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ろーぷれ!!  作者: 八剱蒼弓(旧名kata)
6章[水の国]アクアリム
26/33

4話 海の魔女

前回のあらすじ

ヴェネツィアで指定クエストを終え

マジェスタの親戚アルバと出会う咲良達

キングロブスターとキングクラブを撃退しピザとパスタに舌鼓を打つのだった

 咲良達が指定クエストを終え、ジャンの料理に夢中になっている頃、街の外では謎の女性が不適な笑みを浮かべ何か企んでいた。

 咲良達がヴェネツィアに滞在して2日目の朝を迎え、アルバの家でお世話になっていた。

 このヴェネツィアはアクアリム王国の唯一の首都、アクアリムを統治する宮殿は街の高台にあった。


 咲良達は先ずは水の精霊についてアルバに聞くのだった。

「この国は精霊ウンディーネ様だな!精霊様のおかげで、アタシ達は漁に出られるし穏やかな海に恵まれてるてもんさ!」

 この国が穏やかな海に恵まれてるのは精霊ウンディーネのお陰で成り立っているらしくウンディーネが奉られている祭壇はアクアリム宮殿の真下の入江にあると言う情報を得た。

 話は決まりアクアリム宮殿に行きウンディーネの祭壇に行く許可を貰う事にした。


 アクアリム宮殿は見た目大聖堂かと思わせる大きな建物で崖の上の要塞と言っていいくらいだ。

「ねえねえ華凜ちゃん?転送装置忘れてるよ」

 咲良の一言で他の3人は転送装置の存在を忘れていた。

「宮殿に行きながら探しましょ」

 全員それで納得したようだが、それらしき物が見当たらなかった。

「なんでないんだ?」

「おかしいですわ!」

 夏海と冬華が叫んだと同時に通行人のおばさんが話しかけてきた。

「お嬢ちゃん達転送装置はね・・・宮殿しか置いてないのよ」

「ほぇ?」

 おばさんの話がさらに続く。

「以前不審者がこの国に来てね、密輸やら不法売買しているやからが頻繁に来てそれで自警団にお縄になったけど、国の治安を守るためここへの移動手段は船にしたの、転送装置は国が管理しているから私達一般人は使えないのよ」

「がーーーーーーーん!!!!」

 切り替えが早いと言うか、諦めたのか、宮殿に向かう事にした。


 宮殿に着くと門番が当然の如く、通せんぼしていた。

「女王様に謁見希望ならこちらに手続して下さい」

 どうやら簡単には会えないようで、会えるのは次の日らしい。

 と言うか、この国は女王様が統べる国だったとは。

 手続きを済ませ、宮殿を後にすると、咲良達がジャンの料理を食している時に、街中であらわれたフードを被った怪しげな女性とすれ違ったのだった。

「あの人何かやばそう・・・」

 夏海が感じた第一印象だった。


 再びアルバの家で厄介になり、謁見の約束の朝事件は起きた。

「姉さん大変だーーーーー!!」

 アルバの船の船員が家にやってきた。

「一体どうしたのさ?」

「夕べ漁に出た船が2隻沈んだらしいです」

 事件と言うのは漁師の船が沈んだ話だった、これが事故なのか意図的になったのかはこの時点では謎であった。

 幸いにも沈んでしまった船の船員は皆無事だったらしい。

「話によるとですね、何か不思議な歌が聞こえたらしく近づいたらあの様だったらしいですよ」

「これは事件の匂いだな!お前達女王の所へ行くのならこの事王国にも耳に入ってると思うが、話しておいてくれ!じゃないとあたしらは食べていけなくなる」

 4人は了承し、宮殿に向かうのであった。


 宮殿に着き、謁見可能と相成り玉座の間にはスラッとしたスタイルの小さい女の子が玉座に座っていた、しかもノルンに雰囲気がそっくりで咲良達は開いた口が塞がらず立ち尽くしていた。

