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石谷大激怒、新たなる出発!

徳井・喜多・手塚の3人・・・

いったいどんな戦いをし、どうなって行くのか・・・

強くなって来たんだから、しっかり練習を・・・

3月3日、徳井・喜多・手塚の3人はジムに練習に行く。

いつもより少し遅くジムに入った。

『お願いします……』

「何だ、元気ねぇな!」

「いや、池本さん……」

「俺達に何にも言わずに……」

「連れないっていうか……」

「……池本には池本の考えがあるんだ、しっかり練習しないとな!」

『そうなんですけど……』

3人はいまいち覇気が無い。

石谷トレーナーは少し様子を見ていたが、遂に我慢が限界にやって来た。

「この馬鹿野朗!お前等、何被害者面してんだ!」

『!?』

「池本に挨拶されなかっただ?ああ?…挨拶されただろ!スパーリングして貰っただろ!大体な、池本が壊れたのだってお前等がもっとしっかり練習して強かったら、見本になる必要が無かった。ホプキンスと戦わなくても良かったんじゃねぇか?あまつさえ、ホプキンスと戦った翌日にスパーリングして貰って、まだ文句があるのか!恩返しの為にも、強くなるんじゃねぇのか!……池本は居なくなったんじゃねぇ、怪我と戦って勝って帰って来る為に出て行ったんだ!お前等がそんなだから、池本が安心出来ねぇんだろ!」

『……………………………………』

「分かったなら返事しろ!分かったなら、さっさと練習に移れ!」

『はい!』

3人は着替え、ロードワークに出て行った。


3人のジムワークはかなり激しかった。

シャドーボクシングの後、徳井からミット打ちに入る。受け手は石谷トレーナーである。

石谷トレーナーの激が飛ぶ。

「何やってんだ!」

「強く打て強く!」

「ガス欠か、情けねぇ!」

「しっかり打ち込め!」

徳井はミットめがけ、必死に打っていく。

8ラウンドやった後、

「サンドバッグ打って来い、情けねぇ!」

さらに一喝された。

続いて喜多、相手は篠原トレーナーである。

「ほら、甘いよ!」

「何やってんの!」

「腰が入って無いよ!」

こちらも激が飛ぶ。

喜多も8ラウンドやり、サンドバッグに移る。

手塚は、西田トレーナーが持つ。

「何だ、こんなもんか?」

「遅い遅い遅い!」

「スピードだスピード、回転上げろ!」

手塚も8ラウンド行い、3人は改めて池本の凄さを知った。

池本は全く文句も言わずミットは12ラウンド、サンドバッグを叩き、更にシャドーボクシング…………

これが当たり前であり、試合が近付くと更に厳しい練習になる。それでも黙々と続けていた。

3人は自分達の甘さを痛感していた。


練習が終わり、3人は石谷トレーナーから声を掛けられた。

「お前等、池本の気持ちくらい分かれよ……」

「でも、俺達は池本さんが居たから……」

「池本さんが目標で……」

「あの人に認めて欲しくて……」

「だったら尚更分かってやれよ……池本はお前達が居るから安心して出て行ったんだ……自分が怪我を治し、帰って来るまでお前達がこのジムを引っ張って行ってくれる…………池本はお前達に託したんだ……次のボクシングを、このジムの筆頭を……池本は満足そうな顔してただろ?スパーリングの後……あいつなりに手応えが有ったんだよ……大切な事はいつも言わねぇのに……先の先まで見てやがる……大体な、お前等よりも俺と会長の方が寂しいんだ……あの馬鹿、いつもどんな練習もこなして……毎日強くなっていきやがって……いつも楽しみだったんだ……」

「チーフ……」

「石谷トレーナー……」

「トレーナー……」

「しみったれた事は言う気はねぇ、お前等が活躍すれば池本の耳にも入る……お前達がしっかり結果を残せば、必ずあいつは戻って来る……あいつに強くなった姿……チャンピオンになった姿を見せるんだ……分かってるか?」

『はい!』

3人は頭を下げ、ジムを後にした。


会長と石谷トレーナーが篠原トレーナーと西田トレーナーを呼んで、話をしている。

「池、良くなって帰ってくるといいな?」

「池本、きっと帰って来ますよね!」

「池本君の帰る所は、ここしか無いからね!」

「俺、居て大丈夫ですか?」

「ははは、お前が居て1番喜んでるのは池本だ!」

「西田君、心配し過ぎだよ!」

「西田、池からの伝言だ……ここで修行して自分のジムを持て……だそうだ!」

「あの言葉、本気だったのかよ……」

「西田君、なかなか楽しそうだね!」

「その時は、きっと篠原さんが手伝ってくれるさ!」

「!?……石谷さん、池本君くらい適当な発言ですよ!」

「しょうがない、石谷は池と一緒にいる時間が多かったんだ……ボクシング以外は適当なのまで似てきたからな……どっちが似てきたのやら……」

池本が居なくなったが、ジムは新しく再出発する。

止まっている事は許されない。

池本が蒔いた種が育っている。

それをしっかり育て、大輪の花を咲かせる。

ジムの誰もが分かっている。

特に会長・石谷チーフトレーナーは息子が残したものも同然の様に捉えている。

2人は改めて、徳井・喜多・手塚をチャンピオンに育てる事を誓う。

いつか、池本が帰って来た時に、安心してジムに来られる様に、怪我との戦いに専念出来る様に、改めてしっかりジム生を育てる事を決意した。

気持ちを新たに再出発!

池本が帰って来るまでにやる事は多いが、みんな頑張れ!

目指せ世界チャンピオン!

3人の熱い物語が今、始まりました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 待ってました! 池本さんが治療に専念する間に、徳井さんたち そしてジムのみんなが強くなっていくことが 一番の池本さんへの恩返しですね!
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