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レッスルヒーローズ  作者: バルクルーバー
第三章 現代世界は騒動だらけ
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ライバルとの出会い

今回はライバルと偉人転生者の登場です!

 朧丸達が元の世界に帰還してから数日後、彼は近藤龍二としてサラリーマンとしての生活に戻っていた。ただ、一つだけ違う事と言えば、マリー、プラム、阿国が研修でこの会社に派遣されている事だ。


「マリーさん達が来たお陰で同僚達から質問攻めに遭ったからな……お陰で酷い目に遭ったぜ……」


 龍二のため息にマリーは首を傾げ、プラムと阿国は苦笑いをしていた。


「私、何かしたかしら?」


「私達が来た事で朧丸さん……いや、龍二さんが酷い目に遭った事ですよ。でも、龍二さんが丸山部長に投げられたのはビックリしました。しかも、14階から落下しても全然平気だとは……」


 プラムの唖然とした表情に阿国も同意する。


「もしかすると龍二はんは不死身なんどすか?」


「いや、そこまでじゃないけどな……けど、投げ飛ばされるのは何時になったら終わるんだよ……」


 龍二がため息をつく中、杉本が彼に近付いてきた。


「相変わらず人気者だな」


「杉本。俺としては苦労しているけどな……」


 龍二はジト目で杉本を睨みつけ、マリーがよしよしと彼の頭を撫でる。


「まあまあ。そう言えば社長がお呼びだぞ。どうやら何かあるらしい」


「社長が?」


「あと、マリーさん達もだとよ」


「「「?」」」


 社長からの呼び出しに龍二達は疑問に感じるが、彼等はすぐに社長室へと向かい出した。





 龍二達は社長室に入ると、そこには社長である杉倉浩輔(すぎくらひろすけ)と一人の女性が待っていた。


「シャンバラでの任務はご苦労だった。しかし、まさか転生者達がこの世界に来るとは驚いたな」


「はい。まさかの展開となりましたが、無事に元の世界に帰れたのが幸いです」


「そうか。わしは戦いが終わるまで元の世界に帰る事ができなかったが、お前達は途中でも無事に帰る事ができたみたいだな」


「お陰様で。ところで、社長もシャンバラに来た事があると仰っていましたが……」


 龍二からの質問に浩輔は決心したと同時に、彼等に視線を移す。


「そろそろ話す時が来たな。実はわしは勇者としてシャンバラに召喚され、マスターラビット達と共に魔界の軍勢と戦っていたのだよ」


「「「ええっ!?」」」


 浩輔からの衝撃発言に龍二達は驚きを隠せずにいて、女性は普通通りの表情をしていた。


「マスターとも知り合いなのですか!?」


「そうだ。わしと権蔵はシャニスによって召喚され、マスターラビット、エルフのフウカ、ドワーフのベルグを仲間に加えて冒険の旅をしていた。魔界の奴等はとんでもない事を仕出かしていて争いが絶えず、わし等はその元凶を見事退治した。その後、戦いが終わって元の世界に帰ったが、まさか近藤達が召喚されるとは思わなかったな」


「恐縮です。俺としても予想外でしたし、すみれさんも父親と同じく異世界に召喚されちゃいましたからね。あと、カルミナとベトラからも話を聞きましたが、フウカさんはカルミナの母親。ベルグさんはベトラのお兄さんだと聞いています。マスターは詠春を弟子として育てています」


 龍二は苦笑いしながらも浩輔に説明し、彼も納得の表情で頷く。


「そうか。彼等にも子供ができ、マスターラビットは弟子もできたか。わしも娘が異世界召喚されていたから、権蔵と同じ展開になっていたな……」


「それで、その娘さんというのは……」


「この私だ」


 浩輔がしみじみと思い浮かべる中、マリーの質問に女性が彼女に視線を移しながら近付いてきた。女性はアーバンサムライの姿で、黒いキャップと黒いズボンを着用している。


「私は杉倉優里亜(すぎくらゆりあ)。杉倉浩輔の娘であり、女神グレイアに召喚された侍だ」


「女神グレイア……ああ、シャニス様のライバルの!」


 プラムはグレイアの事を思い出して手を叩き、マリー達も納得の表情をする。


「そうだ。私と使用人の三上(みかみ)くるみ、私の部下でもあるランは街を歩いている中、突然魔法陣によって異世界へと召喚された。事情をグレイア様から聞き、両親には連絡を取ってシルバリズムとの戦いに赴いた。それにしても、私と同じ境遇の龍二がシルバ6の一人を倒すとは驚いたな」


