表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/204

5月16日(土)

ドリームランドから。




 ガミュギュンらしき小さなロバが家の庭先に居た。

 挿絵より、想像よりモフモフ、耳大きめ、タテガミ短め、目はキュルキュルでとても可愛い。


『その姿では、ガミュギュンは話せませんよ?』

「別に良い、もふもふ」


 それからはソロモンさんの手引きで、もふもふ達を増やす。

 カイムと言われるツグミは嘘ばかりらしいが、それも別に構わない。


 ガミュギュンは人型にもなれ、あらゆる学問の知識があり、死者の霊魂を召喚が可能で、願いを叶えるまで留まってくれるらしい。

 そしてカイム、ツグミ鳥、人型の際には何処かに羽根飾りを持っているのがポイント、動物と会話が可能で、詭弁師とも言われる程に弁舌に長けているそうだ。


『他には?』

「中庭の池に、フォルネウスが欲しいけど、大きいかな」


『その池に合わせた大きさで現れると思うよ』


 フォルネウスは芸術や倫理の先生、プロデューサー的役割を担えるらしい。

 そしてヴァプラ、ライオンにグリフィンの翼で現れた、工芸と哲学の先生らしい。


「フェニックスは熱い?」

『熱くは無い筈、君の想像する以上に素敵だと思うよ』


 フェニックスは学問全般と詩の才能があり、フラウロスは豹。

 中庭がかなり賑やかになった。


 他にもオススメが有るらしく、ソロモンさんから色々と聞かせて貰ったが。

 驚きなのは、見返り無しで動く悪魔も居る事。


 マルコシアス、狼にグリフォンの翼と蛇の尾、普段は曖昧な返事をするが、人間の時は誠実な受け答えをする。

 オリアス、大きな馬に乗ったライオン、尻尾は蛇、両手に毒蛇が巻き付いている、変身、和解、星占術や奥儀を瞬時に理解させられる。


 セーレ、金髪ロン毛の天使、翼のある馬に乗った美少年、喜んで願いを叶えてくれる。

 シャックス、コウノトリ、能力とか何でも盗む、嘘ばっか、人間の時は真面目。


 ウヴァル、ヒトコブラクダ、穏やかな愛情を芽生えさせる事が出来る。

 クロケル、天使の姿、温泉を見付けられ、悪天候の幻影を見せる、音楽から哲学までの幅広い知識を持った堕天使。


 シャックスとオリアスを呼び、もふもふ。

 シャックスとカイムは仲良しかと思う程、掛け合いをしながら嘘か本当か分らない話をしてくれる。


「このままで居て欲しいのだけれど」

『君が望み、相手が望めば大丈夫』


「セーレには、他にもだけど、せいちゃんを守って欲しい。その分の魔力は分ける、使わないならそのまま他で使って良いから、お願いしたい」

『うん、そう伝えておくよ。さ、遊んでおいで』


 中庭には様々な動物が沢山、池には綺麗なリュウグウノツカイ。

 大木も鳥でかなり賑やかになったが、梟さんは変わらず大人しく眠っている。


 フワフワ、すべすべ、サラサラ、もふもふ。

 暖かかったり、ひんやりしたり。






 目を覚まし体を起こすと激しい眩暈。


 測定は低値、対価デカい。

 外は晴れ時々曇り、5時半、日の出と共に起きたらしい。

 せいちゃんは眠っている。


 エリクサーを飲んでから、ストックの盛り合わせやケバブプレートをベランダで食べる。


 そして昨日貰ったニコチン無しのフレーバー、水パイプに火を入れ暫く待つ。


 食事、エリクサー、水パイプ、エリクサー、そして食事。


 測定。


 低値、花子の分まで持っていかれたらしい。

