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レッスルヒーローズ  作者: バルクルーバー
第二章 花咲くロベリアの革命
29/48

朧丸VSヘルバス

今回はヘルバスとの戦い。更にロベリアでのタタカイも幕を閉じます!

 ゴングが鳴った直後に二人は静止したままだが、彼等はお互いを見ながら円を描く様に回り続ける。


(来るとしたら……そこ!)


 朧丸はすぐにヘルバスの左手首を掴み、そのまま彼を背負い投げでリングマットに叩きつける。


「おお!柔道と合気道か。この技は見事だ」


「まず、先手を取ったのは朧丸。すかさず、十字固めに入る!」


 朧丸はすかさずヘルバスの上腕部を自分の両脚で挟んで固定し、同時に親指を天井に向かせる形で相手手首を掴み、自身の体に密着させようとする。


「ほう。忍者は柔術を習っているみたいだな。そうは行くか!」


 ヘルバスは自力で起き上がり、朧丸はすかさず両手を離し、強烈な張り手でヘルバスの顔面に当てる。


「ぐふっ!?(嘘だろ!?いきなり攻撃しただと!?)」


 朧丸はすかさずヘルバスから離れて駆け出し、彼の顎に強烈な頭突きを浴びせる。


「頭突きが顎に炸裂!朧丸のコンビネーションが炸裂した!」


「朧丸はスピード、テクニック、パワーも兼ね備えているだけでなく、コンビネーションも上手い。ヘルバス相手に引けを取らないところは見事だ」


 スリラーの実況とインパクトの解説にシュヴァリアは頷く中、ヘルバスはすぐに朧丸を掴んで後ろに投げ飛ばす。


「うわっ!?」


「まだだ!俺はここで止まらねえよ!」


 朧丸はすぐに態勢を整えて着地するが、ヘルバスは駆け出してタックルでダメージを与えてきた。


「ガハッ!?」


「そしてそのまま……」


 ヘルバスはすぐに朧丸の両足を掴み、人でなしドライバーの態勢に入る。


「まずい、朧丸が!」


 HARUKAの叫びにマリー達が口を抑えたその直後、朧丸はすぐに上体を起こしてヘルバスの顔面にパンチを浴びせた。


「パンチ炸裂!普通は反則だが、ノーDQはありとなるので問題ありません!」


「ウグッ……こいつ、パンチを使いやがった……!」


 ヘルバスは顔面を思わず抑えてしまい、朧丸はすかさずトップロープに上り、ミサイルキックで顔面に直撃する。


「ごべら!!」


「おお、ミサイルキック!」


「いつの間に取得したの!?」


 朧丸のミサイルキックにナツミ達が驚く中、彼はヘルバスを抑え込む。


「1、2!」


 しかし、カウント2で返されてしまい、ヘルバスはすぐに立ち上がって朧丸を睨みつける。


「やるじゃねえか……この俺に何度もダメージを与えるなんてよ……」


「本気になってきたみたいだな……」


 ヘルバスの怒りに朧丸が冷や汗を流す中、リング外では佳乃達がこの様子を冷や汗で見ていた。


「HARUKAさん、プロレスには色んな技があるけど、こんな技もあるのでしょうか?」


「ん?」


 HARUKAが佳乃の方に視線を移すと、彼女はキララを倒させ、彼女の足を持って右手を挟むように右足を折り曲げる。


「な、何するのよ!?」


 更に佳乃はキララの左手をとって右足の上に置き、左足を左腕に置くように折り曲げる。そのままひっくり返してHARUKAに見せてきた。


「おお、パラダイスロック!これは考えたね」


「ええ。私もやる時はやります!」


「だからと言って私を実験台にしないでよ!」


「ごめんね、今解くから!」


 佳乃はキララのパラダイスロックを解除し始めたそのとき、ヘルバスはリング下に移動して金属バットを取り出す。


「金属バット!?」


「まさか!?」


「俺は勝利の為なら手段は選ばないんだよ。死に晒せ!!」


 ヘルバスは金属バットを振り始め、朧丸の腹に直撃する。


「ガハッ!!こいつ、躊躇なく攻撃してきたか……」


「まだまだ行くぞ!」


