1月23日 幕間
『オベロン』
「武光さん」
《ドリアード》
「桜木さん」
《ティターニア》
今朝に桜木さんはドリアードに起こされたり、武光様と共にアヴァロンへ赴いたり、ロッジを頂いたり。
そして今度は、魔法の練習を始めた。
最初は苦戦していたのか、遠くからは変化が見られなかったのだが。
突然、木が一斉に成長を始め、そして桜木さんの目の前に有る木が実を付けた。
遠くから見るにサクランボ。
もう魔法を習得したらしく、皆さんが桜木さんの周りに集まり出した。
ティターニアさん、ドリアードに大鳥のカールラが抱き付き、桜木さんの姿がすっかり見えなくなってしまった。
すっかり覆われたまま数分、大丈夫だろうか。
『坊主、酒を貰いに来たんだが…?』
「ティターニアさんが桜木さんを抱き締めて…それからは分かりません」
『おい妖精達、どうなってる……ほうほう、ふんふん、そうかそうか』
「何が?具合でも悪いんでしょうか」
『大丈夫だ、ほっといてやれショナ坊、酒をおくれ』
「あ、はい、どうぞ」
『うむ、また持って来させろ、奴等も大層気に入っていた』
「はい、伝えておきます」
暫くして目端で何かが動いた。
武光さんの手、起きたらしい。
「なぁ、君は…ショナ君だったか?ココは?」
「あ、武光さん、おはようございます。桜木さーん!武光さんが起きましたよー!」
「いまいくー」
そうして一時的に目を覚ました武光さんが再び眠りについて直ぐ、今度は桜木さんが欠伸を噛み締めた。
「桜木さんも少し眠っては?」
《ほれ、膝枕じゃぞ》
「ん、ちょっと、ちょっとだけ……」
「直ぐに寝ましたね」
《ショナ坊、こやつの…ハナの生い立ちは聞いておるか?》
「いえ、お話し頂けるまでは聞くなと推奨されてるので、何も」
《そうか、そうじゃったか》
《では、今以上に信頼を得ねばなりませんね、お話しして頂ける様に》
「うん、私はネイハムに聞くつもり」
《あぁ、あやつはそういった仕事じゃったな》
《あ、歯軋りを…【良い子、良い子、良い夢を、安らかに心地好く、ゆっくりおやすみ、愛しい子】》