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Green Way 〜記憶を失って転生し、絶望を知る〜  作者: SS
1章 英雄の誕生編
42/49

39話 主人公 & 40話 明らかに不自然な会話

「お兄ちゃんただまー!」


 ・・・冒頭からただいま台詞とか、日常アニメの準メインキャラにでもなったつもりか?


「そんな親戚の子が来てやったぞーみたいなノリで来んなよ! お前の家は揺籠から墓場までここなの! OK?」


「揺籠は違う場所よ?」


「ほらほらお兄ちゃん、姪かなんかだと思って。可愛がるのだ!」


「居るー! こういう一定層から支持集めて人気投票5位ぐらい取っていくキャラ居るー! 大体は逆張りしかしないロリコンなんだよ!」


「キキョウ、うるさいわ」


「おかえりーっ!」


 ミゼが駆けつけてキュリアを抱きしめる。この前帰って来た時に殆ど会っていないのを、おそらく後悔していたんだろう。


「はぁ、こういう時にユズが『偏見酷くて草』とか言うんだよなぁ」


「だいぶ重症ね」


「考えてみ? 何をしているか分からないまま1ヶ月山の中だぜ? 考えれば考えるほど不安になる」


「なら山に突ればいいじゃない」


「そうなんだけど......! 誰だよ1ヶ月ならまあいいとか言ったやつ!」


 約束は破るためにある派の俺でも、ユズの言葉を無視して山に入る気にはならなかった。多分未だユズへの不信感が拭えていないからだ。


「違うだろ......! 強い敵が出てきてシリアスになるのは分かるけど! 味方がウンコでシリアスになるのはおかしいだろ!」


「キキョウが本当の意味でシリアスになっている姿が見えないわ。いや、良いことなのだけれど」


「キラキラメンタルばっちこい」


 俺はミゼからキュリアをもらい、ポンポンと投げる。スリル満点だ。


「ぎゃっ! うわっ! とぅわ!」


「あ、危ないよ」


「平気平気。あ、そうだキュリア。魔眼試しに付けてみたぜ」


「おっ?」


 というわけで、昨日キュリアに逃げられた後の出来事を話そう。


___________________________



「ようフィルク、ただいま」


「おかえりなさい」


「はぁ、今日も今日とて疲れた。ちょい休憩。15分後ぐらいに起こして」


「えぇ」


 俺は布団の上で横になった。昼寝みたいなもんだ。俺にはいつも好きなことに全力を尽くしたいという心情があるため、体力をリセットするためによくやる。

 あと仕組みは知らんが、寝ると魔力が少し速く回復するらしい。気分とかからの影響が強いみたいだ。


「アタシも少し横になろうかしら」


「フィルクは分身を消せばいいだろ」


「疲れたわけじゃないわ。少し考え事をしたいだけ」


 フィルクは横になると、俺の手を握って身を屈めた。それはまるで、甘えたい子供のようで.......


 ......発情期なのかな。


「キキョウ、今失礼なこと考えなかった?」


「なになに。甘えたいの。可愛いじゃないか」


「さっきキキョウの手を握らなかったら微妙に寂しそうな表情をしていたから、主人のために気を遣って居るのよ」


「ちょっ、別に寂しいなんて思ってねぇ! 変な勘違いするな!」


 まあ確かに違和感感じてはいたけど! 手を繋ぎたがるのは俺じゃなくてフィルクだ!


