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第十五話 焔

 日本 神奈川 荒廃したビル街―― P.M2:10 11月 28日



「殺す! 殺してやる!」


 ソウマの怒号は、ビル群に響き渡った。


 対するカマエルは、腕を組んだまま呆れた表情でソウマを見ている。


「――――殺すって、お前なぁ……」

「御託はいい! ここで殺してやる……!」

「――――図星を当てたらキレたなんて、笑い話にしかならねえぞ?」

「!! うるせェェェェェェ!」


 圧倒的かスピードでカマエルに近づき、拳をカマエルの顔面に近づける。


 しかし、カマエルはそれを簡単に躱す。


「――――そんな怒りの力なんぞ、滅びしか齎さねえぞ」


 無表情だが、どこか物悲しい声でカマエルはソウマに囁く。


「黙れ!」

「何度も何度も! うるせえんだ!」

「俺はぁ、誰よりも……誰よりも強いんだよ!」


 身勝手で、凶悪。その一言であった。


 だが、その精神の在り方が、ソウマと言う人間を保っていたのも間違いはなかった。


「――――分からず屋が……!」


 カマエルは腕に“炎”を纏わせる。


「……!?」


(真名の開帳か?)


「――――ちょっとだけ力を出すぜ……!」



 その瞬間、世界は“燃えた”。


「!?」

「何だ……?」


 建物の傍から見ていたライハも、ソウマも、ただ、困惑している。


 世界が炎で燃え盛り、建物は消え去り、空も炎が覆い尽くす世界。


 天国とは程遠い、地獄のような世界へと、変貌していた。


「何を……したんだ?」

「――――これが俺の力の“一部”だ」


 カマエルの姿は変わらないものの、何時の間にか、その手には黒い二又の槍が握られていた。


「――――俺の名は 人よ、炎と共に(カマエル)……だ」



 ――――炎の天使は、怒り狂う。

 






 

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