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レッスルヒーローズ  作者: バルクルーバー
第一章 異世界からの戦士達
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始まりのクエスト

今回は初めてのクエストですが、ヒロイン達が酷い目に遭います。

 職業適性検査を終えた朧丸達は、アリアン達の案内で神殿の入口前となるカウンターに来ていた。


「ここは冒険の準備をするカウンター!私達は冒険をする前に、いつもここで準備しています」


「そう言えば、アリアン達ってここで暮らしているの?」


「ええ。シャニス様から誘われてここに所属しているからね」


「それに、ここにいるのは私達だけじゃないから」


 カルミナが指差す方を見ると、黒い短髪のメイド、二人の女性オーガ、二人の女性の牛の亜人が姿を現す。


「あなた達が異世界から来た者達ね。私はカリン。クエストのカウンターを担当しているの」


「妹のカレン。お姉ちゃんと同じくクエストカウンター担当だよ」


「二人共、姉妹なんだ」


 カリンとカレンの自己紹介にすみれが驚く中、二人の女性オーガも前に出る。


「私はアイテムの商売担当のローズよ」


「私はリリィ。武器と防具の販売と改造、服の製作は私に任せて!」


 最後に一人のメイドが前に出る。


「私はアンジェ。皆の食事を作るわ。宜しくね」


「こちらこそ。けど、一人で大丈夫なのか?」


「心配無用!」


 アンジェが指を鳴らした途端、小さな猫達が立ちながら歩いてきた。


「凄い猫達の数!でも、この猫達を見るとゲームで見た事があるような……」


「彼等はフルールキャット。普通の猫達とは違って二足歩行で行動しており、人間と同じ行動を取るの。猫の習性もあるけどね」


「彼等は厨房、鍛冶場、作物栽培、服の製作、家畜の面倒見、クエストカウンターなどを担当しているの。中にはシャニス様の仕事を手伝っているわ」


「そういう事です」


 アンジェとカリンの説明に、フルールキャットの一人が相槌を打ちながら話す。


「うわっ、喋った!?」


 フルールキャットが喋った事に、佳乃達は驚いてしまう。


「この世界ではモンスターも喋るからね。まあ、異世界から来た人達が驚くのも無理ないからね」


「なるほど……最初のクエストはどうなっているんだ?」


 朧丸の質問にカリンがスピリアを起動させ、ウインドウを出現させる。すると、画面に最初のクエスト内容が書かれていた。


「最初のクエストは『スライム退治』。初心者の為のクエストだけど、スライムを甘く見てたら駄目だからね」


「どういう事だ?」


「実践してみてから分かるから……」


「「「?」」」


 朧丸の質問にカリン達は横を向きながら憂いの表情をしてしまい、彼等はその様子に疑問を感じていた。しかし、彼等は知らなかった。スライムを甘く見るとどうなるかを……





 朧丸達は指定されたクエストの場所であるグラスロードに転移し、スライムを探し始める。この場所は弱いモンスター達はいるが、甘く見ると酷い目に遭うので要注意と言えるだろう。


「スライムを甘く見ると痛い目に遭うのは分かったけど、それって普通に倒すしかないとの事なの?」


 ナツミの質問にアリアン達3人は首を横に振る。


「違うの。普通に倒す事も大事だけど……」


 アリアンが言い切ろうとしたその時、スライムがいきなり姿を現す。


「いきなり来るなんてね。だったら倒しに行かないと!」


「勿論そのつもりだ!」


 朧丸達は一斉に駆け出し、スライム達に襲い掛かる。


(使えるスキルは確認した。ここはこいつで!)


 朧丸はすぐに苦無を構え、スライムに狙いを定める。


「苦無乱れ投げ!」 


「ギャッ!」


「ウゴッ!」


 投げられた苦無はスライムに次々と当たり、そのまま風船のように破裂して素材と金貨になったのだ。


「モンスターを倒すと経験値、金貨、素材が手に入るのね」


「ええ。それにしても朧丸、スキルをいきなり使いこなすなんてやるじゃない」


「忍者の動きを見て勉強したからな」


 ベトラの感心に朧丸は笑顔で返す。


「私も朧丸に負けないわ!」


「彼ばかりに頼るのも良くないしね。はっ!」


「やっぱり僕等はやられ役〜!」


 すみれは万能番傘でスライムを切り裂き、佳乃はリングカタールを駆使しながら倒していく。それに続いてHARUKA、ナツミも打撃技を駆使し、スライムを多く倒す事に成功した。