「これが『か、勘違いしないでよねっ!』ってやつね。初めて見たわ」


「やめろそれ。殺されてぇの?」


「ツンだわ」


「違う」


 唐突に萌え声を使い出したフィルク。き、キモい。けどちゃんと可愛いの笑う。


「もういい。おやすみ」


「おやすみなさい」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・疲れてはいるのに眠れない」


「じゃあ寝なければいいわ」


「まあそうなんだけどさ」


 眠らなくても疲れは癒えているか。俺は天井の木目を数え始めた。一定のテンポで吐息をする音が聞こえる。俺の手のひらを握る力が、少し弱くなる。

 あれ、もしかしてこれって添い寝? はじめての添い寝が昼寝でフィルクとってマジかよ。


「......寝ていやがる」


 あと15分で起こせっつったのに。あ、他の分身を近くに配置しているのか。マジで便利だな分身。

 俺はフィルクの頬を指で突く。冷たい。髪も触る。サラッサラだ。もういっかい頬を触る。ちょっとつねってみる。耳たぶを挟んでみた。髪をクルクルしてみよう。




「.......微妙に遊ばれていた感覚があるわ」


「自意識過剰」


 人差し指が少し乾いている。絶対やりすぎた。


「最近気付いてきたのだけれど、キキョウって...... ガキよね」


「子供心を忘れないだけだ」


「耳たぶを触るのは落ち着きのない子供がよくするらしいわ」


「......見ていたんだ」


「外の分身が魔法で視覚情報を集めていたわ」


 ユズが時々使っていたな。情報収集魔法。俺には繊細で難しかったやつ。伝言魔法は意思疎通魔法と似ているけど、情報収集魔法は千里眼魔法や拡大鏡魔法の類だ。

 流石最強を自称するだけある。リスク管理も徹底的だ。というか、俺はフィルクに隠れて何かすることはできないのか。きっつ。


「それって目を潰したらどうなるん?」


「使えなくなるわ。といっても、治癒魔法で回復したり、アタシの場合は物体生成魔法で自分の目を作ったりであまり意味ないけれど」


「なるほどな。仮に魔眼を潰しても、結局はすぐ回復したりするんか」


「キキョウみたいに壊れない魔眼を持っている相手が居たりもするし、目を潰すのは時間稼ぎや不意打ちの補助ぐらいにしかならないわ」


 目を潰すのは短期的には効果があるけど、長期的には大して変わらないということか。俺は光魔法で目を潰す〜とか好きなんだけどな。


「魔眼と言ったら、そろそろ付けて欲しいわ」


「あぁ、そうだな。ちょっと待って、洗う洗う。ポッケに入れっぱだったし」


「洗剤を使ったら楽しそう」


 フィルクのおぞましい意見は無視して、俺は水魔法で優しく洗った。ほこりは付いていない。


「よし、行くぜ。ワン、ツー、ワン、ツー、ゼロ!」


「......付いた?」


「あぁ...付いた......! 痛いけど......!」


 今度は右左の確認はバッチリだ。右につけている。俺は血が溢れる目をハンカチで覆って、治癒魔法で傷を塞ぎ、水魔法で洗い流した。

 痛みがおさまるまで約10秒経って、俺は目を開く。


 視界がボンヤリとしている。水が染みて、血が滲んで、空気に触れ、ちゃんと機能していないのだ。

 ......いや、違う。何かがおかしい。俺はフィルクの方を見た。濃さが違う大量の白いモヤが、フィルクを覆っている。フィルクの好奇心が隠しきれていない顔に、立体感がない。

 視界が少し明るい。この白色のモヤは、よく見たら『黒き罪への白き天罰』の時の魔力の色に似ている。罪を容赦なく裁いてくるような、身勝手な白色だ。


「ぐっ、ア゛!」


 俺は左目を潰した。これで、魔眼が捉えている視界がハッキリする。俺は気づいた。これが、このモヤを見ることが、『魔力を見る』ことだと。


 そして、魔力以外は見えないということを。


 魔力以外は完全に透明だった。白いモヤがフィルクの輪郭をなんとなく表していて、それがフィルクだとギリ認識することができた。

 空気中の色のない魔力が、見えるか見えないかという瀬戸際を渡りながら膜を作っていた。俺の緑色の右腕は、その膜が多数被さる上に立体感がない。半端なく見づらい。

 ここで1つ、空気が読めていないことを承知で、言わせてもらいたい。



「何だこれつっかえなっ!!!」



 弱い、弱すぎる。意味分からん。こんなん何の役に立つんだよ。普通の右目を使っていた方がよっぽど便利だわ。しかも付け替えるのもくそ面倒だし。要らねー。


「はぁ、よく分かんないけど使えなさそうね。ハズレを引いてほしくなかったわ.....。大方、ものすごく扱いづらい上に使い道もないと見たわ」


「正解。マジなんに使えるん?」


「ボタンみたいに視覚共有ができると分かりやすいのだけれど...... まあキキョウが言うなら相当使いづらいのは確実ね」


「どうすればいいってんだ」


「一応、アタシの自己認識や才能強化みたいに、単体ではあまり効果が無いけど、他の加護と組み合わせることで強さを発揮することもあるわ。特殊な能力をしているし、そうなることを願いましょう」


 まだフィルクの自己認識で完全に見た目同じ人形を作る方が強そうだけどな。俺のは加護を使うとむしろ勝てる勝負に負ける。

 いや、おかしいだろ。神様から能力を貰ったんだぜ? 異世界転移して初めてのだぜ? ぶっ壊れとかのレベルでもおかしくはないじゃん...... 一切使い道が思い浮かばないスキルとか...... おかしいじゃん......