 回復にはどれだけ掛かるのか。


 花を出し、水パイプを吹かす。


《また不健康な事をして》

「ニコチン無しだよ」


《なら良いのだけれど》

「今ニコチン入れたら失神する」


《そうね、酷く少ないもの》

「しゃあない」


《ふふ、獣の匂いがしそうね》

「なんでわかる」


《色と気配と、匂い?》

「どんなんよ」


《濃く、強くなってる感じ》

「抑えた方が良いかね」


《今頃?もう弱い子はビビって逃げちゃってるわよ》

「さよか」


 偽装の魔法を掛け、一服。


《うん、良い感じね》

「うい」


《紹介してくれないの?》

「夢に来たらよろし」


《あら良いの?》

「どうぞ、食べられない様に気を付けてね」


《そんなミスしないわよ》


 淡雪が眠りについたので、そのままベッドに戻り2度寝。






 朝食の時間にせいちゃんに起こされ、そのまま下階へ降りた。


 まだ低値なのだろう、非常にダルい。


『低血圧ですか?』

「まぁ、そんな感じ」


 オレンジジュースから始まり、フルーツ盛り盛りのヨーグルト、サンドイッチと食べ進める。


 他国で多国籍のモーニングは不思議な感じ、主食にはスコーンやスパムお握り、そしてお粥等が並んでいる。

 こんな時でも、こんな時だからこそお粥は食べ無い、食い物がお粥しか無い時以外は選ばない、絶対にだ。


 そしてイスタンブール同様に甘い物が多め、マフィンにクッキー、チョコも何種類と置いてある。

 そしてフルーツ、その中でもドライデーツが人気らしい。


『高いやつですよコレ、凄い甘い』

「果物は生、魚は火が通ってる方が好き」


『乾物嫌いですか?』

「そのままはあんまり。健康な食品好きくない、バナナとか見たくも無い」


『どれだけ食べさせられたんですか』

「10才頃には既に好きじゃ無かった。クソ喉が痛い時に、辛い大根の絞り汁を飲まされて、初めて殺意を覚えた8才の夜」


『うわぁ、民間療法ですか、痛そう』

「まだ山葵苦手です、辛子も、初めての場所でサンドイッチ食べる時ビクビクよ」


『唐揚げとハンバーグ好きですよね?』

「子供舌って言いたいんだろう」


『はい』

「子供舌ですよ、エビフライ大好き」


『分かり易くて助かります、タブレットの項目に苦手な物が無かったので』

「あら、そうなの。香草もよ、苦い蕗とかも、すき焼きに春菊入ってたら肉すらほぼ食わない」


『どこまでも子供舌ですよね』

「うん、自覚してるから良いの、せいちゃんこそ食えるんかいな」


『春菊はサラダが美味しいですよね、辛子和えとか』

「出されたら泣きながら食べるね」


『そこまでですか?』


 せいちゃんはもずく酢がダメとの情報を得て、朝食を終えた。


 まだ少しダルい。

 そのままプールサイドで日向ぼっこ、何か習慣化しているが、別にもう気を付けなくても良いんじゃないだろうk。


「スクナさん、もう北欧じゃ無いし、別に日光浴は必要無いかねぇ」

『五月病に良いんだよ、だから良いと思う』


「あー、そっか、五月病か」

『万年具合が悪いと関係無いですよね』


「ねー、具合が悪い時が憂鬱だわ」

『食欲が無いとか気持ち悪いとか年中でしたし』


「いつから健康に?」

『小学生位から特に酷くて、収まったのは声変わりが終わった位ですかね』


「なら人生の半分不健康か」

『確かに、そうなりますね。今は何も無くて、それが最高ですね、台風で頭痛とかもありませんし』


「海外来れてるし」

