伝説の忍レスラー
プロレスファンのバルクルーバーです!
小説を始めてみましたので、宜しくお願いします!
とある廃墟の町並み……その中にボロボロの飲食店が建てられている。そこは強盗や悪人の客が立ち入る為、店員達は怯えながら働いていた。スキンヘッド、モヒカン、リーゼント、パンチパーマの奴等が殆どで、その数はなんと20人いる。
そんな中、青の外套を身に纏った一人の男が現れた。頭には富士笠を被っており、冷静とした様子を見せている。
彼は無言のまま席に座り、店員に声を掛ける。
「オムライス、オレンジジュース、アイスクリームを」
男が店員に対して注文をした直後、モヒカンの男の一人がズカズカと彼に近寄る。
「おいおい。ここは俺達の縄張りだぞ。誰に断って入って来てんだ?アン?」
モヒカンの男が外套の男をメンチを切りながら睨み付けていたその時、外套の男はすぐに彼の手首を掴む。
「アンタががそのつもりなら……俺は手加減はしない!」
すると、外套の男は外套と富士笠帽子を投げ捨て、真の姿を見せる。
その姿は黒の忍者装束、更には背中に忍者刀を背負っている。
「て、テメェは……何者だ!?」
「俺の名は朧丸!いざ、勝負!」
朧丸はモヒカン男の手首を掴んだまま、彼を背負投で投げ飛ばす。男はそのまま背中を床に叩きつけられ、あまりの衝撃で失神してしまった。
「こ、こいつ!やっちまえ!」
この光景を見た19人の男達が朧丸に襲い掛かるが、彼はジャンプで回避。さらに空中での回し蹴りで5人の顎に衝撃を与えて倒していく。
(こんな奴等じゃ、準備体操にもならない!)
朧丸はテーブルの上に着地した直後に駆け出し、クロスチョップでスキンヘッドの男の胸に当てて倒してしまう。さらにリーゼントの男に視線を移した後、手刀で彼のリーゼントの前部分をバッサリと切り裂いた。
「お、俺のリーゼントが!」
「こいつ、滅茶苦茶強いぞ!逃げろー!!」
生き残った13人は慌てながら店から飛び出し、バタバタと一目散に逃げてしまった。
「口ほどにもなかったな。それに……お前等が逃げても、最後は捕まるのがオチだ」
朧丸が呆れながら手を叩いた直後、店員の一人が彼に声を掛けてくる。
「ありがとうございます!なんとお礼を言ったらいいのやら……」
「気にしなくていいですよ。それに……残りの奴等は既に倒されていますから」
朧丸が微笑んでいたその時、店の外で音がした。
「彼奴等だな。これにて失礼します」
朧丸は店員に一例をした後、彼は外套と富士笠、荷物を持ちながら店を後にした。
※
「おっ!見事に倒されているな」
外に出た朧丸は倒れている男達に視線を移した後、その先にいる仲間達に目を移す。女子のモデルレスラー、保育士、ヤクザの娘、アイドルレスラー、ハーフエルフ、ドワーフ、犬と猫とウサギの亜人、竜人族、メイド、吸血鬼、二人の女子高生という14人の女性と一匹のウサギという組み合わせだ。
「もう、朧丸は行動が早すぎ!」
「追い掛けるのに必死だったんだから!」
「悪いな……カルミナ、ベトラ」
ハーフエルフのカルミナと、ドワーフのベトラに注意され、朧丸は苦笑いしながら彼女達に謝罪をする。
「それにしても、この辺りの悪党は全部倒しましたね」
アイドルレスラーの澄川ナツミは、モデルレスラーのHARUKA、保育士の古川佳乃と共に辺を見回しながら敵がいないか確認をしていた。
「口程にも無い連中なのは確かだと思うよ。にしても、ウチ等がこんなに強いんじゃ、敵も話にならないと思うけど?」
「HARUKAさんの言う通りですね。それよりも朧丸、残りの7人は?」
「もう既に始末し終えたぜ!」
佳乃の質問に朧丸が指差す方向を彼女に見せると、そこには丸坊主にされた7人の男達が縄で縛られながら気絶していた。しかも、太陽光によって頭がテカテカと光っている。
「仕事が早過ぎるね、朧丸……」
「大した事無いけどな。それよりも……倒さなければならない敵はまだいる!」
朧丸が指差す方を全員が一斉に見てみると、その先にはゴロツキ達がうじゃうじゃと姿を現し、ズンズンと彼等に接近してくる。
「数は大体500か……朧丸、やれる?」
「勿論。では、始めましょう!」
朧丸はすぐに総合格闘技の構えを取り、HARUKA達も彼の姿を見て後に続く。
「よし!戦闘開始!」
「「「了解!」」」
15人と一匹が一斉に飛び出し、ゴロツキとの戦いが幕を開けた……
「おい、近藤!」
「ん?」
突然の声に朧丸が反応したその時、一人の男がゴロツキの集団の中から姿を現してくる。その姿はサラリーマンスーツの中年男性だが、この姿に朧丸は背筋を伸ばしてしまう。
「ま、丸山部長!?」
「ばっかもーん!お前こんな所で何やっているんだァァァァァァァァ!!」
「ひえええええええええ!!」
丸山部長に怒鳴られた朧丸の叫びは、辺り一面に響き渡った……
時間がある時に投稿しますので不定期となりますが、どうぞ宜しくお願いします!