2話 初めての王都
前回のあらすじ
武具を新調し王都を目指すことにした咲良達
山越えの途中ヴァルチャーに襲われながらも無事に王都に到着した
王都ウィンドールここは風の精霊の加護により、この地が成り立った別名風の王国ウィンドールと言う。
王都に着いた時にはもうお昼時であった、咲良達はプリメールと違う雰囲気に圧倒されていたのだった。
ぐうぅぅぅ・・・・・・・・・・
咲良のお腹の虫が鳴きだした。
「お腹すいたね・・」
「転送装置探して登録したらお昼にしよ」
「冬華このまま姿を消しててもよかったのにね」
「なんですってー!!」
咲良を気遣う華凜と夏海と冬華はまだ喧嘩していたのだった。
華凜はもう二人を止める気が起きなかった。
案内板があった・・・
貴族街
市民街
商業街
3区分に分かれていた、ウィンドール城は貴族街にあった。
運良く転送装置も案内板の近くに設置されていたので、すかさず地点登録した。
「お城大きいねー」
「贅沢三昧してるんだろーなきっとどうなんだ?冬華」
「なぜわたくしに振りますの?」
咲良が城と街の広さに圧倒され、夏海は金持ちの事は金持ちに聞けと言わんばかりに冬華に聞いていた。
「とりあえず商業街に行こっ」
華凜の一声で四人は商業街を行くのであった。
真っ先にお昼ご飯をと思いふと、店内飲食良しテイクアウトオッケーなパン屋さんを見つけた。
「ここにしよーか」
「さんせーい」
「異議なし」
「構いませんわ」
華凜が三人の返答を促し意見が一致し、パン屋にてお昼ご飯にするのだった。
会計を終え、女子トークが始まった。
「咲良は甘いの相変わらず好きだな」
「おいしそうなチョココロネ見つけたよ夏海ちゃんはサンドイッチ?」
「まぁねいろんな具材が合うから好きだな」
「咲良が好きそうなクレープとアイスクリーム屋さんもあったな後で寄ろうよ」
「いいねぇ~♪」
「夏海ちゃんと咲良ちゃんそんなに食べると太るよ・・・」
華凜が心配して二人を気遣うが・・・
「わたし実はいくら食べても太らないんだ~」
「あたしは運動してるから問題ナッシング」
「ず、ずるい!!!」
華凜がふくれ面で二人を羨ましがった。
お腹も満たされとりあえず行動範囲を広げるため、冒険者ギルドに向かう咲良達だが。
!!!ドカーン!!!
大きな爆発音がした現場に着くと転送装置が壊れていた。
「ちょっと帰れないじゃん」
「困ったなぁ」
「ちょっといつ直りますの?」
夏海と華凛が悩む中冬華が自警団の人に聞き出した。
「今王都管轄の魔導師様を呼んでますので復旧はまだ未定です。」
間もなくして黒いローブをまとった魔導師がやってきた、魔導師達は王都管轄の自警団魔法科と言う所轄らしいが。
「はいはいどいて下さい危ないですよ」
魔導師達は人払いをし、人が近づかない様にバリケードした。
予想外な足止めを喰らった咲良達は、本来なら転送装置で一旦プリメールに戻る予定だった。
「戻れないねこれは」
「もう1回山を登って戻る手段あるけど」
「もう山はこりごりですわ」
冬華が山を拒否したため、来たルートを引き返すことはなかった。
「とりあえず指定クエストやろーよ」
咲良の一言で四人はギルドに向かうのであった。
「あったこれだね」
「えーとゴールデンラビット討伐」
「もう1つあるよレベル12であること!?」
「わたしたちのレベルって・・・・・」
「8ですわ」
レベルが大幅に足りないことにショックが大きかった。
何の兆しに華凜が図鑑でゴールデンラビットの情報を調べた。
「1匹経験値1000だって、しかもクエストの報酬の経験値もあるからそれなりに早くレベル上がると思うよ」
足止め喰らってどうしようもないので、とりあえずクエストを進行することにした四人だった。
ゴールデンラビットの情報を得るため、ギルドの受付で話を聞く四人。
