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レッスルヒーローズ  作者: バルクルーバー
第二章 花咲くロベリアの革命
26/48

それぞれの決意

昨日は自身の誕生日を迎えました。まだまだ人生これから!頑張ります!

 朧丸達はサンソンの家に帰還し、彼の執務室でこれまでの事をサンソンに話していた。


「なるほど……ヘルバスの企みにやられてしまったのか……」


「ええ。今回の責任は俺達にあります。まさか党員達が待ち伏せをしていたとは想定外でした。しかも、アシラとヘレネは作戦の為に時間稼ぎをしていた事も……」


 朧丸が自らの失敗で俯く中、サンソンが彼の肩に手を置く。


「私達もこの事については想定外だった。しかし、ヘルバス達が広場で宣言をする事はチャンスに繋がるだろう」


「ええ。奴等を一網打尽にするチャンスですし、住民達も反発をしてきます。そうなると動かなければ損ですね」


「その通りだ。しかし、シルバリズムがバックについているとなると、この戦いは一筋縄ではいかない事を覚悟した方が良いだろう。その事を念に入れてくれ」


 サンソンからの忠告に朧丸達は冷静に頷く中、エリザベートが手を挙げる。


「先程言っていた優秀な人材というのは?」


「その事については明日、議会で説明する。ジャコバンズのやり方に反発している人達だからこそ、彼等は力になってくれる」


「じゃあ、ジャコバンズを倒した後は彼等が政治を仕切るという事ね」


「その通り。今後は彼等に任せて、僕達はロベスピエールとジャコバンズの野望を終わらせる。このまま放っておけば恐怖政治となってしまい、ロベリアは闇に包まれてしまうだろう」


 サンソンの危機感を感じた推測に、佳乃達は思わず息を呑んでしまう。


「決戦は3日後。それまで各自準備を忘れない様に。解散!」


 サンソンの合図と同時に、全員がそれぞれの場所に移動し、彼は執務室に残って書類作業を始める。


(陛下……あなたの無念は必ず晴らしてみせましょう。このロベリアに光を灯し、新たな物語を切り拓く為にも!)


 サンソンは心の中で思いつつ、熱心に仕事に取り掛かった。





「えっ!?もう大丈夫なのですか!?」


 その夜、朧丸は部屋でマリーと話をしていて、彼女の決意に驚きを隠せずにいた。因みに彼女は処刑当時の服装のままとなっている。


「ええ。あの人は私の為に生きて欲しいと願っていた。私はあなた達と共に必ず生き抜き、この世界を必ず救うわ」


「それを聞いて安心しました」


 マリーの決意に朧丸がホッとしていたその時、彼女は彼の肩を掴んで、目を合わせ始める。


「マリーさん?」


「朧丸。あなたは冷静に考えているけど、本当は我慢しているみたいね」


「へ!?俺は大丈夫ですが……」


 するとマリーは彼の顔面にぐいっと近付き、朧丸は思わず赤面してしまう。


「ちょっ!?マリーさん!?」


「あの人を死なせてしまった事を後悔しているでしょ?」


「あ……」


 マリーの発言の直後、朧丸の脳裏にルイ16世の最期のメッセージが流れ込んできた。シャルルを助ける筈がまさかの展開となってしまい、彼もその家族も殺され、ルイ16世までも処刑されてしまった……

 朧丸にとっては最悪な結果となってしまい、自分の未熟さを改めて思い知らされていたのだ。


「ええ……俺はまだまだ未熟です……本当に……情けなくて……」


 朧丸が後悔で俯いたその時、マリーは彼を自身の胸の中に抱き寄せる。


「こういう時は……思いっきり泣きなさい……私が全て受け止めてあげるから」


「すいません……うわあああああ!!」


 朧丸はマリーの胸の中で我慢できずに泣いてしまい、彼女は彼の頭を優しく撫でながら慰め始める。


(大丈夫。あなたは一人じゃないわ。私達がいるから、心配しなくても大丈夫。今はゆっくり泣いて明日から頑張りましょう)


