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第一回俺の名前を決めちゃおう大会議ぃいっ!!わぁあああああっ!!
さぁ!!俺脳内100億兆万人の歓声が鳴り響く中始まりました第一回会議っ!!
二回目があるかは俺のみぞ知る!!
第一候補!!ゴンベー・ナナシノ!!
第二候補!!ネームレ・スワン!!
第三候補!!テキトゥー・ニヨベ!!
第四候補!!以下略!!ろくなの出てこないなヲイ!?
クリスが「自分の名前くらい自分で考えなさい」って言うんで考えてるけど、面倒くさいんですけどぉ!!良いじゃん別に適当で!!あぁもう面倒くさい面倒くさい面倒くさい面倒くさいぃぃいいっ!!
これも全部あんのクソ神のせいだっ!!あいつの名前なんだったっけ?えっと・・・・・・あ!そうそう、えっと、アル。アルトケーニヒ。・・・ドイツ語かよ?古皇ねぇ。
責任取らせる意味で拝借すっか!!でも皇は良いけど古いってのがな・・・ふむ。
「・・・ノイエ」
「うん?決まった?」
「はい。これから俺の名はノイエ・ケーニヒです」
「ノイエね。改めてよろしくね」
「はい。宜しくお願いします」
「それから敬語も無しでお願い」
「しかし・・・」
「お願い。これも条件の内だから」
「わかりまし、うん、わかった。じゃその方向で」
そこからは砕けた口調になった事もあり、結構良い雰囲気で会話が続いた。
クリスは俺の魔力量から異世界人だと推測していたらしい。俺は規格外過ぎだが異世界人は皆強大な魔力を持っているんだとか。俺がクソ神に会った あの空間を経由して来ると特に多くなるらしい。神と会い神と同じ空気を吸うことで神気を取り込んだからなんだとさ。
・・・・・・俺、思いっきり寛いで超神水とかコーヒーとか飲んだんですけど・・・。
「・・・超神水か」
「今なんか危険な単語が聞こえた気がするんだけど?」
「 あの空間で出されたんだよ。美味かった」
「神気を吸うどころか飲んだわけね。それでその魔力量か・・・」
「たぶんね。っで、その残り香というか服に零したせいで」
「今回の騒ぎになった、と?」
「そう。っで、クリスの火魔法で完全に乾いたので問題は解決しましたよっと」
「・・・それ私が怒られそうなんだけど?神水を確保できなかったのよ?」
「俺自身も気付いてなかったし、後から考えるとそうだったのかも?くらいで」
「う~ん・・・」
「・・・超神水でなくて、ただの神水なら用意できる、けど?」
「!?それは、本当に?」
「マジでマジで。超本当。超でジマァ~」
「うっさんくさっ!?」
ツッコミアザッス!!・・・いや本当なんだけどね。あんまり美味かったんで複製してアイテム化してあるんだよ。超神水。これを元のゲームの特徴のひとつである改造で効果を下げたのを作ると、パンパカパ~ン♪神水~(名状し難き声を真似ながら
「効果は結構劣化してるけど時間が経過して神気が拡散したからだね」
「そういう設定?」
「企業秘密です」
「・・・まぁ、良いわ。それであなたは私と同等の魔力量、騒ぎの原因としてその神水を出すって事で良いのよね?」
「俺が纏ってる魔力が二系統あるのに気付いた超絶天才大々魔導師様が水魔法で神水の分離に成功。魔力量が極端に減った俺を説得、捕縛しましたっと」
「うん、それで良いわ。さすが超絶天才大々魔導師様な感じだし」
「でもさぁ、超絶天才大々魔導師様と同等の魔力ってアリなのか?」
「アリじゃない?実際同じくらいの人が居るし」
居るのかよ!?討伐メンバーの人達でもクリスの百分の一以下だぞ?
・・・勇者と魔王はどんなレベルなんだろねぇ・・・。ってか魔力格差が両極化してんのか?
「それは置いといて!!神水!!神水ちょうだいっ!!」
「キャラ変わっとりゃせんか、クリス?」
「良いから出しなさいよ!!早く私に飲ませて!!」
自分で飲むのかよ!?
・・・うん、でも、まぁ、可憐な娘に「出して」「飲ませる」のはちょっと良いよね。
「早く早くぅ!!ね?お願い!!飲ませて!!」
くっ!?上目遣いで懇願とはツボを心得てるな!思わずズボンに手を掛けそうになったけど、理性を総動員でスルーだ!!頑張れ俺の理性!!超頑張れ!!負けるな!!
「・・・はい、どうぞ」
「さんくぅ~♪」
腰のポーチからポーションの瓶に入った神水を出してクリスに渡す。異世界人が割りと居るからなのか、ノリ的には元の世界と同じ感じで喋れるのが楽だな。・・・この娘が特殊なのかもしれないけど。
・・・わざわざ立って腰に手を当てて飲みますか、クリス。
「ぷっはぁああっ!!うっまっ!!」
「うおっ!?魔力が跳ね上がったな!!」
「倍とはいかないけど、すごい事になったわね。
ふふふふ、ふっふっふ、あぁ~はっはっはぁ~!!もはや超絶天才大々魔導師様の呼び名も生温い!!これより我は超超絶天才超大々魔導師様々ちゃんだぁあああっ!!!!」
「言い難いから!!その呼び名言い難いからっ!!」
「うん、そだね」
「・・・クリスさんや?」
「なにかねノイエさん?」
「なんかあなた段々言動が子供染みてきた気がするのはワタクシの気のせいでせうか?」
「ぐっ!?しょ、しょうがないじゃない。本当に子供なんだし・・・」
「ま、俺としても嫌いじゃないけどね」
「いつもはS級冒険者として振舞わなきゃ舐められるんだもん」
「はい!!『だもん』いただきましたぁ!!ありがとうございます!!ご褒美です!!」
「なにそのノリ!?」
なんだかんだそんな感じで会話を楽しみながら馬車は進む。一路王都へ。
なんだかなぁ~。俺、ぼっち体質だと思ってたのに会話するのが楽しいわ。
こっちに来て初めて会話したのがクリスで良かった、とか思ってしまった。
「あ、でさぁ、さっき言った条件なんだけどね。」
「うん、なに?俺に出来る事なら良いよ?クリスだし」
「さすが私。とりあえずノイエには私の弟子になってもらうわ」
「了解。よろしこ師匠!」
「うむ、苦しゅうないぞ弟子!!」
あっさり弟子入りする俺。最低限の魔法は覚えてるけど、超絶天才大々魔導師様ちゃんにはこの世界固有の魔法を教えてもらおう。ついでに実生活の細々としたとこも。
うん、異世界生活の地盤としては良いとこなんじゃないかな?
とか、思ってたら、
「んじゃあ、帰って一段落したら『王国乗っ取り超大作戦!!裏切り者には死を!!』の概要を教えるから、作戦の立案と準備と実行をお願いね♪」
「全部じゃねぇかよっ!!」
って、ツッコミ所ソコじゃねぇよ、俺・・・orz