「......」


「......魔眼、取り外す?」


「......うん」


 俺の魔眼は、早速涙に濡れていた。


___________________________



「キラキラメンタルばっちこい!」


「おい。この悲しい回想の後に掘り返すな。ってかキュリアのせいだぞ! もっと強い能力渡せよ!」


「キュリアのせいじゃないもん。何の能力が渡されるかは分かっても、強いも弱いも選べない」


「あぁ、もう!」


 俺のこの怒りは誰にぶつければいいんだろうか。ってか聞けば聞くほど加護のシステムが謎。渡すなら強い能力を渡せ。ガチャガチャじゃないんだぞ。


「私の布操作は便利だよっ。ありがとっ」


「どういたしまして」


「アタシの加護をくれた神様にも礼を言っといて欲しいわ」


「了解っ!」


 はあ、これは天上まで加護を貰い続けるしかないな。チートはまだまだお預けか。俺は大きなため息を吐いた。


「ちなみにキキョウ、勘違いしているかもしれないけれど、加護を貰ってもよっぽど相性が良くなければ2倍3倍も強くはなれないわよ?

 アタシだって、分身使っておけば死なないってだけで、本体だけの方が戦闘においては何倍も強いわ。同時に動かすのは難しいし」


「そこはほら、主人公補正ってやつで」


「主人公ならもっと考えて行動しなさい」


「最近の主人公なんて馬鹿ばっかだし。多分それよりは頭いいからセーフセーフ」


 経験も記憶もない一般高校生に、学力以上のものを求めないでくれ。こんな資材を手に入れるのも一苦労の異世界で、爆薬を量産しているだけでも、普通よりは頭使っているはず。


「そもそも、この異世界には何というか、物語的な意味でご都合展開がないんだよ! 一切ピンチに陥らないし、虫相手ぐらいしか叩き潰すことできないし。頭使うタイミングがない!」


「芋虫に殺されそうになったり、勝手に自爆したり、アタシを文字通り叩き潰したり、沢山あるじゃない」


「それは...... なんというか...... 違う」


「芋虫......?」


 クルメトがなんか勘付きそうだから芋虫やめい。最悪ユズの件もバレる。

 それは置いといて、もう少し俺のテンションを上げるようなイベントが起こって欲しいなぁ。フィルクも最初は良い感じに基地外な敵してたけど、途中から設定にあやかって遊びたいだけみたいになってたし。


「でも、あくまで勘だけど、いつか面白いことは起こると思うわ」


「いや、勘って。なんか根拠とかねぇの?」


「最悪、アタシが無理やり脅して誰か連れてきて、面白い展開にするわ」


「茶番劇じゃないか。やめなさい」


 フィルクなら割とマジでやりかねない。まあでもフィルクの勘とか当たりそうだし、悪魔倒す〜とかもあるし、とりま今は未来を信じてトレーニングし続けよう。

 ......あ、そういえば。


「お兄ちゃんただまー!」


・・・冒頭からただいま台詞とか、日常アニメの準メインキャラにでもなったつもりか?


「そんな親戚の子が来てやったぞーみたいなノリで来んなよ! お前の家は揺籠から墓場までここなの! OK?」


「揺籠は違う場所よ?」


「ほらほらお兄ちゃん、姪かなんかだと思って。可愛がるのだ!」


「居るー! こういう一定層から支持集めて人気投票5位ぐらい取っていくキャラ居るー! 大体は逆張りしかしないロリコンなんだよ!」


「キキョウ、うるさいわ」


「おかえりーっ!」


 ミゼが駆けつけてキュリアを抱きしめる。この前帰って来た時に殆ど会っていないのを、おそらく後悔していたんだろう。


「はぁ、こういう時にユズが『偏見酷くて草』とか言うんだよなぁ」


「だいぶ重症ね」


「考えてみ? 何をしているか分からないまま1ヶ月山の中だぜ? 考えれば考えるほど不安になる」


「なら山に突ればいいじゃない」


「そうなんだけど......! 誰だよ1ヶ月ならまあいいとか言ったやつ!」


 約束は破るためにある派の俺でも、ユズの言葉を無視して山に入る気にはならなかった。多分未だユズへの不信感が拭えていないからだ。


「違うだろ......! 強い敵が出てきてシリアスになるのは分かるけど! 味方がウンコでシリアスになるのはおかしいだろ!」


「キキョウが本当の意味でシリアスになっている姿が見えないわ。いや、良いことなのだけれど」


「キラキラメンタルばっちこい」


 俺はミゼからキュリアをもらい、ポンポンと投げる。スリル満点だ。


「ぎゃっ! うわっ! とぅわ!」


「あ、危ないよ」


「平気平気。あ、そうだキュリア。魔眼試しに付けてみたぜ」


「おっ?」


 というわけで、昨日キュリアに逃げられた後の出来事を話そう。


___________________________



「ようフィルク、ただいま」


「おかえりなさい」


「はぁ、今日も今日とて疲れた。ちょい休憩。15分後ぐらいに起こして」


「えぇ」


 俺は布団の上で横になった。昼寝みたいなもんだ。俺にはいつも好きなことに全力を尽くしたいという心情があるため、体力をリセットするためによくやる。

 あと仕組みは知らんが、寝ると魔力が少し速く回復するらしい。気分とかからの影響が強いみたいだ。


「アタシも少し横になろうかしら」


「フィルクは分身を消せばいいだろ」


「疲れたわけじゃないわ。少し考え事をしたいだけ」


 フィルクは横になると、俺の手を握って身を屈めた。それはまるで、甘えたい子供のようで.......