 マリーは心の中で思いながら、朧丸が泣き止むまでよしよしとあやし続けた。





 その頃、佳乃はすみれが着ているボロボロの服を見つめていて、服の破れや使えるかどうかを確認していた。


「どう?」


「完全に無理ね。袴もボロボロになっている以上、これは使えないわ」


「そうね。けど、そうなると思って変わりに用意した服があるから」


「へ!?いつの間に!?」


 すみれの笑顔に佳乃が驚いたその時、すみれはすぐにスピリアを起動して衣装の変更を始める。

 すると、すみれの服が光り輝き、新たな姿へと変化する。それは黒いチューブトップに黒い肘当て、青い袴と新しい桜の髪飾りを着用しているのだ。


「これがすみれの新たな衣装ね。青袴がとても似合うよ!」


 佳乃はすみれの服を見つめ、青袴の姿にグッドサインでウインクをする。


「ありがとう。いつもだったら赤袴なんだけど、本当は青が好きだからこの姿にしたの。これが私にとって似合う服なんじゃないかなって」


「うんうん!すみれは自分らしさが大事だよ。私も自分らしさを出す為にいつもオーバーオールを着ているし、この衣装になるといつでも元気いっぱいになるの!」


「うふふ。佳乃らしいね」


 すみれは笑顔で佳乃の頭を撫でたその時、彼女は朧丸の事を思い出す。


「そう言えば……朧丸、陛下を助けられなかった事を悔やんでいたけど、大丈夫かな……」


 すみれが朧丸の事を心配している中、佳乃は彼女の肩を叩く。


「大丈夫。朧丸は確かに悔やんでいるけど、彼は何事も前を向いて前進し、物事を成し遂げる為に頑張っている。今回の悔しさも力に変えて立ち向かおうとしているよ」


 佳乃は窓の外の方を向き、空に光る星空を見上げる。


「私も彼の影響で立ち向かう覚悟はできている。すみれ、この戦いも必ず勝つよ!」


「……うん!」


 佳乃の笑顔にすみれも強く頷き、ロベスピエール達を倒す事を強く決意した。





「えっ!?シルバリズムの四天王は入れ替え制なの!?」


 キララ達のいる部屋では、衝撃の事実に彼女達は驚きを隠せずにいた。


「うむ。シルバリズムの四天王は知っておるかも知れんが、四天王には入れ替え制という者があり、成果によって昇格や降格もあるという事じゃ」


「じゃあ、四天王の下は皆候補生という事なのですか?」


「その通り。これを見てみろ」


 マスターラビットはスピリアを起動してスクリーンを召喚。すると、映像にシルバリズムのメンバーの写真が映し出された。


「ルータスもいるわ!」


「ヘルバスもいますが、全員候補生ですか!?」


「左様。此奴等は全員候補生じゃが、四天王に近い6人、通称シルバ6が存在しておる」


「シルバ6……目茶苦茶強そうじゃないですか!」


 マスターラビットの説明にベトラは叫んでしまい、アリアン達も同意する。


「その中にはルータスは勿論、ヘルバスもシルバ6の一人として数えられている。わし等は彼と戦う事になるが、油断は禁物じゃ」


「ヘルバスがシルバ6の一人だなんて……考えただけでゾッとするわ……」


「けど、彼を倒さなければクエスト失敗だけでなく、陛下の無念、住民達の希望も無駄になってしまう。これは震えてる場合やあらへん。戦って勝つんや!」


 フレイヤがヘルバスの強さに背筋を震わせてゾっとする中、HARUKAは冷静に皆に喝を入れ、ナツミはすぐに自身の頬を両手で叩く。


「HARUKAさんの言う通りですね。陛下のいう通り、私達の手で終わらせましょう!」


 ナツミの覚悟の気合にボニー、キララ、詠春もお互いを見て頷き合う。


「ヘルバスを倒せばルータスを倒す自信もつけられるからね!」


「失敗は許されません!」


「ここで諦めたら孤児院の皆の無念を晴らす事ができないわ!」


 ボニー達が気合を入れる姿に、アリアン達も決意を固める。


「朧丸さんなんかに頼られる訳にはいかない。私達だって!」


「ジャコバンズは解散させないと!」


「そうね。私達ならなんだってできる!」


「私も最後まで諦めないから!」


(ふむ。どうやら大丈夫じゃな)