 ヘルバスは金属バットで朧丸の身体に次々と衝撃のダメージを与えまくり、彼はそのままバットを逆さまにして脳天に突き刺そうとする。


「朧丸、危ない!!」


「チッ!」


 しかし、すみれの合図で朧丸は回避してジャンプし、そのままヘルバスの側頭部に蹴りを入れた。


「ここでハイキック炸裂!絶体絶命からの一発だ!」


「ゴホッ……」


 ヘルバスがバランスを崩した直後、朧丸は彼から金属バットを奪い取り、コーナーポストに登り始める。


「ん?一体何をする気だ!?」


「金属バットを逆さまにして……ジャンプしたー!!」


 朧丸はジャンプしたと同時に、逆さまにした金属バットをヘルバスの脳天に叩きつけた。


「これでどうだ!」


「ぐあっ!!」


 ヘルバスは悲鳴を上げて前のめりに倒れてしまい、朧丸は金属バットを佳乃に渡す。


「これは考えました!金属バットを脳天に突き刺してダメージを与え、そのまま失神させるとは!」


「金属バットを持ち出したのは逆手となってしまいましたね。これは流石に立てないでしょう」


「よし。後はムーンサルトプレスで……」


 朧丸がコーナーポストに向かって止めを刺そうとするが、ヘルバスは両腕に力を込めて起き上がろうとしていて、見事自力で立ち上がった。


「ヘルバスが立った!あれだけのダメージを受けてまだ立ち上がるのか!?」


 スリラーだけでなく、佳乃達も驚く中、朧丸は冷静にヘルバスを見ていた。彼は頭から血が流れていて、今にも倒れそうな状態であってもおかしくない。


「まだやれますか!?」


「ああ……負けるわけにはいかねえんだよ……」


 コロナからのチェックにヘルバスは頷き、すぐに戦闘態勢に入る。


「そこまで受けて立ち上がるとは……何か理由があるのか?」


「俺は……あの頃に戻りたくないんだ……かつての仲間を失ったあの頃に……」


 朧丸からの質問にヘルバスは顔が血塗れのまま返答する。彼の脳裏にはある記憶が流れ込んでいた。





 転生する前、彼は暴走族のヘッドを務めていて、多くの部下達を引き連れて活動していた。そんなある日、とある軍団との抗争で多くの部下達はやられてしまい、残るはヘルバスだけとなった。


「もう大人しくしろ、黒鉄(くろがね)。お前の部下達はやられたんだよ」


 ヘルバスはこの時、黒鉄大五郎(くろがねだいごろう)という名前として活動していて、敵のヘッドからの忠告に怯まずに前を向いている。


「屈しねーよ……俺はこいつ等のヘッドとして負けるわけにはいかねーんだよ。惨めな負け方をするくらいなら、最後まで抗って勝つだけだ」


「そうかい。遠慮なくやっちまえ!」


 敵のヘッドの合図で暴走族達が襲い掛かるが、黒鉄はパンチと蹴りを駆使して次々と叩きのめしていく。その姿に多くの暴走族達は恐怖でゾッとしてしまい、前に出る事はできなくなった。


「情けない奴等だ。こうなりゃ俺が!」


 ヘッドがナイフを構えて黒鉄に突き刺そうとするが、彼は回避して強烈な蹴りをヘッドの側頭部に当てた。


「ゴハ……」


 ヘッドはうつ伏せに倒れてしまい、この光景に暴走族達は彼の恐怖に前へ進む事が完全にできなくなった。


「ヘッドがやられた……」


「皆、逃げろ!!」


 暴走族達は皆逃げてしまい、残ったのは黒鉄と倒れている部下達だった。


「敵のヘッドを倒したが、この抗争で多くがやられてしまった……」


 黒鉄は倒れている部下達に駆け寄って安否を確認するが、殆どがヘッドによる暴行で死んでいた。生き残っているのもいるが、殴られた衝撃によって後遺症は残るだろう。


「畜生……お前さえいなければ……お前さえいなければ……!!」


 黒鉄は涙を流しながら倒れているヘッドを睨みつけた直後、落ちているナイフを掴み取り、ヘッドの心臓を突き刺したのだった……





「あの後、俺はパトカーとのチェイスを繰り広げたが、事故に遭ってこの世界に転生した。だから俺はここで負けるわけにはいかないんだよ!同じ過ちを繰り返さない為にも、新たに出会った仲間を悲しませない為にも、死んだ彼奴等の分まで生きる事を!!」


