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「・・・討伐されちゃうんですか、俺」


どうするコマンド?


→たたかう

 にげる

 アイテム

 どげざ

 さいごのおもいでにチチをもむ



ってのはさて置き。

 

正直面倒な事になってると思う。ここで戦うにしろ逃げるにしろ、すでに録でもない魔力を有したナニカが居た事はこの国に知られている以上、その情報をどうにかしなきゃならないだろう。大人しく討伐される・・・のはマジ勘弁。せめて捕縛されるくらいで。もしくは皆殺しにして逃げる。草原に転移で逃げる。この娘を説得する。洗脳する。調教する。陵辱する。牝犬に堕とす。

ふむ、まずは一度価値観とか自我が崩壊する程に陵辱した後に快楽を与えその後焦らしに焦らし俺に依存させて色エロ開発して・・・


「・・・なにか妙なこと考えてないかしら?」

「・・・貴女のような可憐で強大な存在に敵対され討伐されるという恐怖と悲しみのあまり、些か混乱してしまいました。申し訳ありません。」

「・・・討伐って言っても、この場合はギルド本部か王城への連行になるわ」

「王城は勘弁してもらいたいですが、討伐よりはましですね・・・」

「私の出来る範囲で身の保障はするわ。どうする?」

「・・・わかりました。貴女の指示に従います」


いざとなれば転移で逃げれば良いだろう。

まずは今持ってる情報の裏付けと現在位置の確認だ。国に仕える気はさらさら無いし、なにより面倒事は勘弁してもらいたい。魔力に関してはなにがしかの言い訳を考えないといけないが、この娘以外にはまだ知られていない。仲良くなる云々の前に最悪何がしかの取引でもして口封じをしなければ・・・っとか考えてるうちに周りの人が起きはじめた。


「すみません。俺の魔力量に関しては貴女と同等という事にしてもらえませんか?」

「・・・いくつか条件があるわ。それを果たしてくれるなら」

「・・・わかりました。条件に関しては後ほどお願いします。

とりあえず俺は貴女の説得に応じ投降した事にしてください」

「了解。シナリオは出来てるの?」

「とりあえずいくつかは」


小声で会話してるうちに半数以上の人が気が付いてこちらにやってきた。・・・全軍抜刀全軍突撃な雰囲気です。勘弁してください。誰か軍楽技能持ってたのかっ!?


「クリス!!大丈夫か!?」


あ、今更ながらにこの娘の名前が判明したよ。・・・俺も名乗ってない・・・や?あれ?俺の名前は・・・なんだっけ?あれ?思い出せない?あぁ・・・もしかしてあれか、元の世界で俺という存在が無かった事になったからか。本当にあのクソ(バカ)は碌なことしやがらねぇな・・・。

あ~、名前、名前ねぇ?こっちの世界の戸籍があるわけでもないし、とりあえず適当に考えとくか。俺が俺と認識出来てりゃ良いんであって、他人の呼び名なんてどうでも良いし。いざとなりゃどっか遠くに行って名前を変えれば良いよね?


「ちょっと!!ぼ~っとしてないでこちらに来なさい!!」

「え?あ、はいはい」


どうせなら中二病な感じとかどうよ?とか考えてるうちにクリスが説明を終えたらしい。クリスの周りの人達は一応武器はしまってくれている。・・・うん、一応手持ち武器は。でも、その殺気を込めた眼はある意味十分に武器だと思うので、勘弁してください。能力的にはチートでほぼ無敵とはいえメンタルは自前だからね?泣くよ?泣いちゃうよ?


「そういうわけだから!」

「どういうわけだゴラ!?」


考え事して聞いてなかったのを棚に上げて、ほぼ勢いだけでツッコミを入れてしまう。

肩に軽く、ぱふって感じ手が当たる。


「!!!!」


一瞬で空気が変わり、皆一斉に武器に手を掛け臨戦態勢になる。

あと少し、何かが加われば一気に弾け爆発しそうな緊張感。

えぇ、冷静に実況しておりますが、ワタクシ、若干股間に湿り気を感じております・・・。


「待ちなさいっ!!彼に敵意はありません!!」

「だけど、クリス・・・」

「不信に思うのはしょうがありませんが、まずは本部へ報告に戻ります。

その道すがら馬車内で私が尋問します。良 い で す ね ?」


頷く以外の選択肢が無いんですけどっ!?