 優里亜は龍二に視線を移し、彼は照れ臭そうに下を向く。


「大した事じゃ無いですよ。しかし、何故侍なのですか?」


「私は幼少期の頃から侍に興味を持ち、自身も剣道を始めた。今では剣道は免許皆伝。更にはグレイアの指示でプロレスも始めて多くの技を開発している」


「俺と同じですね。俺も忍者に興味を持っていますし、今では忍法も駆使しています」


 龍二が笑顔で話す中、優里亜は彼に近付き、龍二は思わずドキッとしてしまう。


「私は一度お前と戦いたいと思っている。試合形式はプロレスか実践でもいいが、お前の活躍を見ると私も負けられない思いが強くなる。私からの勝負を受けてくれるか?」


「勿論大丈夫です。俺も戦いたいと思っています」


「そうか。それを聞いて安心した」


 優里亜が微笑む中、彼女はすぐにスピリアを起動してスクリーンを召喚する。


「龍二の陣営には多くの仲間がいるが、私にも多くの仲間がいる」


「えっ!?優里亜さんのところにもいるのですか!?」


「ああ。それよりも今は転生者達がこの世界に来ているという情報だ。ルータスだけではなく、この様な奴もいる」


 優里亜はすぐにデータ画像をスクリーンに映す。そこにはクラウニアの画像が映し出されていた。


「彼の名はクラウニア。ホンゴウの側近の一人で危険な道化師と称されている。かなり手強い殺人鬼だ」


「殺人鬼と呼ばれる道化師……いずれ、俺達と戦う時が来るかも知れませんね」


「その通りだ。しかも、奴は魔術も一流で苦戦が予測される。其の為にも私達が強くなければならない」


 優里亜の説明に龍二達は頷くしかなく、彼女はスクリーンの画面を変えて転生者達の情報を次々と出す。その数は30人以上いる。


「彼等は雑魚で特典はない。ランク内に入るまでは特典は与えられない仕組みだ」


「転生者って特典を与えると聞いたけど、シルバリズムはそうじゃないのか……」


 シルバリズムの転生者は皆最初から特典を与えられていない事を初めて知った龍二達は、驚きの表情をするしかなかった。


「わしも知った時は驚いた。それだけじゃなく、偉人達もこの世界に来る事をキャッチした。優里亜、スクリーンの画面を変えてくれないか?」


「はい」


 浩輔の指示で優里亜はスクリーンの画面を切り替える。すると、一人の偉人の情報が映し出された。


「韓服……韓国の偉人ですね」


「韓国の偉人、張禧嬪(チャン・ヒビン)。韓国三大悪女の一人として有名だが、この東京にいる事が明らかになっている。恐らくシルバリズムも捕まえて戦力にしようと考えているに違いない」


「我々で奴等より早く彼女を捕まえる事になるが、彼女はどう反応するかだろう」


「分かりました。この件については仲間達にも伝えておきます」


 龍二はすぐにスピリアを起動させ、佳乃達に連絡し始める。


(近藤龍二……どの様な実力なのか試させてもらうぞ)


 優里亜は龍二の姿を見ながら、期待の表情をしていた。





 それから翌日、浩輔からの依頼任務で龍二は朧丸として活動し、レッスルヒーローズのメンバーだけでなく、マリー、プラム、阿国と共に張禧嬪を探しに新大久保に来ていた。


「新大久保といえばコリアンタウン。そこに張禧嬪がいる筈だ」


「サーチアイでも確認済みだからね。それにしても、優里亜さんが仲間を連れてくると聞いたけど……」


 キララが辺りを見回したその時、優里亜がメイドの女性と共に姿を現す。


「待たせたな」


「優里亜さん!」


「この人が優里亜さん……」


「なんか格好良い……」


 優里亜の姿を見たキララ達は、彼女の姿に格好良さを感じてしまう。


「それ程でもない。で、こちらが使用人のくるみだ」


「三上くるみです。2年前にお嬢様に雇われ、彼女のお世話を担当しています」


 くるみはスカートの裾を摘みながら、一礼をする。


「私はアリアン。同じメイドです」


「まあ。あなたもメイドなのですね。お会いできて光栄です」


「こちらこそ」


 アリアンの自己紹介にくるみが彼女と親しくなったその時、青い韓服の女性が彼女達に近付いてきた。


「ん?この人って……」


 朧丸が女性の正体に気付いたその時、一人の転生者が空から舞い降りてきた。


「見つけたぞ、張禧嬪!」


(なるほど……この人が張禧嬪か)


