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第十六話 ベアトリーチェ 4

内心でカズヤの返答に納得しつつ、まじまじとユズルくんを見下ろした。


う〜ん、言われてみれば、確かに女の子に見えなくもない。


まだどちらになるか決まる前のような中性的な顔立ちと、あちこち発展途上中の体つき。


起きている時には疑いすら持たなかったが、こうして静かに眠っている所を見ていると、確かになー、と思えて来る。


日焼けを避けた白皙の瞼は閉じられ、女性らしい長い睫毛の先が時折眠りに揺れる。


片手で体の具合を確認しつつ、もう片方の手で砂に汚れた頬を撫でた。



「んがぅ」



起きることを厭うように、男女より獣っぽく吠えながら身じろぎする少女に声をかける。



「まだ、寝てていいよ」



ポケットから親指サイズの薬瓶を取り出し、カズヤの手を借りて体を起こそうとすると苦しげな表情で彼女の口が小さく開いた。



「……あと五分だけ、まだなにも思い付いてな……」



意味の分からないことを言われる。


すぅと呼気が漏れ、指先一つで引っ掛かっていたものが、眠りの底へと落ちていく。


規則的な寝息が聞こえだした所で、改めて、瓶の蓋を開けた。


カズヤが上体を支えてくれ、紫色の液体を口から流し込む。



「それは?」

「魔法薬、所謂万能薬かな。これは体内の治癒力を高める薬液で、痛み止めと解熱の効果もある自慢の一品」



強すぎる薬は、病因だけでなく健康な身体まで攻撃して傷つけてしまうことがある。


そこで、悪い部分にだけ効果が働くよう指向性を持たせるのが魔法の役割の一つだ。


他に、組み合わせによってはお互いの効果を打ち消し合ってしまうような薬の調合を行う際にも使ったり。


例えばこれら二つの技術のハイブリットによって、複数の効果をもった薬なんかがこれまでより容易に作れるようになった。


効果自体も格段に上がったし。



「なにより飲みやすいベリー風味」



薬嫌いのお子さんを持つお母さんも安心の作りだ。


コクりと喉が動いて、薬を飲み下すのを確認していると、横から上着が差し出された。



「顔色が良くないな」



そりゃあれだけ魔法を喰らえばね。


上着を受け取り、枕にしてユズルくんを横たえつつ、ベルの方を振り返る。



「何時から気がついてた?」

「なにが?」

「ユズルくんの事」

「え?」



驚きの声を上げるカズヤをちらりと一瞥する。



「変だとは思ってたんだよ。さっきからこの子の事やけに心配してたりさぁ……そう言えば魔法の説明の時もやけに親切だったしね」

「女性に親切にするのは貴族として当然の行いだ」

「その割に不意打ちとかしてきたけど」

「……」

「あの、いつから気がついてたんですか?」



都合の悪い事から目を背ける貴族にカズヤが尋ねる。



「だからなにがだ?」

「ゆずるが男じゃないって」

「そんなのここに来た時からに決まってるじゃないか」



なんでもないように。


血の一滴まで染み込んだ、教育の賜物だろう。


聞き及んだ所によると、ベルのお姉さんが相当変わった人物らしく、その偏った教育が今の彼女の性格を形成したらしい。



「分からない方がおかしい」


そう言い放った彼女は、どこまでも男らしかった。

表現や描写不足は、後日書き加えたいと思っております。

読みづらい構成になってますが、お付き合いいただけると嬉しいです。

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