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投下目標、ワルシャワ

 ヒムラ―が到着し、作戦を説明し始めた。


 「お聞きのとおり、わが武装親衛隊は世界初の核兵器の開発に成功しました。今後の作戦としては、現在保有中の航空機搭載型核兵器6発を一挙に戦線に投入します。


 5発をソ連兵の頭上に投下します。このことにより、東に展開するソ連兵を滅ぼし、国土の奪還を目指します。そして一発をフランスに展開するアメリカ兵に投下。これで我が国が核兵器を保有することを認識させ、一時的に彼らと停戦する予定です。


 米・英・仏との停戦が実現すれば、全軍をソ連へ向けることができます。


 原爆の投下予定地は、ポーランドのスレチン、ゴジュフイエルゴボンスキ、ジェピン、シフィエエボチン、そしてワルシャワです。フランスのナンシーにも投下します」


 そこで、カイテルが疑問を述べた。


 「なぜ、目前の敵には投下しないのですか」


 「爆弾の威力が強すぎるのです。ベルリン近くで爆発させると私達にも危険が及びます。


 また、30キロ圏内には放射性物質が落下する恐れがあります。それらは大変に人体に有害であり、残念ながら目前の敵は陸上兵力によって除去しなくてはなりません…それでは説明を続けます。後方の敵の根拠地を爆撃し、敵の補給路と予備兵力を無力化します。そして、フランスに原爆を投下し、米軍には、進撃をやめなければ次の爆弾を落とすと脅すのです。


 それに成功すれば、全兵力をソ連へ差し向けます。米軍がもしそこで進撃を止めず、ソ連の勢いもまた止められないのならば、残念ですが、ドイツ国内で核兵器を使用します。おそらく投下した場所の周囲の民間人には多大な犠牲が生じるでしょうが、やむをえません。これがSSの作戦計画です」


 カイテルがそこで、「わが陸軍としてはこれ以上方策もありません。SSの作戦を全面的に支持します」


 ヒトラーもこれに賛成し、ほかの高官たちも軒並み賛成した。直ちにSSの作戦がとられることになった。


 これを受けて、ポツダム郊外の飛行場に待機していた新編成のSS核兵器大隊所属の爆撃機――これには、鹵獲したアメリカのB17爆撃機が使われた――が、投下予定地へ飛び去って行った。


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