1話 大空を飛ぶ
前回のあらすじ
精霊ウンディーネに水の宝玉を返すため
精霊ウンディーネに会うが魔族女子部会の1人セイレーンが襲いかかった
セイレーンを撃退し、精霊ウンディーネに宝玉を返した咲良達次なる目的は黄色い宝玉を返すための情報が必要だ一時プリメールに帰還しマジェスタに報告するのだった。
「黄色い宝玉かぁ火、風、水と来たから次は大地だから地属性か」
沈黙して間もなくアクアリムから使者がやって来た、どうやらこの前のセイレーンを撃退したお礼がしたいらしい。
「マジェスタさんも行こうよ♪だって親戚のアルバさんが居るんだよー」
咲良が思わずマジェスタに言った。
「げっ!お前らあいつに会ったのか?」
驚きの表情を見せたマジェスタは吸いかけのタバコが落ちてしまうくらいであった。
「マジェスタさんも来てくれると嬉しいな!てへっ」
天使の様な笑みを浮かべマジェスタの手を取る咲良にマジェスタは断れなくなり同行する事と相成った。
アクオス女王に許可を貰ってあるから、転送装置を使い楽々とアクアリムに到着。
玉座の間に着くとアルバがアクオス女王と謁見していた。
「げっ!アルバじゃねーか」
「マジェスタ久しぶりじゃないか!」
謁見中なのに、実に再開を喜ぶアルバに対し、マジェスタはあまり会いたくない様子だった。
「マジェスタ相変わらずだなおいっ子供出来たのか?」
アルバはマジェスタに会う度に近況を聞いてくる。
「だからこいつに会うの嫌なんだよなぁ」
大地の宝玉の情報を得るためにアクオス女王に話を切り出す咲良達。
「大地の精霊がいる場所ならおそらく、ガイアの国じゃな」
ガイアの国は断崖絶壁に囲まれた国、陸からも海からも上陸が厳しい国だが、アクオス女王はなぜか余裕な笑みを浮かべている。
「お前達、陸も海もダメなら空があるぞよ」
「へっ?」
わけわからないまま、一行は宮殿の格納庫に案内された。
目にしたのは、飛行機と言うべきか飛行機その物だった。
「これは怪鳥ガルーダわしが名前をつけた怪鳥ガルーダの名前をそのまま頂いた」
ガルーダと名乗る飛行機は動力源は魔力で動く、華凛の魔力さえあれば問題なかった、以前のサンドバイクと同じ形式だった。
「さぁ!大空はお前達の物じゃ飛び立て!」
かっこいい事を言う女王だが、ガルーダと言う名はどうなのかと疑問に思う一行だった。
「あ、お前達指定クエスト終わってるよな?じゃなきゃ見えない障壁に弾き飛ばされるぞ」
(早く言ってよ・・・・)
指定クエストは前回キングロブスターとキングクラブ退治で無事終わっているのでそこは問題なく飛び立てる、マジェスタも同行してくれる事となり4人は嬉しさをあらわにしフライト開始。
ゴオォッ!!
華凛がコックピットで魔力を注ぐとガルーダは浮上し始め、いざ大空の旅へ。
「飛行機だからファーストクラスと思いましたわ」
冬華が言うがそんな豪華な機体があるわけない。
ガイアの国はアクアリムより北にあるがそれらしき街並みが並ぶ場所に着いたが着陸ポイントが見つからず周囲を旋回していた。
びゅうーッ!!
街並みが見える上空から離れ、谷付近上空に来ると下から吹きだまりが谷底から吹いてくる、ガルーダがすっぽり入る広さで谷底に着陸出来そうな感じだが。
「エリアを守る門番が見当たらねーなここ違うかな」
マジェスタが機体に備わっていた望遠鏡で見渡すが人影がないのに違和感を覚えた。
辺りを旋回しても、先程の谷底しか着陸ポイントがなかったため、やむを得ず着陸するが真っ先に森林地帯だった為樹海にいる様な感覚に覆われた。
とりあえず先に進むが空から見た時はガイアの国は着陸ポイントから北にあったので北に進む事になるが運良く人の通った後が残っていた為跡を辿る事にした。
「静かだね歌を歌う?」
咲良が言い出すと冬華が歌う準備をし出すが夏海に手痛いボディーブローが炸裂し冬華が一時戦闘不能と化した。
「油断もあったもんじゃないなこのニートは」
ガサガサッ!!
突如何かが蠢き気付いたら咲良達の行く手を阻んだ。
「こいつは・・・トレントじゃねーか」
マジェスタが身構えるとトレントが自分の生えている木の実を飛ばしてきた。
「任せてー」
咲良がハリーさんをバットを持つように構えだす、気分はプロ野球選手だ。
カキーン!
トレントが飛ばした木の実を全て弾き返し見事逆転満塁ホームラン。
「夏海ちゃんわたしメジャーリーグにスカウト来るよ」
「あーはいはいっ凄い凄い」
前にもやったのに本当に楽しそうな咲良の光景が初々しい。
その隙に華凛がアイスストームを発動しトレントの動きを凍らせて封じた。
「みんな今だよ」
夏海とマジェスタがすかさず連携攻撃をし、トレントを撃退。
気を取り直し先へ進む一行は森を抜け広い場所に出た。
「ん、わたくし・・・」
「目が覚めたか?ニート」
目覚めた冬華に対し煽りたてる夏海だがまた喧嘩が始まるかと思いきや特に何もなく、肩透かしを食らった気分の咲良達。
「あれなぁに?」
咲良が柚比を指した先には建物らしきものが見えた、ガイアの国に間違えない。
確信した一行はそれらしき場所に急ぎ到着した。
街の中が妙に静かで人の気配が全くない。
「うげー何ですのこれ!」
「こんな事って・・・」
夏海と冬華が驚くのも無理はない、街の人々が石化しているではないか。
「どうりで静かなわけだな」
マジェスタが1人納得していた。
何故このような事態が起きたのか誰の仕業なのか一行はまだ知るよしもなかった。
行き詰まりながらも続きできました
最近更新遅くてすいません
読んで頂きありがとうございました




