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レッスルヒーローズ  作者: バルクルーバー
第二章 花咲くロベリアの革命
23/48

ロベリア国王との出会い

今回はロベリア国王との出会いですが、その正体はまさかの人物です!

 朧丸達はロベリアのとある場所に転移し、辺りを見回し始める。そこは、中世フランスをモチーフにした場所で、コンクリートの代わりに大理石が舗装されていた。


「凄いところやね。まるで本物のフランスに来たみたい」


 HARUKAがロベリアの外観にうっとりしそうになったその時、何処からか騒ぎ声が聞こえる。


「何かあったのかな?」


「どうやら革命騒ぎで誰かが処刑されようとしているわ。ここはシャルワルザでロベリアの首都よ」


「ロベリアの首都に転移したんやね。もしかするとこの騒ぎ声も……」


「嫌な予感しかしない。すぐに急ぎましょう!」


 ボニー達は不安な雲行きを感じながら、急ぎ足で騒ぎにあった方へと向かい出した。





 騒ぎの起きた場所では、多くの民衆がザワザワと待ち構えていて、その中央にはギロチンが設置されていた。


「ギロチン!?」


「どうやら処刑の始まりだ。カルミナ、処刑される人物は?」


「あそこよ」


 カルミナが指差す方を見た途端、遠くから馬車の音が聞こえる。するとそこには……一人の男が馬車に乗っているのが見えた。


「あれが処刑される人物ね……マリー?」


 エリザベートがマリーの方を見ると、彼女はガタガタ震えていて、国王の顔に驚きを隠せずにいた。


「あの顔……間違いないわ……生前の私の夫……ルイ16世よ……」


「「「ええっ!?」」」


 マリーの衝撃発言に佳乃達は驚きを隠せず、ルイ16世は馬車から降りる。


「さて、陛下。準備はいいですか?」


「ああ。覚悟はできている。この革命を起こしたのは私の力不足。さあ、処刑を始めてくれ」


「……私としてはあなたは生きるべきだと思います。しかし、刑を執行しなければ……」


 刑の執行人であるサンソンが俯いたその時、マリーが通行人をかき分けて最前列に移動していき、カルミナ達が慌てながら彼女を捕まえた。


「マリーさん、見つかりますよ!」


「放して!愛する人が処刑するのはもう見たくないの!」


「落ち着いてください、マリーさん!!」


「お気持ちは分かります!今は……」


 マリーが涙ながらに叫び、カルミナ達が落ち着かせる中、ルイ達がこの騒ぎに視線を移す。


「マリー?まさか!?」


 ルイ16世はすぐに騒ぎの起きた場所に向かい、泣き叫ぶマリーを見つける。


「放して……あ」


「マリー……ここで出会えるとは……」


「あなた……うああああ!!」


 マリーはルイ16世にしがみつきながら泣いてしまい、佳乃達も貰い泣きしてしまう。


「良かったですね……けど……」


 キララが辺りを見回すと、あっという間に彼女達は兵士達に囲まれた。


「ほらーっ!囲まれたじゃないですか!」


「御免なさい……我慢できなくて……」


「どう責任を取るつもりですか!?無茶苦茶過ぎるにも程がありますよ!」


「痛い痛い!!」


 ボニーはマリーの頭をグリグリしまくり、彼女は涙目で悲鳴を上げてしまう。


「こいつ等、ロベスピエール様の部下であるヘルバス様が言っていた奴等だ!」


「こいつ等を殺せば賞金が貰えると聞いたぞ!」


「ヘルバス……転生者の一人だな……」


 兵士達の会話に朧丸は冷静に対処し、すぐに手刀の態勢に入り、赤いオーラを纏い始める。


「さて……始めるか……」


 朧丸は忍者の速さを活かし、次々と彼らを囲む兵士達の首筋に手刀を当てまくる。


「凄い動きだ!噂には聞いたが、忍者は実在していたのか!」


 ルイ16世が朧丸の活躍に驚いてしまった直後、朧丸がルイ16世達の前に着地したと同時に指を鳴らす態勢に入る。


「終わりだ」


「「「ぐはっ!!」」」


 指を鳴らしたその時、兵士達は首から血飛沫を上げながら倒れてしまった。


「俺の仲間に手を出すのなら……誰であろうとも殺す」


