第1話 前略神様…!
今日家の中でスマホを見ながら歩いていたら、
角に足の小指をぶつけて小指が血だらけに!!
家の中だからって歩きスマホ
ダメ!ゼッタイ!
有限会社ホタテ
門を抜けるとそこは異世界だった…
洋風の建物が並び、
獣の耳が生えた人間や半魚人、
見たこともない毛むくじゃらな生き物。
そして空にはドラゴンが旋回していた…
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門を抜けると雪国だったらどんなに良かっただろう
そんな事を思いながら俺は呆然としていた…
「人生なんてどこで間違えるか分からない」
父がそんな事を言っていた気がする。
だが…異世界に飛ばされるなんて
いくら何でも間違えすぎだ!!
「浜松社長ようこそ異世界へ!」
振り向くとリミットがさっきの表情からは想像も
できない満面の笑みで両手を広げこう言った。
俺はそんなリミットの後ろに回って
こちらも満面の笑みで抱きつき、
ブレーンバスターを決めてやった!
リミットは頭を地面に強打し、倒れた
「何するんですか〜? まだ会って数分の相手に〜」
リミットは何もなかったかのように
ムクリとからだを起こしながら言った。
こいつの頭は鉄かなにかで出来てるのか?
「何が『何するんですか〜?』だぁ! こっちのセリフだ! どこなんだここは意味わかんねえよ!」
俺は気が荒立っていた。
「やめてぇ乱暴にしないでぇ」
リミットが薄ら笑いを浮かべながら追い打ちの様におちょくる。
戻れるものなら数分前に戻ってオネエみたいな
口調になった自分を殴りたい。
「リミットさ〜ん迎えに来ましたよ〜!
もう亮司社長と仲良くなったんですか?」
若い耳の尖ったおねいさんが馬車に乗って来た。
「誰がこんな奴…!」
いや待てこの娘どこかで見たことがあるぞ!
「間宮さん!?」
俺はまたも呆気に取られた。
耳は違うものの彼女だ!
容姿からして間違いなく間宮さんだ!
「彼女は間宮さんじゃないです。彼女はエルフで幻術使いのミーヤさんです。」
リミットが紹介するとミーヤはぺこりとお辞儀をした。
「ミーヤで〜す♡」
やはり、か…可愛い!
何と言ってもあの豊満な胸!
お…落ち着け
今はそんな事はどうでもいい、
「幻術使い…
だから秘書のくせに誰かわからなかった。
俺は幻術にかかっていたのか…?」
「流石敏腕社長! かんがいい!ミーヤさんの幻術にかかれば貴方の会社の社員を騙すなんて造作もないんですよ。」
リミットが偉そうに話す。
「そんな事はもうどうでもいい!
早く俺を元の世界に 帰してくれ!」
俺は早くこんなふざけた世界から
おさらばしたかった。
「用が済んだら帰しますから
黙ってついてきてください」
リミットの上から目線の物言いに俺は腹がたった!
「やーだね!帰りたい帰りたい次の会議があるんだよー! 帰る帰る帰る」
俺は一社の長とは到底思えない駄々っ子作戦に出た!
「リミットさんもそ〜ですが、亮司社長も起伏の激しい方ですね〜」
呆れながらミーヤはそう言った。
が、俺はやめなかった!
「帰る! 帰る! 帰るぅぅう!」
それを見てリミットは
「チッ…あんまガタガタ抜かすなや!
用が済んだら解放する言うてるやろが!
まだなんか言うんやったら…
奥歯3本くらい抜くぞ」
と言い睨みを利かして詰め寄ってきた。
「ふ…ふぁい」
俺はこう答えるしか無かった…
何よりリミットの顔が怖かった。
まだ駄々をこねていたら確実に
奥歯を抜かれていだろう。
「じゃあ事務所に行きましょうか!」
リミットはまたいつもの笑顔に戻った
本当のリミットはどっちなんだ?
泣きそうな俺の襟を掴みリミットは俺を
馬車に無理矢理乗り込ませた。
「ミーヤさん! 出しちゃってください!!」
「はぁ〜い♡」
前略神様
俺は何か悪いことをしましたか?
俺は努力を怠った事はありません。
なのにどうして俺は…俺は…
こんな仕打ちを受けなきゃならんのですか?!
俺を乗せた馬車は動き出した。
○とぅびーこんてぃにゅー○
第1話を読んでくれてありがとうございます!
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僕のボルテージが上がります笑
よろしくお願い申し上げます。
有限会社ホタテ