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2月21日

 日本時間の朝6時に起床。

 計測、高値。


 朝番の賢人君から今日の予定を聞かされた、浮島移動とお買い物。

 ミーシャとコンちゃんはハンで就寝。


 先ずは空間移動を使い、日本海上に浮島を移動させる。

 上空からは隠匿の魔法で見えないまま、地上の本土からは見えるシステムへ変更。


 植物を生やし、魔力を消費させるも高値。


 ユグドラシルへ向かい、魔石へ魔力を流し、中域まで落とす。


 そして淡雪を連れて省庁へ。




 服を着替え髪を白くし、渡された名札を付け、経済を回す為。

 召喚者として小竜のクーロン、賢人君と共にお買い物。


 ベール有るし、会見よりマシだが。

 人々に凄く遠くから見守られるのが微妙。


「大丈夫っすか?」

「顔が見えないは正義」


 先ずは事前予約していた牛丼屋へ。

 カウンターには自分1人、後方には賢人君とクーロン、外には人集り。


 ちゃんと良く噛む様にとの指示の元、いつもは3回の所を5回も噛み、嚥下。


 超大盛りのテイクアウトをしまいながら、温泉卵やとろろのトッピングを間に挟み、並盛10杯を完食。

 皮はまだパンパンではないが、お腹はぽっこり。


 学校は休校らしく、学生が手を振っているので応える。

 中身がブスババァと知らないで、可哀想に。




 続いては、少し離れた場所へ空間移動。


 商店街をぶらぶら。

 ココでも遠巻き、卵をぶつけられるよりマシか。


 とんでもなく美味い唐揚げを発見、取り敢えずありったけを購入。

 それと、謎の珍味なる焼き鳥、美味い、鰻の肝みたいだが、それより食べ易い。

 同じく有るだけ購入。


 少し歩くと本屋さん、気になるマンガをジャケ買い。


 お布団屋さん、有るのかお布団屋さん。

 取り敢えず枕以外一式購入、それと座布団も4枚。


「お布団っすか」

「この前まで使ってたから」


 そして休憩。

 浮島に戻り一服。




「他に、何か欲しい物って有りますかね」

「読みたい」


「ですよねぇ、あ、電子書籍も有るんすよ」


 タブレットからいくつかの作品と、ここにも居た音楽の化身の曲を買いつつ、この多次元者の話へ。

 認識はしているが、神でも精霊でも転生者でも無いらしい。


「同じ時代に生きられてマジ感謝、ライブ行きたいです、お忍びで」

「あ、はい、うっす」


「頑張る、めっちゃ頑張るわ」

「そんなっすか、歌詞が難解じゃないっすか?」


「考えるな、感じろ」

「うっす。あ、ヘッドホンとか、どうすっかね?」


「行くでしょう」


 そして電気街へ。

 似てるけど、ごちゃっとした感じは0のまま、実に良い感じ。


 耳が痛くなる程に視聴し、有線、無線、ヘッドホンにイヤホンと4種類購入。

 どれも重低音系。


「じゃ、再生機もどうっすかね」

「やっぱ、音が違うかね」


「全然、ヤバいっすよ」

「じゃあ買う」


 落ち込みかけている経済と宣伝の為とは言え、爆買は反感を買わないんだろうか。


 大人はしれっとしてるし、手を振るは子供ばかり。

 コレは妖精のお陰だろうな。


「顔、笑ってるんすかね」


「いや。反感を、買わないだろうか」

「少なくとも多次元者の方は嬉しいみたいっすよ、ほら」


「あぁ、コッチが嬉しくて失神しそうだわ」

「あ、あの作家さんも反応してるっすよ」


「恥ずかしくなって来たかも知れん、好みが流布されるのは」

「良く無いっすか?チェーンソーのダークヒーロー」


「まぁ、だから全巻買ったわけだし。帰って読みたい」

「もうちょっと。もう、次に行かないといけないっすね、人が増えてきたんで」




 次は服屋。

 通りを興味も無くボーッと歩いていると、例のタトゥーっぽいデザインの服屋らしき店が、探してくれたらしい。


「はー、店ごと欲しい」

(少しにしといて下さい、個人的に買える様に後で買っとくんで)