「こんな物かな。で、スライムの恐ろしさについてだが……」


「ええ。今のは序の口。本番はここからよ!」


 カルミナの合図と同時に草むらからビッグスライムが出てきた。しかも、スライムの5倍以上の大きさだ。


「恐ろしさはこれなの?」


「違うわ。ビッグスライムはまだいいとしても、一番の恐ろしさは……」


 カルミナが言い切ろうとしたその時、スライムの一体が佳乃のオーバーオールの中に入ってきた。


「ひうっ!?何!?」


 佳乃がビクッと身体を震わせた直後、すみれ、HARUKA、ナツミの身体にもスライムがくっついてきた。


「ヒッ!?」


「な、何!?」


「恐ろしさってまさか!?」


 3人もビクッと震わせた直後、大量のスライムが姿を現す。しかし、ゲスな顔をしており、色はピンクだ。


「俺様が出現すると、変態スライムが出る仕組みになっているのさ。しかも、そいつ等は女性の服の中に入ってイタズラをしまくるんだよ!」


「スライムの恐ろしさというのはそう言う事なのか!」


 ビッグスライムの説明に朧丸が冷や汗を流す中、変態スライムはアリアン、カルミナ、ベトラにも襲い掛かり、彼女達の服の中に入っていく。


「止めて!ああっ!」


「だからスライムは嫌なのよ!」


「ベトベトはもう嫌なんだから!」


 更に変態スライムのイタズラはエスカレートし、集団で佳乃達にイタズラしまくる。そのお陰で彼女達の服も乱れ始めてしまった。


「ひゃうっ!そこは!」


「ひぐっ!助けて!」


「倒す方法はないの!?あっ!」


「倒すとしたら、あっ!ビッグスライムを、ん!倒すだけで……止めてェェェェェ!!」


「くすぐったくて動けないよ〜!」


「朧丸、ビッグスライムを倒して〜!」


「このままだともう駄目かも〜!」


 佳乃達は涙目になってしまい、朧丸はビッグスライムを前にして戦闘態勢に入る。


「お前一人で俺に立ち向かう気か?俺をただのスライムと思ったら大間違いだ!」


「それはやってみなければ分からないぜ!」


 朧丸はビッグスライムに駆け出し、忍者刀での強烈な斬撃で切り裂く事に成功する。


「やったか!?」


 しかし、ビッグスライムは元に戻ってしまい、傷も無くなってしまう。


「斬撃など無駄だ。ふん!」


「ガハッ!!」


 ビッグスライムのタックルで朧丸は跳ね飛ばされたが、すぐに宙回転をして着地する。


(斬撃は駄目か。今あるスキルは苦無、手裏剣、格闘術……格闘術!?もしかしたら……)


 すると朧丸はビッグスライムの背後に移動し、そのまま持ち上げようとする。


「ふん!俺を持ち上げても……はっ!?」


「嘘っ!?」


「あのビッグスライムを!?」


 なんと朧丸はビッグスライムを両手で持ち上げてしまい、ビッグスライムだけでなく、佳乃達も驚いてしまった。


「プロレスラーの基本は足腰!俺は継続してスクワットをしているからな!」


「何だと!?お前、一体何者なんだ!?」


「俺は忍者だが……ガチでプロレスラーを目指しているんだよ!!」


 朧丸はビッグスライムを投げ飛ばし、すかさず駆け出して刀を構える。


「冥府斬空!」


「バカなァァァァァァ!!」


 ビッグスライムは真っ二つに切り裂かれ、そのまま破裂して素材と金貨になって地面に落ちる。それと同時に変態スライムも次々と破裂し、素材と金貨になってしまった。


「大丈夫か!?」


 朧丸は佳乃達の元に駆け寄るが、彼女達はスライムの粘液まみれで涙を流していた。


「うぇ〜ん!!変なところ触られた〜!!」


「お嫁に行けないよ〜!!」


「ひぐっ……ふぐっ……」


「うう……こんな屈辱初めて……」


 佳乃達は泣いており、朧丸は彼女達を抱き寄せてそれぞれの頭を撫でる。


(やれやれ……俺は年下なのに年上の女性の面倒を見るとはな……)