 ......発情期なのかな。


「キキョウ、今失礼なこと考えなかった?」


「なになに。甘えたいの。可愛いじゃないか」


「さっきキキョウの手を握らなかったら微妙に寂しそうな表情をしていたから、主人のために気を遣って居るのよ」


「ちょっ、別に寂しいなんて思ってねぇ! 変な勘違いするな!」


 まあ確かに違和感感じてはいたけど! 手を繋ぎたがるのは俺じゃなくてフィルクだ!


「これが『か、勘違いしないでよねっ!』ってやつね。初めて見たわ」


「やめろそれ。殺されてぇの?」


「ツンだわ」


「違う」


 唐突に萌え声を使い出したフィルク。き、キモい。けどちゃんと可愛いの笑う。


「もういい。おやすみ」


「おやすみなさい」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・疲れてはいるのに眠れない」


「じゃあ寝なければいいわ」


「まあそうなんだけどさ」


 眠らなくても疲れは癒えているか。俺は天井の木目を数え始めた。一定のテンポで吐息をする音が聞こえる。俺の手のひらを握る力が、少し弱くなる。

 あれ、もしかしてこれって添い寝? はじめての添い寝が昼寝でフィルクとってマジかよ。


「......寝ていやがる」


 あと15分で起こせっつったのに。あ、他の分身を近くに配置しているのか。マジで便利だな分身。

 俺はフィルクの頬を指で突く。冷たい。髪も触る。サラッサラだ。もういっかい頬を触る。ちょっとつねってみる。耳たぶを挟んでみた。髪をクルクルしてみよう。




「.......微妙に遊ばれていた感覚があるわ」


「自意識過剰」


 人差し指が少し乾いている。絶対やりすぎた。


「最近気付いてきたのだけれど、キキョウって...... ガキよね」


「子供心を忘れないだけだ」


「耳たぶを触るのは落ち着きのない子供がよくするらしいわ」


「......見ていたんだ」


「外の分身が魔法で視覚情報を集めていたわ」


 ユズが時々使っていたな。情報収集魔法。俺には繊細で難しかったやつ。伝言魔法は意思疎通魔法と似ているけど、情報収集魔法は千里眼魔法や拡大鏡魔法の類だ。

 流石最強を自称するだけある。リスク管理も徹底的だ。というか、俺はフィルクに隠れて何かすることはできないのか。きっつ。


「それって目を潰したらどうなるん?」


「使えなくなるわ。といっても、治癒魔法で回復したり、アタシの場合は物体生成魔法で自分の目を作ったりであまり意味ないけれど」


「なるほどな。仮に魔眼を潰しても、結局はすぐ回復したりするんか」


「キキョウみたいに壊れない魔眼を持っている相手が居たりもするし、目を潰すのは時間稼ぎや不意打ちの補助ぐらいにしかならないわ」


 目を潰すのは短期的には効果があるけど、長期的には大して変わらないということか。俺は光魔法で目を潰す〜とか好きなんだけどな。


「魔眼と言ったら、そろそろ付けて欲しいわ」


「あぁ、そうだな。ちょっと待って、洗う洗う。ポッケに入れっぱだったし」


「洗剤を使ったら楽しそう」


 フィルクのおぞましい意見は無視して、俺は水魔法で優しく洗った。ほこりは付いていない。


「よし、行くぜ。ワン、ツー、ワン、ツー、ゼロ!」


「......付いた?」


「あぁ...付いた......! 痛いけど......!」


 今度は右左の確認はバッチリだ。右につけている。俺は血が溢れる目をハンカチで覆って、治癒魔法で傷を塞ぎ、水魔法で洗い流した。

 痛みがおさまるまで約10秒経って、俺は目を開く。


 視界がボンヤリとしている。水が染みて、血が滲んで、空気に触れ、ちゃんと機能していないのだ。

 ......いや、違う。何かがおかしい。俺はフィルクの方を見た。濃さが違う大量の白いモヤが、フィルクを覆っている。フィルクの好奇心が隠しきれていない顔に、立体感がない。