「ワシが女王のアクオスじゃお主達冒険者か今日は何の用じゃ?」

 宝玉の事を話すわけにはいかなく、華凛が機転を利かせて事情を話した。

「私達は精霊ウンディーネの事を調べたくて精霊様を奉ってある祭壇に入る許可を頂きたく参上いたしました」

「おぉ!何て熱心じゃ構わぬぞ好きなだけ見て行け!」

 あっさりと許可を貰え、話題を変えアルバに頼まれた事を話した。

「夕べの事か?今王国が総力を持って調べておるどうやら事故ではなさそうでな!」

 今回の事は事故ではなく事件だった。

「海の魔女セイレーンの仕業かも知れぬ!漁師の話を聞くからにしておそらくやつの仕業じゃ!」

 セイレーンは船乗りを誘惑する海の魔女、この魔女の歌声で船乗りを魅了し船を沈める厄介な相手だった。

 他人事ではないと悟り咲良達は万が一遭遇したら戦う事を決意した。


 女王の許可を貰い、宮殿の真下にある精霊の祭壇がある入江に向かう咲良達、宮殿の地下室から入る事が可能だった。

「ふぇー涼しいねこの中」

「磯の香りと波打つ音が帰って不気味ですわね」

 咲良は相変わらず能天気で、冬華は嫌な予感がしてならなかった。

「ここかな?」

 華凛が祭壇らしき物を見つけた。

 バシャーン!!

 その直後だった、咲良達が街ですれ違ったフードを被った謎の女性が背後にあらわれた。

「先客がいたのですね・・」

 とつぶやき、フードを取り外す謎の女性、正体は耳が(ひれ)の形をし下半身が魚の姿だった。

「魔族女子部会が1人セイレーン!この精霊の祭壇を破壊しに来ましたそして昨日の事件の犯人です」


 セイレーンは自分が事件の犯人と名乗りいきなり、ハープを取り出し歌を歌いだした。


 ラーラーラーラララ♪♪


 歌声が波紋となり、辺りが揺れ出した。

「うげーなんじゃーーーこりゃーーーー!!!」

 夏海がそう言いながら全員立っているのがやっとであった。

「さぁあなた達も踊ってごらんなさい」

 セイレーンの歌声により何も出来ない咲良達。

「サンダーボルト!!」

 華凜が魔法を放つが何も起きなかった、セイレーンの歌声は魔法を封じる効果があるようであった。

「これじゃなにもできないよーー」

「みんなごめんわたしも動けないよー」

 咲良はと言うと金縛りにあったかのように体が動かなかった。

「そこのナイトのお嬢ちゃんはじっとしててもらうからね」

 咲良に対してはアタッカーとみて動きを封じることにしたセイレーン、夏海と冬華が一番倒し安いと思ったのであろう。

「おい冬華!あいつの能力コピーできる?」

「誰に言ってますの?夏海さんわたくしをみくびらないで欲しいですわ!」

 言った矢先に冬華がセイレーンのスキルをコピーした。

「歌いますわよ!!」


 ラーラーラーラー♪


 冬華が歌いだしたは良いが・・・・。

「なっ!!なんですのーこの子音楽の心得ゼロじゃないのーー」

 あまりの音痴で不協和音が鳴り響く。

「うぎゃーーーーーーー!!!冬華お前音痴だったのか!」

 夏海が耳を塞ぎながら叫び、華凜も耳を塞ぎだし、咲良は身動き取れないためあまりの不協和音につきその場で倒れてしまった。

 そんな事はつゆしらず、冬華の不協和音が続きまさにジャイ○ンリサイタルであった。

「や、やめろーーーこなったら・・」

 セイレーンが弱りだしながらも祭壇だけでも破壊しようとした時だった。

「なんですか?このうるさい音は・・」

 祭壇から光が発し槍を持った人魚の姿をした者があらわれた。

「げっ!キサマウンディーネ!!」

 あまりの騒音でウンディーネが姿をあらわした。

「あら?あなたセイレーン?」

「ここで会ったか100年ぶりよのぉウンディーネ今こそ恨み晴らしてくれるわ!」

 どうやら何か因縁深い何かがあるようだ。

 だが、冬華の不協和音によりセイレーンは弱っていたため、あっさりとウンディーネに倒されてしまった。

 コロン・・・・。

 セイレーンが倒されたと同時に黄色い玉が落ちた。

「これって?宝玉?」

 華凜は宝玉を拾い大事に道具袋に閉まった。


 今回は冬華の不協和音で危機を脱したため咲良達はあまり活躍がなかった。

「ウンディーネさんこれをお返しするためここに来ました」

 華凜が青い宝玉、そう水の宝玉を差し出した。

「まぁノルン様の使いですねシルフとイフリートから話は聞いてますよ」

 今回の事件はセイレーンの仕業であり見事撃退し、宝玉も無事ウンディーネに返した。

 アクオス女王からお礼を貰い咲良達は転送装置の使用許可を貰ったのであった









久々登場魔族女子部会

咲良達を元の世界に戻すまで頑張って書きます

読んで頂きありがとうございました

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