「分かった、ちょっとにしとく」


 店内に入り物色、全部欲しくなったがTシャツを2枚だけ。


 足早に立ち去ると、入れ違いにリズちゃんのお父さんが入って行った。

 有り難い、助かる。


 クレープを食いながらボーッと歩く。

 アイドルの写真、ファニーなお店からファンシーなお店まで、ゴチャ混ぜの立地、良い感じ。


「混んで来たんで、移動をお願いします」

「おう」




 次は百貨店で枕選び。

 硬め、高め、良い感じ。


 フワフワすべすべのパジャマと掛け布団、可愛いカバーを購入。

 もう、良いかな。


「後はどうしますかね」

「早く使いたいから早く帰りたいんだが」


「食品売り場、良いんすか?」

「はっ、行くわ」


 気になった品を片っ端から購入。

 うん、もう良いべ。


「じゃ、また休憩に行きましょうか」

「まだかぁ」




 今度は高級ホテルのブランチビュッフェへ。


 軽食にアルコール、ノンアルコールが多種多様に存在している。

 ホテル側は訪問する事を全く知らなかったらしく、少し慌ててはいたが中には入れた。


 大きな藤が中庭に有る素敵なホテル。

 だが藤を見ると、少し元気が無い。


《ちょっと栄養が足りないみたい》

「確かに、そう見えるが、何でだろ」


《根腐れが心配になるからじゃないかしら》

「あぁ、ちょっと良いですかね」


 従業員に確認して貰うと、確かに根腐れの心配から数年は栄養を控えているらしい。

 何でも、以前の庭師が亡くなって以来の事だそう。


 咲かないのは勿体無いので、少しだけ魔素と泉の水を噴霧。


《良さそう》

「じゃあ、行こうか」


 パンケーキから生ハムまで。

 おつまみにもなるモノも多い、神様達への貢物の勉強になる。

 有り難い。


 ただココではバランス良く、サラダとデザートを中心に食べた。


「ふぅ、御馳走っした」

「少食ぅ」


「比べないで下さいよマジで、無理っすよ」

「良いなぁ、満腹」


「まだなんすか?」

「おう、皮がパンパンで止めるだけ。御馳走様でした、バランス良く食べたろ」


「はい、オッケーっす」

「もしかして、ネットに載せてるのかね」


「はい、宣伝に」


 恐ろしい事にマジでSNSを活用してやがる。

 さっきの食事へにコメント数が早くも恐ろしい事に。


「うへぁ」

「大丈夫っすよ、俺等の仕事なんで。何も感知しなくって大丈夫っす」


「すまんね、頼む」


 そしてホテルから省庁へ。




 お着替えし終わると、リズパパが台車を押してやって来た。


 紫苑のサイズまで買い揃えてくれた、最高。

 土下座する勢いでお礼を言い、小物はストレージに収納。


 衣服は省庁のランドリー室を貸り、洗濯しつつ、どうネットに載せたか確認。


 恐ろしい、ベール無しなら死んでた。


「何で打ちひしがれてるんすか」

「薄々察してたが、恐ろしい事に加担してるとは思わず」


「大丈夫っすよ、顔写真とか無いんで」

「だけどさぁ」


「そんな嫌っすか」

「嫌っす」


「まぁまぁ、お昼寝でもしてて下さいよ、洗濯終わるまで」

「うっす」


 小部屋に案内され、暫しお昼寝。






 目を覚ますと、既に畳まれた洗濯物と賢人君。

 下着はそのまま服の間に有った、うん、オッケー。


「一応確認を」

「おう、全部有るべ」


 ストレージにしまい、浮島へ。


 温泉に入り、前の世界で貰った植物を増やす為、農作業。

 しつつ、一服。


「うまそうっすよねぇ」

「食べて大丈夫かね」


「大丈夫っすよ、ね?クエビコ様?」

『あぁ、問題無いだろう、スクナや』

『うん』

「マジか、はい。どうぞ」


「あまー、うまー」

「あー、やべー、うめー」


「ココのと遜色無い美味さっす、マジやべぇ」

「早く旬が来ないかねぇ」


「そうっすねぇ。あ、次はマンゴーにしましょうよ、好きなんすよ、マッタリしたの」

「おうおう、実らせようぞ、美味い実を」


 綿畑は農園と果樹園になり、すっかり庭の様相が変わった。

 研究班に増やした種を届けるべく行われた農作業は、もう味見大会に。

 お昼だし。


 だって、美味いんだもの。


《サフランも有るんじゃねぇ》

《ソロモン王ね、やるじゃない》

「アヴァロンからソロモンのサフラン」

「ちょっと韻を踏んでる感じっすね」