 ヘルバスは過去の事を話し終えた直後、強烈なラリアットで朧丸を仰向けに倒してしまう。


「くっ!」


「まだだ!サマーソルトドロップ!」


「ガハッ!!」


 ヘルバスの背中が朧丸の腹に直撃し、彼は痛みで転げ回ってしまう。


「ラストはこいつだ!」


 ヘルバスがすかさず朧丸の両足を脇の下でクラッチし、そのまま高くジャンプしてしまう。


「人でなしドライバー!!」


「させるか!!」


 ヘルバスは勢いよく膝を着こうとするが、朧丸が上半身を起こして、張り手でヘルバスの右頬に衝撃を与えた。


「ウゴッ!?」


 ヘルバスはその衝撃で朧丸の両足を離してしまい、膝もリングマットに激突して痛みが全身に走った。


「言っておくが、俺に人でなしドライバーは効かない。それに……俺も負けられない理由があるんだよ……」


 朧丸はすぐに立ち上がり、痛みで立ち上がれないヘルバスを睨みつける。


「なんだと……」


「俺が負けたら大切な仲間が悲しむだけじゃない。シャンバラをお前等の思い通りにさせない為にも、必ず生きて帰る為にも、負けるわけにはいかないからな!」


 朧丸は左足の蹴りでヘルバスの顔面を蹴り飛ばし、すかさずコーナーポストに登ってムーンサルトの態勢に入る。


「まさかやるつもりか!?」


「いや、成功できるかも……」


 マスターラビット達が成功するのかハラハラする中、朧丸はムーンサルトを決めてしまい、そのままヘルバスを押し潰した。


「ガハッ!」


「まだだ!これで終わらない!」


 朧丸はすかさずヘルバスから離れ、リング下に移動してラダーを取り出した。


「ラダー?何に使うの?」


「まあ、見てなって」


 朧丸はラダーを設置し、ヘルバスを担いだと同時に、ラダーの上にジャンプして着地した。


「凄い!ジャンプしてラダーの上に着地するなんて!」


「そのまま……勢いよくジャンプした!」


 朧丸の奇想天外の行動にHARUKA達が驚く中、彼は跳躍したと同時に、空中でヘルバスの胴体を背後から抱きかかえて拘束し、逆さまに落下してしまう。


「飯綱落とし!!」


「あがァァァァァァ!!」


 ヘルバスの脳天は地面に叩きつけられ、朧丸は態勢を整えてすぐにフォールを取る。


「1、2、3!」


 見事スリーカウントが決まってゴングが鳴らされる。この勝負は朧丸が見事勝利し、確信した佳乃達は次々とリングに上がって彼に駆け寄ってきた。


「凄いよ、朧丸!ムーンサルトプレスだけでなく、飯綱落としも生み出すなんて!」


「感動しちゃいました!」


「練習の成果が出たみたいだけど、まだまだこれからだと実感している。もっと練習しておかないとな」


 佳乃達が朧丸を褒めるが、当の彼は苦笑いしながら返している中、実況席も先程の展開に興奮状態となっていた。


「いやー、素晴らしかったですね!まさかムーンサルトプレスだけでなく、飯綱落としまでやるとは!」


「本当に見事としか言えません!しかし、真の勝因は何でしょうか?」


「最後まで諦めない執念の差だ」


「「執念?」」


 シュヴァリアの解答にスリラーとインパクトは疑問に感じる。


「そうだ。ヘルバスはあの頃に戻りたくない事と仲間達を思う気持ちがあった。しかし、朧丸は仲間達だけでなく、シルバリズムを倒す事、生きて帰ること、最後まで諦めない事、そして……夢であるプロレスラーになる事。彼の執念がヘルバスの執念を上回った。それが勝因だ」


 シュヴァリアの解説を聞いたスリラーとインパクトは、興味深そうに頷いた。


「なるほど……我々としては彼の今後を楽しみにしていますし、活躍もまだまだ見たいです。シュヴァリアさんは彼の今後をどう感じますか?」


「この先の未来は分からない。もしかすると、シャンバラの未来を照らす救世主になるだろうな」


 シュヴァリアの視線の先には、朧丸が佳乃達に抱かれながら、笑顔で彼女達の頭を撫でているのが見えた。


(朧丸、君達のお陰でロベリアの革命を終わらせてくれた事に感謝する。これからの未来を楽しみにしているだけでなく、シルバリズムを倒す事とシャンバラの平和を取り戻す事を頼んだぞ)


 シュヴァリアは心からそう思いながら、朧丸達に期待の笑みを浮かべたのだった。

見事朧丸がムーンサルトプレスだけでなく、飯綱落としも喰らわせて見事勝利しました!


次回は戦後処理。第二章も終盤です!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 金属バッド!!ฅ(º ロ º ฅ)危ないっっ 大迫力の試合でした。朧丸の執念、しっかりと見させて頂きました( ̄^ ̄゜)✨️
[良い点] 朧丸強い!!! やはり何でもありのルールだと投げ技が強いですね。 ヘルバスの過去が族のヘッドだったとは驚きました。 [一言] パラダイスロック出てきてよかったです(^^)
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