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DOLL  作者: 日向 蒼
1/1

プロローグ:はじまりのとき


 

「はぁっ、はぁっ……。」


深い森の中を走り抜ける一人の青年。

しきりに背後を気にする彼は、突然足を止めた。


「先回り……されてたか。」


彼が呟くと同時に、木陰から白衣を纏った男が一人。

数体の『ドール』を連れて現れた。


「これは、これは。社長自ら私を追って来られるとは。」

「それだけ……。あの『ドール』には価値があるということだ。」


沈黙が広がる。

どれくらいの時が経ったのか。

白衣の男は口を開いた。


「あの『ドール』を。IS-M-02を渡してもらおうか。」

「嫌だって言ったら?」


瞬間。

白衣の男の表情が厳しくなり、周りの『ドール』が身構える。


「やっぱりそう来ますか。」


そう言うと、青年はポケットから煙草を取り出し火を点けた。

煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。


「この状況でよくもまぁ、落ち着いていられるな。」

「焦ったって、何も解決しないだろ。」


そう呟き、もう一度ゆっくりと煙を吸い込む。


「悪いが断る。」

「ほぅ……。」

「あいつは渡せない。昇、お前だけにはな。」

「理解できんな。」

「それはこっちの台詞だ。」



おもむろに腕を上げ指を鳴らす昇。

刹那、周りで構えていた『ドール』達が一斉に飛びかかる。


「……甘いな。」


そう呟くと同時に、青年は地面に小さな機械を叩きつける。

辺りに激しい閃光が広がり『ドール』達はその場に倒れていった。


「悪いな、昇!勝負は一旦お預けだ。」

そう言うと、青年は素早くその場から立ち去った。


「強烈な磁場を発生させ『ドール』の心臓部をショートさせたか……。」


そう呟くと、昇は数歩進み再び足を止める。


「やはり駄目だな。こんな機械仕掛けのドールでは……。」



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