プロローグ
物語の世界観について。
舞台はゴディス島。
2つの小国家が600年もの長きにわたり、戦争を続けている。
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魔法国家「エディン」
国王 タペル・エディンバラが統治。
エディンの王宮がある首都「タペル」で暮らしている人間の8割が魔法使い。
領内の町や村にも多数の魔法使いがいる。
王は直轄の軍隊を4つ抱えている。その軍隊が治安活動、武力行使、領内の町を魔物から護衛するなど、様々な活動を担っている。
統治におけるあらゆる権限を国王が握り、国内の政治活動はすべて国王の許可が必要となる。
エディン領の町や村では王の勅命をうけた貴族が地方政治を担っていた。
国民は魔法の義務教育をうける。
成績優秀者で国家試験に合格したものは王直属の魔法軍に所属する。
成績不良者となったものは「職人ギルド」「商人ギルド」などに所属して社会的分業の一端を担うことになる。
そしてそれ以外の者はいくつか存在している「魔法ギルド」に所属する。
元々魔法使い、魔法職人、研究者が自分たちの技術を独占するためにつくった集団であった。それぞれのギルドは魔法学校を卒業した魔法使いたちの多くを所属させて、規模を拡大している。
この組織は慈善活動、商売、軍事研究など、ギルドごとに活動する内容に違いはあれど、魔法使った多彩な活動にとりくんでいる。
今ではギルドは数多く存在するが、その中でも特権を持つギルドが5つ存在する。
そのギルドは「五星」と呼ばれ、1年に1度「五星会議」を開催する。
そこで決定したことは王に奏上することが許されている。
五星となるには5年に1回開催される「ギルド大戦」で勝ち残り、現五星のどこかのギルドに挑戦する権利を獲得する必要がある。その権利を行使して、ギルド同士の代表戦に勝った場合に、新たに五星になることができる。
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武装国家「ドルト」
国王 ベルク・ドルトムントが統治。
エディンとは異なり魔法文化はほとんどない。
この国家は主に人間身体能力の強化と、武器・兵器の開発に力を入れている。
己の鍛錬によって得た能力「スキル」を扱うことと、武器を使った戦闘に特化した戦闘民族である。
統治権は国王が握っている。国王を補助する機関として3つの機構が力を持っている。
軍事部門・行政部門・研究開発部門──この三大機関の長を務める人物は、各々が一騎当千の武人である。
ドルトには徴兵制があり、全ての男子は成人したら軍部に所属する。
女性と、軍部で使い物にならないとされた人間が、商業・農業を営み成り立っている。
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第三勢力、漢民族。
2つの国家の力に遠く及ばず、島の南側でひっそりと生活している民族。
この民族は600年前までこの島を支配していた民族である。
大国による干渉で故郷を追われ、島のほとんどを侵略されてしまったのだ。
はるか昔に独立戦争をしかけたこともあったが、その都度鎮圧されてしまった。
今では両国に見つからないよう、ひっそりと暮らしている。
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魔物。
島には獣とは区別される魔物が存在している。
魔物は①人を襲う②魔力を持つという2つの条件を満たす獣を定義している。
平原、森、山、洞窟に多く存在し、町から町を移動する人を襲う。
この魔物は周期的とも言っていいペースで都市や街に集団となって襲いかかる。
そのために人間社会は敵国だけでなく、魔物の対応に防衛力をさかなくてはいけない。
エディンの「魔法ギルド」や、ドルトの「武人ギルド」には魔物討伐の依頼が毎日大量に寄せられている。
魔法国家と武装国家の戦争は完全に拮抗しており、長きにわたってどちらかに戦局が傾くことさえなかった。
「軍隊を相手国に進軍させると魔物が襲ってくる」ということが定説となったことで、戦争は泥沼化されてしまっているとも言われている。
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それ以外の国について。
ゴディス島を囲む海を船で南下すると大陸がひろがっている。
その大陸の北側には「アディス」と呼ばれる軍事大国が存在する。
エディンとドルトとは違い、魔法も兵器も使用する大国である。
600年間、アディスからゴディス島への侵略行為はなかった。
その理由は、アディスは南の国の侵攻に手をやいているとだとか、2国の戦争が終結したら攻めてくるなど、根拠すら示していない説が根付いていた。
不思議なことに、侵略すらしていないのに、アディスの支配者たちはゴディス島のことを「支配の島」「盤上の島」などと蔑称で呼んでいる。そのことをゴディス島の人間たちは知るよしもない。
4月29日に第一部完結。
第二部開始は5月7日頃を予定。