『ですね、想像もしてませんでしたよ。休暇で海外なんて』


 互いにしみじみと健康を噛み締めながら日光浴、たまに差す直射日光は結構暑い。


 他の客はパラソルを閉じて日光浴をしている。

 折角なので自分も水着に着替え、人生で初めて焼いてみる。


 うつ伏せで控えめに、少しだけ。






 喉の渇きで目を覚ました。

 起き上がるとパラソルが広げてあった、せいちゃんが頼んでくれたらしい。


 トイレに行き、レモン水をがぶ飲み。


 渇きが全く収まる気配無し。

 糖尿病かと焦って全身を診たが、どうやら渇きの原因は容量不足らしい。

 環境に合わせて身体の要求が変化するんだろうか。


 人目もあるしストレージからエリクサーは出せないんだが、どうしよう。


 取り敢えずメニューを貰い、何かで補えないかチェック。


 フルーツ盛りがあるじゃない、お腹も少しは消化してるし、この量ならお昼までには消化も出来るでしょう。


「フルーツ盛り」

『大丈夫ですか?』


「大丈夫、ちょっと寝てる間に消費しただけ」

『点滴を受けた方が良かったのでは?』


「食べ物美味しいし、そこまででも無いよ」

『そうですか?お昼は港辺りで食べ歩きでもと思ったんですけど、ホテルのバイキングにしときます?』


「いや、現地食でしょ」


 その前には先ず仮眠。

 フルーツ盛りを食べ終え、パラソルを閉じてから軽く目を閉じた。






 空腹で目が覚めた。

 久し振りに食っちゃ寝してる気がする。


『本当に大丈夫ですか?』

「おう、行こうぜぃ」


 水着にシャツを着て、そのまま港へ向かう為にロビーへ。

 ソロモンさんのお陰か受付で外出を伝えると車を回すとの申し出があり、そのまま受け、車へ乗り込んだ。


 大きな観覧車の有る港、大型客船も寄港する事がある観光地らしい観光スポット。

 逆に寄港が無いと閑散としているかとも思ったが、お昼と言う事もあり露天商や地元民はそこそこ。

 帰りが何時になるか分からないので、また連絡すると言う事で車を帰した。


 イスタンブールを思わせるサバサンドに、ムール貝のパエリア、ケバブにピザ、野菜の肉詰めやブドウの葉で巻いたギリシャ系もある、惣菜屋宜しく買って帰る人も結構多い。


 砂糖入りのヨーグルト水と共に、せいちゃんを巻き込んで制覇。

 持ち帰り用にと追加で注文しに行くと、珍しいからかニコニコとオマケしてくれる店が多かった。


 そして腹ごなしにショッピングモールを歩く、小洒落た店が殆ど。

 余り興味が無いなと歩いていると、ダイビングショップを見付けてしまった。


 あのフィン、誰か使ってくれてるだろうか。


 オーダー可能と言う事で試しにデザインを伝えてみると、今夜にも出来上がるのでホテルに届けるとの事。

 3Dプリンターで作っているらしい。

 マジか、やるな転生者。


 金額は素材によりけりだそうで、少し硬めで切れ目のある長いフィンをお願いした。

 足形を取り込み、データ送信で完了。


 デザインは既に似たモノがあるそうで、実物の画像を見せて貰ったが、結構良い。

 全く同じもイヤなので、高くなっても良いのでデザインに変化を付けて発注。

 水色から青のカラーグラデーション。


 せいちゃんとお揃いにしようか相談すると、意外と乗り気。


『流石に全く同じはちょっと』

「なら黄色とか赤にする?目立つから溺れても安心」


『赤は怪我してると思われちゃいますよ』

「オッサン臭い事を言う、じゃあピンク」


