2ー46 ユリシカ迷宮第三層 その1
何で今年はこの時期に繁忙期になるねんorz
2019/6/24
ヴェロキラプトルをデイノニクスに変更しました。調べたらヴェロキラプトルって頭高が鶏くらいしかなかった……
「ソーマ! そっちに行ったぞ!」
「了解!」
ニードルボアが俺に向かって突進してくる。ニードルボアとは、分かりやすく言えば針鼠の猪版、と言ったところか。しかも従来の猪よりも大きい。だいたいワゴン車くらい。今は針を閉じているが、広げると更にデカく見える。尚、その脅威度はC、オーガより強い。てか一層と二層のボス並。
大型トラック並でなくて良かった。色々と。
そのニードルボアの突進を大きくサイドステップでかわす。当たれば痛いではすまないが、猪突猛進宜しく直進するしか脳が無い為、避けるのは容易い。赤い人曰く「当たらなければどうということはない」
デザートイーグルを構え、撃つ。響く銃声、そして、
カァン!
「うそぉん!」
弾かれた。
幸い弾は明後日の方向に跳んでいったが、俺含め、パーティのメンバーに当たったりしたらそれこそ目も当てられない大惨事である。
「あ、コイツ飛び道具弾くから」
「もっと早く言えぇい!」
アルザードのうっかり言うの忘れてました発言に半ばキレそうににる。
しかも今の攻撃でまたも俺に狙いを定め突進してくる。俺ってヘイト稼ぎすぎィ!
「こんちくしょおおおおおおお!」
俺の絶叫が周囲に木霊した。
☆★☆★☆★
今、俺達はユリシカ迷宮第三層に来ている。
ここを一言で言うと森林地帯だろう。某世界樹な3DRPGの第一層を彷彿とさせる。各層の中で最も広大で、出てくる魔物は動物または植物系。しかも第一層よりも強さの幅が広く、フォレストウルフのような弱い魔物からニードルボアのような脅威度C相当の魔物まで普通に出てくる。
ただ、他の層と違い、魔物を倒すとかなりの確率(ほぼ100%と言っても過言ではない)で素材をドロップするので、大抵の冒険者はここに屯する。
「えー、では、さっきの戦闘の反省会をしまーす」
エレナが反省会の音頭を執る。
何とかニードルボアを倒した俺達だが、色々、いや、一つ問題点があったため急遽反省会を開くことになったのだ。
因みにニードルボアはエレナの魔法で倒した。魔石以外にも肉と針猪の毛皮をドロップしたので戦果としては上々だ。
本来ならアルザードが執り仕切る筈なのだが、現在彼は頭と足先以外をロープでぐるぐる巻きにされ、木に逆さに吊るされている。その様はさながらミノムシのようだ。
「なあ、いくらなんでもこれは酷くね?」
「うっさいバカ、黙れバカ!」
アルザードが抗議するも激おこエレナの「バカ!」の連発発言によりあっさりと黙ってしまう。
流石にそのままだと頭に血が登る(逆さ吊りだから寧ろ頭に血が降りるか?)だろうからその内開放はするだろうけど。
因みに、オキュペテーには周囲を見張らせている。
「さっきのニードルボアの戦闘で何がいけなかったでしょうか? 意見がある人は挙手ー」
アルザード以外が一斉に手を挙げる。
「「「「「アルザードが対処方を言わなかった」」」」」
見事なまでに意見がハモる。ついでに言えば、
「銃の威力を知ってる癖に飛び道具を弾くという特性を言わないってのは駄目でしょ。運が悪かったら銚弾で誰かに当たって下手したら死んでたな」
銃がどのようなものなのか、ここにいる皆には伝えてある。そしてそれがどれ程の威力なのかも。
「いやだからすまんて」
「すまんで、すんだら、憲兵は、いらない」
「死人が出たらすまんではすまないですな」
「アルザードよ、流石にこれは擁護出来ん。すまないな」
シンシアにマシュー、おまけにドルトスにまで非難されるアルザード。流石に軽く流すような事では無かったのは自覚しているのだろう、アルザードは言葉に詰まり、押し黙ってしまった。
「自分がどれだけバカな失態したか分かった? バカアルザード」
「すんませんでした……」
それにしてもエレナ、やたらと「バカ」を強調して言うな。
アルザードって、案外エレナの尻に敷かれたりして。
「ところで、結構頑丈なロープ持ってるのね」
「本当、何でこんなの持ってるんだろうな、俺……」
――マスターが勤めていた会社の備品です。
……何も聞かなかった、いや、聞こえなかったことにしよう。
☆★☆★☆★
「御主人、マタ何カ近付イテキテルヨ」
反省会も終わり、探索を再開した俺達は何度も魔物と遭遇し、それを倒してきた。
フォレストウルフが多かったが。ストレージには森狼の尻尾がかなりの数が入っているが、それはさておき。
どうやらまた魔物が接近しているらしく、事実俺とナビーさんの気配察知にも引っ掛かっている。
「ん。今度は狼とは違うっぽい。もっと大きい。数は……4」
シンシアも気付いているようだ。しかも精度が俺より高い。その辺やはりシンシアに一日の長がある。
エレナとマシューを庇うように隊列を変え、皆武器を構える。
そしてやって来たのは全長3mはあろうか。鉤爪がやたら長い二足歩行のトカゲ――
「うわー、見たことあるわ、これ」
「え、あるの?」
シンシアの疑問に首肯する。
ゲームとか映画とか図鑑とかで見たことあるわ。
かつて地球上を我が物顔で闊歩し、そして巨大隕石の衝突で絶滅したとされる、子供も大好きなアレ――
つまりは恐竜だ。確かデイノニクスだったか。
不謹慎にもちょっと感動した。尤も、向こうは俺達を襲う気満々だろうが。
「一応聞くけど、飛び道具を弾いたりとかは?」
「それは無い。強さは……オーガくらいか」
アルザードが答える。なら問題無い。それに変な特殊能力も無い。オーガ並ということは脅威度はD相当か。ただ噛み付きにだけは注意しろ、と忠告を受けたが、それは見れば分かる。尻尾も危ないかもだが。
「それじゃいつも通りいくわよ!」
エレナの指示に皆「応!」と答える。アルザードが「おい、それはオレの役目!」と言っていたが他の皆はさらりと無視。
まあ、仕方ないよね。
兎も角、俺達はデイノニクス相手に戦闘を開始した。
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