバコのお店もですし、入らない選択も出来ますよ」

『我が国が完全禁煙なのでお教えする機会が有りませんで、失礼しました』

『“この煙は、場所や人を考えて使うべきモノだそうですよ”』


「“うん、その通り”続けて良いかな?」


『はい』


 そんな不満そうな顔をしないでおくれよ、不快だわ。


 そしてランプ。

 何でこんなに種類が、数が有るのかと。

 飾る概念が無い人へ、嘗て飾る概念が有ったお婆ちゃんが教える。

 そして合間に、フォロー。


 次に食い付いたのが絨毯、花の名前も色も、大昔のお婆ちゃんが覚えている限りを話す、お婆ちゃん万歳。

 助かる。


「“助かります”」

《良いんだよ、子や孫に教えるのがお婆ちゃんの仕事だからねぇ》


 頼もしい。


 遅々として進まないので、また休憩。


 絨毯の素材から説明していると、もう絨毯を仕事にするべきか、機織りか刺繍かと話しが広がる。

 働き者、そして働くより学習したい個性派も現れた。

 もっと知りたい、知る方法が知りたいと。

 多分、タブレットの事だろう。


 コレは既に予測されていた事で、百科辞典や動画が収められたタブレットが渡された。

 児童用教材に近い内容、トルコの言葉と文字で羊、絨毯、と実物と共に表示される。


 そして突貫では有るが、向こうの辞書も入っていた。

 うん、全く読めない。


 種類は随時増える予定、アンちゃん、スーちゃん、そして補佐の少年と、男性達のお陰らしい。

 ちゃんと男性陣にも暫くの仕事が有りそうだ。


 そうして休憩を終え、宝石や綺羅びやかな場所へ。

 そこまで興味が無いのが、なんか、面白い。


 服には興味が有っても、素材や染色、折り方の相談が殆ど。


 サフラン染め、マジで良いかも知れんな。

 つか、次は工場見学に連れて行くべきかも


「工場見学の方が良いのかも」

「じゃあ、次は工場見学にしましょうね」




 なんとそのまま石鹸工場見学へ。


 工場と言っても殆ど手作業。

 煮詰めて流し込み、判を押し、切り取って箱詰め。


 何故、判を押すのか。

 コレも身内で解決された。

 どの神都の誰が作ったか分かる様にする為、出来が良いと褒められるから。


 褒められると嬉しい、その概念が有るだけでも商売へ導き易い。


 そして次は絨毯の製造元へ。


 もう職人に釘付け。

 そして道具にも。


 デザインに意味は有るのか、どれも意味が有るのか、無いならどうしてこのデザインなのか。

 最後の質問は全員を困らせたが、より良く飾ると言う事で納得して貰えた。


 そしてココで帰投。


 マサコちゃん達を先頭に、帰りも最後尾へ。


「素敵です、お似合いですよ」

「有り難う、でもマキさんが着たのも見たいな」


「私だとその、きわど過ぎちゃうかと」

「それが良いのに、ねぇ?」

「桜木さんもですよ、下に何か追加出来ないんですか?」


「出来るけど、ムズムズする」

「少しは我慢してください」


「むり、女体化させてブラ付けさすぞ、食い込むピチピチパンツも」

「いや、それはちょっと」

「僕してみたいです、後学の為にも」


「偉い、良い子だなぁ、今度しようねぇ」

「やった」

「可愛い、良い子ですね、桜木様を宜しくお願いしますね」


「はい!」

「じゃあまたね」

「はい」


 そうして挨拶を終えた時には、既にマサコちゃんはテントへ帰っていた。


 何がしたかったのか、もしかして、ワシの見張り?


「マサコちゃん、何だったんだろうか」

「そうですね」




 そして浮島に戻り夕飯へ。

 日本時間は18時過ぎ、ある意味凄い健康的な時間帯。


 軽めに食べるとやはり良く眠れるので、クラムチャウダーにクロワッサン、サラダを食べて、お風呂へ。


 軽く浴びストレッチ、そして映像鑑賞へ。


 枕元の椅子にショナが座り、ベッドの正面に北極の大自然を映す。


 水中の映像はやっぱり楽しい、無駄な音声も解説も無し、良い夢が見れそう。


「人魚の水槽有るのよ」

「ドリームランドにですか?」


「うん、来るか?」

「じゃあ、遠慮無く」


 ミーシャを呼び、簡易ベッドを取り出し設置。

 透明な鍵をショナに触れさせ、自分も握る。

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