 アリアン達の気合にマスターラビットは微笑むが、エリザベートはスクリーンに映っている一人の男に視線を合わせていた。


「む?エリザベート、どうした?」


「あっ、マスター。この件については私も頑張るけど、あの女を見ると許されない気が強くて……」


 エリザベートが指差す方を見ると、それは一人の女性で、海賊の女性だ。


「ほう。シルバ6のペルミラか。彼女とは因縁があるのか?」


「ええ……私があなた達に出会う前、魔界で襲撃事件があったわ。その時の私はあの子と戦い……負けてしまった……」


 エリザベートは俯いてしまい、拳を強く握りしめる。


「でも、私はここで負けたくない!魔界を襲撃したのは許せないし、次こそ私の手で倒すと誓った!私はもう……負けたくない……」


 エリザベートは涙を流してしまい、詠春が優しく彼女の頭を撫でる。


「その様な事があったとは驚きました。ですが、私達も協力します!共に戦いましょう!」


「ええ。泣いている場合じゃないし、私もしっかりしないと!あなた達と共に戦うだけでなく、この世界を救うためにも!」


 エリザベートは涙を振り払い、笑顔で決意を固める。


「どうやら大丈夫の様じゃな。決戦は3日後、それまで各自準備を行う様に!」


「「「はい!」」」


 マスターラビットの指示にキララ達は強く応え、各自の部屋に戻り始める。


「取り敢えずは大丈夫の様じゃな。もしかすると……30年前の時と同じ感じがするかも知れんが、まだまだこれからじゃな」


 マスターラビットはキララ達の後ろ姿に頷いた後、一人で酒を飲み始めた。





「もう落ち着いた?」


「すいません。大丈夫です」


 朧丸がようやく泣き止み、マリーの服は涙の跡が残っているにも関わらず、彼女は彼を抱き寄せたまま頭を撫でていた。

 すると朧丸はマリーから離れて立ち上がり、自身の手を胸に当てる。


「今回の敗因は俺達にも責任がある。しかし、ここで負ける訳にはいかないし、戦いはまだ終わっていない。必ず奴等を倒してみせる!」


「その意気よ、朧丸!」


 朧丸の決意にマリーは笑顔で応え、すぐに彼に抱き着いた。


「マリーさん!?」


「まだまだスキンシップはこれから。今からマッサージをするから待っててね」


「この抱き寄せた状態で!?」


 朧丸が驚きを隠せないまま、マリーはベッドの上に仰向けに倒れ込み、彼の背中を押しまくる。


「私流のマッサージはとても効くから、そのまま動かないでね」


「この態勢は流石に勘弁してください。他の皆にバレたらどうするんですか!?」


 朧丸が慌てていたその時、佳乃達が部屋に入ってきた。


「あーっ!マリーさん、ズルい!私も参加するー!!」


「佳乃姉ちゃん!?」


 更に佳乃も朧丸に抱き着こうとするが、マリーが制してベッドから降りる。


「じゃあ、皆でスキンシップしましょう。お互い友好を深める為にもね」


「いいわね。皆でやりましょう!」


「パジャマはいつものアレね」


「アレ?」


 朧丸が首を傾げた直後、マリー達は一斉に部屋から出ていく。


「今の内にさっさと寝るか」


 朧丸が寝ようとするが、佳乃が彼を引き止めて抱き寄せる。


「寝かせないよ。今日は皆ここで寝るから」


「マジか!?」


「そうだよ。それに私達のパジャマは私と同じ白くて短いチューブトップと青いオーバーオールだけだからね。皆で楽しくスキンシップしましょう」


「勘弁してくれェェェェェ!!」


 その後、マリー達がパジャマに着替えながら駆け付けてスキンシップが始まったが、朧丸にとってはまさに地獄その物だった……彼の未来は今後どうなってしまうのか……

朧丸にとってはまさに地獄その物。果たして彼の今後はどうなるのやら……


次回は敵サイドに場面を変えてみたいと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] マリーさん優しいですね。スキンシップ羨ましい(^^) シルバ6から四天王になるってことは、シルバ6からルータスとヘルバス以外の二人が脱落する!? [一言] お誕生日おめでとうございます。
2024/01/24 12:00 退会済み
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