旅路
スーサイドシティで鍛えた哀川とヤマナカは再び旅路へと戻り、魔王討伐へ向かうのだった
スーサイドシティを出て100キロと少し、道中で敵と出くわすことが度々あったがどんな敵も訓練のヤマナカの援護のお陰で倒すことが出来た
そして…
-「いよいよ魔王軍の陣地かぁ、心していこう」
「せやな!」
そうやって話しているといきなり魔王軍でも上位に居ると思われる防具を装備した4メートルは獅子のような魔獣が出てきた
「貴様らは魔王様の元へは行かせん、ここで捕虜になってもらうぞ!」
俺はすぐに双剣を構えて突っ込んでいく
カン!キィン!と強靭で硬い魔獣の爪と剣のぶつかり合う音がそこらじゅうに響き渡る
(攻撃を1発でもくらったらきっと死んでしまうな、用心しなければ)
「哀川!補助魔法かけてあげる!」
そう言うとヤマナカは呪文を唱え始め、詠唱が終わると体の速度と腕力が増強されたのがすぐに分かった
「いけるッ!」
勝負は一瞬だった、クルクルと舞い踊るような双剣は魔獣の腕をサクサクと切り落としてその後放たれた矢は的確に目を潰し、双剣はやがて首までもその地へ落とした
「やったやん!」
「助かった、お陰で勝てたよ」
-その日は祝勝会をやってからテントで二人で眠った
-魔王の城まで後100キロと少し-
-その後度々上位であると思われる魔獣と遭遇したが、その度にコンビネーションを発揮し倒して行った
気がつくと魔王城まで数キロの所へ来ており、魔王城はすぐそこまで見えてきていた
俺はヤマナカと2人で顔を見合わせ頷き合うと、魔王城へと進んでいった
-魔王城1階-
「まさか門番もいないとはなぁ」
「ほんとやね、めっちゃビックリしたわ」
-「よう、そこのお二人さん
敵地のど真ん中で楽しく談笑とは舐められたもんだな
魔王軍四天王、キングジョージ貴様らの首を打ち取る!」
角が生えた人型の魔獣が赤い槍を持って青い防具を着て壁にもたれかかっていた
「なるほど、やはり敵地に飛び込んでくるようなバカは捕虜にすらしないと
かかってこい、貴様を切り伏せてみせよう」
そこからは激しい剣と槍のぶつかりあいが始まった、少しでも隙を見せた方が死ぬ
そんな戦いだ
つばぜり合いが始まっては終わりまた始まる、そんなキリのない戦いが続いた
そんな時、ヤマナカが何かを唱えた
すると急にキングジョージの様子がおかしくなり、頭以外が爆散した
「なっ!?」
驚いている暇もなく、ヤマナカが横をすり抜けキングジョージの頭を掴むと握りつぶした
そこら中に肉片が飛び散る
「な、何してるんだヤマナカ…?
一体何をしたんだ!?」
ヤマナカはただただ死んだ目をしてこちらに笑顔を向けるのみだ
その時''奴''は突然現れた
「見たでしょう、それがその女…いや、バグに感染した主人公データの皮を被った何かよ」
バグ?主人公データ?何を言ってるんだ?
「そう、記憶を失ってしまっているのね
私が戻してあげるわ
AI権限を持って命ずる!」
突如脳に沢山の情報や石像になってしまう前のバグに感染していた時の記憶がなだれ込んでくる
「これで思い出したかしら」
俺は驚きながら問い掛ける
「どうしてここにいるんだ…アイッ」
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