ジャコバンズの転生者
今回は転生者の一人との戦いです。ギャグ展開もありますのでどうぞご覧あれ。
ルイ16世と出会ってから翌日……朧丸達は群衆の中に紛れ込んで、処刑が始まる瞬間を待っていた。
「そろそろ来る筈だが……なんでマリーさんは処刑服で来ていたのですか?」
朧丸はマリーに視線を移すと、彼女はネグリジェとナイトキャップという姿で来ていて、彼は唖然としてしまう。しかも、生前彼女が処刑日に来ていた最後の服だ。
「この方が似合うかなと思って」
「その衣装を着てあの日やられた事は忘れませんよ。俺を抱き寄せて頭を撫でるなどの子供扱いしていましたし、更には寝る時に俺を胸の中に埋めて子守唄を歌っていましたからね。恥ずかしさ全開ですよ!」
「そうかしら?」
朧丸は恥ずかしさの怒りで横を向いてしまい、マリーは首を傾げる。
「その様な事があったのかい?」
ルイ16世は首を傾げながら朧丸に質問する。
「ええ。俺にとっては災難でした。俺は25なのに、勘弁してくださいよ……」
「よしよし」
朧丸は退屈座りで落ち込んでしまい、佳乃は苦笑いしながら彼の頭を撫でて慰め始める。
「まあまあ。今は任務に……来たぞ!」
ルイ16世が指差す方を見ると、シャルルが馬車に乗せながら姿を現し、サンソンが朧丸達に合図する。
(準備はいいですか?)
(大丈夫です!奴等の野望は終わらせます!)
朧丸達が身構えた直後、シャルルが馬車から降りて断頭台に上がる。
「今だ!」
サンソンの合図で朧丸達が一斉に飛び出し、彼等は兵士達を殴り倒してシャルルはマリーが救出した。
「へ?母様?」
「今は後。あなた!」
シャルルはポカンとしてしまうが、マリーは彼をルイ16世に手渡し、彼女は朧丸達と共に戦闘態勢に入る。
「私は部下、シャルルと共にその場から逃げる。後は頼むぞ」
「陛下もお気を付けて!」
ルイ16世はシャルル達と共にその場から逃げてしまい、朧丸達は戦闘態勢に入る。
「後はこの騒ぎで転生者達が来る筈だ。その前に……」
朧丸は周りを見ると、兵士達が銃を構えて狙いを定めようとしていた。
「それなら私達の番ね。」
「ええ。早速……」
「「カウンターバリア!」」
佳乃とアリアンがカウンターバリアを展開し、自身と仲間を守り通す。兵士達が発泡するが、カウンターバリアで額を撃ち抜かれてしまい、次々と倒れてしまう。
「我々では手に負えない!こうなるとヘルバス様達に……」
「そうはさせるか!」
「ガハッ!!」
兵士長がヘルバス達に通達しようとするが、すみれがナイフを構えて彼の首を切り裂き、血飛沫を飛び散らして倒した。
「極道を舐めるなよ、バカ共」
(あっ、口が悪くなった……)
すみれのドス入の声に、佳乃は苦笑いしながら心から思っていた。
「彼奴等、折角の革命を……」
「こうなったら俺達が倒すしか……」
ジャコバンズの党員達が次々に武器を取るが、その前にマリー達が動き出す。
「そうはさせないわ!ファイアーボール!」
「火矢!」
「波動弾!」
「フレイムナックル!」
「ラピッドファイア!」
「「「ぎゃあああああ!!」」
ジャコバンズの党員達もアリアン達の一斉攻撃を喰らってしまい、次々と倒れてしまう。
「分からないのか?お前等の行動は行き過ぎているんだよ。気持ちは分かるけどな……武力蜂起をすれば、最後はこの様な有り様になるんだよ……」
朧丸の怒りの睨みと警告に、ジャコバンズ党員達は震えが出てしまい、中には盛大にお漏らしまでしてしまう者もいた。
「もうこれ以上は無理だ!」
「逃げろー!!」
「革命なんてするんじゃなかった!」
「けど、生活はどうするんだよー!!」
兵士達、ジャコバンズ党員達はそのまま撤退してしまい、住民の一人が屋根の上を指差す。
「あれは一体?」
「もしや……」