 朧丸がため息をつく中、ベトラ達が立ち上がって彼に近づく。


「まさかビッグスライムを投げ飛ばすなんて……」


「普通初心者でも投げられないのに……」


「格闘術に投げ飛ばしがあったからな。それにレベルも上がったし」


 朧丸がスピリアを起動してステータスを見ると、レベル1からレベル3に上がっていた。


「凄いです!もしかしたら……朧丸さんはまだ見ぬ才能もあるのでは?」


「まだ分からないさ。それよりも粘液を落としておかないと」


「私に任せてください。クリーニング!」


 アリアンは杖を掲げて自身を含めた周囲に風を巻き起こす。すると粘液が次々と佳乃達の身体から剥がれていき、そのまま塵となって大空に舞い上がった。


「この技は服や身体の汚れを剥がし、自身と仲間を綺麗にする事が可能です。もう粘液もありませんよ」


「あっ、本当だ」


 佳乃達はようやく泣き止み、自身の身体の汚れがない事を確認する。


「うう……初めてのクエストで最悪な目に遭った……」


「というより、最初に教えてよ!」


「それに関しては悪いと思っているけど、何事も経験が大事だからね……私達もそれでやられたし」


 ナツミの訴えにカルミナは苦笑いしながら応える。


「カルミナ達もやられたんやね。けど、スライム以外にも他のモンスターもいるん?」


「勿論です!まだまだこの先には色んなモンスターもいるし、まずは簡単なクエストを進めてクリアするのみです!」


「転生者達との戦いに備えるにも、そうするしかないんやね」


 アリアンの説明にHARUKAは自らの現状を見て確認する。


「幸い私達もレベルが上がり、クエストクリア。今日は帰りましょう」


「そうね。この神殿には温泉もあるから、早く入ってゆっくりしましょう」


「本当!?行く行く!」


 佳乃達はすぐに転移を起動させて帰ろうとするが、朧丸は彼女達の様子を見て心配そうな表情をし、共にその場から神殿へと転移した。





 その夜、佳乃、すみれ、HARUKA、ナツミの四人は、用意されていた部屋で話をしていた。今回のクエストで朧丸が活躍したにも関わらず、自分達は変態スライムによって何もできずにいた。


「今回の件、スライムと思って侮っていた私達にも責任はあります。変態スライムに気付いていたら、この様な事にはならなかったのに……」


「ナツミちゃんの言う通りね。私なんか最初に変態スライムに触られてしまったし、今でもその感触がまだ残っているの……やっぱり私達って選ばれし者達じゃないのかな……」


 佳乃がお尻を抑えて涙目となり、すみれが彼女の頭を撫でる。


「そんな事ないよ。今回の失敗で挫けたら駄目。次のクエストで挽回すればいいだけだから」


「すみれ……」


「すみれちゃんの言う通り。ウチ等ならやればできるし、この悔しさをバネにして頑張るのみや」 


「HARUKAさん……そうですね」


 佳乃は涙を拭き、4人で円陣を組む。


「次のクエストで挽回あるのみ!明日も頑張りましょう!」


「「「おう!!」」」


 4人の気合は部屋中で響き渡り、その様子を朧丸は扉越しで聞いていた。


(心配かなと思ったけど、大丈夫だったな。俺も前へ進むとするか)


 朧丸は心の中でそう決意した後、その場から自分の部屋に戻り始めた。





 同時刻、町中にある居酒屋では一人の女性が店主と話をしていた。その女性は猫の獣人族で、ピンクのロングヘアをしていた。


「嬢ちゃん、こんな噂を知っているかい?異世界からの戦士達が30年ぶりにこの世界に降臨したんだよ。なんでも、シルバリズムを倒す為に召喚されたんだとよ」


「シルバリズムを倒す手がかりね……」


 女性はジュースを飲み干し、店主に代金を払う。


「いい情報をありがとね。代金置いておくから」


「おうよ。もしかすると嬢ちゃん、奴等に会いに行くのかい?」


「ええ。シルバリズムには恨みがあるからね。彼等を倒すまでは死ねないから!」


 女性は拳を握りしめながら店主の質問に答え、居酒屋を後にした。

最後に登場した新ヒロインは誰なのか。次回で明らかになるのでお楽しみに!


そして、メリー・クリスマス!!

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