《まぁ、植生を壊さぬ様にとは言え、増やし終えたら封印するのは少し、勿体無いのぅ》

「そうっすよねぇ」

《なら、私もかしら》

「あー、ココだけっすね、植われるの」


「そうか、すまん、そこまで考えて無かった」


《良いのよ、向こうでも想定されてた事だし、構わないわ》

《おうおう、良い子じゃ良い子》

「それで、何処に封印するねんな」

『虚ろ舟だ、万が一地球を脱出する時の為の方舟。種の運び手、冷凍庫の中身はそこにも分けられている』


「あぁ、虚ろ船って、とんでもない事に」

「あぁ、そこまで説明いって無いっすもんね、昔からの事なんすよ。この国の全ての種、卵、歴代の召喚者、それと国民が選んだ人間の遺伝子が乗ってるんすよ」


「容量限られてるだろうに」

「大きくて複数は有るらしいんすけど。まぁ、だから、数年に1回中身の再考とか有るんすよね」


「凄そう、選ぶ時期」

「毎回嘘を言う人間が居るんで忙しいらしいっすよ、取締局とか、警察とか」


「警視庁は無い?」

「無いんすよ、2つ有ったら混乱するんで」


「あぁ、うん、それはそう」

「働いてたんすよね?」


「まぁ、少しだけ」

「聞きたいぃ、めっさ聞きたい」


「割りかしドロドロよ、事件の内容が」

「あー、うん、でもそれが良いんじゃ無いっすか、バッサバッサいくなんて物語位っすよ」


「なー、だよなー、農作業終わったらかなぁ」

「うっす」


 音楽を聞きながら農作業。




 途方も無いと思えた作業も、淡雪と他の妖精、賢人君にドリアードとナイアスのお陰で、何とかなった。


 そして今度はサフラン畑。

 ギリギリいっぱいまで魔力を送り、ナイアスが水を振り撒き、ドリアードが分球の手助けをする。


「良い写真取れたっすよ、ほら」

「出来たら無しで、コレは召喚者じゃなく個人の仕事にしたいんだ。サフラン染め」


「それこそ、表に出て交渉とかしないとダメっすよ?」

「おう、ショナを引き抜いて何とかするわ」


「それ良い案っすね、じゃあ一応保留って事で、その仕事の相談に行きましょか」

「おう、ありがとう」




 そしてクーロンと省庁へ。

 賢人君は報告書の作成にと隣の部屋へ、ショナが五月蝿いらしい。


 先ずは畑の事をと思ったが、紫苑の事を柏木さんにご相談。


「それで、サフラン染めの事からお話を」

「紫苑をどうにか活用できませんかね」


「成程。では、紫苑として、登録させて頂こうと思います」

「そんな容易く、ホイホイ作って大丈夫なんですか?」


「今回出ている案は、亡命者や孤児等の発行方法ですので」

「良いんですかね」


「はい、前例も有るのでご心配無く。ただ、かなり情報欄に空きが有りますので、出来れば職業や住所を埋められればと」

「出来るなら紫苑で、サフラン染めで食べて行きたいのですが」


「はい、しかも公的資金を受けずに、ですね」

「ですね、桜木も共同連名にしたいんですが、怪しまれますよね」


「はい、繋がりが無い方が、より望ましい方向でいけるかと」

「じゃあ単独の場合は」


「そこでなんですが、私の父方の祖父が農家でして。そこでも以前サフラン染めをしようとし、上手く行かずに元の農家に戻った話が有りました。便宜上、そこからの資金提供ではどうでしょうか。元手無しに事業を起こす事は不可能ですので、はい、ぶっちゃけ不審がられます」

「あー、先行きが怪しい」


「はい、つまりは何処かで関係者と繋がりが無くては成立させるには難しいんです。法整備も何もかもが、万全ですので」


「巻き込むのは最小にしたいが」

「0は不可能です」


「はぁ」

「ただ、今は、です。万が一、戦争が起こり、孤児への支援の1つが開花したとなれば、不審に思われる事も、繋がりを気にする事も無いかと」


「戦争が無かったら」

「アレク君を経由し、白雨君の名義と孤島を使用。そこを更に経由し、紫苑さんへ資金提供、そこから売上を分割、後にアレク君が会社の放棄、白雨君も放棄で単独権利へと移行させる手筈です」


「今それをするのは」

「かの国からの警戒を考え、時期では無いと思われます」


「今、紫苑で動くの勿体無いか」

「はい、特に鈴藤紫苑では。ですので、暫くはただの紫苑としての身分証ではどうかと。この場合や神性への身分証の発行方法でして、桜木花子の庇護下に有る妖精等として、存在するにはどうかと」