屋根の上には一人の男が姿を現していて、肩にはカリバーンが背負われていて、金髪でピアスを付けている。
男はそのまま屋根の上から飛び降りて地面に着地。そのまま朧丸達に視線を移す。
「なるほど。お前達がスギヤマとクニシゲを倒したのか……仲間を殺した罪は重いぜ?」
「カリバーン……転生者だな」
「そうだ。俺はアシラ。シルバリズムからジャコバンズに派遣された転生者だ。覚悟しろ!」
アシラはカリバーンを構えて朧丸に襲い掛かるが、彼は回避してエクスカリバーを引き抜く。
「チッ!」
エクスカリバーとカリバーンがぶつかり合い、激しい火花を散らし始める。
「やるじゃねえか。なら、これならどうだ!」
カリバーンから炎が飛び出し、朧丸に炎の斬撃を与える。
「がっ!」
「朧丸!」
朧丸は後退してしまい、彼の身体に火傷を負ってしまう。
「リカバリー!」
アリアンはリカバリーを発動させ、朧丸の火傷を完治する事に成功した。
「助かった……にしても、これは手強いぜ……」
朧丸はアシラの強さに冷や汗を流している中、彼は再び攻撃を仕掛ける。
「こいつめ!」
朧丸はアシラの斬撃を次々と受け流し、そのままジャンプして振り下ろす態勢に入る。
「させるか!」
アシラはカリバーンでガードし、そのまま朧丸を後方に弾き飛ばした。
「俺を彼奴等と一緒にしてもらっては困るんだよ」
「なら、これで……」
朧丸は立ち上がったと同時にエクスカリバーを収め、手に赤いオーラを溜めながらアシラに襲い掛かる。
「殺人手刀は攻略済みだ!」
アシラはカリバーンから光弾を発射したが、朧丸はジャンプして回避する。
「今だ!」
「何!?」
するとボニーが銃を構えて発砲し、アシラの左肩に鉛の弾を撃ち込んだ。
「ぐおっ!!」
「今がチャンスだ!」
アシラが痛みでカリバーンを落とした直後、朧丸の空中での回し蹴りがアシラの後頭部に炸裂。彼はそのまま地面に片膝をついてしまう。
「俺達には仲間がいる。一人で来たのは間違いだったな」
「こ、こいつ……」
アシラはフラフラとカリバーンを拾おうとするが、キララが彼を蹴り飛ばしてしまう。
「悪いけど、そうはさせないわ!」
「おのれ……俺にはカリバーンがなくても……戦えるんだ……!!」
アシラがファイティングポーズを取って襲い掛かったその時、何処からかトンビが飛んできた。
「トンビ?」
「ロベリアにトンビなんかいたっけ?」
「いや、いない筈なのに……」
佳乃達がポカンとする中、トンビはアシラをそのまま掴んで飛んでいく。
「お、おい!?何するんだ!?」
「あっ、アシラが捕まった!」
フレイヤが叫んだその時、トンビは何処かに飛んでしまう。
「もしかすると、敵方なの!?」
「その可能性もあり得る。急いで追い掛けるぞ!」
朧丸達は危機感を感じ取り、急いでトンビの後を追いかけ始めた。
※
「離せ!何処に連れて行く気だ!?」
アシラが叫ぶ中、トンビは避難していたジャコバンズの党員達の真上に、アシラを落としてしまう。
「あっ、アシラ様!」
「いつつ……これは一体……」
アシラが頭を抑えた直後にトンビは去ってしまい、何処からか音がする。
「何だ?」
なんと電車が家を弾き飛ばしながら突撃してきて、そのままアシラとジャコバンズの党員達に襲い掛かる。
「嘘だろ!?まだ死にたく……」
「「「ぎゃあああああ!!」」」
アシラが叫んだ直後に電車は彼等を次々と轢き殺してしまい、何処かに行ってしまう。朧丸達が駆け付けてきた時には既にアシラは消滅していて、ジャコバンズの党員達の遺体が多く転がっていた。
「……ロベリアって、電車は線路じゃなくて地面を走るのか?」
「違うからね!そんなんじゃ無いから!」
朧丸は唖然としながらベトラの方を向き、彼女は☓サインをしながら必死で否定する。
「彼……運が悪かったかもね……」
