異世界降臨
今回は異世界降臨です!最近ではAIイラストの作成にハマっています。
しかし、なろうにもイラスト挿入があればいいのですが……もしできるのなら教えてください。
では、スタート!
「う……」
龍二は目を開けた途端、すぐに自身の置かれている状況を確認する。彼は佳乃、すみれ、HARUKA、ナツミを抱き寄せており、今いる場所は両国国技館の中ではなく、石造りでできていた大きな建物の内部となっていた。
「ここは……神殿内部……」
「あれ?ここは一体……」
佳乃達もようやく目を開け、龍二から離れて辺りを見回し始める。四人とも、いきなり場所が変わっている事に驚きを隠せずにいた。
「ねえ、龍二……私達、もしかして……」
「どうやら俺達は異世界転移してしまったな……」
「「「ええ~っ!?」」」
龍二の推測に四人が驚くのも無理なかった。今まで日本にいた筈なのに、突然のハプニングで異世界転移されるのは予想外と言えるだろう。
「そんな!私達どうすればいいの!?」
「組の皆も心配しているし、不安しかないよ!」
「HARUKAさん、もう皆には会えないのでしょうか!?私、不安で……」
「不安なのはウチも同じなんよ!ここで死ぬなんて嫌や!」
四人がギャーギャー叫ぶ中、彼女達の前に一人の美しき女性が姿を現す。彼女はギリシャ神話の白い衣服を身に纏い、黄金の杖を持っている。
(凄い美人だ……)
龍二が見惚れていた直後、女性は彼等に一礼をする。
「皆さん、落ち着いてください。まずは貴方方をこの世界に呼び寄せてしまった事をお詫びします」
女性の謝罪の一礼に、佳乃達は騒ぐのを止めて彼女に視線を移す。
「貴女が私達を?」
「ええ。私の名はシャニス。この世界「シャンバラ」を収める女神の一人です」
「女神様!?その女神様が何故俺達を?」
シャニスの自己紹介に龍二達は驚きを隠せずにいたが、すぐに彼はシャニスに自分達を呼び寄せた事を質問する。するとシャニスは彼等に対して驚愕の行動を取り始めてしまう。
「お願いします!この世界を救ってください!」
「「「ええっ!?」」」
なんとシャニスは龍二達に対して土下座をしてしまい、この光景に彼等は驚いてしまう。いきなり女神が自分達に対して土下座をするのは予想外であり、普通ならこの様な事は有り得ないからだ。
「シャニス様、土下座しなくても大丈夫ですよ。何かあったのか聞かせてもらえますか?」
龍二は苦笑いしながらシャニスを落ち着かせ、彼女はすぐに立ち上がって一礼をする。
「すいません。まずはこの世界についての説明をしましょう。ジャンヌ、来て頂戴」
「ジャンヌ?」
ジャンヌという女性の名前にHARUKAが反応したその時、向こう側からジャンヌがコツコツと歩いてきた。
「あの……もしかして……ジャンヌ・ダルクさん……」
HARUKAの質問にジャンヌはコクリと頷く。
「ええ。私の名前はジャンヌ・ダルク。この世界に転生した者です」
ジャンヌが自己紹介をしたその時、HARUKAが目を輝かせながら彼女の手を取る。
「まさかここで会えるなんて感激です!ウチ、京都出身なんですが、京国のジャンヌ・ダルクと言われております!」
「HARUKAさんは男性のプロレス団体「ドリームバトルズ」の紅一点ですからね」
HARUKAの自己紹介にナツミが補足の説明をする。
「まさか私と同じ境遇の者がいたとは驚きました。私も会えて光栄です」
HARUKAの笑顔にジャンヌも笑顔になり、シャニスも微笑んでいた。
「では、改めて説明をしますので、まずはこちらを見てください」
ジャンヌが指を鳴らしたと同時にスクリーンが姿を現す。するとその画面にシャンバラの景色が映し出された。
「私達のいる世界『シャンバラ』では、多くの人が話題となっているファンタジー世界となっています。西洋ファンタジーが主ですが、東洋、近未来など何でもありますし、スマホや現代の食事もあります」
「現代世界もあるのなら、馴染みやすくなるわね。引っ越すのもありかも」
「本気なのかよ……」
佳乃の考えに龍二は唖然とした表情をする。
「かつては魔王軍との戦いがありましたが、勇者達の活躍で魔王軍と和解、お互いが共存しながら平和になったのです。しかし……あの愚か者共が来なければ……」
「愚か者共?」
ジャンヌが突然怒りで震え始め、すみれ達はキョトンとしながら首を傾げる。
「突如現れた屑転生者達です。彼等は手に入れた能力を使いこなしながら、略奪、襲撃、破壊、侵略活動を行い、更には彼等が結託して悪の組織「シルバリズム」を誕生させたのです!」