「ほう」

「出来る事も限られる身分証ですので、今暫く動くだけであれば充分かと」


「更に詳しく」


 出来る事はかなり限られていた。

 株や証券、土地建物の購入は出来無い、里子制度も利用不可。

 口座、カードも作れない、要するに契約関係が婚姻以外一切不可、しかも婚姻にも審査が入る。

 その他にも、人間の権利が侵されない範囲の行動制限なのだが。


 ぶっちゃけ問題無い。


「ご納得頂けて助かります」

「いえいえ、紫苑で動けるだけでも有り難いのに、自立支援まで有難う御座います」


「いえ、当然の事ですから」


 先ずは紫苑になり、妖精なので雰囲気をと白髪ロン毛、服はイスタンブールでの購入品を着用。


 今回の身分証発行は実に早く、数分で手元に来た。

 写真撮る準備の方が時間掛かったかも。

 そしてまた花子へ。


 次は賢人君と共に、リズちゃんの元へ。




 ココでも賢人君は別室へ、実はまだ報告書が終わらないんだとか。

 どんだけ細かいのよショナ。


「なぁ、紫苑の、羨ましい、悔しい、それが欲しい」

「エンキ先生どうするねん」


「はぁ、だよな」

「しかもこれは一時措置だと思うぞ、長期的に見たら元から変わるべきだろうに」


「だよな」

「おう、種子持って来た」


「方舟の話は聞いたか」

「おう、向こうのに聞かせたらビビるんだろうな」


「だろうな。お前は驚かないんだな」

「種子の保存自体は向こうにも有ったろう」


「らしいな、俺は興味無くて知らんかった。他国の転生者から聞いた」

「あぁ、ほうほう。紫苑のもう片玉も乗せちゃう?ちょっきんこ」


「無くてもヒュンヒュンするんだ、やめて」

「しょうがないにゃぁ」


「なんか、コッチの方が前のお前っぽいな」

「あら、実の実は男の子で、腐男子で」


「ちょっと有り得なくも無いのがなぁ、あのロキと上手くやってるんだし」

「そこをそう納得する?」


「可能性は無限大だろ」

「まぁ、魔法は何でも出来ますし」


「男になりたかったとかは」

「ちょっとね、先っちょだけ」


「はぁ、載って無かったぞ、その情報」

「言わなかった。だって、そこまで深刻な問題じゃ無いと思ったしぃ、その時はこうなると思わなかったしぃ?何なら別に、どうでも良い?みたいな?」


「ウッザ」

「誰だって反対の性は想像するでしょ、まして性で病気になりゃ」


「俺は無かった」

「百合もお嫌いか」


「薔薇も百合も興味無いわ」

「残念」


「残念がるな」

「大丈夫、君にはナノミクロン程も興味が無い、凄い不思議な程にどっちで会っても興味皆無、無、虚無」


「そこの反応は有るんだな、同族避けの防衛反応」

「エミールには働かないな、クッソ可愛いんだもの」


「本当に、その姿で言わんで欲しい。俺にはそう言う免疫が無いんだから」

「中身女子ぞ。そして免疫付けなっせ、何せ中身重視の世界なんだから」


「なー、子供のままがいぃ」

「まだ何年も有るんだ、どんまい」


 義体やスマホの返還が完了し、全てをしまい、浮島へ。




 からの訓練。

 賢人君との模擬戦、ショナより弱い。


 大丈夫か従者。


「もうちょっと手加減して貰えないっすかね?」

「よわちん、へっぽこ」


「俺は防衛型なんすから、近接なんて無理っすよ」

「防衛型で近接ダメとか死ぬじゃん」


「行動する際は攻撃型か万能型の人とセットなんすよ、ショナさんとか蜜仍君とか」

「ミーシャは」


「万能型っす、流石っすよね、伊達に長生きしてないって感じで」

「あー、でもなぁ、分断されたらどうすんの」


「分断は死ぬっすね」

「何とかせんとなぁ」


【あー、コチラ鍛冶の国の神だがー、どうぞ】


「ハナですがー、どうぞ」

【おぉ、通じたか】


「どうして一体?」

【イルマリネンのピアスをパクった、模造品から話し掛けてる】


「あぁ、おう」