佳乃が唖然としている中、朧丸が持っていたカリバーンが光り始め、粒子となってスピリアに入ってしまった。
「カリバーンも俺の特典となったけど、ジャコバンズの党員達まで巻き込まれるとは……」
「彼奴等も暴動しなければ、こんな運命にはならずに済んだのにな……」
住民の一人の呟きに、多くの住民達も頷く。
「彼等については葬式をするが、転生者が出てきたのは一人だったな。あと二人は出てこなかったが……」
サンソンが推測する中、朧丸がすぐにアシラの行動を察する。
「すぐに分かったぞ!アシラは俺達の足止めをしていたんだ!」
「という事は、私達は嵌められたという事なの!?」
朧丸の推測にマリー達は驚きを隠せず、サンソンも更に推測し始める。
「奴等の目的は陛下だとすれば……すぐに陛下の元へ向かってくれ!ここは私がなんとかする!」
「分かりました!すぐに向かいます!」
サンソンの合図に朧丸達は急いでスピリアを起動させ、空から出現した多くのボードにそれぞれ乗り込む。
「リリィが開発してくれたエアボード。これさえあればどんな場所でも飛んでいけるで!」
「ええ。けど、時間がありません!急がないと!」
「早く陛下の元へ向かいましょう!」
フレイヤの合図と同時に、彼女達はシャルルと共に逃げているルイ16世の元へと向かい出した。
※
同時刻、シャルワルザから離れた並木道では、ルイ16世がヘレネ、ヘルバス、ジャコバンズの党員達に囲まれていて、シャルルに至ってはジャコバンズの一人によって人質にされていて、部下達は全員殺されてしまった。
「まさか私がここまで追い込まれるとは……」
「さあ、陛下。真の裁きはこれからです。すぐに降伏を……」
「私はここで降伏するが、これで戦いは終わりではない」
ルイ16世は正々堂々前を向き、ジャコバンズの党員達の方を向く。
「私は自ら犯した罪は償わなければならない。だが、彼等はその志を受け継いでくれると信じている」
「志……ああ。アシラが足止めをしているみたいですが……まあ、いいでしょう」
ヘルバスはルイ16世の話に一部納得し、彼の降服を受け入れる事にした。
「一つだけ頼みがある。家族だけは助けてもらえてくれないか?」
「家族ですか……それもありにしましょう。そこの子供は家族の元に送ってくれ。傷付いたら分かっているな?」
「は、はい」
ヘルバスはジャコバンズの党員に対して指示を出し、彼等はシャルルを家族の元へ送り出した。
「さて、あなたはこちらへ。ヘレネ」
「ああ」
ヘレネはルイ16世と共にある場所へと移動し、残った党員の一人がヘルバスの元に移動する。
「でも、いいのですか?放っておけば大変な事になりますよ」
「いや、これは作戦の一つだ。既に策略は整っている」
「それってどういう……」
党員の一人が首を傾げていたその時、ヘルバスは彼にヒソヒソと話をする。その内容に党員は納得の表情をする。
「なるほど。では、手筈通りにやりましょう!」
「抜かりはない様にな」
「はっ!」
党員達はヘルバスの指示に従って動き出し、残った彼はスピリアを起動させ、ロベスピエールに連絡する。
「ロベスピエール、手筈は整った。作戦は分かっているな」
『言われなくてもそのつもりです。ですが、彼等が追ってくる際はいかが致しますか?』
ロベスピエールの質問にヘルバスはニヤリと笑う。
「それはヘレネにやらせてもらう。一度お前の元に手渡した後、すぐに待ち伏せしろと伝えている。後は奴等に対してヘレネがどれだけ時間を稼ぐかだが」
『なるほど。では、急いで準備を行うとしましょう』
「頼むぞ」
ヘルバスはすぐに連絡を終え、そのままスピリアで魔法陣を展開し、ヘレネの元へ転移したのだった。
電車は普通線路の上を渡りますが、シャンバラは異常な部分もあります。
次回は悲劇の展開が待ち受けています。