 視界が少し明るい。この白色のモヤは、よく見たら『黒き罪への白き天罰』の時の魔力の色に似ている。罪を容赦なく裁いてくるような、身勝手な白色だ。


「ぐっ、ア゛!」


 俺は左目を潰した。これで、魔眼が捉えている視界がハッキリする。俺は気づいた。これが、このモヤを見ることが、『魔力を見る』ことだと。


 そして、魔力以外は見えないということを。


 魔力以外は完全に透明だった。白いモヤがフィルクの輪郭をなんとなく表していて、それがフィルクだとギリ認識することができた。

 空気中の色のない魔力が、見えるか見えないかという瀬戸際を渡りながら膜を作っていた。俺の緑色の右腕は、その膜が多数被さる上に立体感がない。半端なく見づらい。

 ここで1つ、空気が読めていないことを承知で、言わせてもらいたい。



「何だこれつっかえなっ!!!」



 弱い、弱すぎる。意味分からん。こんなん何の役に立つんだよ。普通の右目を使っていた方がよっぽど便利だわ。しかも付け替えるのもくそ面倒だし。要らねー。


「はぁ、よく分かんないけど使えなさそうね。ハズレを引いてほしくなかったわ.....。大方、ものすごく扱いづらい上に使い道もないと見たわ」


「正解。マジなんに使えるん?」


「ボタンみたいに視覚共有ができると分かりやすいのだけれど...... まあキキョウが言うなら相当使いづらいのは確実ね」


「どうすればいいってんだ」


「一応、アタシの自己認識や才能強化みたいに、単体ではあまり効果が無いけど、他の加護と組み合わせることで強さを発揮することもあるわ。特殊な能力をしているし、そうなることを願いましょう」


 まだフィルクの自己認識で完全に見た目同じ人形を作る方が強そうだけどな。俺のは加護を使うとむしろ勝てる勝負に負ける。

 いや、おかしいだろ。神様から能力を貰ったんだぜ? 異世界転移して初めてのだぜ? ぶっ壊れとかのレベルでもおかしくはないじゃん...... 一切使い道が思い浮かばないスキルとか...... おかしいじゃん......


「......」


「......魔眼、取り外す?」


「......うん」


 俺の魔眼は、早速涙に濡れていた。


___________________________



「キラキラメンタルばっちこい!」


「おい。この悲しい回想の後に掘り返すな。ってかキュリアのせいだぞ! もっと強い能力渡せよ!」


「キュリアのせいじゃないもん。何の能力が渡されるかは分かっても、強いも弱いも選べない」


「あぁ、もう!」


 俺のこの怒りは誰にぶつければいいんだろうか。ってか聞けば聞くほど加護のシステムが謎。渡すなら強い能力を渡せ。ガチャガチャじゃないんだぞ。


「私の布操作は便利だよっ。ありがとっ」


「どういたしまして」


「アタシの加護をくれた神様にも礼を言っといて欲しいわ」


「了解!」


 はあ、これは天上まで加護を貰い続けるしかないな。チートはまだまだお預けか。俺は大きなため息を吐いた。


「ちなみにキキョウ、勘違いしているかもしれないけれど、加護を貰ってもよっぽど相性が良くなければ2倍3倍も強くはなれないわよ?

 アタシだって、分身使っておけば死なないってだけで、本体だけの方が戦闘においては何倍も強いわ。同時に動かすのは難しいし」


「そこはほら、主人公補正ってやつで」


「主人公ならもっと考えて行動しなさい」


「最近の主人公なんて馬鹿ばっかだし。多分それよりは頭いいからセーフセーフ」


 経験も記憶もない一般高校生に、学力以上のものを求めないでくれ。こんな資材を手に入れるのも一苦労の異世界で、爆薬を量産しているだけでも、普通よりは頭使っているはず。


「そもそも、この異世界には何というか、物語的な意味でご都合展開がないんだよ! 一切ピンチに陥らないし、虫相手ぐらいしか叩き潰すことできないし。頭使うタイミングがない!」


「芋虫に殺されそうになったり、勝手に自爆したり、アタシを文字通り叩き潰したり、沢山あるじゃない」


「それは...... なんというか...... 違う」


「芋虫......?」


 クルメトがなんか勘付きそうだから芋虫やめい。最悪ユズの件もバレる。

 それは置いといて、もう少し俺のテンションを上げるようなイベントが起こって欲しいなぁ。フィルクも最初は良い感じに基地外な敵してたけど、途中から設定にあやかって遊びたいだけみたいになってたし。


「でも、あくまで勘だけど、いつか面白いことは起こると思うわ」


「いや、勘って。なんか根拠とかねぇの?」


「最悪、アタシが無理やり脅して誰か連れてきて、面白い展開にするわ」


「茶番劇じゃないか。やめなさい」


 フィルクなら割とマジでやりかねない。まあでもフィルクの勘とか当たりそうだし、悪魔倒す〜とかもあるし、とりま今は未来を信じてトレーニングし続けよう。

 .......あ、そういえば。


「なぁ、キュリア。俺も、神界かなんか知らんけど、行けない? 神様から直接加護もらって、敵がいそうな星をぶっ壊してくる」


「行けないっ。そういう風にできているの!」


「そういう風にできているなら仕方ないわ」


「そうご都合展開はないか。ちくしょう」


 適当だが、なんか納得できる。なんかそういうもんな気がする。......ん?