うっわぁ威圧感ぱねぇ~・・・。疑問系を使った強制ですよね、それ。


一度俺に殺意の篭った目を向けてから撤退準備に向かう面々。

「クリスは俺が守る」「・・・コロス」「俺も尋問されてぇ」「触れた、触れやがった。肩に触れやがった」とか言ってるのが聞こえてくるんだけど?なにこれ?俺クリスになにもしてないよね?特に親しげにしてたわけでもないよね?え?あんな軽いツッコミで嫉妬の対象ですか!?皆様沸点低すぎじゃね?胸にガッといったとかならまだ分かるけど、肩に軽く触れた程度だよ?


「またぁ~・・・ぼ~っとしないっ!!」

「あ、ごめ、じゃねぇや、申し訳ありません」

「・・・こっちの馬車の中で尋問します。ついて来なさい」


何台かあるなかで一際大きい馬車に案内された。後部の扉を開き、中を見ると何も置いていない伽藍とした部屋になっていた。・・・ってか雰囲気的にどう見ても護送車です、本当にありがとうございます。

クリスは出発前の指示があるからと俺だけ中で待つことになった。


あ、今ガチャって音したよね!?鍵掛かる音したよね!?


・・・ま、いいか。とりあえず知的生命体とのコンタクトには成功したんだ。

装備も取り上げられてないし、たぶん何とか成るだろう。

壁によりかかって今後の事を考える。ギルドがあるのは事前に聞いていたけど、やっぱお金を稼ぐ為にも登録しとくべきだよな。現代知識で何か作って稼ぐにしても、まずは地盤を作って信頼を得なきゃならないだろう。・・・護送車の中で言うと説得力無いなぁ・・・。


そうこうしてるうちに出発となったらしく馬車が動き始めた。

・・・異世界物の定番では揺れがひどかったりするけど、えっらい滑らかだな。

大きな振動も音もしないし、技術的に結構進んでるのか?


「待たせたわね」


俺が入ってきたのとは反対の御者側の扉が開きクリスが顕れた。

手には折り畳み椅子を2つ持っている。・・・ってヲイ!

それどう見ても学校とか会社で使われるパイプ椅子じゃねぇかっ!?

なにこれ?馬車といいパイプ椅子といい、なんか俺のイメージと違うんですけど?

この分だと他にも色々ありそうだな、テンプレバスターが・・・。


手渡されたパイプ椅子に腰掛けながら妙な方向への覚悟を決めた。


「さて、まずは自己紹介からかな?私はクリスティン・マクレディ。今から向かう王都『殲滅都市』グラスピアのS級冒険者で今回の討伐隊のリーダーよ」

「俺の名は、ありません。適当に呼んでください」

「無いの?」

「ありません」

「・・・嘘ってわけでもなさそうね」

「はい。記憶にございません」


どっかの政治家みたいな返答だが、そうとしか答えようが無いししょうがないよね。

少し考え込むそぶりを見せた後なんらかの結論に達したのだろう、ひとつ頷いてクリスが顔を上げる。その顔は・・・有体に言って怖いのですが?めっちゃくちゃ笑顔なのに怖いんですけどぉ!?


「あ、あのなんか怖いんですけど?」

「ん?あぁ、気にしないで。野望成就が近づいただけだから」


野望!?なにこの娘こわい!ってか見た目に反して腹黒なのかっ!?


「まぁ、私の事は置いといて、あなたの事ね。どこから来たのかしら?」

「日本・・・って言ってわかりますか?」

「あぁ、日本からなのね」

「はい、そうです・・・って、えぇ!?わかるの!?」

「行った事はないけど聞いたことはあるわ」

「・・・・・もしかして異世界人ってのも?」

「うん。割と居るのよ、そういう人達」





前略、クソ(バカ) 様。


お元気でしょうか?俺の精神はボドボドです。この野郎。

あなたに送り込まれたのは自分と勇者と魔王くらいかと思っていました。


こんなさらっと話に出るくらい送り込んどったんかテメェ!?

あぁもう、殺す。ぜってぇ殺す。次に在ったらマジで殺すわ、あの馬鹿。

いったい何人の人生狂わせてんだか・・・。






ま、どうでも良いけど

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