『うーん』

「なら色違いで良いじゃない、紫から赤とか綺麗だと思うよ、オレンジ黄色でも良いし」


『じゃあ、青から紫のラメ抜きで』


 せいちゃんは泳げるので、フィンに切れ目の無い中くらいの長さと硬さで発注。


 そしてスーパーで果物を幾つか買い、車を呼んだ。

 ホテルから15分も無いので、近くのアイス屋で待っていると、車が良いタイミングでやって来た。


 そしてホテルへ帰り、淡雪にお水を上げ、再びプールサイドでお昼寝。






 どうしてもオヤツの時間に起きてしまう、日本は21時。

 お佐予ちゃん、元気かな。


 部屋へ戻り、バアルさんとソロモンさんを呼んでご相談。


「協力者を増やそうかと思います、日本の転生者」

《河瀬と言う者ですか?》


「いんや、お佐予ちゃん」


 ペットロボットを取り出し、呼び掛ける。

 早寝してたら無理よな。


【あら鈴藤ちゃん、今晩は】

「遅くにごめんねお佐予ちゃん、寝てた?」


【いいえ、少し準備に手間取ってただけよ】

「そっか、すまんね。コチラ、ソロモン王とバアルさん、ご存知?」


【えぇ、勿論。お力を持った神々ですよね。佐予です、鈴藤がお世話になっております】

《宜しくどうぞ、コチラこそお世話になっております》


【いえいえ、どうも】

「それでね、お願いがあるのだけれど」


【なにかしら?】

「河瀬に相談してくれて構わないのだけど、諸外国を渡り歩くつもりだから、各国の転生者に言っといて欲しいんだ、お互いに協力しませんかって」


【それは良いけれど、全世界には無理よ?協力関係が築けていない国もあるから】

「それは構わんよ、目下ロシア、北欧に行きたいんだ」


【ロシアは少し危ないと聞いているけれど】

「強いから大丈夫」


【ふふ、5階の病室に来たものね。そうね、取り敢えずはロシア、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーで大丈夫かしら?】


「うん、余裕が有ったら近隣もお願い、ルーマニアとロシア」

【ふふふ、はい、承知しました】


「それと、今ウガリット王国なんだけど、お土産は何が良い?」

【あら、だから明るいのね。そうね、甘い物が良いわ】


「じゃあいっぱい買ってくね」

【えぇ、楽しみにしてるわね】


 通話を終え、ペットロボットをしまった。


「はい、そう言う事です。なのでスポンサーになって下さい」

『“勿論、だよね?”』

《手の内は明かして貰いましたし、世界全体の為なら断れませんよ。まして成功すれば対価を払うべきはコチラになりますから、先払いしなくてはいけませんね》


『“そうだね”』

「プレッシャー掛かるから前払い嫌なんだけど、借金と同じじゃん」

《では、常に足りない程度で受け取って頂きましょう、先ずはこの国で使って頂いた分をユーロでお返ししましょうかね》


「絶妙なラインをいく」

《観上さんを連れて行くなら、お金は有った方が安心ですよ?》

『私もですか?』


「嫌か?」

『ロシアとか、北欧ですか?え?私もですか?』


「有給の日数も有るだろうから、ロシアは除外かな」

『それこそ、河瀬さんや先日の晶さんでも良いのでは?』


「国家公務員だよね?身分が1番しっかりしてるじゃない」

《そうですよ、河瀬と言う方とはあまり仲が宜しく無さそうですし、もう1人の方は病み上がりの無職なんでしょうから。警戒心の高い転生者と会うには、観上さんが1番適してらっしゃると思いますよ》