「あれ、どういう風にできてんのか知らんけど、キュリアは俺が神界に行けないのと同じ理由で、神界に帰れないのか?」


 あまりイメージできてないからボカしていたキュリアと転移の関係。俺は正直よく分かっていない。

 キュリアは転移したことを自覚していて、転移の神様はキュリアが神界に居ないと言っていて、昨日一昨日はどこ行っていたのか結局分かってなくて......

 俺は興味のない内容は右耳から左耳へとスルーパスする人間だ。ただ、これはキュリアがどんぐらいの期間ここに居座るかという大切な問いだから、きちんと聞いておきたい。


 そんな、興味のない内容でもキュリアのためにしっかりと聞こうとする、キキョウの小さな努力。しかし残念ながら、それは裏目に出た。



「キュリア、普通に帰れるよ?」



 ......えっ。


「そ、そうなん......?」



「うんっ。むしろ、キュリアは神様だから忙しいんだっ。そろそろ、寂しいけど、帰らないと......」



「え...... ん......?」


 本当? やばい、記憶が途切れ途切れだ。なんか前に帰れないみたいなこと言ってたりしない? でもなんだかんだほとんど話していないからなぁ......

 えっ、どんな言葉使えばいいんだろう。えっ。困惑して頭まっしろ。


「・・・・・・」


「おーい、起きている?」


「ああ、起きてる起きてる。そうだよな。神様だし、忙しいよな」


「親が見てくれるならそれが1番だよ。もしかしたら、転移の仕組みも分かるかもしれないし、そしたらここに遊びに来てもらうことだってできるしね。キュリア、迎えは何日後?」


「たしかにっ!」


 なんかクルメトとミゼが全然動揺していないなぁ思ったけどそういうことかよ。微妙にずれているんよ。

 よく見たらミゼもクルメトもニッコニコじゃねぇか。たしかに転移は親と離れるからあんまし良いことじゃないけど......


「ま、まあ、たしかにいつか遊びに来てもらえればいいか」


「......」


「何? フィルク」


「......大丈夫? 既に顔青いけれど」


「......流石にな?」


 ユズの件とは違って、安全が保障されているし、離れる理由も納得できる。それに、まだ出会って1週間も経っていないんだ。


「それで、いつ帰るのっ?」


「いつにしようかなぁ」


「.....っ!」


「これは駄目そうね」


 できるだけ引き延ばして欲しいけど...... それはそれで後々のダメージが増えそう。やっぱここに引っ越してもらうか...... プレゼンの資料を作らないとだ。


「ねえねえお兄ちゃん、来て!」


「あ、あぁ」


「お姉ちゃんはダメ! お兄ちゃんだけ!」


「......ふーん」


 さらっと付いていこうとしたフィルクを、キュリアが静止する。フィルクには聞かれたくないようだ。

 しかし、フィルクには意外にもキュリア様の言いつけを守る気はなかった。少しの葛藤が見える。フィルクの中で俺の勝ちが高くなっている証拠だ。良い傾向だ。


「あ、付いてくる気だっ! いいもん、ケニエに言いつけてやるもん!」


「ごめんなさいそれはやめて!」


「おい」


 冷静さを分かりやすく崩し、早口で即答。

 キュリア様<俺<<<<<ケニエ様だった。


「私たちはここで待っているよ。行ってらっしゃい」


「へい、行ってきます」


「行ってきます!」


 キュリアは、家を出ると、フィルクを警戒しながら歩き出す。だいぶ慎重だ。俺の無意識魔力センサーによると、フィルクの目線はない。おそらく居ないと見ていいだろう。


「よし、ここなら大丈夫そう!」


 そう言って着いたのは、タイカルの家とクルメト院中間ぐらいの位置の、山の麓。今は大工さん達が何しているのかは知らんが、少なくとも目立つ場所ではない。話の邪魔は起きなさそうだ。