【それで、イルマリネンから聞いたぞ、まだピアスを配って無いんだってな】


「どう配るか悩んでまして」

【足りなければこの模造品を配れば良い。今、泉に投げ込む、ほれ】


「ちょ、お、ありがとうナイアス」

『っ、別に、大した事は…』

【許可は貰って有る、だよな、イルマリネン】


【はい】

「おぉ、ありがとうございます、ちょっとだけ今、考えます」

【おう、ただな、お前が配るんだ、直に】


「了解」


「なんか、誰かと話してたっすよね?」

「コレを配れと」


 イルマリネン製は9個。

 今は会えてないカールラ、クーロン、ショナ、アレク、蜜仍君、タケちゃん、エミール、ドゥシャ、パトリックにはイルマリネン製を。


 そしてニーダベリル製は6個、ミーシャ、賢人君、白雨、リズちゃん、それぞれの従者へ。


 うん、数が合うな。

 やるべ。


 先ずは大人クーロンへ。

 そして賢人君を治し、ミーシャにも。


「凄い所に開けさせるんすね」

「ワシもそう思った」

「ありがとうございます」


《で、他はダッシュで行うんじゃよ、国からの監視が厳しくなっておる》


 賢人君は早速報告へ。


 念の為にと紫苑へ変身し偽装魔法も掛け、先ずはアヴァロンへと泉へ入った。




 エミールの近くに行くも不審がられてしまっ、あ、そうか。


「あ、ハナです。変身したハナ、名前はシオン」

『あぁ!話しは聞いてたんですけど、凄い、全然違うんですね』


「でしょ、はい、通信機。付けたる」

《かの国にバレては困るんでな、治療はティターニアに任せい》


「了解、はい次パトリック、おいで」


 次にサイラさんへもピアスを付けて、今度は中つ国へ。




「ん?誰だったか」

「ハナ、今は紫苑」


「おぉ、なるほど」

「急ぎ、ピアス、ドゥシャはスタンバイ」


 アヴァロン同様に、穴を開けピアスを付けるまでを行い、速攻で浮島へ戻った。


 そしてまた花子になり、賢人君達の居る小屋へ。


《ん、大丈夫そうじゃな》

「隠匿の魔法じゃダメなん?」


《迎撃の可能性は捨てきれんでの》

「あぁ、不便な、マジで面倒くせぇ」


《まぁ、仕方無い、暫くの我慢じゃろう》


【シオンさん?ハナさん?エミールです】

「おうおうハナです、クーロン、賢人君、ミーシャは聞こえる?」


「おー、聞こえたっす」

「ミーシャは聞こえる?だけ、聞こえました」

『おうおうから、クーロンは全部聞こえたの』

【おう、指向性を持たせて有るんでな、誰に向ける言葉かで、聞こえる聞こえないが区別される】

「へー」

【便利ですね】

【だな、助かった】


「いえいえ」

【ま、使い慣れるまでは最初の発信に指を添える必要は有るが、慣れれば必要も無い。現に俺は指を添えんかった】


「流石っす」

【だろう、以降は緊急時用としてコッチに1つを置いとく。以上だ、じゃあな】


「はい、ありがとうございました」

【にしても、あのシオンは体を鍛えてるみたいだな】

【ですね、僕より筋肉有りましたし】


「見せかけでしょう、ズルも出来るし」

【あぁ、そう言う事か】

【でも良いなぁ、僕も狡したい】


【それこそ、使い慣れないと邪魔になる可能性が高いぞ?】

【そうなんですね、残念】

「素直だぁ」


【鍛えて戦うプロの先輩ですから】

【おう、久し振りだなエミール】


【はい、お久しぶりです】

「もしかして、何も連絡取って無かったの?」

【ウチのがな、クエビコ神もドリアードも受け付けぬと、全く頭の硬い人間達なんだ】


「何か慮っての事なんでしょ、仕方無いが。状況が状況だから妥協して欲しいわな」

【だがこの魔道具で解消されたな】

【そうですね。そちらはどうですか?】


【何も無い、哨戒にも現れん】

【ウチもなんですよ、もう気味が悪くて】

「なー。他にも配ってくるから離席するかな、じゃあね」


【おう】

【はい】


 次はクーロンと賢人君と共に里へ。