『そうでしょうか、言語も得意では無いですし』

『僕も居るから大丈夫』

「ん?スクナさんも行くの?」


『通訳と、神様が居た方が信じて貰えるでしょ?』


「想定外」

《少なくとも、私達が同行しても良い事は無いでしょうから、となると目下はスクナ彦神かと》

『それでも、他の仕事も有りますし』


「まぁ、じゃあ、帰ったらアマテラスさんに聞こうか」

『そうして頂けると助かります』




 そのままオヤツをちまちまと食べつつ測定。

 中域、貯まりが早いなココ。


『“何か持って来させようか?”』

「大丈夫、ストックがある」


『“本来は向こうで使うべきモノなのだろうから、とても気が引けるんだよ。少しは何か要求して貰えないだろうか?”』


「“せいちゃんを守ってくれたらそれで良い”」

《なら、勝手に足りなさそうなモノを補充させて頂きましょうかね》


「それもそれでコワいんだが」

《要求しないのがいけないんです》


「ソラちゃん、絵本の原稿のデータ出せる?」

《はい》


《2の方のですか?》

「おう、日本と同時販売とか出来たら良いな」


《承りました、出来るだけ早く出させます》

『“綺麗な挿絵だね”』

「うん、本職は魔道具職人。ドイツ人、見本にって渡してくれた、自分は描いて稼ぐ気は無いって」


『“バアル、彼女に読ませたいのだけれど”』

《彼が去ってからにして下さい》


『“そうしておく”』

「是非そうして」


 そしてそのままバアルとせいちゃんが業務連絡を重ね、ソラクマちゃん、淡雪とスクナさんとソロモンさんが何やらお話し合い。


 自分はまた夕飯までお休み。






 起きた時には既にせいちゃんやスクナさんだけ、夕飯はバイキング。

 パスタにステーキ、ムニエル等の多国籍料理が並んでいる。


 ムニエルやばい。

 そして今日はメイン料理中心に食べる、果物や野菜多めに摂取。

 仔羊のタルタル、初めて食べたけれど美味しい。

 最後の方で漸く、少しのデザートと炭水化物を入れ、終了。


 溢れはしなかったが、コレで少しは満たされたろう。

 測定、中域。


『まだだよ?』

「えー、今日の感じでイケると思ったのに」


『仙薬は強いもの、それ無しで補給は時間が掛かるよ』

「ズル無しは時間掛かるか」

『残りが少ないんですか?』


「いや、もういい加減自分の容量を見極め様と思って、出来るだけ食事で補おうかと試しただけ、諦めて明日にでも帰るべな」

『海にも入らずにですか?』


「お、ノリノリだ」

『北欧行きをアマテラス様に断られたら、暫く海外に行けるチャンスは無いと思って、少し名残惜しくなりました』

《明日は暑くなるわよ、ひと泳ぎしてからでも良いんじゃ無い?》


「何て情報を、何で足止めする」

《だって、良い気候じゃない》

『海は冷たいかなぁ』


 タイミング悪く、受け付けからフィンが届いたと知らせが入った。


 受け取りに行くと、バアルさんとソロモンさんがロビーに居た、何でも筒抜けらしい。


 少し寒いが試しにプールで泳いでみる。


 水流が無いのでグングン進む。

 せいちゃんはバシャバシャと慣れない様子だが、運痴では無さそう。

 うらやま。


『“あの世界の、フォルネウスのヒレの様だね”』

「魚のヒレのイメージだからね」

『まるで人魚だね』


「人魚は綺麗だよね、醜い人魚が王子様を助けたら、王子様は逃げて物語はそこで終わっちゃうのかね」

『“悪は、醜い姿をしているとされる事が多いからね”』


「悪は醜い、美しいから正義」

『“昔は資源が少なかったから、簡略化の果てにね”』


「富めば、醜くても愛されますか」

『“富み増えればね。恒常性は均一化と対、その先にこそ多様化が有ると思うよ”』


「良く富み、増えれば良いですね」

『“いつも、そう願ってるよ”』


 フィンの試用を終え、ソロモンさん達とは解散。

 部屋に戻りシャワーを浴びて、眠りについた。






 中庭に向かうと、モフモフが更に増えていた。

 アモン、頭は梟、胴体は狼、尻尾蛇、恋愛と感情の神、可愛い。


 シュトリ、豹の姿にグリフォンの翼、愛と性の神、変身も可能だそう。

 イポス、頭はガチョウ、体は獅子、兎の尻尾、機知と勇気を呼び起こす。


 ナベリウス、学問と技術、3つの犬の頭の大鴉。

 グラシアラボラス、黒い犬にグリフォンの翼、不可視の魔法使い。


 ストラス、ハヤブサ、基本は人間の姿らしいが、自然系の知識豊富、天文、鉱物、薬学など。

 ハルファ、ハト、だみ声軍師。


 マルファス、大きなカラス、高速建築家、嗄れ声のペテン師。

 ヴァレフォル、ロバの頭にライオンの体、兎の尻尾、盗みを唆す、人を動物に変えられる。


 マルコシアス、狼にグリフォンの翼と蛇の尾、普段は曖昧な返事、人間の時は誠実な受け答え。

 どうやら、押し掛けて来てくれたらしい。


 そしてヒトコブラクダのウヴァルが、とても素晴らしい恋愛の話しを聞かせてくれた。

 穏やかで安らげる、恋の話し。


『ソロモンさん』《淡雪》『せいちゃん』《バアルさん》【「お佐予ちゃん」】『スクナさん』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