 キュリアは俺の方を向いて、物体生成魔法で椅子を作って、座った。俺の分は用意されていない。いや作れや。


「お兄ちゃん、キュリアに聞きたいことがいっぱいあるでしょ?」


 そう言って話し始めるキュリア。椅子の件を追求したいが、まあダルいし相手は子供だし今は許してやろう。俺は仕方なく空気椅子状態で話を聞いた。


「うん、もちろん」


 それよりも、興味深い内容だった。フィルクを離したし、ついにキュリアから情報を伝えてくれるのだろうか。


「でも、キュリアに答える気はないんだ。あんまり考えても分からないと思うよ? 結構複雑だし」


 残念、答える気はないらしい。ならなんで俺を呼び出したのか、それを今から話してくれるのだろう。

 というか、暗いのもあって、少しキュリアが大人っぽく見える。大人っぽいというのは、見た目の話ではなく、喋り方や表情、姿勢。すなわち態度のことだ。


「でね、キュリア、冗談じゃなくて本当に帰るつもりなんだ。なんなら今から」


「今...... っていうのは?」


「この話が終わったら、もしくは終わらせたらかなっ」


 よくよく聞いたら、台詞もいつもと少し違う。なんというか、修飾語が多いというか、単刀直入っぽさが無いんだ。話が理解できるよう気を遣ってくれているのだろうか。


「でさでさ、本題なんだけど、お兄ちゃん、今自分に嘘ついてない?」


「......? 俺が?」


 欲望に正直な俺がそんなことを言われるとは、意外だ。


「まあキュリアがそんな状態を作っちゃった感じはあるんだけどね。よく分かんないけど、急に虚偽を感じたんだっ」


「虚偽って...... 具体的には?」


「お兄ちゃんが自分にどんな嘘ついているかなんだから、キュリアに分かるわけないじゃん」


「それもそうか」


 しかし、全くの心当たりがない。クルメトに〜とか、タイカルに〜とかなら、嘘をついているとも言えるのだろうが、自分に対してはさっぱり分からない。


「うーん......?」


「あれ、本当に分からないの?」


「あぁ、さっぱり」


「まあなら良いんだけど......」


 キュリアが不可解とでも言うような面持ちで俺を見る。あざとく首を傾げても、残念ながら分からないです。俺も首を傾けた。


「嘘はついていない......」


「めっちゃ疑うじゃん。なんかあった? 鬱病?」


「いつもこんなんだよーっと、子供なんだししっかりと愛情を感じないとね」


「つまり病んだアピールと」


「違う」


 言い方が悪いが、本性みたいなものか。まあまあ。十分可愛らしいで収まるレベル。むしろ裏表を感じなくていいからこっちの方が楽だわ。 クルメト達が居ないからかどうかは知らんけど、心を開いてもらえたみたいなもんだしな。

 ってか、俺もまだ爆発魔ってことは教えてないから、人のこと言えない。


「へぇ、お兄ちゃん、驚かないんだ!」


「魔眼外れた時に驚きまくったしな。この程度じゃ別に」


 考えてみれば、この前のキュリアが魔眼を外した時、いくらなんでも俺驚きすぎだよな。たしかに頭おかしいけど、フィルクがやっていても「片目外れてるワロタw」ぐらいにしか思わないし。


「嘘とか、嫌いじゃないの?」


「俺がつく嘘は好きだけど、他人がつく嘘は嫌いかなぁ」


「性格悪くない!? でもそれなら、なおさら不思議だよ。なんでなの?」


「なんでもなにも...... まだ出会って何日か程度じゃん? 別に何か隠していてもなんら不思議はない」


 となると、キュリアの魔眼が外れた件に関しては、俺の固定観念が相当強かったということか。いや、でも......

 フィルクが出会って即死→なんか死んだキモっ

 ユズが人面蜘蛛を潰す→おいおいマジかよ、引く......

