第3話 だからねっ!!
最近なぜか脳内で
「きっびっだーん、きっびっきっびっだー
ん」て再生されるんだが
これって停止ボタンないの?笑
有限会社ホタテ
俺を拉致して異世界に連れてきた青年
リミットはなんと神だった。
「なんで…神が俺なんかに用があんだよ…」
「俺なんかと卑下するものではありませんよ
浜松社長。
貴方はとても優秀な方だ。
でなければ貴方を異世界に呼んだりしません」
リミットは急に真面目な顔をしてこう言った。
「ま…まぁな!俺は年商12億の会社の社長。
神に認められて当然だわな」
突然真面目にそう言われ少し俺は
照れ臭かった。
「そうやってすぐ天狗にならなければの話
ですがね」
「うるせぇー! 俺は偉いのだ!」
「やれやれ、おっ! 浜松社長、事務所につきますよ!」
俺を乗せた馬車が止まった。
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「これが我がアナザー商事の事務所です!」
リミットはつくづく気持ち悪い笑顔で指差し
ながらこう言った。
「イェーイ」
ピースをしながら笑うミーヤも又可愛い!
そーんなことより!
事務所に着いた俺は驚いた。
今まで洋風の街並みだったのにリミットの
指差す建物はただのボロい4階建てくらいの
雑居ビルだった。
「異世界感台無しだなおい
急に現実に戻った気がするよ」
「何をおっしゃりますか、ちゃんと異世界
ですよ」
「いやそういうことを言ってんじゃなくて
だな…」
仮にもこいつが神ならこんなボロい所に
事務所を構えてるはずがない。
「やはりこいつは神ではない!」
そう思った。
「さぁここの二階です」
「しかもこのビルの二階って、
このビル全体じゃ無くて一室だけかよ」
俺の会社のオフィスはフロアが15階ある
高層ビルを自分の金で建てた。
こんなボロビル、ポケットマネーでかるく
買える。
「しのごの言わずついてきてください。」
リミットが急かす
「階段かよ、エレベーターくらいつけろよ」
俺の愚痴は止まらない。
「ちゃんと運動をしないと、
おじいちゃんみたいになっちゃいます
よ〜」
ミーヤがそう言うなら階段も有りだな。
可愛いは正義なのだ。
「さぁここです。どうぞ」
”アナザー商事”と手書きの札がかかった
雑居ビルの一室。
もはや怪しいどころの騒ぎではない。
玄関の扉をリミットが開く。
キィィ…
ーーー!?
扉の向こうには信じられない光景が!
外から見ると狭そうな雑居ビルなのに
中は広々とした空間に作業デスクが六つ並び
整った本棚があり
高そうなソファーまであった。
まさに理想的な事務所が広がっていた。
「な…なんで?
外から見たらこの部屋こんな広く
なかったろ」
俺は疑問でならなかった。
「僕は時空神ですよ空間を広げるなんて
息をするのと同じくらい簡単です」
リミットが当たり前かのように言う。
「前言撤回こいつ神だ!」
俺は心からリミットを神だと思った。
「お茶いれますねぇ〜」
ミーヤが台所らしきとこに行く。
「どうぞお座りください。」
「おう」
このソファーどこで買ったんだ?
なんて座り心地のいいソファーだ。
俺の家にも欲しいくらいだ。
「ーーッ!?」
ソファーの座り心地を堪能していた
俺に対しリミットは
これでもかというくらいに顔落ちかずけ
てきた。
「お…おいなんだ?」
俺はびっくりした。
「さぁ本題ですが、浜松社長!あなたに対
する用とは…!」
「ごくり……」
…
「アナザー商事の社長となり
アナザー商事を大いに盛り上げ、
異世界一の大企業にしてください!」
「はぁ?
「チョット待ちなさい!」
俺の「はぁ?」はその
「チョット待ちなさい」の声
にかき消された。
「私はこいつが社長なんて認めて無いんだか
らねっ!」
そこには、高校生くらいの女の子
が立っていた。
何だろうこの勝手に話が進んでく感じ。
非常に不愉快だ!
「俺だってこんな訳の分からん会社の社長に
なるなんて認めてないんだからねっ!」
俺は心の中でそう叫んだ。
○とぅーびーこんてぃにゅー○
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嬉しさのあまり羽ばたきます笑。
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有限会社ホタテ