「あのぉゴールデンラビットって?」
「ゴールデンラビットはツヴァイ山脈に行く途中の西にある丘に生息してますよ。」
「ただ出現率は低いので根気が要りますよ。」
「レベル12にしたいのでもちろんやります!!」
四人は即答したが、受付の説明はまだ続く。
「かなり素早いモンスターですよ、ついでにヴァルチャーやジャイアントビーも活動しています。」
「げっまたあの鳥・・・」
「ジャイアントビーだけなら良かったのに」
夏海の頭にヴァルチャーに対するトラウマがよぎった。
現状どうすることもできない咲良達、とりあえずゴールデンラビットの生息地に向かうのであった。
地図を確認すると、ここからそう遠くはないようだった。
「さすがに夜は危ないね・・」
「だね」
「うんうん」
「今から行くと移動だけで日が暮れますわ」
「じゃ明日出発ね」
話はまとまり四人は宿で一夜を過ごした。
・・・・翌朝・・・・
出発する四人、道中街の片隅に怪しい商人がいた。
その商人は小太りで丸いサングラスをし、頭にはターバンを巻いて葉巻を加えているのだった。
目を合わせたら何かやばいそんな危機感を感じた四人は素通りしようとしたが、
声をかけられてしまった!
「アイヤーそこのお嬢さんたち待つぴゃよ」
「ぴっ?」
「ぴゃっ?」
(…怪しい)
おかしな喋り方につい釣られた四人。
「強くなりたいぴゃか?」
「いい物あるぴゃよ」
「この秘薬を飲めば君たちは、たちまちレベルアップだぴゃよ」
「申し遅れたぴゃ、わたし商人のデーラと言うぴゃね」
(明らかに怪しい・・・・)
「1本1000Gですぴゃが、4本で3000Gでいいぴゃよ」
一方的な押し売りで戸惑う四人だが、夏海と咲良が息を合わせて満面の笑みで答えた。
「い~ら~な~いですぴゃよ♪」
「一度試してみるぴゃよ!損はさせないぴゃよ!」
「買ってもらえば気が済むのですの?」
「冬華ちゃん!」
「これからクエスト行って、モンスターからもお金手に入るしよろしいんじゃなくて?」
「もう・・」
冬華の一言で渋々お金を払う華凜、
果たして結果は・・・・
「毎度ありがとぴゃね」
「早速飲んでみるぴゃね」
ゴクゴク・・・・
オレンジジュースの味がした・・むしろオレンジジュースだった。
冒険者カードを見てみたが経験値は増えていなかった。
「ちょっとこれどういう事ですの?」
冬華が問い詰めようとしたが、商人デーラの姿はもうなかった。
「やられたーーーーーー!!!」
「ついてない・・・・」
「とりあえず行こうよ」
夏海と華凜が落胆する中、咲良の一声で先を急ぐのであった。
出口に向かう途中、張り紙があった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
[WANTED]
この男、詐欺商法につき
見つけたら即、通報すべし!
捕まえた者には報奨金50000G
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「アーッ!!!」
「この男ですわ!!」
「やられたね・・・」
夏海と冬華の怒りのゲージがMAXになり、華凜はもう騙された方が悪いと踏ん切りを付けていた。
怒りとやるせなさの気持ちで、四人はゴールデンラビット討伐に行くのだった。
街を出ようとすると・・・
冬華そっくりのいや、
冬華そのもの瓜二つの女性とすれ違った所を咲良は見た。
「今すれ違った人冬華ちゃんそっくりだったなー」
「えっ?」
「咲良さん?」
「まじかー?」
咲良以外の三人は気づかなかったようだった。
咲良が見た女性は何者だろうか、
疑問を抱きながらゴールデンラビットの生息する丘に向かうのであった。
書いてると冬華がやたら目立って来ているなと感じた今日この頃、読んで頂きありがとうございました
次回もお楽しみに