等に比べて、それ以上に、もっと明らかに何かが違った気がする。


「うーん...... 分からんなぁ。足がプルプルしてきた」


「......なんで空気椅子なの?」


「何でだと思う?」


「キュリアが椅子を作らなかったからとでも言いたいの? お兄ちゃんだって魔法で作れんじゃん!」


「早まるなよ。ただの筋トレ」


「きも!」


 ど直球に貶された。でもそれでもあと3分は耐えたくなる筋トレ魂。


「足プルプルされると話に集中できない......」


「さっきまで普通に話してたやんけ」


「一度視界に入れるともう無理」


「仕方ないな、ういっと」


 俺はキュリアを持ち上げようと両手を伸ばす。バシッと叩き返された。


「なになに!?」


「え、視界に入れないよう膝に乗っけよっかなって」


「空気椅子を止めるという選択肢はないの?」


「筋トレも大事だけど、一番大事なのは根性だ。途中で投げ捨てるようなやつに筋肉は寄り添ってくれない (キリッ)」


「名言!」


 俺はキュリアを再び持ち上げようとした。そして、キュリアの少し前でその手は止まる。結界だ。


「そんな嫌?」


「8割がた」


「だいぶだな」


 8割がた嫌らしい。残念だ。俺は魔法で椅子を用意して座った。筋肉は俺を嫌いになるかもしれない。


「でもなー、嘘つかせたいなー。もっと嘘つかないかなぁ」


「俺はキュリアのことを信頼しているよ。好きだよ」


「それは本音だね分かる〜」


「都合のいい頭だな」


 仕方なく自分の椅子を作り、座る。キュリアはゴチャゴチャとしてしまった空気を戻すように、急に自分の目を突いた。


「......!? キチガイすぎだろ!」


「お兄ちゃんもだけどね。自覚ある?」


「変人だという自覚はある。はい、両目潰されても嫌だし、真面目な話しようか」


「偉い偉い、そうしよそうしよ!」


 俺はため息をついた。展開が意味不すぎてついて行けない。


「じゃあさ、お兄ちゃん、神についてどう思っている?」


「・・・・・・変人が多そうだなぁと」


「うん、キュリアを見てそれを言うのは止めて欲しいなっ」


 キュリアの教育に失敗した人たちで、しかもそのうち1人はフィルクが慕う人だ。頭おかしくないはずがない。


「でも、なんかすごそうとも思っているぜ。仲良くなりたい」


「よかった! それでねそれでね! キュリアはもうすぐ帰るんだけど、お兄ちゃんももしかしたら神界に来れるかもしれないんだ!」


「ほう、キュリアと一緒にってことか?」


「ううん。あくまで予想だけど、お兄ちゃんの行動次第ではね、ほかの神が直々に出迎えてくれると思う! それこそケニエとか!」


「へぇ、なるほど。いいなそれ!」


 色んな神様に出会えて、さらに加護もいっぱいもらえるかもしれない。好奇心が刺激される。


「キュリアもお兄ちゃん達には来て欲しい! だから、そのために、まずはお姉ちゃんみたいな天使がいる天界に行って。お姉ちゃんに頼み込めば多分行けると思う」


「ほうほう? あ、フィルクも天界から来たもんな。戻る時に一緒に連れて行って貰えばいいのか」


「それで、まあ...... あとはなんとかよろしく!」


「いやいや適当すぎだろ。もう少しなんかねぇの?」


「分かんないもん!!」


 逆ギレされたし。まあでも、天界に行くのだけでも楽しそうだし、この村に戻れるのならデメリットはないからいっか。今度フィルクに聞いてみよう。


「あはは、ごめんなごめんな。助かったぜ」


 一旦あやしつつ......


「これで話は終わり?」


「うん」


「じゃあこっちから。キュリアはいつ帰るんだ? いつかまた会えるとは思っているけど、どうせならパーティでも......」


「衝撃波魔法!」


「いったぁ!」


 身体が椅子ごと吹っ飛ばされる。受け身を取ったから問題はないものの、キュリアの方を見ると......

 キュリアの椅子だけが、残されていた。


「おい、キュリア!? どこ行った!?」


 ......待て。この椅子は魔法で作ったもの。土などを固めたわけではない。となれば、維持するのにも、魔力が必要だ。そして遠くなれば、魔力の消費も増える。じゃあキュリアはまだ近くにいる?

 とはいえ、たかが椅子1つ、遠くても維持するのに必要な魔力は少ないか。あまり根拠にはならないな。というか、よく考えたら魔力の供給をやめても、一瞬で結びつきがなくなるというわけではない。ちくしょう、的外れなこと考えていた。


 ......なんで俺は、キュリアが遠くにいる可能性を考えたんだ?


 普通なら、キュリアがまだ近くにいることなんて考えるまでもないだろう。異世界転移やら加護やら非現実的なことなんて幾らでもあったから、間違った思考ではない。とはいえ、そんな早く非現実的なことに順応できるか?


「......あぁ、分かった。精神魔法か」


 キュリアが魔眼を外した時に驚きまくっていたのも、そういうカラクリだったか。完全に頭から抜けていた。

 ってか、やっちまった。


「もう、無理そうだな......」


 俺はキュリアを完全に見逃した。

 このあとに1時間山を探したが、キュリアは見つからなかった。


_____________________________



「あむ」


「57、58、59、2分......!」


 俺の上で優雅にティータイムをしているフィルクを、体幹が終わったので寝返りで。吹っ飛ばす。フィルクは器用にお茶とお菓子を落とさず持ったまま、俺に話しかけた。


「あと30秒」


「キッツ。ってかたった2分でティータイム始めるなよ」


「美味しかったわ」


「あむ。あ、たしかに美味い」


 俺はミゼが作った可愛いクッキーを食べながら、30秒追加でやる。フィルクがまた上に乗ってきそうだったから、片足を上げて顔面を蹴り飛ばした。


「段々と扱い酷くなってないかしら?」


「赤くすらなってないだろ。誤差誤差」


「まあいいけれど......」


 いいのか。ああいや、俺のストレス発散になっていることを自覚しているのか。ここ3日間ずっと落ち込んでたからな。俺がぶん殴るほどの元気を見せたから、安心しているのだろう。


「ありがとな」


「DVね」


 体幹が終わり少し休ませてスクワットに移ろうかと思っていた時、ドアが勢いよく開いた。このスピード、クルメトか。


「キキョウ、キキョウ!」


「どうした?」「どうしたの?」


「家が完成したらしいよ!」


 と、いうことらしい。

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