スーサイドシティ2
ヤマナカと共に夜を明かした哀川
魔王討伐への道のりはまだまだ続く
-朝だ、相手と背中合わせに寝たとはいえドキドキしてあまり眠れなかった
とりあえずヤマナカを起こし、二人で今日は何をするのか話し合う
「今日何する?」
ヤマナカが問いかけてくる
「とりあえず朝飯かな、その後は適当に街をうろついて魔王の情報を集めたりクエストでも受けて旅の資金を集めよう」
「りょ〜かいっ!」
ヤマナカが大袈裟に敬礼をして返事してくる、やはりさながら小学生のようだ
-ということで朝飯を食うために歩き出したがどこにしようか決めあぐねていた
「ヤマナカ、お前は何食べたい?」
「うーん、そうやな…
あっ、田島養鶏場って昨日あったやん、採れたての卵を使った料理が食べられる食堂が併設されてるらしいで
行ってみぃへん?」
特に案も無かったので田島養鶏場に行ってみることにした
田島養鶏場という看板に従って少し歩いていくと少しボロい食堂と養鶏場らしき建物が見えたので近づいて看板を見てみる
『田島養鶏場!新鮮卵販売中!』
食堂の方へと入っていき食券を買い従業員へと渡す
俺は卵かけご飯で、ヤマナカはオムライスだ
「いらっしゃい」
どこかで会ったことがあるような無愛想で少し高い鈴の鳴るような声のする従業員に挨拶されると、少し頭が痛んだが堪えて料理を受け取り席につく
「「いただきまーす!」」
俺は卵かけご飯に醤油をかけてどんどん口の中へ放り込んでいく、美味くてたまらなかった濃厚でありながらしつこさがなくてしっかりとした味が卵自体についており箸が止まらない、ヤマナカも隣でオムライスにすごいスピードでがっついている
「美味しいなぁ」
「本当にそうだ」
-食事を終えた俺達は街へ向かい聞き込みを開始した
約3時間聞き込みをした結果魔王についてまとめるとこんな感じだ
・魔王は女性である
・魔王は人間を殺さずに捕虜にしている
・魔王の軍団には魔獣が沢山所属しているが、野生の魔獣と違いその全てが理性を持っており人間を捕虜として捕まえる命令に絶対服従している
・魔王の城はバリアが貼られており、選ばれた人間と魔獣のみ中へ入ることができる
・魔王軍幹部は魔王への挑戦者の力を調べるために城の至る所で挑戦者を待ち構えている
正直魔王の強さや魔王軍の強さが聞き込みでは分からなかった、なのでここで十分に訓練場やクエストで体を鍛えてから挑む事にした
ちなみに今更だがヤマナカも魔王を倒しに行きたいようなので連れていくことにした
-クエスト看板の前に行く
「なになに…『羊を柵にいれてくれ』、『魔王軍幹部討伐』、『洞窟のドラゴンを倒せ』」
「ドラゴンに行こうや、哀川が居ればなんとかなるやろ
それに、ウチもそれなりに強いんやで?
そりゃドラゴンを倒せるくらいにはな」
朝食の時同様にヤマナカの意見を汲んでドラゴン討伐に行くことにした
-ドラゴンの祠入口、やけに大きな洞穴だ
ここにドラゴンが居るのだと思うと少し恐怖を感じるがそれ以上にワクワク感が勝った
-どんどん中へ進んでいく
すると二手に分かれる道があった
俺はまた話し合い、1人ずつ進んで偵察だけして帰ってくるという作戦で行くことにした
-またどんどん奥へと進んでいく
が、俺の道は行き止まりだった
直ぐにヤマナカのことが心配になりもう1つのルートの先へと追いかける
-そこへ行くと、
ド ラ ゴ ン が 死 ん で お り、生 首 だ け になった前に にヤマナカが血まみれになって無表情で立っていた
「大丈夫か!ヤマナカ!?」
「ウチはへーき、それより早く報酬貰いに帰ろう
な?ウチ強いんやで?」
-俺はヤマナカと帰りすぐに風呂に入れた(本人にはすごく嫌がられたが傷の具合が知りたかったので無理やり頼んで入れてもらった)が、血は全て返り血でヤマナカは無傷だった
戦闘中の事は夢中だったため何も覚えていないらしい
少し恐怖を感じた
-次の朝、俺は一日訓練場に行くことにした
ヤマナカは他に用事があるらしく別行動した
訓練場に着き、受付のガタイのいい髭面で強面のおじさんに会費を払い訓練場へと入る
そこからは無心に双剣を訓練用のマネキンで切り倒し、弓で射抜き倒し続けた
その後は対人のスパーリングなどもやって訓練に勤しんだが、夕方になったので宿へと帰った
夕食時にヤマナカに何をしていたのか聞いたが答えてくれなかった
-今日は特にヤマナカが一緒に寝ようと来たりしなかったし、訓練で疲れていて眠かったのでよく寝た
そうやって月日はどんどん過ぎていく
そんなある日、明らかに筋力も更に付いたしクエストの報酬で資金もよく貯まったので街を出て魔王軍討伐への旅に出た
読んで頂きありがとうございます!
まだ続きますのでよろしくお願いします!