Chap.1それが彼と私との出合いでした..・*
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目に映るのは、
藍色の瞳と静かな微笑み。
嘘ばっかりの君の唇。
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意地悪で大人な彼と
高校生の私の
''出合い''のお話です。
背景はあんまり描いていません。
詩の要素を少しばかり取り入れて
さらっと読めて、
ちょこっとほっこりできるように
かけていればいいなと思います。
短編です。
『大好きな君/嘘つきな僕』
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Chap.1 それが私と彼との出合いでした
〜出合い編〜
ある日、ある時、散歩中。
気まぐれ子猫をおいかけて
たどりついたその先に
舞い散る桜のその中で
瞳を閉じて眠る人。
思わず見とれて3秒間。
子猫はくるりと向きをかえ
白い尾っぽをふりふりと
彼のお腹によじ登る。
あんまり私がみつめるからか
彼はゆっくり瞼を上げた。
私と彼とを繋ぐのは
白い子猫とその視線。
彼は小さく微笑んで
おいでおいでをするように
私に向かって手を上げた。
私は迷わずかけよって
「なにしているの?」
と尋ねてみたらば
「君を待ってた」
そう嘘をつく。
彼がみつめるものだから
仕返しかしら?首をかしげる。
私と彼とを遮るのは
小さな子猫と舞い散る桜。
私はかまわず近寄って
我ながらに大胆に
彼の頬に手を触れた。
彼は驚くこともなく
「いったいどうした?」
囁くように尋ねてくるから
「綺麗な瞳ね」
そう呟いた。
「正直者だね」
ブルーベリーの瞳を細めて
彼は私を引き寄せた。
「いけない子にはお仕置きだ」
桜舞い散るその中で
彼は重ねる
唇を。
「お仕置きだなんてとんでもない」
思わず漏らした本音を風が
さらっていったが仕方ない。
「きこえないよ」
と彼は笑い
「いったい何がいけないの?」
と私は拗ねた。
「君を好きにさせたこと」
彼は悪びれることもなく
微笑みながらそう言って
嘘かほんとか
夢か現か。
半信半疑の私にかまわず
再度優しく
唇づける。
生暖かい春風が
まるで祝福するかのように
ぐるりと回って去ってゆく。
白い子猫は
にゃあ…
とないて
慌てて何処かへ消えてしまった。
「どこへ行くの?白猫ちゃん」
思わず目で追う私の疑問に
「会いに行くのさ黒猫に」
またまた彼は嘘をつく。
嘘つきな君、
愛おしい君、
不思議な君。
春先、鼻先、散歩先。
そこにいたのは大好きな君。
〜出合い編end〜
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