 もうすっかり爺孝行する孫に見える蜜仍君と、爺様。

 エミールもだけど蜜仍君もちっさ、かわヨ。


「ハナですが」

《お、待っていたぞハナ》


「何してるんですか長よ」

《まぁまぁ、来ると知っていたからだ。さ、行くか》


 覚えているのか他に方法や目印が有るのか、さっぱり道が分からない。

 毎回道筋の変わる竹藪を通り抜けると、賢人君は早速ショナへご報告へ、そしてコチラはお社へと案内された。


「なに」

《紫苑は見せてくれないのか?》


「認識されてると無理」

《ふふ、そうか、万能では無いんだね》


「そらね」

《分かった、はい、お布団》


「あぁ、ココが本来のテリトリーだからなのは思い出せるが、片玉無い以外は普通ぞ」

《中でなら認識も疎外されるし、変身が解けるかと》


「たしかにできた」

《本当にちょっと、結婚しようか》


「子種ならともかく、結婚は考えとくわ」

《うん》


「おっぱい」

《うん、当ててる》


「いつまで」

《もうちょっとだけ》


「今すぐ子種は無理な筈」

《ふふ、そうか、残念》


「あのー、お呼びだと聞いたんですが、お邪魔ですよね」

《いやいや、ちょっと確認してただけだから大丈夫。コチラはハナだよ》

「妖精の紫苑ね。赤くなるとかしろよショナ君」


「婚姻の件を確認しましたが、結納だけですので、重婚にはならないそうですし」

《ただ、許容出来無い者も居るだろうから、お相手には要確認だ》

「まぁ、そうよね、相手もクソも無いけど」


《そこはどうにかなるよ。それで、何だっけ?》

「通信機、ピアス、付けますよ」

「そうだったんですね、はい」


 先ずはショナ、穴を開け、軽く治してからピアスを通し、しっかり治癒させる。

 小っちゃいな、この部分も、背も。


「面積ちっさ」

「トラガスって言うみたいですね、ほら」


「ココも普通にネット出来るのか、そうか」

「まだ少し、勘が戻りませんか」


「まぁ、馬鹿には覚える事が多過ぎた」

「何ヶ月も何回も転移させられたら、誰だってそうなりますよ」


「すっごい天才なら」

「違う道が有ったかも知れませんが、慣れるかどうかは個人差では?」


「最初から男だったら」

『ご主人はねぇ、ちょっと男の子になりたかったんだって』

「へ」

《病気も有れば、そう考えても無理は無いだろう。アレは辛いからな》


「まぁ、痛みで飛び起きたレベルだし」

「あぁ、なるほど」

『寝起きに金的はヤヴァイの』

《最早拷問だな》


「はい終わり、もう他にも配ったが、お試しはそこと会話して。最初は軽く指添えて、後は普通に話せば良い。次はアレクで」

「はい、呼んできますね」


 アレク、蜜仍君、そして最後には白雨。




『俺のは、少し違うみたいだけれど』

「白雨は戦力外だし、後方支援かなって。数が無いから種類も違う」


『指輪、付けて無い』

「邪魔なんやもの」

《慣れも必要だぞ》


「んー、意外と違和感は無いが、邪魔っぽい」

『お揃い』


「ココで良い笑顔をするか、なんだ、そんな疎外感が凄いか」

『最弱だから』


「素体の弱さはそう変わらんよ、元々一緒だ」

『声が聞きたい』


「あぁ、ずっと付けてたから、ちょっと外すか」

『聞こえない』


「まだ何も言ってない」


『聞こえない』

「お?凄い頑張ったんじゃね?」


『ハナに戻ってみて欲しい』

「ちょっと待ってな、お布団借ります」

《どうぞ》


「はい」


『何も』

「凄いやん、努力の賜物やん」


『気配も無い、もう、どうでも良くなったんだろうか』

「なんでそうなる?」


『沢山の人と一緒に過ごしたと聞いた』

「第2世界でマティアスと言う亜人の看護師長が居た、シーリーって人も。それは君と同じで心の声が聞こえてて、異世界から来た人間だとバレた、それ以降、君の事を考えて気を付ける様にしてた。第3世界でもそう、ちゃんと覚えてたから今でも付けてたワケだ」


