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僕の一生分の幸せを一人一人にプレゼントするよ。

作者: 七瀬
掲載日:2022/01/03








僕の命は、20歳までと決まっていた!

僕はこの世に産まれた時から、生きられる時間が決まってるんだ。

“命のタイムリミット”が決まっているのなら? 僕は本来20歳

まで生きられる喜びや楽しみ幸せを不幸な人達に分けてあげたい。

例え? 僕の命が短くなってしまってもその方がいい。

僕はこの世に産まれた“恩返しをたいのだ!”

短い時間であっても、僕は幸せだった。

お父さんお母さん妹と一緒に生活もできていた。

毎日笑って騒いで怒られてまた笑って楽しい日々。

僕は世の中の“不幸な”人達に恩返しすると決めた。

僕は幸せだ! 例え寿命が短くてもたくさんの幸せを手に入れた。

すべてそれは、“僕の家族のおかげだよ。”

だから今度は、辛い想い出ばかりしかしていない人達へ僕の幸せを

1つだけ分けてあげる事にしたんだ。








・・・それは、僕の部屋のベットで寝ていると死神が僕にこう言った事から

僕は真剣に考えるようになったんだ。




『よう! 元気そうだな!』

『・・・うん? 誰?』

『死神だ! お前の顔を見に来てやったぞ!』

『し、死神!?』

『そうビックリするな! お前の命はまだ10年も残っている。』

『・・・たったの10年しかないんだね。』

『短いと思うか、長いと思うかはお前次第!』

『でも? 死神って死ぬ直前に現れるんじゃないの?』

『まあそうだな! お前にいい知らせを教えたくてやって来たんだ!』

『・・・“いい知らせ?”』

『残りの10年! 寿命を縮めて“他の不運な奴らに幸せを1つだけ

分け与えてやる事ができる権利をお前にやる!”』

『そんな事したら? 僕の残りの10年が削られるじゃないの?』

『だが、いずれ死ぬ! それが早いか遅いかの違いだけだろう!』

『死神は好き勝手な事を言うよな! 僕の命は10年しかないんだ!

それを赤の他人にあげられるはずないだろう!』

『・・・そうか、まあよく考えろ!』

『だからやらないって!』

『・・・・・・』





死神は最後まで、僕の話を聞かないで直ぐに消えてしまった。

元々、短い命を更に短くしてまで人に幸せをあげたいなんて思うもんか!

僕は最後の10年! 家族と楽しく生活する事だけが細やかな幸せなんだ!

それなのに、どうして僕に死神はあんなことを言ったのかな?





・・・僕は病気じゃない!

体も健康で、元気に走り回れるほど活発な男の子だ。

何処へでも好きな所に行くし家族とは毎日楽しく過ごしている。

でもたまに、死神に言われた事を思い出す時があった。

親に見捨てられた僕よりも小さな子供。

生きる事に疲れ切ったサラリーマン。

何処か知らない場所に置いて行かれた赤ちゃんが泣き止まない声。

やたらと今まで見る事も感じる事もなかった事が急に気になるようになる。

ひょっとしたら? 死神は知っていたのかもしれない。

僕が残りの10年という命のタイムリミットを削ってでも赤の他人の人達

に僕が一人一人に幸せを1つだけあげる事を。

だから、僕の話を死神は最後まで聞かずにあの時消えてしまったのか。

僕は考えれば考えるほど、【社会貢献】とは何なのか?

そう考えるようになる。

その権利が僕にあるなら、人の為に何かしてあげたい!

この世に誇れるモノを何か残して死ぬのもいいだろうと思う。

10歳の僕の心は締め付けられそうな選択を迫られる。

それがいい事だと分かっていても、簡単に僕は選べなかった!

僕の残りの寿命が削られる恐怖。

他の人より長く生きられないのに、更にその寿命が減るのだ。

それに、細やかな“小さな幸せのお裾分けだ!”

その人にとって、本当に覚えているモノなのか?

次の日起きたら? そんな事は忘れてしまったとならないのか?

僕の命の寿命を削ってまで本当にする事なのか?

それでも僕は、“この権利を使う事を選んだ!”




『どうだ? もう決まったか?』

『あぁ、決まったよ死神!』

『そっか、お前が決めたならその権利お前にやろう!』

『ありがとう。』






・・・僕の残りの10年間という命はあっという間に削られていく。

そして最後の幸せを1つあげた時には、僕の残りの寿命はなくなっていた。



『お父さんお母さんアノ、元気でね!』

『碧音! 碧音! どうして、お父さん碧音が、急に、気分が悪くなって』

『お兄ちゃん! お兄ちゃん!』

『碧音! 直ぐに救急車が来るからな、それまで頑張れ! 碧音!』










・・・僕は死神が言った通り亡くなった。

お父さんお母さん妹のアノも僕が眠るように死んだ姿を見て

ずっと泣いていた。

僕は悲しくないよ。

僕はたくさんの人達の為に“小さな幸せ”だけど僕の命を削って

あげる事ができたから。

亡くなった今も幸せだよ。

【ありがとう! 僕をこの世に産み落としてくれて。】
























・・・ある日。



【ウギャーーウギャーーウギャーー】

『産まれましたよ、元気な男の子です。』


 *


『新しいお前の命だ! 今度は大事に使うがいい!』

『えぇ!? 死神って? 命を奪うだけじゃないんだね!』

『・・・・まあ、これは“例外だ!”』

『でも、本当にありがとう。』

『今までの記憶は、お前が大きくなるにつれて記憶がなくなってく

今を生きよ!』

『うん!』


 *


『私の可愛い坊や、私の元に産まれてきてくれてありがとう!』

【ウギャーーウギャーーウギャーー】



最後までお読みいただきありがとうございます。

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