居眠りにはご用心
皆さまこんにちは、葱マンです。
前話“プロローグ”で森の中へ突撃した悠斗。
今回は彼が森の中に入ったところからスタートです。
さぁ、森の中では何が起きるのでしょうか?
それでは、本編へどうぞ。
居眠りとか、本当に危険だから気をつけたほうが良い。by来宮悠斗
「困った・・・・」
重騎士並みの突撃を、大自然の壁とも言える森林へかましたボクは、見事その中へと侵入を果たした。
が、現状は非常に厳しい。というか、ゲームだとこれ最初ッから詰んでる状態に近い。
森へ入ったのは良いものの、何もおきない。それどころか、日も暮れてきて辺りが闇に包まれだしたのである。
野生の動物というのは、夜に活発に活動を始めるのが居るらしい。それらは総じて危険度が高いと聞いたことがある。
ってことはだ、現状───森の中で武器も何もなしにぼっちなボク───だと死の危険度がハンパ無いことになっているのではないのだろうか?
リアルで森の中に置き去り状態である。装備も何もあったもんじゃない。
とりあえず火をおこそうにも、ライターやマッチなどもっているはずも無く。ましてや木々を擦り合わせて着火するなんて方法は、中学校の頃の授業でしかやったことは無い。
結論としては、このままだとお陀仏コースまっしぐらってこと。
「な、なんとかしないと・・・」
正直言って、さっきから膝がガクブルしてる。つまりチキン状態てなわけ。
あー、小学校の頃初めて一人部屋で寝た日を思い出すなぁ。
あの時は結局親の布団までダッシュで走ってったっけ・・・・・。
遠い昔の事を思い出すほど現実逃避したい。
初めてリアルが嫌になった瞬間だと思う。
「やばいなぁ、もう真っ暗になるじゃん・・・」
そこでふと思い出した、右ポッケにあるケータイのことを。
さすがボク、こんな危機的状況でも冷静な判断を欠かさないなんてね。
ケータイのライトをつける。白のフラッシュが、闇に飲まれかけていた周囲を照らし、今どんな状況かを教えてくれる。
自分の周りを見渡したところ、獣の影は無しと。
危険も同時に無さそうだ、今のところはだけど。
・・・・・ふぅ、そこそこ安心してきた。やっぱり光があるからだろうか?
今時珍しくも無い、ボクの携帯は太陽光で充電するタイプだ。
ずっとポッケに入れていたせいで多少充電が減っているけど、明るくなるまでは余裕でフラッシュを維持できるくらいはある。
じゃあ、とりあえず荷物の確認でもしておこうか。
「よい、しょっと・・・・」
ずっと背負っていた肩掛け鞄を地面に下ろす。
収納はそんなに多くは無い。街に行くといっても、ただぶらぶらするだけだったし。
入っているのは衝動買いした本が数冊と、ペットボトルの炭酸ジュース、プレゼントに貰ったちょっとお高いハンカチ、学生証、そして手帳が一冊だけだ。
この中で今使えるものといったら・・・・・・・、なにもないな。
せいぜい携帯の灯りを頼りに読書をして気持ちを紛らわすくらいしかない。
こんな先行き不安な状況で読書できるほど、ボクは度胸が据わっていない。
「あ~、もぅどーしよー・・・」
ドスン、と丁度良く後ろにあった木に背中を預け、そのままズルズルと座り込む。
別に疲れとかは無いが、精神的に非常に参ってる。精神病でも患ってしまいそうだ。もしそうなったらどうしてくれるんだか。
辺りが暗いこともあったんだろう、こんな意味の分からない状況においても、何故かボクはそのまま目を閉じて眠ってしまった。
「お、おぉう・・・・」
何かの息遣いが聞こえたようで、ボクは目を開ける。
ボクは、暗闇に光る無数のギラギラとした目玉に囲まれていた。
後書き、はじめまーす。
読んで頂きありがとうございます、葱マンです。
“居眠りにはご用心”でも悠斗の視点で物語が進みます。
何も考えずに森へ入った悠斗は、何も見つけられず進展も無いまま夜を迎えてしまいます。
一本の木の元で、バックの中身を確認した悠斗は精神的疲労で眠り込んでしまう。
何かの息遣いで目を覚ますと、そこには闇夜に光る無数の瞳が!
というのが今回のお話。
居眠りって怖いですよね。
私自身睡眠をかなり必要とする体質で、とにかく眠いんですよ。
電車の中でとか、授業中とか、ちょくちょく寝ちゃうんですよね。
そういうときに決まって、なにか嫌なことが起こるものです。
皆さまはそういう経験お有りですか?
次回、物語はようやく起承転結の起を迎えますね。
なにが起こるのでしょうか?
それでは、失礼