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アウトオブあーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 31話 むらさき

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。


『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。


『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。





池図女学院部室棟、あーかい部部室。


……ではなく、あさぎの家から池図女学院とは逆方向にあるちょっと大きな本屋さん。




「……さて。」




金曜日の夕方。あさぎはたてもののいりぐちのまえで立ち止まり、『本屋むらさき』と書かれた大きな看板を見上げた。




「来てるかな……。」




あさぎは胸を高鳴らせ、お店の自動ドアをくぐりいつもの売り場へ浮き足立って歩いていった。




「お、いたいた。」




お店のエプロンを纏い腰まである藤色の髪を歩くたびにフワフワと靡かせる少女を見つけると、あさぎはヒラヒラと手を振って声をかけた。




「店員さーん。」




エプロンの少女はあさぎに気づくと、ヒラヒラと手を振り返して微笑んだ。




「いらっしゃい、じょーれんさん♪」


「例のもの、入ってる?」




『本屋むらさき』の常連であるあさぎは、新発売の本の情報をつかむと、この店員さんに在庫の確保をお願いしていた。


ちなみにあさぎが買う本はタイトルがアレなので『例のもの』と呼称してお茶を濁している。


……因みにあさぎがタメ口なのは店員さん曰く、あさぎと同い年だからである。




「入りましたよ、今しがた♪」


「夕方に入ってたら朝一から変えなくない……?」




あさぎは店員さんの後ろをついてレジへ。




「朝来た方にも『今しがた』って言います♪その方がうれしーですよね?」


「接客のプロだなあ……。」


「わたくし、商人(あきんど)ですから♪」


「アルバイトだよね……?」




手で口元を隠して上品に笑う店員さんの胸元には『研修中』の文字。


そのすぐ下のネームプレートにはカタカナで『ウィスタリア』と印字されていた。




まだ夜のピーク前だったためか、レジには2人きりだった。




「ご予約の本は……、




店員さんはレジの下から一冊の本を取り出すと、あさぎの顔と本の表紙を交互にチラ見してはソワソワしていた。




「こちらで、お間違いございませんか?」


「『こちら』……?」




あさぎは自分で予約した癖に敢えてすっとぼけて確認を促した。




「……///」


「ああすみません、一応……ね?」


「…………『お義姉(ねえ)ちゃんといっしょ 2人っきりの王様ゲームで


「……。」


「え///……エッチな……ご、ご奉仕。お


「私が予約したのは語尾『♡』だったような……。」


「…………、『お義姉(ねえ)ちゃんといっしょ 2人っきりの王様ゲームで……え、エッチな…………、ご奉仕♡///……王様の命令は絶対だよ?』……//////、で間違いないですか……?///」


「はい♪♪」




頬をほのかに赤らめて不安げにこちらを上目で見つめる店員さんに満足したあさぎは代金を手渡し、買い物を終えた。




「ありがとうございました……!///」




心なしか店員さんがちょっぴり恨めしそうに睨んでる気がするけどきっと気のせいだろう。




「他におすすめある?」


「はい♪」




そういうときはおすすめを聞いて、迷惑料代わりにもう一冊本を買っていけば店員さんの機嫌は元通り。この一連のやりとりはあさぎが新刊を買うときのルーティンと化していた。




「こっちです♪」


「どーも……♪」




レジ横から出てきた店員さんは鼻歌まじりに軽い足取りであさぎをピンクの暖簾(のれん)へと先導した。




「ほんと、躊躇しないよなあ……。」




ピンクの暖簾を持ち上げて手招きする店員さんにつられてあさぎもスタスタとピンクの暖簾の向こう側へと足を踏み入れた。


ほんの少し店員さんに連れ回されると、




「ありました♪」




店員さんが一冊の本を掲げて歓喜の声を上げた。




「そんなお宝みたいに……。」


「でもじょーれんさん、血の繋がっていないお姉ちゃんもの好きですよね?」


「しっ!そういうのは声に出して言わないのっ!?///」


「わたくしには声に出させてる癖に……///」


「それは……!?」


「ふーんだ!わかりました。じゃあ次は既刊から『どっきり!しっぽり♪おとなりお姉ちゃんとぽかぽかぬるぬるバスタイム』


「だーかーらーー!!??//////」


「……。」




店員さんはタイトルを一度も噛まず流暢に言い終えると、少しの間ジトっとあさぎを見つめていた。」




「その……悪かったって///」


「……案内、しま


「お願いします……ッ!」


「まいど♪これからもどうぞ、よしなに……♪」




かくしてあさぎは、今日も行きつけの本屋さんで散財するのであった……。








あさぎ、ひいろ(2)




あさぎ:今大丈夫?


ひいろ:2人きりでなんて珍しいな、どうした?


あさぎ:エッチな本の隠し場所教えてくださいっ!


ひいろ:あのなあ


あさぎ:もしかして堂々と飾る派だった?


ひいろ:何言ってるんだ隠すに決まっているだろう


あさぎ:さすが心の友……!


ひいろ:その言葉を今ほど不快に思ったことはないよ


あさぎ:で、どこに隠してる……!?


ひいろ:家宅捜索でもされるのか?

ひいろ:まあ万一見つかったとしてワタシは純愛ものしか置いてないからダメージは少ないけどな


あさぎ:ひいろの性癖は聞いてない

あさぎ:隠し場所とか見つからないコツを教えてくれればそれでいいの


ひいろ:なんでそんなの教えなきゃいけないんだ


あさぎ:あ、もしかしてほんとはお子様だから恥ずかしくてエッチな本1冊も持ってないんじゃ


ひいろ:同じサイズの本のブックカバーを上から被せてカバー取った本には雑貨屋で売ってるやつとか本屋の紙のカバーつけてる


あさぎ:うわぁ……


ひいろ:人に聞いておいて「うわぁ……」はないだろう


あさぎ:ありがとう参考にする


ひいろ:家宅捜索でも入るのか?


あさぎ:そろそろ量が増えて来て隠し場所に困ってたもんで


ひいろ:今まではどこに隠してたんだよ


あさぎ:私の部屋って、頭おかしくなるくらい蚊取り線香置いてるじゃん?


ひいろ:下手な小売店の在庫よりはありそうだったな


あさぎ:商品名入りの段ボール箱の上に本物入れてその下に隠してる


ひいろ:お前なあ……


ひいろ:待てよ?あさぎの部屋に段ボール箱めっちゃ置いてたけどまさか……


あさぎ:おっとこれ以上の詮索は野暮だよひいろ


ひいろ:文字通り禁忌の箱というわけか……


あさぎ:ありがとうひいろ、これで新しい箱が届くまでの繋ぎはなんとかなりそうだよ


ひいろ:おいまてどれだけ買い込んでるんだお前


あさぎ:行きつけの本屋さんが悪い


ひいろ:どこだ?


あさぎ:え〜


ひいろ:隠し場所を教えたんだ、それくらい良いだろう


あさぎ:まあいいか

あさぎ:本屋むらさきってとこ


ひいろ:近くにそんな本屋あったか?


あさぎ:私の家から学校と反対側だから池図の生徒はほとんど来ないんじゃない?


ひいろ:まーた良い隠れ蓑を……


あさぎ:みどり先輩には内緒にしておくよ


ひいろ:やはり持つべきは心の友だな


あさぎ:大人になったら美味い酒が飲めそうだ


ひいろ:だな

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