 転生者の宣言に朧丸はすぐに女性の正体を察した後、すぐに転生者に視線を移す。


「大人しく張禧嬪を渡せ。さもないと……」


「悪いがアンタにかまっている暇はないのでね。とっとと失せろ!」


 朧丸は駆け出して転生者に強烈な張り手をぶちかます。すると彼は一撃で倒れてしまい、そのまま伸びてしまった。


「やれやれ。こんなのじゃ話にならないな」


「ウグッ!」


 朧丸のキツい一言は転生者の心に突き刺さってしまい、そのショックで消滅した。


「ショックで消滅してしまうとは……情けないな」


「ご尤もだ。まあ、彼等は一般人の中では強いレベルだが……」


 優里亜が言い切ろうとする中、禧嬪は朧丸の手を取る。


「助けてくれて感謝するわ」


「あなたが禧嬪さんですか?」


「ええ。私は死んでしまった後、この世界に転生してしまった。その後に転生者に追われていて……」


「今の状態に至るという訳ですね」


 禧嬪の説明に詠春が納得したその時、禧嬪のお腹が鳴ってしまう。


「しまった……何も食べてなくて……」


 禧嬪が自らの腹の音に赤面していたその時、朧丸は彼女に柏餅を差し出す。


「これは?」


「日本の和菓子である柏餅だ。俺の大好物」


「あ、ありがとう……」


 禧嬪は柏餅を食べた途端、ほんのり甘いこし餡と餅の柔らかさが口中に広がり、思わず笑みを浮かべた。


「美味しい!こんな物を食べたのは初めて!」


「良かった。宜しければお茶もあるから」


 朧丸は緑茶入りのペットボトルを差し出し、禧嬪は受け取って飲み始める。


「助かったわ。本当にありがとう」


「どういたしまして。それよりも禧嬪さんはこれからどうするのですか?」


「うん……また転生者達に狙われる可能性もあるし……」


 禧嬪が不安な表情で俯いたその時、朧丸が彼女の手を取る。


「もし、良かったら俺達のところに来ませんか?俺達は転生者と戦っているだけでなく、プロレスという格闘技もしています。このまま転生者に追われるよりはそちらの方が安全ですので」


「この私でもいいの?生前とんでもない事をしていたのに……」


「大丈夫ですよ。困っている人は放っておけないですから」


 朧丸の笑顔に禧嬪も笑顔になり、彼にそのまま抱きつく。


「お願いするわ。あと、私の事はオクチョンでいいから」


「それが本名ですね。分かりました、オクチョンさん」


 張禧嬪改めオクチョンが朧丸の頭を撫でる中、佳乃とヒヨリが頬を膨らます。


「ズルい!」


「僕も抱き着く!」


 佳乃とヒヨリも飛びつき、この光景にすみれ達は苦笑いしてしまう。


「いつもこうだけど、朧丸は女性に優しいからね……」


「仲間思いの一面もあるし、もしかすると朧丸は不思議な力を持っているかもね」


「強さだけでなく、優しさもある。シャニス様が朧丸を召喚したのは間違いではなかったのかも知れない。もしかすると彼は恐らく救世主になる可能性も有り得るな」


 優里亜が感心しながら頷いた後、すぐに真剣な表情になる。


「スキンシップはそこまでにして、偉人転生者達について新たな情報が分かった」


 優里亜の報告にヒヨリ達はスキンシップを止め、優里亜の周りに集まる。


「何か分かったのですか?」


「グレイア様からの報告によれば、どうやら何者かによってこの世界に多くの偉人達を転生しようとしている事が分かった」


「「「ええっ!?」」」


 優里亜の説明に朧丸達は一斉に驚いてしまった。


「オクチョンさん、あなたはこの世界に転生した時、神様に出会いましたか?」


「出会ってないけど、男性の声がして一方的に告げられ……特典のダブルセイバーと30代前半ぐらいの年齢に若返らせてくれたわ」


「男性の声……一体誰なのか気になるけど、これは新たな波乱が起こりそうやね」


 オクチョンの説明にHARUKAが深刻そうな表情をしていて、ナツミ達も同意する。


「ともかく、その元凶を捕まえないといけないわね。もしかするとこの世界にいる可能性も有り得るし」


「すみれさんの言う通りですね。このままだと俺達の世界はパニックになってしまう。そうならない為にも俺達の手で終わらせるぞ!」


「「「おう!!」」」


 朧丸の宣言に佳乃達は力強く応え、この光景をオクチョン、マスターラビット、優里亜、くるみが頷きながら見ていた。


「マスター、彼の成長は凄いと感じますね」


「うむ。お主の言った通り、彼は救世主になるじゃろう。お前さんは今後どうするつもりじゃ?」


 マスターラビットの質問に優里亜は青い空を見上げる。


「私は自分らしく任務を成功させ、朧丸に負けずに強くなる。友としてライバルとして!」


「流石です、お嬢様!」


 優里亜の決意にくるみは笑顔で微笑み、マスターラビットも頷いていた。


(朧丸と優里亜。友でありライバルでもあるこの二人は2つの世界を救う最大の救世主となるじゃろう。浩輔、いい娘さんを持ったな)


 マスターラビットは朧丸と優里亜の姿にこれからの未来を楽しみにしているだけでなく、浩輔がいい娘を持っている事に感心したのだった。

友でありライバルでもある朧丸と優里亜。


これからに期待です!

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― 新着の感想 ―
[良い点] お久しぶりの丸山部長、相変わらず投げられても平気な彼は凄すぎます(*´艸`)www✨️ そして現れし転生者さん、一発で伸されて可哀想に……(*´֊`*)張り手強烈っすね
[良い点] 社長さん異世界に転移していたんですね。異世界から偉人転生者もやってきて現代で大変なことが起こりそうな展開ですね。 [一言] 優里亜さんと朧丸の対決が楽しみです。
2024/02/14 12:23 退会済み
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