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僕はドワーフのベック今年で31歳になる。この世界に転生してきたと言う、勇者であり女王のティア姫様の元、技術開発部の長官と言う重役をこなしている。国家の重役の僕はある日、世界中の連合軍と戦っている最前線へと赴く事になる。

激戦の中を大活躍して行くドワーフの物語。


地図で読む異世界史のスピンオフ作品です。

現在これより24年前のティア目線の物語を書いています。


地図で読む異世界史『復活の女王』ハードモードもチート回数制限も平気です、人は考える葦なのです

http://ncode.syosetu.com/n4196dj/

★帝暦2524年

挿絵(By みてみん)


 僕はドワーフのベック、今年で31歳になる。

 ヒューパ国軍の技術開発部の 長官をしている。

 日の出の勢いの我が国で、数ある文官の中でも最も花形のお仕事の最新技術を研究する技官達の長官で偉い。偉いドワーフなのでヒゲもじゃだ。

 ……偉いはずだ…多分。


「くぅあらー、ベックー、ちんたらしてんじゃねーぞ。キリキリ引っ張らんかー、そのキンタマ引っこ抜いてゴブリンの餌にされたいのか」


 偉いはずの僕のヒゲを掴んで怒鳴り散らしてるのが、もっと偉くて美人のヒューパ国女王ティア様です。確か僕より二つ歳下のはずだが、歳の事を言うと殴られるので言わない。

 そんな姫様も僕が出会ったばかりの頃は、とても可愛らしくて本気で天使様と間違えたぐらいだったのに…。


 大砲や火薬を引っ張る馬が足らなくなったのを姫様に報告したら、僕の襟首を掴んだ姫様が『お前暇だろ、お前が引っ張れ』と言われて部下の技官達と一緒に引っ張っている。

 ドワーフは力持ちだ、力持ちなんだい…ううう。



 顔に巻きつけた緋色のスカーフの端を風にはためかせ、動きやすい革鎧に細身の体を包んだ姫様は、狙撃で暗殺されてしまうから最前線で目立つのはよしてくださいと、周りが口を酸っぱくしていくら言っても

『私の黄金の瞳にはそんな攻撃通用しないわ、だいたいスカーフないと日焼けしちゃうじゃない』

 とスカーフの隙間から黄金の瞳を覗かせて知らん顔だ。

 僕はもう少しオッパイあった方が好みだ。



★帝暦2523年 首都ヒューパ

挿絵(By みてみん)


 話しは1年前に戻る。僕たちの国は勝ちまくってた。

 姫様の数々の発明だけではなく、何より姫様のデタラメな度胸の良さと悪魔のように狡猾な軍略を積み重ねて、周りの国々からの圧力を跳ね除け、逆に敵国深く攻め込んで、連戦連勝を重ねていた。



 僕は、姫様の初期技術開発の功労者であった事をもあり、この頃は本国の技術開発工廠の二階にある長官室で、フワフワ椅子に座わる身分でいました。


 最新の武器は全く分からないが、魔石とか宝石とか物凄く高くてお金になる金属を湯水のように使っていたので、ちょっと混ぜ物して浮かした分をポケットに入れてたある日、いつもように毎日の日課にしているフランソワ副官のキュートなお尻を丹念に撫で回していたら、物凄く偉い僕のヒゲを後ろから掴む無礼者がいたのです。


 誰かと思ったら、最前線が大好きな戦争狂のティア姫様が鬼のような形相で立っていて、僕のほっぺたを魔剣でペタペタ叩きながら。


「おう、ベック、楽しそうだな、ちょっとツラ貸せや」

細身でスレンダーな体型の姫様が、80kgある僕を片手で掴んで引きずって行きます。


「フランソワ、ちょっと長官様(・・・)を借りるぞ、後頼むわ、とにかく例の物の開発を急がせろよ。

 あ、それから前線に送ってくる雷管や資材に色々混ぜ物しやがったバカがいるらしい、関わった奴全員にヘルメット被らせろ、スコップ持たせて最前線に送れや」


 僕は物凄く偉いのに、泣く泣く最前線に連れてこられたのでした。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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