ナイル河の東岸は生者の町、西岸は死者の町は正しいのか ⑤
続いて有名なギザ。
ここはナイル河の西側となる。
そして、有名なピラミッドがある場所でもある。
ピラミッド。
これについてはいえば、エジプトのピラミッドはその用途から大きくわけて三種類ある。
ひとつ目。
王の埋葬用のピラミッド。
ふたつ目。
王妃の埋葬用のピラミッド。
三つ目。
宗教目的のためのピラミッド。
厳密にいえば、もう一種類あるだが、とりあえず今回はこの三種類として億。
当然ひとつ目、ふたつ目のピラミッドは西側にあるべきものであり、実際に有名な三大ピラミッドを含めてすべて西にある。
そして、ギザの三大ピラミッド周辺には多くの墳墓がある。
まさに死者の町である。
だが、ギザにあるもうひとつの有名な観光スポットである大スフィンクス近くにはかつておおくの住居があった。
それこそ万単位の人が暮らしたような大きなものだ。
彼らの多くはここ
ピラミッドタウンと呼ばれている。
当然彼らは生者。
「ナイル河の東岸は生者の町、西岸は死者の町」が正しければ、彼らは東岸に住み、ナイル河を渡ってピラミッド建造に従事しなければならないのだが、実際にはそうはなっていない。
ついでにいえば、ギザにピラミッドをつくった王たちも西側に住んでいた痕跡はあっでも、東岸に住んでいたという証拠は欠片もない。
つまり、ナイル河西岸は埋葬だけに使用されたという主張はこの時点で崩れることになる。