2ー22 ラスフォルト流
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正直な話、かなり危なかった。
居合い斬りなんぞ、今の今までしたことが無く、ぶっつけ本番だった。何度も動画で観て、る○剣読んでたから出来たんだが。案外視覚的なものだけでも充分活かせるものだね。
九○龍閃? 無理。いやいつかはモノにしたいんだけどね。それでもオリジナルとは違うモノになるんじゃないかな。初手で唐竹とか多分出来ない。
「ソーマ、ラスフォルト流とかいつ覚えた?」
「ラスフォルト流? 何ですかそれ」
アルザードの質問を質問で返す。いや、マジで何それ。
「は? ソーマ知らんのか? ラスフォルト流は剣聖ヨシュア・ラスフォルトが編み出した剣術流派のことなんだが……ん? じゃあ何でラスフォルト流を知らないお前が使えるんだ?」
「知らんがな、と言いたい所だが、そのラスフォルト流の事を詳しく聞きたいんだけど」
アルザードが言うには剣聖ヨシュア・ラスフォルトが勇者から聞いた剣術から自力で学びとり、研鑽を重ね、その結果、ラスフォルト流を編み出したとか。
成る程、つまりは勇者が伝えたということか。けど聞いただけでここまで同じ様な構えになるかね。その剣聖様はとんでもない天才ではなかろうか。
「その剣聖だが王都に居を構えている。しかも齢70を越えてるのに現役バリバリの冒険者だ。しかもS級」
「マジかよ……」
正に生きる伝説である。しかも勇者と面識がある。一度会ってみたいものだが……王都と言うのがネックだな。
「あれ? 待って下さいよ。じゃあ何でソーマさんがラスフォルト流を使えるんですか?」
ポーリーが至極尤もな質問をしてくる。アルザードは「いやまさかな……」とぶつぶつ呟いている。
「多分だが、勇者と同郷だ」
「ああ、成る程……………………て、えええええええ!」
ポーリーが盛大に驚く。周囲の冒険者も「はあ!?」とか言って驚きの表情を隠せないでいる。
「あれ? 言ってなかったっけ?」
「言ってませんし聞いてませんよ!?」
あー、確かに言ってねーわ。
「けどこれでソーマ……ソーマ君が強い理由が分かったよ。勇者と同郷、ということはソーマ君は勇者、或いはそれに近しい者なんだね」
ジェイクがそんなことを言ってるが、そりゃ勘違いも甚だしい。
「言っとくけど、ここに来たばかりの頃はジェイクよりもずっと弱かったよ」
確かに俺には技能習得率成長率上昇(極大)なんてふざけた祝福を持っているが、それでも何かを身に付けようとしなかったら意味がない。正に宝の持ち腐れというやつだ。けどこの世界で生きていく為に、どうしても色々学ばなければいけないし、強くなる必要もあった。だからこそ祝福のチートと相まって強くなれたのだ。
それにしても少しジェイクとの距離感が縮まったような。まさか『好敵手』と書いて『とも』と呼ぶとか、そんなノリなのか?
☆★☆★☆★
「二人とも、良い勝負だったのである。ソーマ君は素晴らしい動きであった。我輩感服ものであるぞ。ジェイク君は残念ではあったが、これからも訓練に励めばいつかは報われるのである。気落ち等することは無いのであるぞ。さて、折角なのでアルザード君が持ってきた迷宮の情報を開示するのであるが……良いであるかな?」
サブマスターの言葉にアルザードが首肯する。情報、というと第二層のボスのことだろうか。
「先日、アルザード率いる暁が第二層ボス部屋にて新種の魔物と遭遇、これを撃退したのである。その特徴であるが――」
やはりそうだったか。簡単に纏めると、
・アンデッドである。
・名称はポルターガイストとする。
・姿を視認することが出来ない。
・周りにあるものを飛ばして攻撃する。
とまあ、こんな感じか。迷宮の、しかも滅多に立ち寄らない第二層ではあるが、それでもこのような新種の魔物が確認された(今回のは姿を視認出来なかったけど)場合は逐一報告することになっている。そうすることで冒険者の死亡率が下がることになる。
まあ、新種の魔物の情報なんぞ独り占めにしても意味がないのもあるが。
「周りの物、ねえ。フォークとかナイフとか確かに注意が必要だろうけどさ、そんなの別に大したことないだろ?」
冒険者の一人が呟く。
「天井のシャンデリアでもか?」
だが俺の発言で押し黙ってしまう。実際あの時はナイフとフォークの他にも、皿にテーブル、壁に立て掛けてあった額縁に収まった絵画、壺、挙げ句彫像までもが宙に浮いていた。極めつけは天井のシャンデリアである。おまけに姿が見えない。恐らくだが物理的な攻撃も効かない。ひょっとすると効果があるのは神聖魔法のターンアンデッドかサンクチュアリ位かもしれない。
と、その事を俺が付け加えると、流石に危機感を抱いてきたようだ。
で、この事を鑑みるに、ポルターガイスト(結局俺の言った名称がそのまま採用されたんだな)の脅威度はCとなった。これは対処法があるからで、もしこれが無かったら測定不能になっていたらしい。
因みに測定不能は脅威の判断を計りかねる場合につけられ、その強さは千差万別。王を冠する魔物等につけられることが多い。例えば魔王とか。
「兎も角、詳しいことはギルドの掲示板に貼っておくのである」
というサブマスターの言葉で締め括ることになった。
「それはそうと、わたしとソーマさん、これで公認ですね」
「これで堂々といちゃつける」
ポーリーとシンシアがとてもいい笑顔で言った。
えーと、二人とも、そーゆーのは今ここで言わない方がいいと思うんだよね。
「そうだったー!」
「ちくせう、ちくせう!」
「せめて一発殴らせろー!」
「ボクのポーリーたんが寝取られ……ハアハア」
ほらみろ! 一瞬にして殺気だったじゃないか! と言うか何かサレ属性がいたぞ。
その日、その場に居たポーリーファン全員と相対する羽目になったのは言うまでもない。
――モテる男はツラいですね、マスター。
ちくせう、他人事だと思って!
なんだこれ(; ̄Д ̄)?