 朧丸の怒りの睨みにジャコバンズの党員達はゾッとしてしまう。


「あの兵士達を倒すとは……」


「こいつ等……只者ではないぞ!!」


「敵に回したら厄介だ!」


「逃げろー!!」


 ジャコバンズ党員と兵士達は一斉に逃げ出し、残ったのは朧丸達、住民達、サンソンだけとなった。


「あれ?逃げないのですか?」


「いいや、アンタは兵士達を倒し、国王の処刑を阻止した!お見事だ!!」


 住民達から拍手が響き渡り、朧丸は照れ臭そうに頬を掻く。


「そんなに拍手されるほど大した事じゃないのにな……」


「いいや、君のやる事は見事だったよ」


 朧丸の呟きにサンソンが近付き、彼を称賛する。


「あなたは……シャルル=アンリ・サンソンですか?」


「その通りだ。今回の一件でロベスピエール達は黙ってはいられない。皆、僕の家に集まってくれ。陛下達も」


 サンソンの合図に朧丸達は頷き、彼等は広場から移動し始める。それを見た住民達も一斉に帰り始めた。





「何!?処刑を止められた!?」


 シャルワルザの王宮であるバナザード宮殿では、兵士達の報告にロベスピエールは驚きを隠せずにいた。


「はい!シャイニングウイングスの戦士達によってやられました!しかも、あの最強忍者である朧丸が、手刀で多くの兵士達を……」


「もう良い、下がれ!!」


 ロベスピエールの一喝に兵士達はその場から去る。


「なんて事だ……折角のチャンスなのに処刑を止められてしまうとは……」


 ロベスピエールが頭を抱えながら悩む中、ヘルバス率いる3人の転生者が駆け付ける。


「ロベスピエール。まさかの展開だったな」


「ええ……想定外でしたよ。あの忍者さえいなければ……」


 ロベスピエールはため息をつき、ヘルバスの隣にいる二人の転生者も話に参加する。


「へーっ、朧丸か。目茶苦茶強そうだな。カリバーンを持つ俺なら倒せるかだな」


「アシラ、落ち着け。戦うのは私も同じだ」


「ヘレネも同じ気持ちだな。で、ロベスピエールさん。今後はどうするつもりだ?」


「分かりません。だが、まさかマリー・アントワネットもこの世界に転生したのは好都合としか言えないでしょう」


 ロベスピエールの黒い笑みにヘルバス達も同意する。


「だろうな。彼等に関しては俺達に任せてくれ」


「彼奴等は必ず倒すからさ」


「私達の力で始末しましょう」


「では、お願いします!」


 ロベスピエールはヘルバス達に一礼し、彼等はその場から歩き去った。





 サンソンの家に着いた朧丸達は、とある部屋で彼からロベリアの状況を聞いていた。


「まず、ロベリアは君達も知っている通り、我々王族と貴族達の無駄遣いで経済的に破綻、陛下は責任を取って王位から降りて家族と共に幽閉された」


「転生してからいきなり王位を継がされたからね。その結果、再び同じ様な結末になってしまった。自らの力不足だよ……」


 ルイ16世は自らの不甲斐なさに俯いてしまい、マリーが彼の側に寄り添る。


「大丈夫よ。私が側にいるから」


「夫婦の絆はいいですね。けど、家族と聞きましたが……結婚したのですか?」


「ああ。子供が二人いるが、妻と子供は今頃どうしているのか分からない……」


 ナツミが微笑んでいた直後、彼女の質問に答えたルイ16世の解答に、マリーが思わず反応して彼に視線を移す。


「再婚していたの!?」


「黙っていてすまない。僕としてはマリーと再び幸せに暮らしたかったが、現実はそう簡単にはいかないみたいだ……」


 ルイ16世は俯きながらマリーに謝罪するが、彼女は首を横に振る。


「いいの。あなたが無事でいればそれでいいから……ね」


「マリー……何から何まですまないな……」


 マリーの笑顔にルイ16世は苦笑いし、朧丸達も微笑む。


「だが、陛下の家族の行方やロベスピエールをどうにかしない限りはこの問題は解決しませんね。それにヘルバス率いる3人の転生者も侮れません」


「アリアンの言う通りだ。転生者達に関しては君達なら倒せると確信している。お願いできるかい?」


「ええ。この件については任せてください。必ずロベスピエールの野望を終わらせます」