「悪の組織はアニメで見た事あるけど、まさか実在していたとは驚いたわ」
「私も想定外でしたけどね……」
HARUKAが唖然とした表情をしており、ナツミも思わず苦笑いをしてしまう。
「しかも、彼等は討伐に向かった魔王軍を蹴散らす程の実力を持っています。このまま放っておく訳には行かず、魔王軍の王と情報交換しながら対策を探した所、唯一の方法を見つけました!」
「それが、私達をこの世界に転移させたという事ですね」
佳乃の推測にジャンヌはコクリと頷く。
「その話を聞いた以上、放っておける訳にはいかないな。俺は勿論協力します!」
「「「!?」」」
龍二の決意にその場にいた者達全員が驚きを隠せずにいた。
「本気なの、龍二!?」
「ああ。これは遊びじゃない事ぐらい分かっている。元の世界に帰るまではこうするしかないからな」
龍二は冷静に佳乃の質問に答え、それを聞いた彼女はすぐに彼に近付く。
「龍二は困っている人は放っておけないし、私も世話焼きの性格があるからね。私も一緒に戦うから!」
「佳乃姉ちゃんならそう言うと思ったぜ」
「それを言うなら、お互い様でしょ?」
龍二の苦笑いに佳乃は満面の笑みで応え、それを見たすみれ達も決心する。
「私も戦うよ!佳乃ちゃんを放っておける訳にはいかないしね」
「ウチも戦う!この世界にプロレスの楽しさを伝えるのも面白そうやし」
「私も協力します!」
5人の決意にシャニスとジャンヌはお互い頷き合い、彼等に視線を移す。
「ありがとうございます。言い忘れましたが、屑転生者達はあなた達の世界にも向かっていこうと企んでいます。そこで、これを受け取ってください」
シャニスは龍二達に5つの銀色の腕時計を渡す。それは近未来製の腕時計だが、中にスマホと同じ機能が入っているのだ。
「これはスピリアという特殊な腕時計。ゲームと同じくスキル取得、道具の確認、魔法陣での移動もありますが、この世界と行き来も可能です!」
「良かった……戻れなくなるかと思ったらどうなる事やら……」
シャニスの説明に佳乃は安堵のため息をつく。
「そして、あちらの世界にもあなた達を転移させた理由を話さないといけないので、私達も同行します。ジャンヌ、そろそろ彼女達を呼んできて頂戴」
「はい。アリアン、ベトラ、カルミナ!来て頂戴!」
ジャンヌがアリアン達に呼びかけを始めたその時、何処からか盛大にコケる音がしたのだ。
「あ……またアリアンがコケたわね……あの娘、ドジっ子メイドなんだから……」
ジャンヌがアリアンのドジっぷりにため息をついた直後、アリアンを背負ったベトラとカルミナが姿を現す。
「大丈夫か!?」
「うう……痛い……あれ?もしかしてあなた達がシャニス様から呼ばれた人達なの?」
アリアンの質問に龍二は頷く。
「ああ。俺は近藤龍二」
「私は古川佳乃!」
「私は城山すみれ。宜しくね」
「私はHARUKA。リングネームではこの様な名前なの」
「私は澄川ナツミ!宜しくお願いします!」
龍二達の自己紹介が終わり、アリアンはベトラから降りる。
「私はアリアン。魔術、回復、召喚術を得意とするメイドファイターです」
「私はベトラ。ドワーフ族の戦士だよ。武器の錬金や製作は任せて!」
「私はカルミナ。ハーフエルフの弓矢使いよ」
「3人共、宜しくな」
「「「こちらこそ!」」」
龍二の笑顔に3人も笑顔で返す。
「では、彼等のいる世界に転移します。皆さん、私の周りに集まってください」
シャニスは皆を自身の周りに集め、そのまま魔法陣を展開する。
「転移開始!!」
その合図と同時にシャニス達は光りに包まれ、そのまま龍二達の世界に向かい出したのだった。
※
一方、両国国技館では突然の光景にざわつきは止まらなくなっており、試合は一時中断でその次の試合が終わった頃だった。
リング上ではこの団体の菱川太郎GMがHARUKA達が消えた事について話をしていた。
「この展開は我々にも予想外でして、警察にも相談しようと思います。しかし、こんな事ってありなのか私にも分かりませんが……」
菱川GMが言い切ろうとしたその時、いきなり魔法陣が展開されて龍二達が姿を現した。
「ええっ!?戻ってきた!?しかも、新たな人達まで来ているぞ!どういう事だ!?」
この光景に会場中がまたしてもざわつき始め、龍二は辺りを見回す。
「どうするんだよ、これ……」
龍二のため息にHARUKA達は苦笑いをするしかなく、騒動が収まったのはそれから数分後だった。
なお、この騒動はプロレス界に残る超常現象になったとかならなかったとか。
現実世界に戻ってきたのはいいけど、この先どうなる事やら……