『最初にそれは不用意』

「転移してると思って無かったし、過剰防衛は不審がられると思ったんだ、仕方無いだろ」


『やっぱり能力が欲しい』

「だめー、危険人物の周りにこれ以上危険人物は増やせない」

《有るぞ、方法が》


『やる』

「内容を聞きなさいよ」

《マサコの所に行くんだ、合法的に能力が得られる可能性は有る、なんせ天使が居るんだし》


「あー、スパイと疑われ無いかな」

《それでもだ、能力を得られなくとも活かせる》

『やる』


「いやぁ、いくら何でも受け入れられないだろう」

《亡命、戦力外通告を受けてショックからの亡命。向こうはコチラの情報を全く受け取れていない筈、懐柔が出来そうなら手を出すだろうさ》

『やる』


「ちょっとは考えなさいよ」

『ピアスが渡せる』

《だな、そこの利点も有るし、カールラに帰って来てる事も伝わる》


「あー、どうしよ、ちょっと待った」

『なぜ』


「それこそ君が弱いから、ボロクソに使い捨てられても困る」

『覚悟はとっくにしてる』

《それに、ずっと1人だったんだ、対人能力の無さから散々亡命を繰り返したとて怪しまれんだろう》


「白雨にも名誉を守る権利が有ると思うが」

『いい、要らない。神獣の為にもやる』

《ほら、カールラの良い安定剤になると思うがね》


「大丈夫じゃないのか」

《又聞きだが、塞ぎがちだそうだ。もう帰って来てる事はどこかで分かっていても、状況を把握出来ないのは辛いだろう》

『カールラのフォローに行く、少しでも役に立ちたい』


「人間側と相談させてくれ」

《だな》


 またしても花子に戻り、長の案内で再び藪を抜け、白雨と賢人君と共に省庁へ向かう。




 アッサリと認可されてしまった、そして亡命理由はただ1つ、合わない。


「柏木さん、たったコレだけで良いのか」

「見えてる餌でも、情報が得られる可能性が有りますからね、食い付くしか無いんですよ」


「もし断られたら」

「それをさせない為に、送り届けて頂きたいんです」


「あぁ、行くか」


 教会本部が有るのは、旧米国のアメリカ自治区。

 ローマ付近に無いのは、色々と有ったからだそうだ。




 そして大使館にアポ無しで突撃。


 もうね、姿を見せた瞬間に厳戒態勢。

 しかも内部はストレージと移動も魔道具も禁止する結界が張られている、何もかもダメなのは久し振りにビビる。


「その、Tシャツが原因なんじゃ無いっすか?」

「えー、敵意無しの友好表明のつもりなんだが」


『お待たせしました、それで、どの様なご用件でしょうか』

『合わない、ココに亡命したい』

「すみません、事情が事情なので、直接お届けに参りました」


『そうですか、では少しお待ちを』

「待ちません、忙しいんで自分は帰りたいんですが」


『それは困ります』

「コッチはもっと困る、ココまでして拘束される謂われは無い。それに、ワザと傷付けられたと国際問題にしても良いんですよ?」


『それも困ります』

「コレが要らないなら他へどうぞ、もう一切の権利も何も手放してるので。はい、書類」


『流石、冷たい方ですね』

「そう思うなら保護してあげて下さい、じゃあ、さようなら」


 立ち塞がられるも、触れる事はしないのでズイズイ廊下を歩く。


 威圧にと電界の強度を上げた、出来た、役に立った。

 ありがとう咲ちゃん。


 何かが起る前にピアスが届けば良いが、万が一届かなくても白雨が来た事は耳には届く筈。

 少しは、何かが届くだろう。


 大使館前からリズちゃんへ。




「なんつー部位に開けさせるんだ」

「しゃあない」


「連絡、取れると良いな」

「ダメでも、気持ちが伝われば良い」


「そこは大丈夫だろ」

「会話を信じてるから、会話無しは不安」


「俺はお前を信じてる」

「おう、出来た、可愛いねぇ」


「ふん、ありがとうございましたぁ」

「いえいえ」


 浮島へ。




 そして一服。


「受理されたみたいっすよ」

「早い、そんだけコッチを警戒してるって事よな」


「ですね、コレで動きが有れば良いんすけど」

「もうアレに取り込まれてるんかね、流石冷たいとか謎の罵倒されたし」


「それは元々なんじゃ、魔王は冷酷だとか固定観念が有るみたいっすよ、古いっすよねぇ」

「古いっつーか、楽よな、固定観念が有ると操作し易い」


「上はもう少しマトモだと良いんすけどね」

「どうだかねぇ」


「ソレ、残りまだ有ります?」

「まぁ、こんなもん」


「自家栽培して良いらしいっすよ」

「マジで農家の敵やん」


「あ、フィルターと紙はコッチで用意して有るんで」

「もう本当にヤバい奴やん、無いの?魔素入りのヤツ」


「無いんすよ、それで溢れるのが不味いんで。かなり初期の段階で魔素を飛ばすらしいっす」

「あー、作るしか無いのね」


「巻き方も勉強したんで、お任せを」

「いや、もうキセルで良くないかね」


「えー、ちょっとは巻かせて下さいよ、やってみたいんす」

「あ、神様達の贈答品にはならんかね」


『そうだな、それこそロキ神やトール神なんかには受けるかも知れんな』

《おう!鍛冶神達もじゃな、魔素入りなんぞ最近は無いんじゃし》

「やるか、不健康万歳」




 先ずは自分の分。

 ナイアスから何種類かの種を頂き、適当に区画を分け生やす。

 摘み取りは淡雪率いる妖精軍団、乾燥は賢人君、そしてキセルに詰め味見。


 好みは千差万別、紙袋に感想を書きストレージにしまう。


 そして何種類目かでヒット、そして賢人君がブレンドに嵌った。


「どうっすか」

「待って、ヤニクラしちゃう。計測するわ」


 中域。

 長いな、中域。


「やっぱ、ちゃんとお昼寝した方が良いんじゃないっすかね」

「あぁ、そうね、ちょっと寝るわ」


 無記名の紙袋をしまい、家の中に。

 遅い午睡へ。






「お夕飯のお時間なのですが」

「あぁ、おはようミーシャ」