 朧丸は片膝をつきながら一礼し、マリー以外佳乃達も同じ動きをしていた。


「なら、頼んだよ。君達ならできると信じている。」


「「「はっ!」」」


 朧丸達が掛け声をした後、使用人が姿を現す。


「食事の時間です」


「すまないな。付いてきてくれ」


「では、お言葉に甘えて貰います」


 サンソンは朧丸達を連れて食事部屋へと向かい出し、ルイ16世は朧丸の姿を見てある事を考えていた。





 その夜、朧丸は窓側のテラスで、黄昏れながら夜空を見上げていた。


(今回の任務はそう簡単には終わらないと分かっているが、国の命運を賭けた戦いは緊張するな……)


 朧丸がそう思っていたその時、後ろからルイ16世が姿を現す。


「朧丸君、ちょっといいかい?」


「陛下、構いませんが……」


「ありがとう。少し君と話をしたかったのだよ」


 ルイ16世は朧丸の隣に移動し、彼に視線を移す。


「まずは私を助けてくれてありがとう。マリーと出会ってから関係はどうだい?」


「はい。彼女はとても優しくて皆の母親的存在です。いつも面倒を見てくれたり、悩みを相談してくれたり、俺達にとっては癒やしとなる存在です。ただ……」


「ただ?」


 朧丸は笑顔で説明するが、突如俯いた姿にルイ16世は首を傾げる。


「子供扱いは止めて欲しいですよ……頭を撫でたりしていましたからね。俺、25歳なのに……」


 朧丸は退屈座りで落ち込んでしまい、ルイ16世が彼を慰める。


「まあまあ。マリーは生前子供が二人いたからね。そうなってしまうのも無理ないと思うよ」


「そうですね……後は陛下の家族の行方ですが、彼女達は今、どうしているのか……」


 朧丸が気になる中、サンソンも通り掛かる。


「陛下、話をしているのですか?」


「ああ。後は家族の事についてだが、無事に過ごしているのか気になっている」


「今、部下に調査しているところですが……」


 すると、サンソンの部下が慌てながら駆け付けてきた。


「申し上げます!たった今、ブロワージュ塔から通信が入りましたが、ルイ・シャルル様がジャコバンズの連中に連れて行かれてしまいました!」


「何だと!?彼等はどうするつもりだ!?」


 部下からの報告にサンソンだけでなく、ルイ16世、朧丸も驚きを隠せずにいた。


「噂によれば……王の処刑が失敗した以上、その代わりとして後継ぎをギロチンに掛けるという事です!その処刑は……明日の朝に行われます!」


「明日の朝か……恐らく陛下を救出した事で、ロベスピエール達は本格的に動き出しました。それに関してはジャコバンズで反発する者達もいます」


 部課の話を聞いた朧丸の推測にサンソン達も同感する。


「確かにその通りだ。執行人は私である以上、彼等の好き勝手にはいかない。ロベスピエールは反発する者達もギロチンで処刑する残忍な人だからな」


「しかもシルバリズムがいる以上は油断ならない。転生者は3人と聞いたが、勝てるのかね?」


 ルイ16世の質問に朧丸は真剣に考える。


「勝てるかどうかより、シャルル皇太子を助ける事が優先となります。陛下の家族を助けた後、ロベスピエール達は俺達で倒しに向かいます!」


「なら、頼んだぞ。私は君達の事を信じている」


「必ずやご期待に応えてみせましょう。全ては明日の戦い!必ず奴等の野望を止めてみせる!!」


 朧丸は夜空を見上げながら、ロベスピエール達の野望を止める決意を固めたのだった。

ルイ16世と再会したマリーですが、この後どうなるかについてはネタバレになるので詳しくは言えません。


次回はロベスピエール達との戦いです!

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― 新着の感想 ―
[良い点] サンソンめちゃくちゃいい人でよかったです。 処刑を止められてよかった。 [一言] お話の作り込みがすごいですね。 話に引き込まれてしまいました。 フランス編めちゃくちゃ面白いです。 …
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