決意新たに新たなる挑戦!
3人に改めて気合いが入りました。
さあ、試合に向けて練習あるのみ!
徳井・喜多・手塚はジムに来た。
自分達が今やるべき事がはっきりと分かり、何をしていくか、はっきりと見えている。
3人はロードワークに出て行った。
ダッシュを繰り返し、丘の上をジグザグに走り、丘に降りると、四つん這いで背中を地面に向け、その体制でのダッシュを何度も行う。
ロードワークから帰って来ると、かなりの汗の量が出ていた。
ジムに戻るとすぐに着替え、スパーリングを行う。
徳井と喜多が2ラウンド行う。
1ラウンド…………
喜多は前に出る。徳井は距離を取り、左ジャブを放つ。
喜多の頭が弾ける。喜多はすぐに立て直すが、徳井はスピードを上げ、更に左ジャブを何発も放って行く。
喜多はしっかりガードし、少しずつ間合いを詰めると徳井の懐に飛び込むが、徳井はそれに右のショートアッパーを被せ、左フックを当て華麗に距離を取った。
喜多は頭の振りを早くし、ギアを1つ上げる。徳井の左ジャブをかわし、前に出て行く。徳井のジャブを掻い潜り、左ボディをヒットさせるが、徳井は細かい連打を喜多に浴びせ距離を離していく。再び距離が出来ると徳井のスピードが更に上がる。喜多も必死に付いていくが、なかなか追い付けない。
喜多が前に出るタイミングで、徳井は右ストレートを綺麗に決めた所で1ラウンド終了である。
2ラウンド…………
喜多は一転し、足を使い左に回る。徳井は変わらない。
お互いが切れのある左ジャブを放ち、左ジャブの差し合いになる。
しかし、徳井の方が一枚上手である。喜多の左ジャブをかわしながら、自身の左ジャブを綺麗に当てていく。
喜多は徳井の左ジャブを前に出て、額で受け強引に弾く。喜多はそのまま一気に間合いを詰める。
徳井は細かいパンチを連打するが、喜多はしっかりガードし前に出る。徳井の懐に入った喜多は、左アッパーを放つ。徳井は間一髪で避けるが、喜多の返しの右フックを貰う。
徳井はすぐに連打を返し距離を取るが、喜多は付いて来る。徳井から離れない。
徳井は足を止め、喜多と打ち合う。お互いにいいパンチが入り、お互いの頭が弾ける。徳井が返しの右ストレートを放つと喜多がガードする。その刹那、徳井は左をスリークォーターから喜多の顔面に放つ。
そう、スマッシュである。
喜多は反応が遅れ、綺麗に貰った所でラウンドが終了する。
続いて徳井と手塚になる。
1ラウンド…………
手塚は頭を振り、左ジャブから前に出て来る。徳井は左ジャブから左に回る。手塚は頭を振りながらリズムを作っていたが、徳井はいきなり右ストレートを放つ。手塚はモロに貰い、2・3歩後退する。
徳井は前に出て、左ジャブを何発も放り込み左に回って行く。徳井のジャブが独特の軌道を描いている。
徳井はフリッカーを使っている。
厳しい練習をし、池本を純粋に目指し、いつでもピンチから練習をしている男は、いつの間にかフリッカーを使っていた。最も、徳井は気付いてないかも知れない。
その独特な軌道の為、手塚はなかなか中に入れない。
しかし、躊躇すれば外から蜂の巣にされ、強引に入るとショートアッパーを入れられる。ここに来て、徳井が1つレベルを上げた。
手塚がガードを上げ、徳井のジャブをブロックしながら距離を縮めると体制を低くし、アッパーのガードをしながら徳井の懐に入ろうとした時、徳井の右が上から打ち下ろされた。
チョッピングライト(打ち下ろしの右)である。
手塚はモロに喰らい、動きが一瞬止まると徳井はすぐに細かいパンチを連打し、距離を取る。
そのタイミングでラウンドが終了する。
2ラウンド…………
徳井が外から左フリッカーを打っていく。手塚は頭を振るが、その振り方がスムーズになっていく。手塚は徳井のフリッカーを避け、前に出るタイミングで左を返す。徳井が打ち返すとガードを上げたまま前に進み、更に右ボディを返す。
以前手塚が試合で見せた、攻防一体のスタイルである。
徳井はチョッピングライトを放つが手塚はそれをもかわし、左ボディを打ち込む。
徳井はすぐに左アッパーをガードの上から叩きつけ距離を取る。距離を取ると徳井のスピードが1段階上がる。見事というしかない様なフットワークからフリッカーを放つ。スピードが上がった為、フリッカーのキレも増す。
手塚はそれでも頭を振って前に出る。徳井の何発かのフリッカーを手塚はかわし、チョッピングライトに備えガードを上げて前に出た瞬間、徳井の右アッパーが手塚を捉える。
手塚はまたも一瞬動きが止まるが、徳井は更に左フックを手塚に被せる。
手塚は何とかガードをするが、徳井はガードの上からお構い無しに打ち込み、手塚をコーナーまで追い込む。手塚はコーナーを背負い、頭を振り反撃に出るが、徳井はこのタイミングでフリッカーを打ち距離を取る。手塚はフリッカーを被弾し、自分のパンチは空を切る。
手塚がガードを固めると徳井は距離を詰め、ガードの上からでもパンチを叩き込み、再び手塚をコーナーに追い込む。
手塚が無理やり体を徳井にぶつけた所でラウンド終了となった。
徳井の成長が見られるスパーリングになった。
徳井が変わって来ました。
徳井の強さが際立ちます。
何かが変わって来ました。