「もう今度からお昼に寝かせます、この時間のズレは不健康かも知れない」

「うい、そうします」


「はい、お願いします」


 今日もお里ご飯。


 小屋で待っててくれた長と共に竹藪を抜け、お社で夕飯を頂く。

 勿論、小脇にはクーロン。


 目の前には、イイダコの煮付け、鰆の味噌魚、蛤のお吸い物、山菜のかき揚げ、大根おろし。

 デザートは柑橘類のヨーグルト和え。

 献立天才、神、味が被って無いし完璧かよ。


 腹の皮いっぱい食べ、計測。

 中域。


 今日はお片付けを途中まで手伝い、また浮島へ。


 何で、この段取りなんだろうか。


「ミーシャ、なんでこの段取りなの」

「こうしないと、皆と顔を合わせる機会が無いとダメだって、ネイハムが言ってる」


「あぁ、上で面談してくる」

「はい」




 タブレットで先生と面談。

 眼福。


【こんばんは】

「こんばんは、引き籠りは不味いですか」


【こうでもしないと、コミュニケーション取らなそうですよね】

「まぁ、そうですが。明日位は1人が良い」


【誰か1人は付けて下さい】

「ならクーロン」


【分かりました。それで、どうですか】

「勘がまだ戻らない感じ。帳尻、辻褄合わせ感が凄い、忙しい」


【ゆっくりしたいんですね】

「まぁ、少し、頭がまだ追い付いて無いので」


【その割には動いてますね】

「それは確認、抜けが無いか回ってるだけ」


【動かされてるんですか】

「近い。ただ、焦りが何も無いのが不思議で、大丈夫かと不安になる」


【前は焦っていましたものね】

「寧ろ、尻を叩かれててる感じの焦燥感、焦りとは少し違う何か」


【準備段階なんでしょうか】

「だと思う、何も無いのが1番なんだけど」


【そう思ってる者は少ないですよ、何かしらが起ると大半は思っていますから】

「先生も?」


【そうですね。ただ、不安は少ないですよ、アナタも落ち着いてますし】

「ただ腑抜けてるだけで、問題回避してるのかも」


【それで平静が保てるなら良いんじゃ無いですかね】

「良いなら良いけど」


【心配して下さるなら、もう少し】

「コミュニケーションを取れと」


【はい】

「困る、どうしたら良いか分からん、話すのすら少し面倒で。もう書類で確認して欲しい」


【それか、映画館ですか】

「何処からそれを?」


【ロキ神です。あ、情報は一切与えてませんよ、向こうが勝手に話すのを聞いてるだけですので】

「先生も中々にロキを使いこなしてらっしゃる」


【使いこなすなんてとんでも無い、探りに来るのを無視してるだけですよ】

「お疲れ様です、じゃあ、また明日」


【はい、また明日】


 今はまだ、全くルーティンが組めない。

 有っても馴染めない、まるで体が拒絶してるみたいにしっくりこない。


《デカい溜息ね》

「君、つまらんだろう、もう何処にも根付けないなんて」


《別に》

「えー、あ、ユグドラシルとアヴァロン位ならダメかね、聞いてみるか」


 外へ出て一服しつつ、クエビコさんとドリアードに聞いてみる。




 良いらしい。

 良いんだね、人が来ない管理区域なら。

 ミーシャに確認も取らせたが、良いらしい。


《別に、気を使わなくても良いのに》

《まぁ、連絡係にもなるじゃろし、良いでは無いか》

「あ、マサコちゃんとこ行くか」


《絶対に嫌、あんな人間ばかりの所に行く位なら、なんの役に立てなくても良いわ》

「そんなか」

《心の声は聞こえなくとも、雰囲気だなんだと分かるんじゃ、仕方無い》


「ピリピリしてたのはワシが居たからじゃろう」

《それだけじゃ無いの。兎に角、絶対に嫌》


「でもアヴァロンとユグドラシルなら良いじゃろ」

《アナタの役に立つ?》

《役に立つ様に動けば良いんじゃよ、例えばエミールとお前が仲良くなる事も、ハナの役に立つじゃろし》


《仲良くすると、嬉しいの?》

「嬉しいに決まってるが、眼福だが」

《お主が馴染む事でハナは安心する、誰かと仲良くなるは嬉しい事じゃよ》


《私を独占するのは嫌?》

「そうだね、嫌かも。気持ちは嬉しいけど、独占するは嬉しく無い」


《もう愛して無いの?》

「違う。愛には色んな形が有る、皆と仲良くして欲しい」


《分からない、どうしてなの?》

「困ったぞコレは」

《それを知ろうとする事も、ハナの役に立つと思うんじゃがのぅ》


「それは役に立つ、独占と愛を理解して、淡雪の観点から教えて欲しい」

《頑張ってみるけれど、ずっと一緒には居られないわよ?》


「おう、それでも死なないでおくれよ」

《うん、分かったわ》


 先ずはアヴァロンへ送り、次にユグドラシルへ。

 それを成長させるはドリアード、淡雪は根付くと直ぐにユグドラシルを探索し始めた。


「助かった」

《ふふ、こうなるとは思っておらんかったか》


「まぁ、ココまでとは」

《精霊や妖精の愛は強く重い、本人にとっては真っ直ぐでも、受け止められ方に個性が出るんじゃ》


「みたいね」

《もっと聞きたいんじゃがなぁ、色々、どうやら隠された項目も有るらしいし》


「妖精の顔が、似る事は有るんだろうか」


『無意識に求めた像が投影される事は有るかも知れん、なんせ』

「魔法は何でも出来るからか。はぁ、何だかんだ言って、心細かったんやね」

《そりゃそうじゃろ、見知らぬ土地に1人、しかも従者の様な案内人も居らんでは》


『賭けをしてるんだコヤツらは、誰の顔をした妖精だったのか、とな』

《もぅ、余計な事を言いおって》

「ほうほう、クエビコさんは賭けた?」


『あぁ、泣く泣くショナに一升瓶1つ』

「ショナだよ、その通り」

《ふふ、ネイハムかとも思ったが、違ったか、残念じゃぁ》


「そらね、最初に見た従者ですから。じゃあ、風呂行くわ」


 風呂に入り、就寝。

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