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★決戦当日 昼前 ヒューパ決戦陣地



 敵軍が丘の上から降りてきました、今度は間隔を広く取ってやって来ています。

 うちの大砲で吹っとばせるのは、運の悪い一人か、土だけのようです。


 敵をよく観察してみると、大勢が何か大きな緑色の物をもっています。


 うちの鉄砲隊の距離まで来た頃、ティア姫様が舌打ちをしています。

 こちらの鉄砲隊が弾を撃っても相手が倒れてくれません。弾が通り抜けないようです。

「ちっ、あれは竹の束だ、これ程の量を集めてくるとは…流石に全部予定通りにはいかないな」


 ガンッガンッ!

 姫様が踵で壕の天井を蹴ります。


「何でしょうか姫様」

 下から副官のフェイが答えます。


「あれは竹の束だ、鉄砲隊を正面から撃っても無駄だ、兵士達の射線戦駆を変更しろ、斜めから盾の後ろにいるやつを撃たせるんだ」


「了解です」


 司令部のから伝令が飛ぶとようやく敵に倒れる者が出てきました。

 続けて姫様からの踵通信が下に伝わります。


「竹束の盾が集まりだした、簡易の陣地を作るつもりだ、大砲に狙わせろ」


 矢継ぎ早に姫様からの指令が飛びますが、一歩遅かったようで、大砲陣地から犠牲が出てしまいました。

 先程の凄腕の弓矢使いが竹束陣地にいるらしく、うちの砲撃職人を一人ひとり狙撃しだしてあっと言う間に半数の大砲陣地が沈黙してしまいました。


 姫様も黙って見ているだけではありません、腕のいい弓矢使いがいる竹束陣地を見つけ出して、鉄砲隊の集中砲火を浴びせさせます。


 弓矢使いが黙ったのを確認して、生き残った大砲に命じて、竹陣地ごと弓矢使いを吹き飛ばしてしまいました。姫様ご満悦です。


 ですが、大砲が半分黙ったのは非常に痛かったようです。生き残った大砲陣地からも犠牲者が出てしまい、思うように戦果を挙げにくくなりました。



 大砲陣地への攻撃を防いで安心していたら突然。

 ヒュンッ!

 ちょっとよそ見をしていた僕のすぐ横を矢が飛んでいきます。

 姫様が狙撃されてるじゃないですか。

 親衛隊の大盾は、『視界が取れなくて邪魔だ』とどけられてましたので狙い放題です。

 ヤバいと思って姫様に下がってもらおうとしたら、裏拳で殴られて。

「うるさい、集中できないからちょっと黙ってろ」

 と言われました。

 姫様は飛んでくる矢を何事もないように、自分の持ってる細身の剣でいなしてしまいます。

 僕はすぐ近くを通る矢に生きた心地が全くしません。


 姫様の指示で、狙撃者のいる竹束を大砲が吹き飛ばしたのを見て、ようやく僕は一息つきました。姫様の後ろの立っているだけで死にそうです。



 他の敵側の弓矢使いが鉄砲隊に犠牲者を出すようになってきた頃、敵が動きました。


 後方からさらに多くの竹の束が現れ、その下に陣地突撃用の傭兵隊を隠しています。竹束の下で匍匐前進を続けてジリジリと近寄ってきて一気に突撃するつもりです。

 うちの大砲がいくつかの竹束を吹き飛ばしましたが、数が違い過ぎます。これはまずい。


 敵の突入用竹束が横に並んであと20m程度になった時、うちの姫様も動きました。


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