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大見得を切るなら今

 本当に、馬鹿みたいな状況だ。

 魔力ゼロで無能な俺が『最大戦力』として協力を依頼されるなど、あっていいはずがない。冗談であればどれだけ嬉しかっただろうか。

 俺じゃ、何もできるはずがない……


「断ったら、どうなるんですか?」

「今回の場合は特殊な事情だから、断っても問題はない。しかし、解決の糸口を掴むのは難しくなるだろう……」


 ……俺は、マホロの前でだけは良い格好をしていたかった。


 そして、新たに、リージアの師匠でも在りたかった。


 馬鹿かもしれないが、ここで事情を知っているのに退いてしまったら、ずっと後悔し続けるような気がした。魔力ゼロでも、人の心までは失いたくない。


 それに、マホロは、小さいときに俺が言った言葉をずっと信じていた。

 ――「マホロのことは俺が守ってやる!」

 マホロは、本当に俺が助けに来てくれると信じているに違いない。


 だから、俺は一世一代の見栄を張ることに決めた。


「分かりました。俺がその件を調査します」 


 俺が調査に出たところで、問題を解決するというのは難しいだろう。

 しかし、他にやる人が居ないというのなら、居ないよりはマシだ。

 俺にできることは少ないが、できるだけのことはやるという覚悟でいた。


 それに、何より、マホロとリージアの身が心配だ。人質とは言え、無事であるという保証は今のところない。


「ありがとう。……奴らは、要求品の受け渡し日時として、明後日の昼を指定してきた。サミットと重なるように調整してきたのだろう。この件は、人質を取られたままでも、要求に応じても、どちらに転んでも損失となる。残された時間は残り少ないが、なんとか天理外道教団(アウトファクト)の尻尾を掴み、解決の糸口を探って欲しい」

「分かりました」


 話を終えた俺は職員室から出ていく。意識して教師を見てみると、確かにみんな慌ただしくしている。明日の準備で忙しいのだろう。

 仕方がないと思う反面、サミットなんかより二人を救出するほうが大事だろと、憤ってもいた。ただ、これは俺の勝手な怒りに過ぎないのだろう。

 いつだって、世界というのは大きな流れの中を動いている。一人でそれに抗うのは普通は不可能だ。特に、俺のような無能ではな。


 実質的に僅か1日程度しかない時間の中で、俺にできることはなんだろうか。

 色々と思考を巡らせては現実的ではないと切り捨てながら、自室まで歩く。

 魔力がゼロでも考えることはできる。俺が絶対に二人を救わなくてはならない。


 そんなときだった。不意に後ろから声をかけられた。


「お困りですかー?」

作者である自分は、今まで数々の世界を救ってきた勇者です。

当然、【評価ptの数だけ戦闘力が上がる】チート能力を保持しています。

というわけで、広告の下にある☆☆☆☆☆より評価をしておいてください。

約束ですよ。

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