変わる世界
「暑い……。」
猛暑の夏、セミの大群が大音量で鳴いている
「ドサッ」
荷物を降ろしテレビをつける。
誰かが言った。
人はみな平等だと。
しかしそんな事はありえないわけで、生まれながらに富を持つもの、スポーツに優れたもの、学業に優れたもの。
人は到底平等とは言えないものなのだろう。
「何もない...。」
普段はほとんど見ることのないテレビのバラエティー番組を見ながらつぶやいた。
「はぁ。」
深いため息をつきながら低い天井を見上げた。
『ハイそれでは今日のゲストを紹介します。 今大人気の女優の△△△△さんです。』
『いやーホントにお綺麗ですねー。』
『いえいえとんでもないです。 すみません。』
ボーっと見ていた天井からテレビの方へと視線を移す。
はにかんだ笑顔がとても可愛い女性が映し出されていた。
何気なくテレビの方へ視線を向ける。
「…可愛いな……。」
しばらくテレビを見つめていた時...
♪~
普段あまり鳴ることのないケータイが鳴った。
「誰?」
ケータイを取り上げ画面を見る。
「めずらしいな。」
画面には地元の友人の名が表示されていた。
「もし」
「よっ久しぶり。 何してた?」
「いや特になんも」
「暇人が」
「うるせー」
いつものなんてことのない掛け合いだった。
「お前来るだろ?」
「?何が?」
意味もわからず聞き返す。
「今年同窓会やるって言ったじゃん来るだろ?」
「聞いてないけど?」
「お前メール送っても無視してるからだろ? ちゃんと送ってんじゃん。」
あきれられた声が返ってきた。
「まぁいいや来るだろ?」
「ん~ちなみにいつやるの?」
「15日 お盆。帰ってくるだろ?」
「15! 急すぎない?」
「急じゃねーよお前が無視するから電話したんじゃねーか」
「あ~わりぃ」
「来るだろ? お前ずっと帰ってないだろ? 母ちゃん心配してたぞ 電話しても出ないって。」
地元には何年も帰っていない。
親が嫌いな訳ではない。
ただ親の期待と自分の現状があまりにもかけ離れていて申し訳なさと情けなさで帰りづらい状況になっていた。
「来るよな?」
「来いって。」
「おい。」
「……。わかった…。」
半ば強引に決めらてしまった。
1度決めたら譲らない所が奴の良いところでもあり欠点でもあった。
「オッケー じゃあまた連絡するわ ちゃんと電話出ろよ?特別ゲストも来るからよ。」
「ああ。」
電話を切る。
「ふー。」
ため息をついた。
昔の友人に会えるのは嬉しいが親に会うことに気が重い気がした。




